魔王様は何処に行った?
〖神成 刹那の実家〗・リビング
ジャージャー、カチャカチャ‥‥‥‥。
トントン‥‥‥‥。
「‥‥‥‥‥湯で時間は‥‥‥と‥‥‥」
今、俺は一心不乱に料理をしている。何かをしていないと可笑しくなりそうだからだが‥‥‥
「カハハハ!どうした?セツよ。元気が無いぞ。何かあったか?現代の者に優しき神。アナスタシアが悩みを聞いてやろうか?カハハハ!」
「ウィーー、ご飯~!‥‥‥‥神成‥‥‥元気無い?大丈夫?」
「もう誰よ、この小さい子達はっ!‥‥‥‥てっ今は兄さんに聞ける状態じゃないし‥‥‥‥明日も休みだから聞くのは明日にするしかないか‥‥‥‥はぁー」
「‥‥‥‥できた‥‥‥‥五人分作ってしまった‥‥‥‥エスフィールの分は自分で食うか‥‥‥‥悪いな幼女達。夜食こんな遅くなっちまって‥‥‥」
俺はそう言いながら、作った料理を皿に盛り、テーブルに並べる。
「カハハハ!気にするな!私は優しき神だからな。頂きます!!モグモグ!!旨いぞおぉぉおお!!」
「‥‥‥‥心配‥‥‥‥イタダキマス‥‥‥‥ングング‥‥‥ウミャアアァァイジョオオ!!!」
幼女ツインズはミス●ー味っ子の味皇の様な反応をした。口から気●砲でも吐きそうな勢いだ。
「そうか‥‥‥‥それは良かった」
「何なの?この幼女達は‥‥‥‥」
「モグモグ‥‥‥‥カハハハ!ウマウマだなぁ!セツ!!ん?あぁ、そうか‥‥‥‥だが、あの者はセツをだな‥‥‥‥何?それでも御礼を言いたいんです!だとっ?!‥‥‥‥分かった。〖夢渡り〗で会わせてやる‥‥‥‥だから皆が寝るまで待っていろ‥‥‥‥あぁ」
「ングング!アナ。行儀悪いっ!」
「‥‥‥‥‥何なのこのちょっと大人びた銀髪幼女は‥‥‥行儀悪いよ。アナちゃん」
「ん?いや、私はただ、御礼を言いたいと言う者に助けをなぁ‥‥‥‥カハハハ!いや、済まん。ルアにセツの妹の‥‥‥セリよ」
「星奈よっ!」
俺はボーッとしながらアナスタシアの独り言をずっと眺め。ルアと星奈はアナスタシアに何か小言を言っているのを聴きながら、かなり遅い夜食を食べたのだった。
▽▽▽▽▽
『神成 刹那』の自室
「まさか、料理中に幼女ツインズが目を覚ますとはな‥‥‥‥今の時間は‥‥‥もうちょっとで日付が変わるところか‥‥‥本当に今日は色々ありすぎたな」
俺はその時の事を思い出す。
シュンッ!(カハハハ!!良く寝たぞぉ!だが、腹が減った!!ご飯を食べさせろ!!セツよぉ!!カハハハ!!)
シュンッ!(ウィーー!!神成!!ご飯!!!ウィーー!!)
(誰?この子達?!また、変な子達を連れてきたの?お兄ちゃん!!)
(‥‥‥‥‥そうだな。飯にしないとな。準備するよ)
((ちょっとっ!お兄ちゃん!!私に対してこの子達の説明は無いの?お兄ちゃん!!)
(カハハハ!アナスタシアだっ!よろしく頼む!‥‥‥‥ウ~ンと)
(アナ‥‥‥多分、この娘。神成の妹!)
(おぉ、そうかーっ!よろしく頼む!神成妹よ!カハハハ!!)
(ウィーー!よろしく!妹!!)
