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火剣のダリウス・ラディウス


フレイヤ地方・際南の海岸〖フラ〗



俺は行方不明になったエスフィールを探す為、ヘスティア地方での激戦の傷が完全には治らないままの状態で、再び魔法世界アリーナへとやって来た。やって来たのだが、『ラグナログ(神々の黄昏)』の連中が本格的に俺を排除しようと動き始めた結果、旅の始まりから魔法大陸エウロペの際南端にまで飛ばされるとは‥‥‥連中も本腰を入れて俺を潰しにくるようだ。


その結果、他大陸の〖神ノ使徒〗達が力を付けるのも構うこと無くだ。


「だいたい、エウロペ大陸一つ落とせば、『天空大陸』と『暗黒大陸』に繋がるっていうのがそもそも可笑しな話なんだよ‥‥‥‥実質、魔法大陸エウロペさえ落としちまえば。アイツらの勝ちななんだから。遥か昔から好き放題させて放置何かしてたからヘスティア地方何かはあっちこっちに造られやがって、あのアホヘスティア様は‥‥‥‥つうか暑いな流石が情熱のフレイヤ地方」


ギコギコ‥‥ギコギコ‥‥


俺は愚痴を言いながらシーナイルの解体ショーを暑い際南の海岸で行っている。

ギコギコ‥‥‥‥ギコギコ‥‥ギコギコ


「おぉ、何か手慣れているなぁ、セツよ。セツは何でも器用にこなすのだな」


「勇者になる前は一人で死にそうになりながら生きてたし、勇者時代になっても旅の衣食住の管理は俺の仕事だったからな。それに俺は魔力総量がかなり多いから、昔の身体の時は睡眠も余り必要無かったんだ‥‥‥‥それを数年もやれば何でもできる様になるが。やってみるか?アナ」


俺は死んだ目の魚の様な眼でアナスタシアを見つめる。


「‥‥‥‥‥いや、遠慮しておく。セツは色々と苦労してるのだな私はこの海獣が腐らぬ様に〖青の氷〗で鮮度を保つ仕事に専念するわ。カハハハ!!」


くそ、今回の旅は俺が家事当番になりそう予感が‥‥‥‥今、思えばヘファイストス地方とヘスティア地方の旅の時は委員長、夜叉巫女、アヤネが旅の食事やその他諸々の準備を積極的手伝ってくれていたんだよな。


可憐ちゃん。家事とか得意じゃないかな?

いや、地球では天ノ宮家のご令嬢だ。家事スキルなどあるわけが‥‥‥‥


「オォー!可憐ママ。料理上手ー!」


「あ、ありがとうございます。ルアちゃん‥‥‥それよりも神成 刹那は何処からこんな新鮮な食材を取り出しんたですか?‥‥‥ていうか、何で私はこんな大自然でお料理をしてるですか~?神成 刹那!!」


