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要塞都市『ノーム』 No.1 10000の囚人兵士~No.4 サーシャVSギガイアス



No.1. 10000の囚人兵士


『アーラ監獄』客室


「こ、これは、『始まりの大森林』の森の賢者達が使っているローブだよ!!イゾルテ!」


「トリス!こっちはヘファイストス地方の刀匠が作り上げた。ラーシリーズよ!トリス!」


「‥‥‥‥最果ての地にある。‥‥‥‥『古代迷宮』のドロップ魔道具。『秘跡の杖』がぁ!!‥‥‥」


俺は、現在。強制的仲間にした。元学友達に魔道具を貸し与えている。

なぜか、だって?コイツら。揃いも揃って。自分達の道具を『セルビア』に入国料として取られてしまったからである。


そして、残ったのは『アーラ監獄』の囚人用の服である。


「君ら!それは、貸すだけだからな!『セルビア』の事が済んで。君らが『魔法中央国』に無事に帰還したら返してもらうからな!」


「ありがとう!ありがとう!友!こんな、贅沢な魔法装備をただでくれるなんて!」


「そうね!トリス!流石は、我が円卓の盟友の1人だわ!セツナ!」


「‥‥‥‥ほおおおぅ!‥‥‥‥これは!‥‥‥『影の国』の死霊のローブ!‥‥ありがとう‥‥ありがとう‥‥兄弟子‥‥」


「いや、だから。あげないから!貸すだけだからな!」


そんな!やり取りをしているとボコボコになった看守長のオウボウが客室にやって来た。


あの三人が牢屋から出た瞬間。ボコボコにされていた。


「ナ、ナルカミ様!言われた通り。『アーラ監獄』に入る。服役中の違法に捕まった他国の者や傭兵を集めましたが、いったい?何をするきで?これもアルディス王子の指示なんでしょうか?」


「そう!そう!そうなんです。オウボウ看守長!いやー!『アーラ監獄』について調べたら。無実の罪で捕まった。他国の魔法使いや傭兵が10000人位入るって話じゃ無いですか?俺はそれを聞いて少し驚きました」



「いえ!はい、ユグドラシル地方で犯罪を犯したものは、西の『獣族国家ゼルム』かこの、『アーラ監獄』のどちらかへ送られて来ますので‥‥‥」


「そうですか!そうですか!それは、良かった!後、こちらを受け取って下さい。オウボウ看守長!貴方と『アーラ監獄』の看守の方々に是非差し上げます」


俺はそう言うと。金銀財宝が入った宝箱をオウボウ看守長に渡した。


「こ、これは、ナルカミ殿!!本当に宜しいので?」


「ええ!今後、『アーラ監獄』で起こること全てに目を(つぶ)って頂ければ!宜しいですか?」


「ええ!ええ!ええ!私達。看守は、今後のナルカミ殿の行動全てに目を瞑るとお約束します」


「では、この、紙にこのペンでオウボウ看守長の名前を書いて下さい。‥‥‥はい!ありがとうございます」



「トリス!私、元学友の闇の部分を見させられているわ」


「そうだね。イゾルテ!あの看守長ももう逃げられないさ!」


「‥‥‥‥ほおおおぅ‥‥ほおおおぅ‥‥『霊王の魔道書』(レプリカ)まで~‥‥‥」





「アーラ監獄」〖囚人広場〗


ガヤガヤ!ガヤガヤ!ガヤガヤ!


「お、おい!何で俺達こんなに集められたんだ?」


「し、知らねえよ!皆、ほぼ、無実の罪で収監された奴等。ばかりなのに」


そんな、話を囚人達がしていると看守長用の展望から俺とサーシャ、オウボウ看守長が展望に出ていく。


「ん?あれはオウボウ看守長?」


「あっ!オウボウだ!あいつ!絶体許せねえ!」


「くたばれ!オウボウ」


〖展望室〗


「‥‥‥大人気ですね。オウボウ看守長!」


「ここで、働いてたら。こんなのばっかりですよ。私も仕事で家族を養っていかなければならない身。慣れっこです。」


一瞬。強い大人の目をした。オウボウ看守長がとてもカッコ良く見えた。


「‥‥‥‥オウボウ看守長‥‥‥」


「それにですね。ナルカミ殿。サーシャ殿。彼らは大体が入国料を払えなかった旅人や無実の罪で捕まった傭兵達なんですよ。だから、彼らもここを去れれば一番いいんですけどね」


「その言葉確かに聞き受けました。オウボウ看守長!」


俺はそう言うと!


