〖剣魔〗と〖赤い宝石〗
剣の里〖オッタル〗
〖ソドの大屋敷・剣魔の修練通路〗
「イタタ‥‥‥たくっ!おもいっきり脳天にチョップ喰らわてくれて。案外過激だよな。可憐ちゃんは」
「何を言ってるんですかぁ!あ、あんな可愛らしお、女の子にあんな‥‥‥ハ、ハレンチな事をしていて‥‥‥あんな道具やあんな在られもない格好にさせてあんな事をさせるなんて。神成 刹那は最低です。証拠の動画と写真もちゃんと抑えたので、後で天王洲さんに送っておきますからね!」
「それは無理な話だ可憐ちゃん。ここは魔法世界。電波は圏外だぞ‥‥‥それにあれは現代魔法の発展の為の大切な事をしていたんだよ。可憐ちゃん」
「何が大切な事ですか。、あ、あんなハレンチな‥‥‥‥あぁ、もうっ!思い出させないで下さい!神成 刹那。恥ずかしくなります」
可憐ちゃんはそう言って顔を真っ赤にして俺の頭をポコポコ軽く叩き始めた。
「‥‥‥‥わ、私はいったい何をされていたの?‥‥‥何なの?この黒い首輪は?」
その近くで褐色肌超絶美少女さんがブツブツと何か言っている。
「あぁ、君、さっきは悪かったな。ちょっと君の身体の魔力回路が珍しすぎて〖魔術院〗時代の血が騒いじゃって君の身体中を触りまくってしまって‥‥‥‥えーっと君の名前は?」
「何ですか?神成 刹那。もしかして名前も知らない女の子にあんな事をしたんですか?最低です。変態です!鬼畜男ですっ!」ポコポコ!!
可憐な可憐ちゃんに頭をポコポコと叩かれながら、罵倒を浴びせられる‥‥‥‥‥なんだこれ?何かのご褒美か?
いや、それよりも先ずは褐色ちゃんから名前を教えてもらわないと。
「そんで君の名前は何て言うんだ?‥‥‥つうかどっかであった事があるか?」
ていうか、どっかの誰かに似てると思ったらアリババ国の王妃様に似てるんだ。あの人も魔神の呪いのせいで痩せ細っていて気づかなかったがかなりの美人さんだったもんな。
「何で貴方様は私にあんな事をしたおいて平気な顔をして接してくるのかしら?あ、あんな大きい物を私の‥‥‥ブツブツ」
褐色ちゃんは顔を赤らめながらブツブツ言っている。自分の名前を言うだけでどれだけ恥ずかしいのだろうか?‥‥‥‥いや、確かにあれはヤりすぎたと今では思う。目の前で変態野郎と言われ、カッとなりヤりすぎてしまったな。
「まぁ、色々とヤりすぎて悪かったな。魔法研究で使ったこの魔道具は君に譲るから許してくれ」
俺はそう言ってウネウネ動く魔道具を彼女に渡した。
「ハァウゥ♡♡そ、それはっ!‥‥‥‥いえ、そうじゃなくて。私の名前は〖アリババ・モルジア〗五大列国の一つ『アリババ』国の正当なる王女よっ!」バァーン!!
「俺は神成だ。よろしく!‥‥‥ん?アリババ国の王女?‥‥‥‥王女?‥‥‥‥王女?!君があの国の?成る程、それならあの見たこともない魔力回路をしている筈だ。そして、そんな子にあんな事をやり‥‥‥‥〖契約者〗にしてしまったのか。フゥー、成る程、成る程」
俺は冷や汗をダラダラ流しながら。モルジア王女の右手を掴む。ま、不味い。何の縁も縁も無い一国の王女に●●●や●●●●してしまった。このままでは指名手配されてしまう。
「‥‥‥‥良し。名前も分かった事だし、君はアリババ国に帰してあげよう‥‥‥ほれ転移魔法で直ぐに行くぞ」
「ハァー?何を今更、言ってるの?貴方様とは〖契約者〗の誓いを立てたのよ。すんなり帰る分けないでしょう‥‥‥‥それにまたあんな事を‥‥‥ハァハァ♡♡‥‥してくれるんでしょう?貴方様」
‥‥‥何をさせる気なんだこの子は?不味い。後先考えず、モルジア王女の身体中の魔力回路を触れたせいで変な意味で懐かれてしまった。どうする?どうする?俺!!
