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紅焔決戦・〖片翼の火人は雷火に吠える〗 No.5 火剣のダリウス VS 毒火のセクト


〖フレリ街道〗


「くそ‥‥‥‥いきなり左腕を切りやがるとはな。回復魔法〖繋ぎの息吹〗」


セクトが回復魔法を唱えるすると切断され、地面に落ちていた左手と血が滴り鋭利に切られた筈の傷口の断面が魔力の糸の様なもので接合され、切断の傷も綺麗さっぱり消えていった。


「回復魔法?‥‥‥なんとも珍しい魔法を使うんだな。そんな高度な魔法を闇ギルドの者が扱うなど聞いたことがないぞ」


「俺はユグドラシル地方の元魔法貴族だったんだよ。由緒正しきな」


「ユグドラシル地方?では、お前は『北東魔法学院』の魔法を学んだ魔法使いということか?それに‥‥‥‥その異様な回復力。幻獣の血も引いているとみたが?」


「元だかな!ハハハ!それが八年前に人攫いに捕まり、ガリアの変態貴族共に売られそうになってたんだ。そして、焦燥してきってた俺をスヴァローグの兄貴は救ってくれたんだよ‥‥‥‥恩人でなぁ!!そんな、兄貴の為に俺は〖火炎の片割れ〗の為に動くと決めてんだよ!!‥‥‥‥喋り過ぎたな。始めるぜぇ、〖火剣〗野郎!!水魔法〖毒蛇の水液〗」


セクトの口から大量の毒素を含んだ毒液がダリウス目掛けて飛ばされる。

この毒液は身体の一部にでも浴びれば、感覚麻痺、神経痛等に陥り。態勢の無い者に至っては死んでしまう程の猛毒である。


「〖幻獣の民〗との混血だから成せる荒業か‥‥‥‥道理で異様な回復力だ。恐らく〖フロッグ〗族の遠縁か?だが、あれは遥か昔に滅んだと〖聖剣〗様が仰っていたが‥‥‥‥〖火剣術〗・『火真爛々(かしんらんら)』」


それに対抗してダリウスは広範囲の火剣術を発動した。その技はダリウスを中心に円状の炎を造り上げセクトが放った〖毒蛇の水液〗を意図も容易く霧散させ、蒸発させてしまった。


‥‥‥‥だがその誤った技の選択が数分後に効いてくる事をその時点でのダリウスは気づいていなかった。


「こんな攻撃、直ぐにかき消されと思わなかったのか?闇ギルド‥‥‥時間も惜しい。私はナルカミさんを追いかなくて‥‥‥‥は? (グラッ)‥‥‥‥な、何だ?身体が重い?」


「ハハハ、技の選択を間違えてねえか?名高い〖火剣〗さんよう。霧散させるだけで俺の技を防いだつもりか?やるんだったら逃げるか、俺の技事態を完全に消すべきだったな‥‥‥‥水魔法〖火毒の毒剣〗」


セクトは懐から小さな短剣を取り出した。そして、その短剣に魔法を施し始めた。


「‥‥‥‥何だ?その短剣‥‥‥‥」


「火毒と言ってなぁ!この短剣で掠り傷でも付いたら最後。皮膚が燃える様な痛みに合いながら、身体のあらゆる穴という穴から水分が抜け落ちて最後には死に至る毒だぜぇ。〖火剣〗」


「‥‥‥‥たまにフレイヤ地方やアテナ地方で乾ききった変死体が参道で見つかるという記事を魔法新聞で読んだ事があるが‥‥‥‥まさか?!」


「あぁ?多分、俺が殺した奴等だろうな。人攫いの連中だろう?」


「人攫い?」


「何だ?南のど田舎じゃあ、そこまでの事は伝わらないのか?‥‥‥‥ガリア帝国の南部は人攫いの聖地とか言われる〖神隠しの都市〗があるんだよ」


「そんな話し‥‥‥聞いたことが無いぞ」


「だろうな。〖フノス〗は強国。剣豪とかいう軍事力で手出しが効かないからな。被害を受けるのは〖アダマス〗〖レッドローズ〗〖アリババ〗みたいな隙がある国しか狙わねえのよ‥‥‥そんでもってそういう人攫いを襲ってガキ共を救うのが俺達。〖火炎の片割れ〗の役目なんだよ。〖火剣〗」