「お前らーー!ここから!出たいか?!!自由になりたいか?!!」


俺は拡声の魔道具で囚人広場全体に聴こえる声で囚人達に語りかける。


「な、何だ?あの子供は?」


「い、いきなり!何なの?」


「今、この、東地帯『ノーム』は魔神達や巨人の襲撃にあっている。もしそれを助け、戦ってくれたものは。この、『アーラ監獄』の出所を許し。祖国へと帰還しても良い」


「な、何だって?この、『ノーム』が?!」


「今、あの子、『アーラ監獄』を出所して良いって!」


「祖国に帰還しても良いとか!」


〖展望室〗


「ナ、ナルカミ殿?」


「良かったですね!オウボウ看守長。これで貴方の負担もかなり減りますよ」


「で、ですが、上の許可無く。勝手な判断は‥‥」


「王族の方にはもう許可を頂いてます。(アルディス王子には、後で言えばいい。)それに、今は緊急時です!」


そして、俺は囚人達に向かって再び語りかける。


「もし!今回の魔神進行に参加してくれれば!出所と同時に報酬も渡そう。1人辺り。ガリア金貨10枚を約束する。」


「ガリア金貨10枚だって?」


「余裕で祖国まで帰れる。金だ!」


「3年は遊んで暮らせる金額だぞ!それを出所と同時に渡すなんて!」


〖展望室〗


「勿論戦えないものは、後方支援に回ってもらう。そして、戦場で活躍したものには、更にガリア金貨20枚を贈呈する。これも必ず支払うと約束しよう」


〖囚人広場〗


「さ、更に20枚だと?!」


「5年は遊んで暮らせる額だぞ!」


「しかし、武器や装備はどうするんだ?」


「戦える者達は不安や装備の心配をするものも入るかも知れないが、それは安心してほしい。『魔法中央国』よりの援軍。元勇者の従者にして大魔法使いである。リーナ・サーシャ殿が来てくれた!更に彼女は『セルビア』国を説得し武器と防具を君達10000人分を確保してくれたぞ!!喜べ!!!」


