まずは落ち着いて下さい
前回の冒頭の〖五色火〗の説明の最後の部分を追筆させて頂きました。ご迷惑をおかけします。
加筆した部分を前書きに書かせて頂きます。
すみません。
そして、憶測になってしまう話だが、神代時代、イグニッション王家が黒色火ガリア帝国に亡ぼされる前に、黒色火こくしょくかをスヴァローグの子孫の体内に代々、保有できる様に魔法契約で契約したのだと思われる。
〖七聖―女神―聖書〗の―女神―フレイヤ編の一文にこの様な記載がある。
『〖五色火〗の灯ともしびの欠片を揃えた者。何いずれ厄災放たれ、危うき時、この地に奇跡の炎乱と水廊を呼び起こさん』と‥‥‥‥‥。
〖フノスエル・王の間〗
「良しっ!行くメンバーも決まったしっ!このまま転移魔法で〖アダマス〗国に飛んで‥‥‥‥」
「ま、待って下さいっ!神成 刹那っ!いえっ!ちょっと落ち着いて下さいっ!説明を‥‥‥‥この場に居る人達がちゃんと分かる様に説明をしなさいっ!」
ポコッ!
ビリビリ‥‥‥「痛っ!‥‥‥‥(何だ?此方の世界で俺が痺れた?〖雷帝の加護〗が〖付与〗されている俺が?)」
「ホーホー、(地球人の何かしらの力だね。ヌシ様)」
「‥‥‥‥セクウィ」
バサバサ!!
「ホーホー、(ヌシ様に言われた通り。この中にあったあれ(・・)は無事の一部は貰って来たよ‥‥‥‥後は北の二国だけだね)」
セクウィは念話でそう告げると俺の右肩に飛び乗って来た。
「か、神成 刹那。私の質問を無視しないでちゃんと答えて下さいっ!また‥‥‥‥軽くチョップしちゃいますよ」
可憐ちゃんはそう言うと右手の可愛らしく振り上げた。俺はその姿を見て、彼女が怒っている事にやっと気づいたのだった。
「可憐ちゃん‥‥‥‥(あぁ、そうか‥‥‥‥俺、一人だけが真実に辿り着こうとしても駄目だったんだ。ちゃんと今、行動を共にしている仲間達に納得がいく、ちゃんとした説明をしなくちゃいけなかったんだ‥‥‥‥)」
「‥‥‥‥さっきから黙って私の方を見ていますが、やはり.もう一度神成 刹那の脳天に軽めのチョップを‥‥‥‥」
そう言いながら、可憐ちゃんが右手を振り下ろそうとした瞬間。俺は可憐ちゃんの可憐な右手を掴んだ。
「へぁ?な、何するんですか?」
「そうだな。ちゃんとした説明をしないとな‥‥‥‥流石、可憐ちゃんだ。色々と俺の欠点が見えてるよな‥‥‥‥愛しているぜぇ‥‥‥可憐ちゃん。来年の生徒会。一緒に過ごすのが楽しみだな」
「へ?あ、愛している?!い、一緒に?‥‥‥‥」
「冗談だよ‥‥‥‥良し、そうだな。先ずは俺が気づいた事について皆に説明しようか‥‥‥‥」
「神成 刹那は私を愛している?‥‥‥‥‥一緒に‥‥‥‥ブツブツ‥‥‥」
「おーい、可憐ちゃん。大丈夫か?おーい!」
今度は可憐ちゃんが黙ってしまった。どうしたのだろうか?まぁ、今は良いか。また二人っきりにでもなったら、可憐ちゃんを怒らせてしまった事を謝ろう。
彼女のお陰で冷静にもなれたし、俺が気づいた現在のフレイヤ地方で行われ様としている〖贄〗‥‥‥‥いや、大虐殺についてここに居る皆に説明するか‥‥‥‥正直、フレイヤ地方に住む人達がこの話を信じるとは思わないけど。
「これはさっき気づいたフレイヤ地方で行われ様としている事なんだけど‥‥‥‥」
◇◇◇◇◇
「‥‥‥‥大規模な〖生贄〗による高次元の者を喚ぶ為の大魔法ですか?何とも理解し難い話ですね‥‥‥‥いや、これでアダマス王が‥‥‥オリハが可笑しくなったと言われ始めた事にも納得がいく‥‥‥」
フノス王が俺の説明を聞いて思案し始める。
「そんな話‥‥‥聴いた事も無いわ。でも、ここ数日で〖オッタル〗と〖アリババ〗で立て続けに事件は起きているわね。貴方様」
