紅焔決戦・〖片翼の火人は雷火に吠える〗No.7 火炎と落雷
魔法世界
アテナ地方とフレイヤ地方の境目に長旅を終えた人、天使、○○○が天上の者による転移召喚によりエウロペ大陸へと帰還したのだった。
「どわぁ!!何処だここは?スウゼのおっさんっ!ヒルデッ!大丈夫か?てっ?!ここは俺が最初にアテナ様に飛ばされて来たところか?‥‥‥という事は、また最初の場所に戻って来たのか?‥‥‥‥マジかよ‥‥‥」
「ガハハハ!!!無事に最初の地に戻って来たな。少年!!イヤー、長くそして愉快な旅立ったぞ!ガハハハ」
「‥‥‥‥私は色々と苦労が多い旅でしたが?スウズ様‥‥‥‥ですが良き思い出にはなりましたね」
「そうだろ!そうだろ!ヒルデよっ!ワシもこんな愉快な旅になるとは夢にもおもわなかった‥‥‥楽しものであった‥‥‥‥‥長旅ご苦労様だったな。守護者殿。苦労も多き楽しい旅の時間だったが‥‥‥‥‥お別れだな」
「‥‥‥は?別れるって?何だよそれ?いきなり言われてもこらるぞ。それよりも転移の事についてもっと詳しく教えてくれよ。スウズのおっさん。それと、天空大陸の〖白天の塔〗やら〖シルビア〗。幻想大陸の〖水神〗○○○や〖風神〗○○○○○にまた会わせてくれよ!せっかくこっちの世界でできた友達なんだ!また、会って話がしたいっ!」
「神成様‥‥‥‥‥」
「それはできんのだ。少年‥‥‥‥」
「はぁ?何で?向こうで皆とまた‥‥‥‥遊んだり、冒険をしたいんだよ‥‥‥やっと手に入れた力もあるだ。血が滲む様な努力をして力を付けたんだ。この力で今度はこの大陸で地球に帰る手段を‥‥‥‥‥痛っ!何‥‥‥‥だ?頭に痛みが‥‥‥‥」
「スウズ様‥‥‥‥神成様の身体に限界が来ています!今のこのお体では持ちませんっ!」
「‥‥‥‥もうか、全くっ!ゆっくり別れを言い合う時間もくれんか創造神よ‥‥‥‥‥済まない。少年‥‥‥‥もっと力になり。支えてやりたかったが。今の小僧その身体では『天空大陸』と『幻想大陸』で過ごした時の記憶が害となっているのか‥‥‥‥」
「えぇ‥‥‥‥ですので今回の『天空大陸』と『幻想大陸』での私達との冒険の記憶は封印させて頂きます‥‥‥‥‥神成様」
「‥‥‥‥痛‥‥た‥‥‥‥‥封印だと?な‥‥‥んで?」
「少年を護るためだ‥‥‥‥『天空大陸』と『幻想大陸』で得た莫大な力と数々の貴重な経験。それらを地上の世界‥‥‥『魔法大陸』で記憶として保持した状態で入ると何れ少年が廃人とかす‥‥‥‥だが数年後。立派な大人へと成長すれば思い出せる様に封印を施す」
「せ、い‥‥‥‥ちょ‥‥‥う?」
「ワシも別れるのは惜しいのだ。‥‥‥‥‥‥今回の旅はそれ程、楽しいものであったぞ。カミナリ少年よつ!その礼にワシの帯と‥‥‥幾つかの力と物を贈ろう。それと美神を守護に付ける上手く扱え。そして、この地上を生き残ってくれ」
「‥‥‥‥私との思い出も封印されます。神成様とはまた別の形で再開するでしょう‥‥‥‥」
「別の‥‥‥形‥‥‥‥」
「はい、そして、これは『戦乙女の腕輪』です。耳飾りの魔道具として擬装しておきます。貴方がもし死にそうになったら助けに行きます‥‥‥絶対に‥‥‥‥絶対にです‥‥‥‥だからこの過酷な世界に負けないで下さい。守護者様」
「では封印を施す‥‥‥済まない、少年」
「や、止めてくれ。スウズのおっさん‥‥‥‥俺の思い出が‥‥‥‥ライ達との大切な‥‥‥‥‥」
「済まん‥‥‥本当に済まんっ!‥‥‥‥‥‥またお前が力を付け立派になったら別の関係で会えるだろう。少年。楽しい旅だった‥‥‥感謝もしている‥‥‥‥また一からの修行になるが頑張れっ!我々が封印した記憶と力はいずれは戻るだろう。そうすればお前はもっと強くなれる。サラバだっ!守護者の少年殿」シュンッ!
