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紅焔決戦・〖片翼の火人は雷火に吠える〗No.10 火炎の竜人


〖バリスの火山マグマ内部〗


(ギャオオオ!!あ、熱い!!焼け焦げる!!我が強靭の肉体がこの程度のマグマの中など何時もなら平気な筈なのだ‥‥‥この黄金色の鎖のせいで力が抜けていく。)


・・・


(くそっ!このまま身体全体が燃え尽きてしまう‥‥‥‥‥外凛が焼かれていく‥‥‥‥‥セツナ‥‥貴様のせいで‥‥‥‥我の身体が昔に戻るのだぞ‥‥‥‥‥‥後悔しろ‥‥‥‥相棒よ‥‥‥)


・・


(‥‥‥‥昔、昔か‥‥‥‥初めて出会った頃のお前は、今の我の様に荒んでいたというのにな‥‥‥‥だというのに今のお前はどの様な経験を積んで強い心を手に入れたのだ?‥‥‥‥どうして我はこれ程に追い詰められているのだ‥‥‥‥」



▽▽▽▽▽


五年九ヶ月前。フレイヤ地方・ガリア帝国領『赤霧の隠し谷』


(セツナ?それがお前の名前なのか?‥‥‥何だか変わった名前の持ち主だな)


(いやいや、お前の名前もなかなか変わってるだろが‥‥‥一緒に地球から持ってこれたタブレットの電子図書で調べたが‥‥‥‥まさか○○○信仰の‥‥‥‥ウクライナの火の神の名前とはな。自分の名前に神様の名前を付けるとはな、凄いやつだな。スヴァローグは‥‥‥‥)


(ズズズ‥‥ドックンッ!‥‥‥‥‥?!‥‥‥‥‥何だ‥‥‥これは?我の中に‥‥‥‥何かが芽生えた?)


(ん?どうした?スヴァローグ。大丈夫か?顔色悪いぞ)


(‥‥‥これは他世界の力なのか?(ボソッ)‥‥‥声が聴こえる‥‥‥‥‥‥これが神明の力?‥‥‥‥この力があればフレイヤ地方を我の手中にできるのではないのか?‥‥‥)


(‥‥‥‥おーい!スヴァローグ‥‥‥‥マジで大丈夫か?腹痛いならあっちの見えない方で用足してくれよ。近くでされたら臭いからな)


(誰がお前の近くで用足しなどするか‥‥‥‥それよりお前‥‥‥いや、セツナよ。もし帰る場所が無いのであれば我と暫しの期間、行動を共にしないか?我はお前の力になりたいと考えに至った)


(行動を共にだと?‥‥‥‥何だ?何でそんな気持ち悪い笑みを浮かべながら言ったんだ?)


(我は気持ち悪くない)


(いや、行動を共にしないか?何て言うやつか気持ち悪く無いわけないだろう‥‥‥‥まぁ、いいや。今はあの五月蝿い魔法使い達に捕まりたくないしな。暫くは南部のフレイヤ地方を拠点に動くのもありか‥‥‥‥‥)


(ギャオ!!本当かっ!よしっ!ならばこの捨てられた地『赤霧の隠し谷』を拠点にしようではないか)


(はぁ?こんな赤霧が濃くて火竜の巣窟になっている場所をか?お前‥‥‥‥お馬鹿なの?)


(‥‥‥‥我はお馬鹿ではない‥‥‥‥良いか、我は〖火竜の加護〗を受けている。我が仲間と認識したものを火竜達は襲うこともないのだ。むしろ、我々を仲間と誤認識し、護ろうともしてくれるだろうよ)


(マジかよ?‥‥‥‥お前、実は凄い奴なの?)


(あぁ、我は実は凄い奴なのだ)


(自分で言うなよ。アホ‥‥‥‥火竜が護るフレイヤ地方の国々に捨てられた安全地帯か‥‥‥‥‥〖魔術院〗の魔法使い達も侵入を拒むとか聴く〖禁則地〗‥‥‥‥抵抗組織を作るのもアリだな)


(抵抗組織?何だそれは‥‥‥‥)


(いや、ただ捕まるのもムカつくからな。どうせあっちの世界に帰る為にも情報収集をする為の組織の力を必要だし‥‥‥‥それに暇だしな。スヴァローグを表のリーダーにして‥‥‥‥ギルド‥‥‥の設立か。悪くないな)


(何だ?我に何をさせる気だ?それにあっちの世界と言ったな?それについてもっと我に詳しく教え‥‥‥‥)


(ん?あぁ、教えてほしいのか?なら闇市でパクってきた禁書‥‥‥‥ゴホゴホ‥‥‥‥〖魔法契約の書〗にお前の名前をサインしてくれれば教えてやらないでもないぞ)


(ん?この紙にサインすれば良いのだな?了解した)


(‥‥‥‥‥‥何も疑わずに書いたな。アホの子よ‥‥‥‥これで俺とお前のお互いの素性に付いてはお互い詮索できなくなったぞ。良かったな。スヴァローグ)


(‥‥‥‥‥何だと?貴様!!!今、何と言った?それでは我の神明の力が増幅しないでは無いか?)


(今‥‥‥何っていた?力を増幅だと?)


(‥‥‥‥いや、何でも無い。我はただお前の事をもっと知りたくてだな)


(やっぱり、何か企んでたのか?‥‥‥神明と言ったな。知らない魔法名だ‥‥‥‥さっきのスヴァローグの魔力回路の変化は‥‥‥俺が教えた地球の知識が力を与えたって事か?‥‥‥‥成る程)


(成る程ではないわ。良くも我を騙し。魔法契約など書かせたな。この卑怯者めっ!)