「‥‥‥兄弟子‥‥‥兄弟子‥‥‥なんて!‥‥ことを‥‥」


隣のサーシャが戦慄した顔で俺を見てくる。

俺は無視した。


「リーナ・サーシャってあの人魔戦争を終結に導いた。勇者パーティーメンバーの1人か?」


「うおおお!!!『双璧の魔女』様じゃねえか!!!これなら魔神だろうが、巨人だろうが、勝てるぞ!!!」


「そうだ!俺達は自由と大金を手にして祖国に帰るんだ!!なぁ、みんなあああ!!!」


「そうだ!俺は帰るぞ!」「わ、私達も!!」


囚人広場に入る10000人の熱気が広場中に広がる。


「では、覚悟の決まった者からこの紙とペンに自身の名前と出身地を記入してくれそうすれば。転移魔道具で装備品と一緒に要塞都市『ノーム』へ送られる手配になっている」


「転移魔道具だって!俺達が『アーラ監獄』に入る間に時代が進んでいるんだな」


「おわっ!いつの間に手に紙とペンが?」


「書いたわ!!‥‥‥本当、本当に剣と防具が現れて。私の身体に馴染むわ」


「俺もだ」「私も」



〖展望室〗


「‥‥兄弟子‥‥あの装備と剣は?」


「装備は腐りかけの伸縮自在のアルタ粘液に防御力をあげる魔道具の市販品をくっつけた。剣はガリア帝国から貰った一般兵士剣だな」


「‥‥‥あの、大量の‥‥ガリア金貨は?‥ぬす」


「俺があっちに帰る前に頂いたものだ。‥‥‥綺麗なお金だ」


「‥‥‥汚いお金‥‥」


「ハイハイ!だが、これで10000人の戦力を確保できた!サーシャ!要塞都市『ノーム』の戦いが楽しみだな」


「‥‥‥‥出た!兄弟子の邪悪スマイル‥‥‥」


「素敵スマイルな!‥‥‥サーシャ!俺達も『ノーム』へ行こう。君の大規模魔法を久しぶりに見せてくれ!」


「‥‥‥了解‥‥‥兄弟子‥‥‥」





No.2 援軍


その地はまさに要塞なり。


何人も突破不可能。堅牢な守り。


超えられるのは魔神か巨人か。


どちらか来ねば堕ちることは無し。


要塞都市『ノーム』ここにあり。


著『冒険家・ラインバッハ・エゴル』


要塞都市『ノーム』城内


「報告します!ノーム将軍!ドーム団長!南砦壊滅!」


「報告します!ノーム将軍!タカバ守備長戦死!」


「報告します!東門が!」


次々に来る。悪い知らせが、ワシの思考を狂わせる。


「ノーム将軍!いや、ノームさん。貴方だけでもここから逃げて下さい!」


「ば、馬鹿者!そんなこんな事できるか!ドーム!昔から息子みたいな。お前達、兵士を置いてなど行けるわけ無かろう!」


「ですが、ノームさん!‥‥‥もう!」


「く!‥‥」


「ほ、報告!報告します!」


また、嫌な。知らせが来るか?


「援軍!援軍の報告あり!『アーラ監獄』から次々に囚人達が突然現れ。巨人達と混戦しています!」


「『アーラ監獄』から援軍じゃと?!そして、巨人達と混戦?!どういうことじゃ?」


「わ、分かりませんが!援軍の数はおよそ、10000人は入るかと!」


「い、10000人じゃと!!!」


都市郊外


「ライハ殿!これはいったい?」


魔王領・新騎士が1人夜型の『ライハ』


「わ、分かりませんけど。‥‥‥‥でも助かりました。もう少しで東門が突破されるところでしたし!私弱いから‥‥‥ごめんなさい。皆様!うぅぅ‥ごめんなさい」


夜型のライハが泣きそうになる。


「はっ!皆のものライハ殿が泣きそうだ!」


「何だと!それはいかん!可憐なライハ殿を泣かせるな!」


「ライハ殿!見ていて下され!我々の勇姿を!行きます!」


夜型のライハが泣き出す瞬間。『セルビア』東軍のエルフ兵や一般妖精達がやる気を出し。苦境にたたされていた筈の東の前線を押し戻した。


「み、皆さん!!わ、私もが、頑張りますね!ニコリ」


「守りたい!この笑顔!」「可憐だ!」「これで三騎士の1人とか、反則だろう!」



要塞都市『ノーム』近くの岩場



「おー!凄いぞ!3人共!東の前線が何故か分からないが!押し戻されてる?何でだ」


「それは僕と」達「私達の」


「「愛のパワーが炸裂したからよ!だよ!」」


俺は少し。イラッとした。


「そうかい!じゃあ、行ってこい!お前ら!」


俺は岩場から2人を放り投げた。


「ハハハ!相変わらず!僕達の扱いが荒いね。セツナ」


「フフフ!そうね!トリス!セツナは久しぶりに学友と会えて。嬉しい恥ずかしいのよ!」


「そうだね!ハニー!‥‥‥では、僕から行こう!セツナから貰った!新武器「冷夏の弓」の威力を確かめたいしね。水魔法『冷夏の矢』」


トリスタンが、俺が貸し与えた。冷夏の弓で水魔法の『冷夏の矢』を何発も巨人達に向けて放つ。


「いいね!いいね!この弓。ありがたく頂くよ。セツナ!飛散してくれ!『冷夏・爆心』」


矢の形状をした。水が暴発し巨人達を肉塊へと変えた。


「私も行くわトリス!風魔法『音超』ララララ♪」


イゾルテが放った『音超』は複数の巨人の顔部分に当たる。その巨人達の顔が突然、吹き飛んだ。


「あら、凄いわね!この『始まりの大森林』のローブは魔力の威力を底上げしてくれるわ。こんな、良いものをただで、くれるなんて、流石、元学友だわ!セツナ」


「だから、誰もあげるなんて一言も言ってないぞ!おら!パッチン」(指パッチン)


「ギャあ!!!痺れれれれ!」「きゃあ!!痺れれれれ!」


「なぁ、サーシャ?!」


「‥‥‥琥珀石を使った。‥‥‥魔力感知の魔道具。綺麗‥‥‥ありがとう‥‥兄弟子‥‥」


「あげないからな!後で返せよ!」


「‥‥‥いや!‥‥」


「今なんか、言ったか?サーシャ」


「‥‥いや、何でも‥‥‥」


「?そうか!しかし、良いんですか?オウボウ看守長。貴方や看守達。それに元奴隷まで解放して連れて来て?」


「‥‥‥まぁ、後でどうなるか分かりませんが。東地帯の危機です。仕方ありますまい」


どうしてだろうか、覚悟を決めた大人の男って奴はどうしてこうもカッコ良く見えてしまうのか?


