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魔神・〖ジャス〗の叫び


〖アリババ王宮〗


「何故、長年に渡りバレる事が無かった。〖博士〗から頂いた身体が破壊され‥‥‥私の正体が見破れるのだ?‥‥‥‥己!人族の小僧ごときが私の野望を邪魔してくれたな」


「あんたの野望よりも〖魔王〗様の捜索が急務何でね。この国が魔王捜索に協力してくれればヘファイストス地方からフレイヤ地方の西南まで捜索隊を組めるんだよ。お邪魔神君。それに‥‥‥‥お前ら(・・・)、随分とこの国で好き勝手やってるんだな。そこら中に低級魔獣を潜ませてるよな?」


「‥‥‥‥貴様、本当に何者だ?何を知っている?」


「ビンゴかよ‥‥次いでだ。エスフィールの捜索に障害になりそうな奴等は潰しておくか。ベヒーモス・〖天災の裁き〗!!」


俺がそう叫ぶと外で待機していたベヒーモスが雄叫びをあげる。


「「「グルオオオオォォ!!!!!!」」」


バリバリバリバリバリバリ!!!!!


ベヒーモスが放った魔力が赤い閃光となり、アリババ国内に飛散する。



再び〖アリババ王宮〗


バリバリバリバリ!!!!!


「ギャアアア!!!」「グゲエエ?!」「ジャス様!!!お助けをを?」「し、死ぬぬ?!!」「がぁあ?!!」


「ど、どうした?お前達?!な、何だ?何故、貴様の言葉にあの厄災が反応した?‥‥‥‥もしやあの厄災を‥‥‥貴様は従えているというのか?」


「厄災じゃない。ベヒーモスだっ!アイツを勝手に厄災なんて呼ぶな。腹が立つ‥‥‥‥それと王宮に

住んでいるアリババ王や家臣達に病の呪いをかけてるな?何時(いつ)もそうだ。‥‥‥‥お前ら魔の者は本当にズル賢いな」


「‥‥‥‥ゴホゴホ‥‥‥突然現れた不審な少年よ。今、何と言ったのだ?」


「‥‥‥病の呪いですか?」


なんとも穏和で優しそうな王様と妃様だな‥‥‥‥ていうか、俺の事覚えてないのか?‥‥‥まぁ、この国には数年前、全盛期の身体の時、ベヒーモスの討伐依頼で一度来ただけだもんな。


その後は腹癒(はらい)せにアリババ中の宝物庫をあさってトンズラこいただけだったしな‥‥‥‥俺にとっては良い思い出が無い国だ。


「貴様!!もう喋るなぁ!!!ここに居た私の配下達を皆、消しただけでは飽き足らず。馬鹿な王族共にかけた病の呪いの事までバラんじゃないっ!!!」


「正体を暴かれて焦りだしたか?赤い魔神‥‥‥‥無理も無いか。ベヒーモスの力でお前と同じ魔力残滓(まりょくざんし)を持っている魔獣共は俺とベヒーモスの両方の魔力が魔獣の体内に送られて今頃は〖魔力暴走〗でも起こして消え始めてる頃じゃないか?」


「なんだと?そんな馬鹿な事が起こるわけ‥‥‥‥」



◇◇◇◇◇


〖ムハド街〗


「ジャス様!!!ガアァアア?!」シュンッ!


「が、ガラダガァア」シュンッ!



〖ナージャ観光地〗


「ガギゴ?」シュンッ!


「キャアアアア!!人がいきなり消えたわ?!!」


「その人だけじゃない!あっちの人もだっ!」



〖ムラサの大都市〗


「アアア!!?!」シュンッ!


「ギャルルあ?」シュンッ!


「盗賊達が消えていく?」



◇◇◇◇◇


再び〖アリババ王宮〗


「そんな馬鹿な‥‥‥‥私が長年を費やして増やしてきた部下達の反応が消えていくだと?」


「みたいだな‥‥‥‥お前の配下の魔力残滓(まりょくざんし)はアイツを制御する時に使わせてもらうよ‥‥‥ここにはたまたま寄っただけなのに良い拾い物をさせてもらったよ。魔神君」


「「「ゴルアアアアアアア!!!!!」」」


王宮の外で待機さているベヒーモスがアリバ中に住み着いていた魔獣達の残骸。〖魔力残滓〗をベヒーモスの体内に回収し始めた。


「貴様‥‥‥あの厄災に何をさせている?」


「今から消えるお前にそれを説明しないといけないのか?」


「何をふざけた事を言っている?私はこれでも〖死の大地〗では名を馳せた魔神・ジャ‥‥‥‥‥」


天雷(てんらい)魔法・〖鳴神〗」


ビリリ‥‥‥‥‥。


一瞬だけ雷の閃光の様な光がアリババ王宮内に走った。


「ズ‥‥‥‥‥」シュンッ!


