救国の担い手 VS 火弾の〖フエゴ〗No.2
「映画の撮影か何かですか?‥‥‥‥何で神成 刹那の回りから雷が発生して‥‥‥敵役の方の掌から火が?‥‥‥‥」
「あれが〖魔法〗だぞ。可憐。カハハハ!!ビックリしたか?私達もビックリしたぞ。まさかお前が一緒にこちらの世界にやって来るなんてな。カハハハ!!」
「ウィ‥‥‥‥やっぱりこうなった」
「何だ?ルア。お前は知っていたのか?知ってたんならセツや私に教えればよいものぉ」
「‥‥‥教えたら。神成が一生懸命。可憐ママが行くの止める‥‥‥‥そうすると〖運命〗も変わり始める」
「〖運命〗とな?‥‥‥‥まぁ、ルアにしか気づけない事もあるんだろうな」
「ウィ‥‥‥‥めんどくさい力‥‥‥‥」
「ヒヒヒヒッ!何だ?小さい子供に可愛い小娘まで連れてやがるなぁ?それにどれもこれもなかなかの上玉。こりゃあ、高値で売る前に少し味見を‥‥‥‥」
「‥‥‥‥闘いの最中に目移りしてるなんて随分と余裕があるんだな。火弾の〖フエゴ〗‥‥‥『熾天使の神秘』・〖雷天拳〗!!」
俺は自身の拳にあるモノを纏わせフエゴの顔面をおもいっきり殴るのだった。
「へぇ?何で俺の名前‥‥‥ブヘエェェ?!!!」
ミシミシ‥‥‥‥ドガアァァン!!
(どうですか?ご主人様。私の力を使っての〖神秘〗の具合は?)
「‥‥‥‥言い方が何か引っ掛かるな。ウリエル‥‥‥‥まぁ、まだ慣れないな。今夜、辺りまた、〖熾天使の神秘〗の練習をしないと駄目だな」
(分かりましたっ!直ぐに準備を始めますね。ご主人様!!)
「なんで?そんなに嬉しそうなんだよ‥‥‥‥てっ!もう念話が切れてるし‥‥‥‥力はいちを使えるのか?しかし、こっちの世界に俺が最初の頃、飛ばされてやさぐれてた時代にに壊滅させた筈の闇ギルド〖火炎の片割れ〗が活動を再開してるんだ?イグニッションの奴は心折れるまでボコボコにしたんだぞ。てっ聞いてるのか?火弾の〖フエゴ〗」
「ヒ、ヒギギ‥‥‥痛えぇぇ!!か、身体が焼ける様にな痛えぞおぉ!!何だ?俺に何をした?賞金首野郎!!!」
「ハハハ、やっぱり〖魔力〗には〖神秘〗が良く効くな。それより、苦しんでないで俺の質問に答えろよ‥‥‥‥ていうか、お前、新人か?壊滅させてから‥‥‥‥五年半位か?その間に態勢を立て直していたのか?〖火炎〗の連中は」
「ヒギギ‥‥‥こんな分けの解らん痛みで苦しませやがってっ!!!喰らえや、賞金首!!火魔法・〖火弾・二連〗」
「〖熾天使の神秘〗・『天使雷天』」
俺は再び、フエゴの火球に〖神秘〗の力が宿った雷を放つ。すると火球は魔力を失い、霧散し無効化されてしまった。
「ヒヒヒイィ?何で俺の火球が無力化される?何なんだ?お前のその力はぁぁ?!」
「答える義理は無いな‥‥‥『レッドローズ』から『フノス』に拠点を変えたのか?‥‥‥」
俺はここで考える。さっき此方の世界に到着する前に起こった事と、今、目の前で起こっている事についての関連性を‥‥‥‥次元の狭間から『ラグナログ(神々の黄昏)』の攻撃が始まっていたのか?
いや、それ以前に此方に来る前の〖神無月神社〗での一件‥‥‥あれで俺が此方に来ることが『ラグナログ(神々の黄昏)』の連中に知られてしまったんだろう。
大アルカナの〖教皇〗を倒した事で流石に奴等も俺を排除しようと動き出したということだろうか?‥‥‥いやいや、他の大陸の〖神ノ使徒〗達を放っておいてそれは無いだろう。
俺はもう〖勇者〗の〖資格〗は失っている。この間の闘いで〖神ノ使徒〗に戻ったのもたまたまだし、そのうち新たな〖勇者〗も誕生し、そいつが新たな〖神ノ使徒〗になると俺は予想している。
まぁ、ウリエルから聞いた話だと現在、俺が保有している四つの〖資格〗を合わせれば擬似的に〖神ノ使徒〗の力を引き出せるらしいが、あれも全盛期の身体、魔力、精神力があったから彼処まで強くなれたわけだが‥‥‥‥今のこのひ弱な身体ではそもそも、全盛期よりもよっぽど弱い〖神ノ使徒〗になってしまうんではなかろうか。
しかし、俺は擬装の魔道具を幾重にも、そして複雑に発動させて此方の世界では俺の本当の姿をバレないようしているんだが‥‥‥‥敵に〖千里眼〗の力を持つ大アルカナでも入るのだろうか?
‥‥‥‥そうなると今までの様にな派手な動きは難しくなってくるかもしれないな。
「‥‥‥‥‥〖天雷針縛〗」
「ヒギギギギ?!!な、な、何をする!!俺をいきなり縛るとはどういう!!」
「黙ってろ。火弾の〖フエゴ〗‥‥‥‥〖天雷〗」
俺は五月蝿い〖フエゴ〗に向かって神秘の雷を容赦なく流し込んだ。
「や、止めろ!!ヒヒヒヒギイィ!!」
バリバリバリバリバリバリ!!!!
「本格的に狙われるなら、此方から攻め込んでやるよ。スヴァローグ・イグニッション‥‥‥‥狩られるのは俺じゃない‥‥‥‥お前だ‥‥‥そして、手駒は〖剣神の里・オッタル〗の剣豪達へ手土産として存分に使わせてもらうからな。元相棒様よ‥‥‥」
「ヒヒ‥‥‥ギギ?元相棒?‥‥‥‥ガクッ‥‥‥」
フエゴは最後にそう告げると意識を失ったのだった。
初期の因縁が動きは始める。