「そして、最初の援軍の後に更に追加で5000人が名乗りを上げた。これで15000から16000人の兵が集められたな。サーシャ」


「‥‥そして、全ての負担は‥‥ガリア帝国の金庫が‥‥負担すると‥‥」


「そうだな。防具は腐りかけのアルタ粘液に市販の防御力を最大にあげる魔道具。ガリアの金貨は、俺が地球に帰る前にガリア帝国の国庫に設置した転移門から半永久的出で来る。そして、俺はこの戦いの後。15003人もの仲間を得られる。最高の結果だ!」


「‥‥‥兄弟子!15002人‥‥‥」


「あぁ、サーシャ15003人だ。今後とも仲良くやろう。ニタァ」


「‥‥‥くっ!‥‥私は悪魔と契約してしまった‥‥」


「不満があるなら。その、貸した。魔道具全て返せ!」


「‥‥‥嫌だ!‥‥」


「出たな!わがまま。まだ、治って無いのか?サーシャ」


「‥‥ふん!‥‥」


「まぁ、いいか!そろそろ来るだろうしな!」


「‥‥(コクり)‥‥」


「はて?ナルカミ殿!そろそろ来るとは?」


オウボウ看守長が小首を(かし)げ聞いてくる。


「大物ですよ!オウボウ看守長!巨人達の多分ボス!」


「‥‥魔神巨兵!‥‥ギガイアス!‥‥」



要塞都市『ノーム』正面門


ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!



「な、何だ!この地震は!前にいる。巨人達のか?」


「いや、それとは比べものにならない!行きよいの!」



ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!ゴゴゴゴゴ!!!!

「クソガアアア!!何故、堕ちておらぬ!!貴様ら!!!」


「ギ、ギガイアス様!!?」「ヒイィ!!殺さないで!」「おで達も頑張って!」


「言い訳良い!!さっさと落とすぞ!!貴様ら!我も出よう!行くぞ!!魔神闘技『儀賀印発駆動(ギガインパクト)』」


「‥‥‥させない!‥‥風魔法『風関籠城』」


ギガイアスが放った。『儀賀印発駆動』をサーシャは軽く。受け止めた。


「ぬうう!!何者だ貴様!」


「‥‥大魔法使い‥‥サーシャ‥見参!」じゃーん!


