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紅焔決戦・〖片翼の火人は雷火に吠える〗 No.1 太陽の片割れ


火沃国家〖フノス〗・南部上空


その火人は片翼しか持ちえなかった。


右に赤き翼を生やし、その片翼のみで〖フノス〗の宵闇の空を飛んでいる。


火の神の末裔だからできる神業である。


「一日経ち、今頃に慌て始めても遅いわ‥‥‥かつては〖勇者〗がフレイヤ地方とアテナ地方を拠点に動き回っていた為に二つの地の攻略は諦めていたが‥‥‥‥行方不明になり‥‥‥死んだと思っていたが」


〖片翼の火人〗はそう言うとゆっくりと剣の里を見下ろした。


「‥‥‥‥‥感じるぞ!お前の微弱な魔力を‥‥‥‥‥まさか弱体化までしてくれていたとはな、セツナよ!今夜の蹂躙で我々の優劣をハッキリさせてやる‥‥‥‥〖イグニッション・プロミネンス〗!!開戦の狼煙を此処に上げる」


〖片翼の火人〗は夜空に灼熱の赤き火球を幾つも造り出す。


それを何の躊躇いも無しに、無感情のまま数万には住むと言われる剣の里〖オッタル〗へと勢い良く落下させていくのだった。



剣の里『オッタル』・〖アクアルソドの街〗


カンカンッ!カンカンッ!


「避難して下さいっ!避難して下さいっ!女性、お年寄り、子供は地下の防御結界内に優先的に避難をっ!闇ギルド・〖火炎の片割れ〗が襲撃してきましたっ!」


「空からは膨大な量の火炎が降ってきています!非戦闘員は速やかに避難してくださいっ!地下へっ!地下へ避難して下さい!!」


「おいおいおいっ!!空から真っ赤な太陽が降ってくるぞおぉ!!!」


「それだけじゃないっ!!あっちこっちから変な格好の奴等が〖オッタル〗や〖フノス〗の住人達を襲い初めてと報告が来たぞっ!」


「〖雷剣隊〗と〖地剣隊〗を各街に向かわせろ。指名手配になってる様な奴等は〖オッタル〗に残られている〖七剣〗様方が対処にあたる。今はそれよりもあの飛来してくる数え切れない火球をどうにかするしかないぞ!!」


「どうにかするしかないぞって‥‥‥‥後、数秒で落ち終わる様な火の玉をどう処理しようってんだよ‥‥‥‥こんな話をしている間に目の前に落ちてきたじゃないか‥‥‥‥あぁ、駄目だ‥‥‥焼き死ぬ‥‥‥‥」


「神話魔法(剛)‥‥‥‥『帝剣乱舞ていけんらんぶ』」


剣の里〖オッタル〗の空の一部が剣の世界へと変わる。現実風景への強制的介入。その事象は有り得ざる光景を現実の風景へと書き換える。


膨大な火球の空が幾千の剣劇の空へと変貌する。


「あ、あれは?‥‥‥‥〖剣帝〗様の神話魔法か?」


「な、何で?あんな大量の剣が空に浮いているんだ?しかも火球も空を舞う剣が切り刻んでるぞ」



『フノス』上空


「登場が早すぎやしないか?〖剣帝〗よ」


「いやいや、バカ弟子不在では、師である俺が活躍しなくてはいかんだろう。ましてや、逆恨みしている闇ギルドの襲撃を受けたと来れば尚更だろう。スヴァローグ・イグニッション殿」


「逆恨みではない。お前達〖オッタル〗の剣士達は我々の故郷を蹂躙した‥‥‥‥その報いは貴様等〖剣の里〗全ての者達を奴●とした時に晴れて許されると思え。殺戮者共がっ!ギャオオオ!!」


「殺戮者‥‥‥‥どの口が言うか‥‥‥‥多種族狩りの〖火炎の○○〗」


「貴様は‥‥‥‥殺そう!!」


「時間は稼がしてもらう」


火炎と剣がぶつがり合い、〖フノス〗の夜空を赤く染め始めた。


一方、その頃、剣の里〖オッタル〗は混乱し始めていた。強力な剣豪達がひしめくこの剣の国にとも呼ばれる〖オッタル〗に襲撃をかける組織など、何処にもいないと勘違いをしていたのである。


だが、それも過去の事。フレイヤ地方やアテナ地方といった中央地方の力の象徴であった抑止力とも呼べる〖勇者〗〖剣聖〗〖○○〗の不在。


これにより起こるは日に当たらず、フレイヤ地方とアテナ地方の闇の世界で身を潜め、力を蓄えていた実力者達の暗躍。そして、欲望に身を任せた残酷な虐殺劇が始まろうとしていた‥‥‥‥‥と思われたその時、一人のフードを被った少年が何処からともなくいきなり現れ、このかつて最悪な状況を打破する事になるのであった。


バリバリ‥‥‥‥シュンッ!


「おぉ、やっぱり凄いなフレイヤ地方。魔力濃度がユグドラシル地方並か‥‥‥‥いや、それ以上に濃いな。やっぱり欲しいな。この土地は‥‥‥‥」


(ホーホー、ならば先ずはこの剣の里を手に入れないとね。ヌシ様)


「な、何?何も無い場所から人が出てきたわよ?!」


「子供か?何だ?闇ギルドの仲間なのか?しかも‥‥‥肩に白い梟なんか乗せてるぞ?魔術師か何かか?」


剣士達が突然現れたフードの少年を見ながらヒソヒソと喋っていると黒影から一人の男が姿を現した。


スゥ‥‥‥‥「いやいや、そんな子供の仲間がいるわけ無いよ‥‥‥‥ていうか、その登場の仕方‥‥‥うちらを裏切った。セツナの兄貴みたいでムカついてくるね。君」


「その声は‥‥‥‥〖影縫い〗のライか‥‥‥大きく成長しったんだな。ライ‥‥‥‥」


「声も‥‥‥顔も‥‥‥‥そっくりだなんて、変装魔道具で姿を変えていのかい?‥‥‥ムカつくね。君、決めたっ!最初にこの剣の里で無き者にするのは君にしよう。セツナの兄貴のそっくり君」


「あの馬鹿はお前達に俺の事は話して無いんだな‥‥‥‥‥良いぜっ!委員長にフラれたり、男に惚れられたりでイライラしてたんだ。昔、みたいに気絶するまでやり合おうか!〖影縫い〗ライ・バルテルア舎弟君」

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