紅焔決戦・〖片翼の火人は雷火に吠える〗No.9 〖炎の首飾り(ブリーシンガメン)〗
「囲むぞ!ヒルディス!!〖フレイヤの館〗」
「フゴー‥‥‥‥‥ゴルルルル!!!!」
フレイヤ地方の火山地帯に〖紅き館〗が顕れる。それは神話魔法の様な現実世界への強制介入に似た現象であった‥‥‥‥‥‥
「何だ?何をしている?あのカーシフの様な魔獣に何をさせる気だ?セツナ」
「アホスヴァローグ、魔獣じゃない。―女神―フレイヤの三体の眷属が一対〖ヒルディス〗は現実事象に干渉し、ある場所を造る‥‥‥‥‥そしてこの会場〖セスルームニル〗に選ばれたお前の意識が無くなるまで、この〖紅き館〗からは出れなくさせてもらった」
スヴァローグは火山が噴火し、赤き流動が盛んに行き来する火山地帯に突如として顕れた赤き会場をゆっくりと見渡した。
「〖七つの秘宝〗は人智を越えるか‥‥‥‥初めてこの目で見るが独創的で超常的な秘宝の力。その秘宝を密かに知るエウロペ大陸の猛者達は血眼になってその力を求めると聴くがよもやお前が所有者とはな。流石の我も驚いているぞ」
「驚くだけじゃなく攻撃も喰らってみないか?連劇の開幕だ。先ずは赤の寸胴を与える。〖聖猪の鉄槌〗」
〖炎の首飾りブ(リーシンガメン)〗達が行動を開始する。
赤色の装飾の聖猪は現実の現象に介入し、火人・スヴァローグの胴体にその重き身体を叩き付ける。
「ゴルルルル!!!!」ミシミシ‥‥‥ドゴオオオン!!!
「ギガアァァ?な、何だ?いつの間にこんな重い一撃を?ギャアアア!!」
そして、スヴァローグ・イグニッションは〖赤き館〗の劇場の檀上へと上がる。
「続いて黄金色の装飾の鎖で縛りを与える。〖黄金猫の鎖手綱〗」
「シャルルルルル!!!」
次に黄金の鎖が火人を縛り付けていく。
「グオォォオ!!神明魔法〖イグニッション・バースト‥‥‥‥〗」
「無駄だ。この連劇は最終幕まで止まらない‥‥‥‥全ての攻撃を受け切れよ。スヴァローグ」
「ギャオオオ!!我が神明魔法が発動しない?貴様っ!!!我に何をしたあぁ?」
「黄金猫はお前を縛り。黄金の色でお前の全てを覆い、潰す。それはまるで神代魔法〖色〗の様にな。そして、終幕の〖琥珀猫・トリエグル〗が地上の魔力で終幕の断罪を喰らわす。〖琥珀猫の終劇〗」
「シュルルルル!!!」
俺は琥珀色の鎌を縛られ身動きが取れぬ、スヴァローグに向かって投擲した。
「俺は〖炎の首飾り(ブリーシンガメン)〗を鎖鎌寸胴という武器に無理やり変えたんだ。スヴァローグ‥‥‥‥‥フレイヤ様のたっての願いでな。とある〖魔術師〗に盗まれない為に加工してくれと頼まれていたんだよ。鋼鐵の装飾品‥‥‥‥〖炎の首飾り(ブリーシンガメン)〗。この秘宝はあらゆる可能性と変化に満ちている最上の加工武器なんだ」
ザシュンッ!‥‥‥‥‥
スヴァローグの左肩に琥珀色の鎌が突き刺さる。
「赤色の猪に衝突した時の痛みが引かぬ‥‥‥‥黄金の鎖でみ、身動きが一切取れぬ‥‥‥‥そして、身体に大きな切り傷がある‥‥‥琥珀色の鎌が‥‥‥‥」
「ヒルディスには〖神話魔法〗を、ベイグルには〖神代魔法〗を、トリエグルには〖現代魔法〗の力が宿っている‥‥‥‥‥そして、この断罪は終幕する‥‥‥‥フレイヤ地方の大地に焼き漕がれろっ!‥‥‥‥〖豊穣の大地・セスルムニル・フレイヤ〗」
「ギャオオオ!!止めろ!!セツナ!!我をフレイヤの大地に‥‥‥‥溶岩の中へと沈める気か?貴様!!我を殺す気なのか?」
「炎○○がこんな程度で死なないだろう?スヴァローグ。お前の意識が飛んだら、引き上げてやるよ。その間は溶岩遊泳でも楽しんで体力を削って来てくれ。元相棒殿」
俺はそう言ってスヴァローグに笑いかける。
「止めろっ!我がいかに〖火〗に態勢があろうとこの様な仕打ち、この我にするなど‥‥‥‥許さんぞっ!貴様!!!」
「精神が可笑しくなってるお前に言われたくないよ。スヴァローグ‥‥‥この〖バリスの火山地帯〗はフレイヤ様の神聖な神殿がある穢れなき地だ。少しの間だけ我慢して呪いを解いて来いよ。その後、ゆっくり、フレイについて聞き出してやるからな」
「我は可笑しくなってなどいない‥‥‥‥や、めろ‥‥‥‥ギャオオオ!!沈む‥‥‥我が‥‥‥熱き溶岩の中に沈まされる!!!ギャオオオオアアア!!!!!」
ズズズズ‥‥‥‥‥。
「‥‥‥‥‥‥これが神々をも魅了する朱赤と黄金と琥珀製)の首飾りの変幻自在の鋼鐵の力か。こんな力‥‥‥確かに欲しがる神もいるんでしょうね。―女神―フレイヤ様‥‥グレイ‥‥‥‥」