「と!そのお供のナルカミだっ!宜しく!魔神巨兵殿」


「ピキッ!殺す!」


魔神巨兵との戦いが始まる。







No.3夜型の『ライハ』


『魔法中央国』魔術院図書館・数年前


「ん?何読んでんだ?サーシャ!」


「‥‥‥兄弟子!‥‥‥これ!‥‥」


「えーっと!魔神竜戦争について?ん?ん?魔神巨兵ギガイアス?」


「‥‥‥そう!‥‥とても大きい!」


サーシャは本の挿し絵を見て。とても興奮していた。


「こんなのが本当にこの世に実在してたとはな!実在に見たら。目が飛田しそうだな!」


「‥‥だな!‥‥」



そして、現代。要塞都市『ノーム』


「‥‥‥まじで!でかいな!サーシャ!」


「‥‥‥絵よりも凄い迫力‥‥」


「貴様ら!何をぶつぶつとこれでも喰らえ!魔神闘技『螺旋巨人』」


ギガイアスは近くにいた仲間の巨人を丸め、ボーリングの玉の様に俺達に投げてきた。


「すごいな!あの全長は10mは、あろう仲間の巨人を何の躊躇(ちゅうちょ)なく丸め。投げてきたぞ!サーシャ!」


「‥‥‥酷いなことをする‥‥」


「どうする?手伝うか?」


「‥‥‥いらない!‥‥大丈夫‥‥」


「じゃあ、後、宜しくな!無茶はするなよ!」



「‥‥了解‥‥水魔法『水源水槽』」


俺はそう言うと。オウボウ看守長の元へと転移した。


「ナ、ナルカミ殿!よろしいのですか?お仲間が!囚人番号20001がやられるのでは!」


「囚人番号20001だったのかサーシャの奴。‥‥大丈夫ですよ!オウボウ看守長!何せ囚人番号20001は最強ですから」



要塞都市『ノーム』戦場


「しゃはー!!全ては自由の為に!」


「全てはガリア金貨の為に!!」


「全ては俺達の」「私達の」


「「自由と金の為に!」」


「す、凄いぞ!彼らが来てくれたおかげで、形勢が逆転した!勝てる!勝てるぞ!あの恐ろしい巨人達に俺達は勝てる!」


「行けるぞ!!」


「おお!!「おお!!」」



岩場の高台


「すげえな!あっちの戦場。凄い盛り上がってますね!オウボウ看守長」


「まぁ、そりゃあ、勝てば。自由と大金が一気に手に入りますからな。誰でもあぁ、なるかと」


「確かにそうですね」


「す、すみませーーん!!そこの方々!!」


オウボウ看守長とそんな、話をしているとブラックキャットに乗った。黒い鎧の騎士が浮遊魔法でやってきた。

良く見ると顔立ちがどこかエスフィールに似ている気がした。


「ん?君は?」


「え?はい!初めまして!私は魔王領から派遣された。三騎士の1人夜型の『ライハ』と申します」


その女の子は金髪で目の色が藍色になっており。とても可愛らしい容姿をしていた。


「あぁ、君が例の。初めまして、ナルカミと申します。こちらは『アーラ監獄』の」


「オウボウと申します。夜型殿。ご名声は私達。『アーラ監獄』へも届いております。お会いできて光栄であります」


オウボウ看守長はそう言うと。深々とお辞儀をした。


「え?オウボウ看守長。彼女ってそんなに有名なんですか?」


「なんと!ナルカミ殿は知りませんか?夜型殿の功績を近年では、人魔戦争の戦争処理や『魔法中央国』と『魔王領』との境界線会議での活躍等目まぐるしい活躍をしている方ですよ」


ということは、俺やエスフィールがいなくなった後に活躍し出した子か。


「君、そんなに凄い人だったのか?これは失礼をしました」


「い、いえ!私はお母様にお手伝いに着いていって。そこで色々、手伝ってたら。なんか分からないうちに解決しててですね」


ん?お母様?夜型『ライハ』さんは高貴な生まれなのだろうか?確かに良く見ると育ちの良さを感じるな。


「そうなんです?まぁ、貴方が無事で良かったです。(営業スマイル)」


ズキューーーーン。


「はぅ!えぇ!あ、ありがとうございます。ナルカミ様」


ん?ナルカミ様?‥‥‥まぁ、いいか!


「ナルカミ殿はあれですな。多分、タラシですな」


オウボウ看守長が何か言っていたが無視することにした。


「まぁ、援軍外気なり10000人以上来たら。巨人達も慌てるし。形勢も逆転するでしょうね。後は、サーシャとギガイアスの戦い次第でどう転ぶかですかね」


「そ、そのサーシャ殿は大丈夫なのですか?同じ位の娘が入る私は心配で!心配で!」


「‥‥‥問題無いですよ。何せ、彼女は例の行方不明になった勇者と同じ位強い。『双璧の魔女』と呼ばれているんですから。」


「行方不明になった勇者と同じ位強い?彼女がですか?」


驚いている。オウボウ看守長と新三騎士のライハさん。


「ええ、彼女は自身が持つ高い魔力総量で強力な高位魔法で敵を圧倒してきましたから」


「は、はぁ。な、なるほど?」


俺はそう言うとサーシャとギガイアスの戦いを眺めることにした。


要塞都市『ノーム』正面門


「なめられたモノだな!この俺様の攻撃が、小娘1人の防御魔法で止められるとは」


「小娘じゃない‥‥サーシャ!」


「どうでもよいわ!死ね!魔神闘技『義眼怒(ギガンド)』」


「私に力技は効かない。‥‥‥地魔法『地帯高楼』」


「ぎがあ!?!」


サーシャの『地帯高楼』でギガイアスの動きを簡単に止める。


「‥‥‥す、凄い!この杖!‥‥絶体貰う‥‥」


俺が貸した。杖をたいそう気に入った様だ。


「な、なめるな!たかだか人間が!俺様は神代の魔神巨兵ギガイアスだぞ!」


「‥‥‥五月蝿い!‥‥地魔法『大地の矢』水魔法『水源の血』火魔法『火炎柱』」



岩場の高台


「ナ、ナルカミ殿!サーシャ殿が違う魔法を、しかも3つ同時に発動させたのは私の目の錯覚ですかな?」


「いいえ!オウボウ看守長。目の錯覚じゃあ、ありません。サーシャは最大で同時に五属性の魔法を使う事ができる。『魔術院』の秘蔵っ子です」


「かの有名な『魔術院』の方何ですか?サーシャさんは」


夜型の『ライハ』はんがそう訪ねてきた。


「ええ!それを駆使して常日頃。行方不明の勇者と対等に戦っていたらしいですよ。‥‥‥本によれば」


「そ、そうなんですね」


「ん?ライハさん身体中、ボロボロですね。治癒魔法『治癒の伊吹』」


俺がそう唱えると。ライハさん身体の擦り傷などがたちどころに治っていく。


「す、凄い。私の身体の傷がみるみる治っていきます。お姉ちゃんみたい」


ん?お姉ちゃん?