「‥‥‥‥そんな奴等が何故、私達の剣の里を襲うんだ?」


「そんなの知るかよっ!俺も最初は反対だったが、スヴァローグの兄貴の決定は絶対なんだよ‥‥‥‥まぁ、良いとりあえずあんたを倒せば俺の任務も終わる。そしたら、〖フエゴ〗の居場所を吐かせてやるからな‥‥‥‥今、助けてやるぜぇ!フエゴ!!」


「色々とお前達、闇ギルドの内情は知れたが‥‥‥‥それを聞いて同情できるわけでは無かったな。お前達は私の故郷に牙を向いた。その報いを受けさせてやる‥‥‥‥フレイヤ地方の武器には〖意思〗がある」


「あぁ?何をブツブツ言ってんだ?そんな事より、フエゴの事を‥‥‥‥」


「フーレ‥‥‥‥済まないが少し力を貸してくれ。〖火剣術〗‥‥‥‥崩壊するは我が剣‥‥‥‥‥‥顕れろよ〖フーレ・オルグニカ〗」


火剣のダリウス・ラディウスの剣。〖火天〗が剣の姿を一時的に捨てる。

ヘファイストス地方が〖幻〗ヘスティア地方が〖星〗の力を現代魔法に取り入れてる。それは豊穣の地フレイヤ地方も同じである。


フレイヤ地方独特の現代魔法技術は〖剣〗


神話、神代の神獣、霊獣、幻獣、魔獣の力と意思を長年苦楽を共にした愛武器に与え、擬似魔法生物としてこのエウロペ大陸に顕現させる事ができるのである。


だが、それを可能にできるものは少なく、フレイヤ地方でも限られる数十人程度の者達しかできない。

それが〖剣〗の魔法なのである。


火剣のダリウス・ラディウスはその限られる者の中の一人。長年の厳しい研鑽の末、出会った大切な愛刀の名は‥‥‥‥


「〖火天〗・フーレ・オルグニカ‥‥‥‥まさか、君を出すことになるなんて済まない。フーレ」


「オアアアア!!!!!」


「くっ!なんつう、魔力咆哮だよ‥‥‥‥何回か見たことがあるがこんな〖剣魔武器〗は初めてだぜぇ。イイ!イイゼェ!!殺してやるよ!!火馬竜さんよう。喰らえ!!水魔法〖毒火の九蛇剣〗」


「‥‥‥‥フーレ‥‥‥‥〖火剣術〗・『炎馬の息吹き』」


「オアアアルラララララララ!!!!」


『剣魔武器・フーレ』の中級の剣技がフレリ街道に放たれる。その剣技が毒火のセクトに直撃する。


「ハハハ、ただの火吹きか?なんだよ‥‥‥‥見かけ倒し?‥‥‥何だ?身体の内側から焼ける様な痛み?‥‥‥‥がああぁぁ!!!熱い?!身体がああぁぁ!!燃える?!や、止めろ!!!〖火剣〗野郎!!!!」


「フーレの剣技の息吹きを吸ったか?‥‥‥‥ならばお前は終わりだな。毒火のセクト‥‥‥‥身体の内側から焼かれて意識を失え。闇ギルドよ」


「ああぁぁ!!くそぉ!!!熱い!!意識が‥‥‥‥焼き焦げ‥‥‥‥る」ドサッ!


「私の故郷に手を出し、ナルカミさんを侮辱したんだ。それなりの報いを受けろ。なぁ、フーレ」


「オルララララ!!!!」



〖フーレ・オルグニカ〗の勝利の雄叫びが夜のフレリ街道に響き渡る。



勝者・火剣のダリウス・ラディウス

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