(‥‥‥‥‥妹って名前じゃなくて、星奈よっ!何なの?この可愛い幼女二人?兄さん‥‥‥‥)
(‥‥‥‥‥‥エスフィール)
‥‥‥‥‥‥‥。
「ハハハ‥‥‥あの時の星奈の顔は面白かったな‥‥‥‥あの幼女ツインズが騒いでてくれたお陰で気が紛れたな‥‥‥‥委員長との事で暫く落ち込もうとしてたんだがな。まさか、エスフィールが何処にも居ないなんて思いもしなかった‥‥‥‥‥どうしたもんか‥‥‥くそ‥‥‥‥睡魔が‥‥‥‥いや‥‥‥疲れてるんだから‥‥‥眠くなるのは‥‥‥当然か‥しか‥‥し‥‥エスフィール‥‥何処に行ったんだよ‥‥‥‥‥スゥースゥースゥー」
ガチャッ!キイィィ‥‥‥。
(‥‥‥良かった。兄さん、ちゃんと眠れたみたい)
(‥‥‥‥神成‥‥‥心、疲弊してた‥‥‥休ませないと‥‥‥)
(カハハハ!‥‥‥‥だな‥‥‥‥森の館のやり取りはある程度。寝ながらも聴いていたが‥‥‥‥)
(森の館?)
(カハハハ!これは人に優しき神。〖氷霊帝・アナスタシア〗が神肌を脱ぐしかないな。カハハハ!)
(‥‥‥何よその中二病的な名前は?‥‥‥‥はぁー、まあ良いや、二人共。今日は私の部屋で一緒に寝よう。もう夜も遅いし‥‥‥‥最近は夜中に鈴の音がするとか近所で噂になってたから。皆で寝れば怖くないしね)
(ウィーー!皆で寝るーー!)
(カハハハ!その鈴の問題はもう解決したぞ。星奈よっ!カハハハ!‥‥‥む?行くのか?そうか‥‥‥‥ならば少しの間だけ此方の世界に入れられる様にはしてやる‥‥‥‥本当はセツを落ち込ませたあやつの為にしたくはないのだかな‥‥‥‥〖氷夢〗‥‥‥‥去らばだ)
‥‥‥‥‥パタンッ!
▽▽▽▽▽
〖神無月屋敷〗
「フゥー、眠れ無いわ‥‥‥‥やっぱりもっと別の言い方があったわよね‥‥‥‥今度、あったらもう一度‥‥‥‥ん?」
神無月 恵の部屋に赤色の光が突然、現れた。
「‥‥‥‥何?また〖怪異〗なの?」
(恵様‥‥‥‥私です。〖虚像の写しみ〗で恵様の半身を任されていた。○○です)
「〖虚像の写しみ〗?‥‥‥‥もしかして神成君が貸してくれた魔道具の?」
(はい。その魔道具です‥‥‥‥恵様‥‥‥今回は御礼とお別れを言いに、この場に参りました)
「御礼とお別れ?」
(はい‥‥‥‥貴女の半身として此方で楽しい一時をありがとうございました。この思い出は一生の宝物にします‥‥‥‥貴女に会えて良かったです。さようなら‥‥‥‥恵様‥‥‥)
○○はそう言うと静かに消え始めた。
「あっ!ちょっと待って!‥‥‥‥彼は何か言って‥‥‥」
(‥‥‥‥はい。凄く落ち込んでおりました‥‥‥‥時が来ればまた、進展があるかもしれませんね‥‥‥‥新たな友達としての関係が‥‥‥‥それから新しい場所でも頑張って下さい。恵様‥‥‥‥応援しております‥‥‥)シュン‥‥‥‥
「消えちゃったわ‥‥‥‥友達としてか‥‥‥‥そうね‥‥‥親密な関係は終わったけど‥‥‥‥時間が経てば別の形に変わるかも知れないわよね‥‥‥‥ありがとう。○○、私、頑張ってみるわね。色々と‥‥‥」
神無月はそう言うと静かに眠りに着いたのだった。