「‥‥‥こうして変態が変態を誕生させていくんですね。神成 刹那」パシャッ!パシャッ!
可憐ちゃんは無表情でモルジア王女の興奮している表情をスマホで撮りまくっている。誰に見せる気なのだろうか?
「‥‥‥‥はぁー、この際、モルジア王女をアリババ国に帰すのは後で良いか。今は修練場に入る〖剣魔〗って人に会わないといけないんだ。行こう。二人共」
俺は無表情でずっとスマホで証拠写真を撮っている可憐ちゃんを右脇に担ぎ、左脇には赤い顔のモルジア王女を担ぎ。修練場へと向かった。
ちなみに幼女ツインズは
◇◇◇◇◇
〖剣魔の修練場〗
無数の蝋燭が修練場内を明るく照らす。その修練場の中央に黒髪の女性が正座していた。
「来ましたか〖救国の担い手〗様‥‥‥‥いいえ、元〖勇者〗様」
「ここは何なんですか?」
「あの人は確か‥‥‥‥‥」
元〖勇者〗様ねえ‥‥‥‥この黒髪の女性。俺の正体をある程度の事は把握している様だな。
「‥‥‥‥色々と知っている様ですね。貴方は‥‥‥〖剣魔〗様ですね?」
「えぇ、正解です。私が〖剣の魔女・シエル・オルタナティブ』と申します」
「俺は神成と言います。〖剣魔〗様‥‥‥‥シエル・オルタナティブさん?‥‥‥‥オルタナティブ?貴女はもしかしてグレイ・オルタナティブの‥‥‥‥」
「はい‥‥‥‥母でございます。貴方は私の息子とは以前の旅でご一緒だったと息子から手紙が来ました。もしもフレイヤ地方〖オッタル〗に来た時は、力になってあげてほしいとも」
「‥‥‥‥そうですか。グレイがそんな手紙を‥‥‥‥アイツ。自分の目的もあるというのに。何してんだよ‥‥‥‥〖剣聖〗様は」
俺は静かに目を閉じる。そして、以前のグレイとのヘファイストス地方での旅を思い出した。
(ハハハ!!カミナリ殿!!アインズ殿は何処に入るのだろうな!ハハハ!!)
(君、何時も同じこと言ってるな。グレイ‥‥‥‥)
「フゥー‥‥‥‥セシリアとは無事に会えたのか?グレイ」
俺は小さい声でそう呟いた。
「神成様。あの子から何か受け取っておりますでしょうか?例えば赤い火石か何かを?」
「赤い火石?‥‥‥‥もしかしてこの〖赤い宝石〗のことでしょうか?」
俺はそう言ってグレイから貰った〖赤い宝石〗を魔法の袋から取り出し、〖剣魔〗・シエルさんに見せた。
「確かにそれは〖フレイヤの瞳〗‥‥‥‥そうですか。現代の〖剣聖〗は貴方に託した(・・・)のですね‥‥‥‥」
「グレイが託した?」
「ならばこの〖オッタル〗もそれに従いましょう。カミナリ様。今回の貴方の旅。剣の里〖オッタル〗が全力でサポートさせて頂きます。それが―女神―フレイヤ様の願いですので‥‥‥‥」
「あ、ありがとうございます。シエル様‥‥‥‥フレイヤ様の願いですか?‥‥‥‥それはいったい?」
「‥‥‥‥いずれ全て分かります。そして、カミナリ様。私達に何をご所望でしょうか?」
「では五大列国の〖同盟〗に‥‥‥‥火沃の国〖フノス〗も参加してくれる様にフノスの王に取り次いで下さい‥‥‥‥そして、ユナ・エスフィールの‥‥‥〖魔王〗の捜索に協力をお願いします!!!」
俺はシエル様に向かって声を荒げてエスフィール捜索の協力をお願いしたのだった。