「めちゃくちゃ料理ができそうじゃないかっ!良し、料理の方は可憐ちゃんに任せるか‥‥‥‥俺もちゃんと手伝わないとだが」


ギコギコ‥‥‥ギコギコ‥‥‥ギコギコ‥‥‥


「後、少しで解体が終わりそうだなぁ~、セツ~」


ギコギコ‥‥‥ギコギコ‥‥‥ボトッ‥‥‥‥コロコロ‥‥‥‥。


「ん?あぁ、そうだな‥‥‥ボトッてっ‥‥‥何か落ちてきたぞ。何だこれ?」


俺はそう言うとシーナイルの体内から出てきた物を拾いあげた。


「青い玉か?セツ。随分と魔力と神秘を帯びて入るな‥‥‥‥〖水玉〗とも〖水竜玉〗違うし、変な玉だな」


「〖水玉〗や〖水竜玉〗?‥‥‥‥」


「む?知らんか?海洋に住む魔獣達の中で〖海竜〗種は体内で水の魔法石を生成する時があるだぞ。だが、それはそのどちらでも無いな。おそらく、神代以前の代物だろうよ」


「神代前の?‥‥‥‥何でそんな物がこんな際南の海岸海の海獣の体内にあるんだよ?」


「分からんが‥‥‥まぁ、高く売れそうだから、とっといて何処か大きな街で売るのが良いかもな。セツ」


「売るか‥‥‥‥いや、これは俺がアイツを喚ぶ時でも‥‥‥‥」


「アイツ?‥‥‥それよりも私が真に気になったのは、その解体包丁代わりにしている〖太刀〗だが、そんな神聖が高そうな物を粗末に扱っていたらバチが当たるぞ」


「バチが当たる?‥‥‥‥いやいや、これは慣らしだよ。コイツはいきなり使うと不機嫌になるからな。水の魔力を少しでも与えておくと機嫌が良くなるんだよ」


「不機嫌とか機嫌とか、まるで生きてるみたいに言うな‥‥‥その太刀は〖神煌具〗には見えんしな」


「いや、コイツはちゃんとした‥‥‥‥?!避けろアナスタシア!!」


「む?何だ?私をいきなり抱き抱えてぇ?!セツゥ?!!」


俺がアナスタシアに解体に使った〖太刀〗について説明しようとした時であった。いきなり剣激が遠くの方か飛んで来たのだ。俺はその気配を感じ取った瞬間。アナスタシアを抱き抱えて、おもいっきり後方へと飛んだのだった。


ザザザザッ!

「カハァ!何だ?いきなり」


「間一髪。避けれたか‥‥‥‥しかし、何でいきなり攻撃されたんだ?それに俺の探知魔法にも何も反応しなかったぞ」


「カハハ、私の〖青の氷〗にも反応しなかったということは‥‥‥‥目の前に入る青髪の青年は相当な実力者ということだぞ。セツ。気をつけろ」


「‥‥‥‥あぁ。分かってる。アナスタシア」


スタンッ!


「何故、こんな誰も住んでいない場所に少年や小さい少女達が入るんだ?それにあれは獰猛なシーナイルと‥‥‥火弾の〖フエゴ〗が縛り上げられてる?どういう状況だ?‥‥‥‥そこの君達。さっきは牽制のつもりで攻撃してしまって済まなかった。大丈夫かい?」


青髪の青年はそう言って俺達の前に姿を現すと頭を下げて謝ってきた‥‥‥‥見た目はジェ●イの戦士の様な服装でザッイケメン。身体も見るからに鍛え上げた様な身体付きをしている‥‥‥‥全盛期の俺よりは劣るがな。

あの時の俺は背も高くて筋肉もあったのだ。


過去の栄光にしがみつく哀れな現在の俺‥‥‥‥いやいや、今は別のベクトルで強くなれば良いのだ。目指せ最強の魔法使い。なんちゃって‥‥‥‥〖エクス〗は今頃、何処に入るんだろうか?


あの子がいればセルビアの時の様に全盛期の身体に戻れたりできるのだろうか?謎手である。


「お、おい、セツ。どうした?あの青年が話しかけてるぞ。どうする?私はちょうとイケメンにトラウマがあって苦手なのだ」


銀髪美少女(姿は幼女)が何を言ってんだ?‥‥‥‥アナスタシアみたいなロリ神をどんなイケメンが反応するんだよ‥‥‥‥いや、いたな一人。ロリ好きの元仲間の変態が。


「ん?あぁ、済まん‥‥‥あんた、誰だ?何で俺達にいきなり攻撃してきたんだ。危うくアナスタシアが泣きそうに‥‥‥‥」


「誰が、泣くかっ!アホセツ。もう良い、私が聞く。貴様、神であるこのアナスタシアに攻撃の刃を向けるとは良い度胸だな。覚悟はできているのか?」


「ん?神ですか?‥‥‥お遊戯か何かですか?可愛い娘さん」


「違うはアホ!!セツ!コイツ、私を神と信じてないぞ。どういう事だ?」


「いや、見た目がロリだからだろう。ロリ神様‥‥‥‥それよりも‥‥‥‥俺は神な‥‥‥‥いや、ナルカミと言います。此方のロリ神はアナスタシア。正直、いきなり攻撃されたんで驚きましたよ‥‥‥え~と、貴方は?」


「いや、本当にすみません。私は〖火剣かけん〗・ダリウス・ラディウス。剣の里〖オッタル〗の剣士の一人です」


「‥‥‥剣の里の?」


俺達が向かおうとしていた〖剣の里〗の関係者がまさか来てくれるとは、これは幸先が良くなってきたかもしれない。

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