(‥‥‥‥いや、俺が持っている地球の知識を知って強くなろうと企んでる奴に卑怯者呼ばわりされたくねぇよ‥‥‥‥そんなに知りたいのなら。俺の為に働け。ギルドのリーダーになってな‥‥‥‥そうすれば、俺が地球に帰る前に魔法契約を解除して、俺が知り得る情報を全てお前に教えてやるぞ。スヴァローグ)


(き、貴様という奴はっ!何と腹黒い奴だっ!)


(こんなデタラメな世界、腹黒くないとやってらんないだろう‥‥‥‥それで?どうするんだ?スヴァローグ。俺のお願いを聞いてギルドのリーダーになり、神明とやらで強くなのか?ならないのか?どっちなんだ?)


(グオォォオオ!!!貴様あぁぁ!!!覚えていろよおぉおお!!良いだろう。やってやる。だから、最後にはちゃんと教えろっ!火の神に付いての文献を‥‥‥‥神明をなっ!)


(そうか。やってくれるんだな‥‥‥‥‥あぁ、最後にはちゃんと教えてやるよ。最後にちゃんとお前が改心したらな‥‥‥‥今のお前には教えたくないしな (ボソッ)‥‥‥‥)


(む?今、最後に何か言ったか?)


(いや、何も‥‥‥それよりも俺達が作る組織の名前だが‥‥‥火の神‥‥‥火炎か‥‥‥そんで俺は雷魔法を使う‥‥‥‥転移でこっちの世界に来た時は落ちて来たし‥‥‥落雷‥‥‥‥火炎に落雷か‥‥‥‥うん。なかなか良いかもなっ!良しっ!俺達のギルドの名前は〖火炎と落雷〗にしよう。スヴァローグ)


(いや、何を勝手に一人で決めている‥‥‥‥だが〖火炎と落雷〗か。ふむ、悪くないかもしれないな)


(よしっ!決まりだなっ!これから暴れまくるぞっ!相棒!!ハハハ!!)


(‥‥‥‥‥我が相棒か‥‥‥‥)



▽▽▽▽▽


数ヶ月後。フレイヤ地方・『アリババ』


ドゴオォォォンン!!!


(また〖火炎と落雷〗が現れたぞっ!迎え撃てっ!)


(いや、駄目だっ!もう仲間が全員、ヤられちまってる‥‥‥アイツら。化物だ‥‥‥‥‥)


ドガアァァンン!!!


(捕らわれていた子供達はどうしたんだ?セツナ)


(『赤霧の隠し谷』の拠点に転移させたよ。今頃、スールとライ達が保護してくれてる筈だ)


(転移‥‥‥‥何故、その様な魔法をお前が‥‥‥ビリビリ‥‥‥つっ!これも魔法契約で聞けぬのか)


(当たり前だろう。お互いの過去は詮索しない。それがお前と俺との契約だからな‥‥‥‥)


(それはお前の独断だろうが‥‥‥‥‥それよりもどうする?このまま、奴隷商の支部を潰して行くか?それとも一端アジトに帰還しようか?セツナよ)


(‥‥‥‥‥この前に元の姿に戻れよ。スヴァローグ、外凛取れてるぞ)


(む?おぉ、忘れていた。すまん。すまん)


(たくっ!熱くなると直ぐに変わる(・・・)んだな‥‥‥‥まぁ、あんな幼い子供達が捕まってれば怒りたくもなるか‥‥‥‥スヴァローグ。俺は少しこの地に残る。調べたい事があるからな)


(調べたい事?‥‥‥‥了解した。では、我は先にアジトへと戻っているが‥‥‥‥また、何処かの闇ギルドを潰して仲間を増やして帰って来るなよ。セツナよ)バサバサ


(‥‥‥‥‥それは無理な相談だな。スヴァローグ君‥‥‥‥‥)シュンッ!



▽▽▽▽▽


そうしてギルド発足以降、安全な暮らしができる『赤霧の隠し谷』と言う場所もあったお陰で、我等の組織〖火炎と落雷〗は急激に拡大していたのだった。セツナが居なくなるまでの間だけだったのだが‥‥‥‥‥‥。



スヴァローグ・イグニッションの外凛の全てはフレイヤ地方の強力なマグマによって全て焼かれた‥‥‥‥‥

そして、内側に隠していた火人の真の姿が今、烈火の怒りと共に再び火炎と成り空へと燃え広がろうと黄金色の鎖を破壊する。


〖バリスの火山〗


ズズズ‥‥‥‥ドオオオオンンン!!!!


「ギャオオオオオ!!!!‥‥‥‥‥‥そうっ!貴様は突然、消えた。我との約束‥‥‥‥神明の全てを教えてるという約束をありながら‥‥‥‥我の前から姿を消したなっ!!裏切り者のセツナアァァ!!!」


「‥‥‥‥‥‥やっぱり。まだ、抗うのか。スヴァローグ・イグニッション‥‥‥‥‥そして、これがお前の真の姿‥‥‥‥‥だったな」


「貴様を下し。全ての知識を吐かせる!!!そして、我はこのフレイヤ地方を手に入れる!!!覚悟しろっ!!!」


火の神の末裔・『火炎竜人・〖太陽〗の片割れ・スヴァローグ・イグニッション』降臨‥‥‥‥‥。


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