「その通りだ。モルジア王女。〖オッタル〗はスヴァローグが行った襲撃で少ないとはいえ。剣の里の剣士達の魔力残滓が撒かれ。〖アリババ〗はいつでも生贄にできる魔神と魔獣達が居た」
「偶然とは思えませんね‥‥‥‥そして、北では二国同士での戦争が起ころうとしている。そして、この〖フノス〗から〖アダマス〗による宣戦布告とは‥‥‥何だか誰かが裏で動いている様にみえます」
ダリウスさんがそう告げるとフレイヤ地方の北の方を見た。
「えぇ、ですので先ずは〖アダマス〗国に急いで行く必要があるんです。〖フノス〗と〖アダマス〗を戦争状態にしようと裏で企んでいるスミスと言う養子の王子を止める為にも」
「数週間前、ガリア帝国の禁則地。『赤霧の隠し谷』は高純度の魔力を持つ流刑者が大量に放たれたと密偵から連絡がありましたね‥‥‥‥五つの災いが機転となり、大量の供物が差し出された時、〖セムシ〗は地上を自由に歩く身体を得る‥‥‥‥」
「〖セムシ〗ですか?それって〖七聖―女神―聖書〗の―女神―フレイヤ編の一文ですよね?フノス王」
「えぇ、フレイヤ地方の古い言い伝えですね。これが本当の事なら‥‥‥‥ナルカミさんが話してくれた内容とも合致しますね‥‥‥‥‥ミルマ君。至急、フノス国の動向を探ってくれるかい?不穏な動きをする者がいれば直ぐに捕まえ取り調べをしてくれたまえ」
「はっ!エル様‥‥‥至急、動きまする」
俺達をここまで連れてきてくれたミルマさんはそう告げると玉座の間から出ていった。
「ナルカミさん。私はガリア帝国とレッドローズに停戦を呼び掛けます。そして、アダマスには和平の使者を送り少しでも時間を稼ぎます。戦争の回避をせねば‥‥‥‥このままではフレイヤ地方に住む全ての民が死ぬ事になりかねないのでね」
「分かりました。ではその間に俺達は〖アダマス〗国に転移して、元凶と思われるスミス王子を探します」
「はい‥‥‥ご迷惑を御掛けします。ナルカミさん」
「いえ、とんでもありませんよ。フノス王」
良い人だな。フノス王は‥‥‥‥正直、このたタイミングでこのフノスエルを離れるのは嫌な予感しかしない。ダリウスさんが残ってくれる算段ではあるが万が一という事もある‥‥‥‥
だが、現在、喚べる仲間もいない。数日前まで戦争状態だった〖テレシア〗。情勢不安定な列島大陸。
「いや、居るな‥‥‥信頼できる人が‥‥‥多分、あの子の近くに居るのなら、その〖縁〗を糧に連鎖できるか?」
「ウィー、神成、真剣な顔してる」
「セツの奴‥‥‥‥何か喚ぶ気だな。魔力を練っているな」
「‥‥‥‥我が契約者は数多にいれど。かの地での出会い、契約し、思い出を紡ぎしは貴殿達のみである‥‥‥‥我が切実なる願いを聴いて欲しい。我が窮地を救って欲しい。この願い叶うならば一時の再開を願う!!召喚魔法・〖契約顕現〗」
◇◇◇◇◇
ユグドラシル地方・〖幻獣の楽園〗
「‥‥‥‥ウゥゥ‥‥‥ここから逃げたいギャラ先生!」
「泣くんじゃない。サーシャ。最近は給料も良いし、休みだって増えてきてるじゃないか。それに帰るのは私の方が早く解放されて‥‥‥」
「‥‥‥‥逃がさない」
「その手を離しなさい‥‥‥」
ブオンッ!
「‥‥‥‥ブオンッ?」
「ブオンッ?」
シュンッ!シュンッ!
◇◇◇◇◇
シュンッ!シュンッ!
「おぉ、上手くいった‥‥‥何でもやってみるもんだな」
「‥‥‥‥ここは何処?‥‥‥それよりも目の前に兄弟子?」
〖魔女候補・サーシャ〗
「転移魔法?‥‥‥‥まさかこれはっ!」
〖妖精国円卓の騎士・ギャラハット〗
「やぁ、久しぶり二人共‥‥‥‥労働の時間が始まるよ」
援軍は突然に‥‥‥‥