「な?ジャス殿が消えた?ゴホゴホ!」


「低級魔神だったか‥‥‥‥これならセルビアで闘った〖ヴォーティガーン〗の方がよっぽど強かったぞ。しかし、この国が魔神達に乗っ取られそうになるのも困るなぁ‥‥‥‥」


俺は少し考えた末、魔法の袋(黄金の宝物庫)からある人物達を呼ぶ事に決めた。


「出て来てくれっ!ウラさん!オンさん!」


ズズズ‥‥‥!


「我等を呼んだか?〖大蛇〗様の主よ」


「おぉ、久しぶりの外か?オーン!」


この二人は以前、〖魔王領〗で闘った〖死神〗の部下達。ウラミとオンネンと言う霊魂達だ。タマキがこの二人に束縛魔法を施してしも‥‥‥仲間にしたんだったな。


まぁ、今じゃあ〖大蛇〗の手下みたいな立ち位置で黄金の宝物庫内の酒蔵で大蛇と一緒に酒造に精を出していとか。


「アリババ国中に魔神や魔獣が隠れ住んでたんだ‥‥‥対処はしたけどな」


「ほう。魔獣に」


「魔獣か?」


「暫くの間。エスフィールの捜索が終わるまでの間。この国を見守ってやってくれないかな?また魔神に付け込まれるのも不味いしな」


「見守るか‥‥‥あぁ、良いぞ。〖大蛇〗様との酒造りも一段落したしな。アリババ滞在中に国内の酒集めも平行して行えば〖大蛇〗様は何を文句は言うまい」


「だな!‥‥‥ふむ!〖大蛇〗様もそれならば良いと念波を送ってくれたぞ」


「助かる。ありがとう!今回の旅が終ったら。転移召喚で喚び出すから。アリババを頼むよ」


「「オウッ!」」


ウラさんとオンさんはそう言ってガッツポーズをした。何だかんだ〖黄金の宝物庫〗の中で色々とやってくれてるみたいだし。この二人を仲間にして良かったな‥‥‥‥


「良し‥‥‥‥これで守りは大丈夫だ。後は王様達の呪いか‥‥‥‥聖魔法・〖天知の息吹〗」


この魔法は病気などの呪いを解くための魔法。それを今、このアリババ宮殿内に居る呪いがかけられた全ての人々にかけた。


「ゴホゴホ‥‥‥ジャス殿が消え‥‥‥強そうな魔人が現れ‥‥‥‥ゴホゴ‥‥‥‥‥た?‥‥‥‥咳が止まった?」


「ゴホゴホ‥‥‥‥それだけじゃありません。貴方‥‥‥‥身体の辛さも引いてきています。それも他の方々もです」


「何と?‥‥‥‥あの不審者の少年の身体から神々しい光が放たれている。もしやあの少年は聖魔法の使い手なのか?」


「‥‥‥‥‥解呪できたな。じゃあ、ウラさん、オンさん。この国の事を少しの間だけ頼むよ」


「任せよ!」「オウッ!」


「ありがとう‥‥‥‥じゃあ帰ろうか。ベヒーモス、○○○○‥‥‥‥‥あれも手に入ったしな」シュンッ!


「ま、また消えた?」


「さ、探しましょう!お礼をしなくてはいけません。貴方」


シュンッ!

「あぁ、そうだっ!今回の報酬でこの変哲もない紙に貴方の名前を書いてほしかったんです」


「へ?書類?なんじゃ?そんなので良かったのか?わ、分かった。ワシの名前を書けばいいのだな」


カキカキ‥‥‥‥


「はい。確かに同盟のサイン確かに頂きました。それで今回はさようなら~」


シュンッ!


「またまた消えてしまった。不思議な少年だ‥‥‥‥それに同盟とは何の事だ?」



首都・〖アラビア〗郊外


「「「ゴルアアアア!!!!」」」シュンッ!


「待ちなさい!!この陸の獣!!私が倒してあげるわっ!」


「お、お待ちください!!王女様!!!」


「イヤよっ!この喰らいなさい!!!」シュンッ!


こうして俺とベヒーモス、○○○○とのアリババの小旅行は幕を閉じた。俺はある〖鍵〗を手に入れ。ベヒーモスの転移と共に褐色の少女が付いて来てまさか暫くの間共に旅をするとはその時の俺は全く予想していなかったのであった。



〖アリババ〗編・序章閉幕。



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