紅焔決戦・〖片翼の火人は雷火に吠える〗 No.4 雷撃の刹那 V S 火影のライ
剣の里〖アースソドの街〗
「雷牙!!!〖万雷の咆哮〗」
「ウォォォオオオ!!!!」
『雷牙の大太刀』には自我がある、太古に生きた獣の意志が。その自我の攻撃が敵目掛けて放たれる。
「なんだいその攻撃は?フレイヤ地方じゃ見たこと無い攻撃‥‥‥‥ぐぅっ?!があぁぁ!!」バリバリ!!
「喋ってる暇は無いぞ。ライ‥‥‥‥俺は色々と忙しいんだ。邪魔をするなら容赦しない」
「くそ、右手が‥‥‥‥その声、本当にセツ兄にそっくりだね、本当に嫌になるね。昔を思い出すよ‥‥‥‥」
▽▽▽▽▽
アテナ地方ガリア帝国領〖ムルス〗
『奴●商・アジト』
ドゴオオォォンン!!!
(ヒイィィ!!化物共めえぇ!!良くも俺達のアジトを壊しやがったな)
(心配去るな。今後は俺達〖火炎と落雷〗が住むかとして使ってやるからな。あんた達は安心してヘスティア地方行きの船に乗っててくれよ)
(何?ヘスティア地方だと?悪政と紛争の地に何で俺達が行かねえと行けねんだよっ!ふざけんなっ!)
(ギャオオオ!無抵抗な子供達を拐っておいて、何を騒ぐか。紛争の地にて〖教皇〗様の裁きを受けろ)
(そ、そんな~!!)
(‥‥‥‥この地域にも〖地球〗へ変える手掛かりは無しか。フレイヤ地方は探し回ったし、次はアテナ地方周辺にするか‥‥‥‥このまま〖火炎と落雷〗を組織化してガリアを内側から崩して〖アダマス〗と〖アリババ〗に統括でもさせて後ろ楯になってもらうか?いや、もっと違う角度で‥‥‥‥ブツブツ)
(何だ?また、自分の世界に入っているのか?‥‥‥‥しかも知らない言語だ‥‥‥‥‥七聖語では無い?お前はいったい何処から来たんだ?セツナ)
(リーダー!!サブリーダー!!捕まっていた子供達が見つかりましたっ!)
(ギャオオオ!!おぉ!!本当か?スール。それは良かったな。セツナ)
(ん?あぁ‥‥‥なら、さっそく捕まってた子達の体調を観よう。案内してくれ。スール)
(は、はいっ!こっちです。サブリーダー)
〖地下室〗
(うぅぅ、お腹すいたよう‥‥‥‥)
(もう、傷つけないで‥‥‥)
(お家に帰り‥‥‥たいよ)
ガチャ‥‥‥‥‥‥キイィィ。
(もう安心しろ。解放してやてるからな‥‥‥‥そして、この厳しい世界で生きていける様に色々と教えてやるよ‥‥‥‥最初にここに飛ばされた俺みたいにならない様にな)
(ならない‥‥‥様に?何それ?)
(大切な人を奪われない様に、大切な居場所に戻れる様にしてやりたいんだよ。俺みたいに迷わない様にな‥‥‥‥そして大切な人にまた会う為にもな‥‥‥なぁ、アヤネ‥‥‥)
▽▽▽▽▽
「奴●商の奴等から解放してくれた後、スヴァローグ兄やセツ兄達は僕達に色々な事を教えてくれたよ」
「‥‥‥‥あぁ、最低限。自分達で生活できるだけの力は付けさせてから俺はアテナ地方に移動したつもりだ」
「そう、セツ兄はそう思っていても‥‥‥僕もスヴァローグ兄もスール姉もそうじゃなかったんだ」
「なかったんだ?どういう事だ?」
「セツ兄が居なくなってからもスヴァローグ兄と‥‥‥‥フレイ様の手でどんどん悪い連中に捕まっていた子供や大人が解放されていったよ。そして、いつの間にかその新たに解放されていった人達が〖火炎と落雷〗‥‥‥いや、〖火炎の片割れ〗を仕切る様になってね。」
「‥‥‥‥それで今は可笑しくなって事か?」
「そうだよ悪い事にも手を染め始めた。今じゃあ、闇ギルドなんて言われてガリア帝国や魔王領なんかの大国に賞金首として手配されてしまったんだよ。そっくり君」
俺はライの言葉を聞いて考える‥‥‥俺には余裕がなかった。成長し続ける心と身体、一日一日と此方の世界で過ごす時間が伸びていく恐怖を抱えながら、成長していく日々。
あっちの世界に帰った時、俺はどうなっている?
地球の皆はまだ生きていてくれているのだろうか?家族は?友人は?仲違いしてしまった恋人はどうなった?