「‥‥‥‥‥神成様。『暗黒大陸』でまた会いましょう」シュンッ!
「うぅぅ‥‥‥くそ、頑張って修行したんだ‥‥‥‥それに仲間もできたのに‥‥‥‥何でこんな事に‥‥‥スウズのおっさん‥‥‥ヒルデ‥‥‥‥分かっては入る‥‥‥よ‥‥‥俺の為に‥‥俺の記憶を封印‥‥‥‥」ドサッ!
そして、神成 刹那は意識を失い。二大陸で得た記憶、体験、能力、力の全てを封印された。そして、彼は魔法大陸で最初に転移してきた場所に倒れ。彼の記憶も魔法大陸に転移し、―女神―アテナ
に最初に遭遇した時の記憶に回帰したのだった。
▽▽▽▽▽
「ギャオ、何だ?凄まじい力を感じて来てみたが‥‥‥‥何か入るのか?‥‥‥‥誰か倒れている?おいっ!お前、大丈夫か?何があったのだ?いったいここで何があった?」
「ん?‥‥‥‥ここは、何処だ?俺は変な女神に力を授けられて‥‥‥‥」
「女神だと?‥‥‥お前はいったい?」
それがスヴァローグとの最初の出会いだった。そして、その後、仲を深めた俺達はフレイヤ地方を拠点に〖火炎と落雷〗言うギルドを発足し。
身寄りのない子供や人攫いにあった人達をギルドメンバーに加えながら、少しずつ組織を拡大し。最後には俺やスヴァローグがいなくなっても活動できる様なギルドに僅か一年間程で育てあげたのだった。
〖バリスの火山地帯〗
「‥‥‥‥随分と大人に成長したんだな。スヴァローグ」
「‥‥‥‥お前は何故、最初に出会った頃に 戻っているんだ?セツナよ」
「魔法契約でお互いの詮索はできない決まりだぞ」
「それは〖火炎と落雷〗の関係の時の魔法契約だ。今は『ラグナログ(神々の黄昏)』の大アルカナNo.19『太陽』の半身として聞いているのだ」
「‥‥‥‥なら話せないな。スヴァローグ。まさか自分からアルカナNo.を自白するとは思わなかったよ。信じたくはなかったよ‥‥‥‥此方の世界の最初の友よ」
「時が経てばそれぞれの関係、立場、能力、姿も変わっていくものだろう‥‥‥初めてあった時に言っていたな。女神に力を授かったと‥‥‥その姿もその現れか?〖―女神―の呪い〗でもあったか?セツナ」
「お前は―女神―からの〖祝福〗を呪いと考えるんだな‥‥‥‥‥」
「〖七聖―女神―〗共は魔法世界の〖毒〗なのだ。―女神―だけではない。他の大陸の『始祖・神集九煌』・各大陸の神々の全てが〖毒〗なのだ‥‥‥‥お前もこの世界を数年生きれば分かってくるだろう?セツナ!」
「‥‥‥‥‥‥‥」
俺はスヴァローグの質問にあえて答えなかった。いや、答える事ができなかった。
「黙りか?‥‥‥それ程までに〖天上の理〗の罰を恐れるか。そういう所は何も変わっていなんだな。あの時の失敗をしない為か?‥‥‥‥我に力を与えたあの時の様に」
「やっぱり、剣の里〖オッタル〗を襲撃したの俺を誘き寄せる為の罠だったのか?‥‥‥‥‥俺が住んでいた〖地球〗の事を知る為の?」
「ギャオォォ!!!スヴァローグは彼方の世界ではウクライナとかいう国の〖火の神〗だったな‥‥‥‥教えろっ!もっと我に教えよ。セツナッ!貴様のその知識と書物が我に力を与える‥‥‥‥さすれば我はあの人の片腕になれるんだ」
「‥‥‥‥神明魔法の強化の為に〖火炎と落雷〗の皆を死地に送ったのか」
「奴等はお前が全て助けるという算段だった」
「そうじゃない。そうじゃないんだよ。スヴァローグ‥‥‥‥お前の身勝手な行動のせいで色々な人が傷ついたんだ。それを俺が言える立場じゃないのは重々承知だが‥‥‥‥今のお前は見てられない。ここでケリを着けよう。〖火炎のスヴァローグ〗」
「我が勝てば貴様の知識と貴様が居た世界の全てを貰うぞ。〖落雷のセツナ〗」
「今のお前にやるものなんて何一つ無いんだよっ!〖雷牙の大太刀〗・『万雷の咆哮』!!」
「ギャオオオ!!!寄越せ、寄越せや、全てを寄越せ。そして我に集約せり。神明魔法・『イグニッション・ブラスト』」
ドガアァアアアアアンン!!!!!
落雷と火炎が激突する。