そんな考えばかりが魔法世界に飛ばされて来てから、ずっと抱いていた事だ。
現地の子達の事まで考えている余裕なんて初期の俺にあるわけ無いじゃないか‥‥‥‥それでも俺はあの時の俺にできる事を彼等に教えたと思っていた。
それが俺が居なくなって組織が可笑しくなったなどと言われ、裏切り者扱いとは‥‥‥‥‥酷い扱いだな本当に。
「‥‥‥‥だが、そんな程度の言葉で俺はもう揺れないんだよ。ライ‥‥‥‥雷牙・〖万雷の咆爪〗」
「グオォォオオ!!!」
「チッ!また、さっきの雷の刀かい?‥‥‥闇魔法〖遠景幻影〗」
俺は〖影縫いのライ〗へと爪の形状をした雷獣の雷を放った。
ライはそれに対応する為に闇魔法を使うが‥‥‥‥‥。
「無駄だよ。ライ‥‥‥‥〖魔力〗の力じゃあ、〖神秘〗の力を上回れない。環境、相性、状況、立場によっては覆る事もあるがお前達はフレイヤ地方しか知らない‥‥‥‥〖魔力〗しか見た事が無い奴等に俺は倒せないよ。〖雷牙の大太刀〗よ‥‥‥‥回帰せよ‥‥‥‥神話・回帰『万雷神鬩・雷牙の稲妻』」
「ウオオォォオオ!!!!!!!」
〖雷牙の大太刀〗が擬似的な神話への回帰を試みる。
神話魔法は現実風景に干渉する。それは〖剣帝〗が放った神話魔法により、事象済みである。
ならば〖雷牙の大太刀〗の場合は?
‥‥‥‥雷は雷牙が敵と判断した者全てに咆哮を向ける。〖影縫いのライ〗から始まり、それを機転に全ての『火炎の片割れ』の者達を蹂躙する。
その襲撃の夜、剣の里中から悲痛な叫びが讃美歌となり木霊するのだった。
「があぁぁ!!!僕の攻撃が効かない?‥‥‥‥それだけじゃない?!何で近くにいた。ハルやマルロまで雷で苦しんでいるんだ?」
「ぐあぁ!!ライ!助けて‥‥‥」
「ライ兄‥‥‥‥」
「寝てろよ。ロイ‥‥‥全部終わったら働いてもらうぞ‥‥‥‥色々とな。〖雷牙の号雷〗」
「ガラララララ!!!ウオオォォオオ!!!!」
バリバリバリバリバリバリ!!!!!
「ウワアァァ!!!!止めろ!!!意識が飛ぶ‥‥‥‥」ドサッ!
「セクウィ!!」
「ホーホー、ここに入るよ。ヌシ様」
「この収納魔道具に〖契約の輪〗が入ってる。付ければ強制的に黄金の宝物庫の牢屋に転移させられるから、闇ギルドの全ての奴等に付けて来てくれ」
「ホーホー、了解したよ。報酬は高級肉でね。ホーホー」
セクウィはそう言うと夜空へと飛び立って行った。
「ライ達にも付けてと‥‥‥‥良し、これで今後は俺の為に働かせてやるぞ。闇ギルド達‥‥‥‥後は、あの夜空の上に入る大馬鹿をどうにかするれば良いが‥‥‥‥〖万雷の千光〗」
バリバリバリバリバリバリ!!!!!
剣の里〖オッタル〗上空
「‥‥‥‥‥まさかここまでやるとはな。流石は〖火炎の片割れ〗のトップ」
「ギャオオオ!!我も驚いている。まさかほぼ互角にやり合えるとは‥‥‥だがそろそろ終わらせ‥‥‥‥」
「るのは俺との決着だよな?元相棒!!」
「む?その声は?貴様は‥‥」
「あぁ!!俺だよっ!そらっ!西の果てにでも吹っ飛べ!!!スヴァローグ!!〖万雷の咆哮〗」
「ウオオォォオオ!!!」
「何?これは?!」ドドドドドドドド!!!
スヴァローグが何かを言い終わる前に、雷牙により。西の地へと吹っ飛ばされた。
「な、何者だ?闇ギルドのトップを吹っ飛ばすとは‥‥‥‥」
「グレイ・オルタナティブの相棒だよ。オッサン。じゃあな、俺はアイツと話すことがあるんだ。全部終わったらまた来るよ」シュンッ!
『アリババ』と『フノス』の国境。
〖バリスの火山地帯〗
「ギャオオオ!!!己!!!何なのだっ!いきなり!!」
シュンッ!
「よおぅ!久しぶりだな。大馬鹿やろうの火炎のスヴァローグ」
「落雷のセツナ‥‥‥‥‥‥我のギルドの元片割れ‥‥‥か」
「何があったのかは最後に聞いてやる。今はお前を止めさせてもらうぞ!!元相棒!!」
「やれるものならやってみろ。我々、『ラグナログ(神々の黄昏)』の宿敵よ‥‥‥‥」