「ライハさんには、お姉さんさんが入るんですか?」


「は、はい!優しくて私その事を溺愛してくれてる。優しい人です。モフモフしている小動物なんか凄く好きで‥‥‥あっ!すみません。私ったら!‥‥‥今は、ちょっと行方不明でして」


俺は身体、全身から滝の様な汗が出てきた。


「そ、そうなんですね。見つかると良いですね。お姉さん」


「はい!あの、泥棒勇者さんとの戦いの後、同じタイミングで行方不明になったんです。」


「泥棒勇者?」


「はい!魔王城にある。高価な魔道具や武器を盗み出した。悪い人です。お姉ちゃんも私の予想だと。その泥棒勇者に(さら)われたんだと思います」


俺は、身体から出る大量の汗をどうしよか考えていた。


「おや、ナルカミ殿!凄い汗ですね。‥‥こちらをどうぞ!飲み物と布です」


俺の異変に気づいたオウボウ看守長が俺に飲み物とタオルかこれ?柔らかい布を渡してくれた。

この人は本当に大人として立派だとつくづく思ってしまった。


「だ、大丈夫ですか?ナルカミ様?」


ライハさんも俺の異変に気付いて心配してくれたようで、俺の身体を支えてくれた。


「あぁ、ありがとう。ライハさん!‥‥‥ライハさんはお姉さんに似て美人さんだね!将来が楽しみだ!お嫁さんに欲しいくらいだよ!ハハハ」


俺は話を()らす為にそんなことを何も考えず。発言してしまった。


「お、お嫁さん!欲しい。‥‥‥分かりました。約束ですよ!ナルカミ様」


ライハさんはそう言うと右手を差し出してきた。


「は、はぁ、では、宜しく」


俺は考える余裕が無かったため。ライハさん同様。右手を出し固い握手をした。


「や、やりました。フフフ」


ライハさんは何故か嬉しそうだ。


「ナ、ナルカミ殿!よろしかったので?」


オウボウ看守長が俺に耳打ちをする。


「何がですか?オウボウ看守長?」


「あの藍色の目は多分ですが、魔法族の方の目ですぞ。魔法族は婚姻の約束の時は、右手同士を重ねる習わしがあるとか‥‥‥」


‥‥‥‥‥考えるのを止めた。


「‥‥‥まぁ、何とかなりますよ‥‥‥」


「そ、そうですか、ならばよいのですが、見たところ夜型の『ライハ』殿は、魔法族の里の貴族か何かでは?後々、問題にならなければ良いのですが」


‥‥‥‥‥考えるのを止めた。


「‥‥‥まぁ、何とかやりますよ‥‥‥」


「が、頑張って下され。ナルカミ殿」


そうして俺達3人は岩場の高台からサーシャとギガイアスの戦いをみていたのだった。





No.4 サーシャVSギガイアス


要塞都市『ノーム』正面門


「ぐ!ぐがあああ!!なんだ!この威力の攻撃魔法は!」


「‥‥‥ふぅ!‥‥‥まぁまぁ‥‥」


「ぐ!貴様あああ!魔神闘技『巨兵の拳』」


ギガイアスは天高く飛び上がると、サーシャ目掛けて下降して行く。


「地魔法『地脈角槍』雷魔法『雷雨散鱗』水魔法『水源爆風』」


ギガイアスの『巨兵の拳』に対してサーシャは、三属性の攻撃魔法を放つ。


「おのれ!人間風情が!神代の神々の様な戦い方を!!死ねえ!!!!」


「‥‥‥デカイのはただの的!三魔法『地雷水槍』」


サーシャの三属性の魔法は折り重なり。1つ三色の槍を作り出す。


「‥‥行って!『地雷水槍』!!」


サーシャがそう、言い終えた瞬間。ギガイアスの腹部に『地雷水槍』がぶち当たる。



「ぐきゃあああ!!ぐ、ぐぞおおお!!おのれ!」



要塞都市『ノーム』城内


「す、すげえな!おい!あの巨人共の親玉が」


「ああ、子供扱いかよ!」


郊外戦場


「おい!おい!演説の時は疑心暗鬼だったが、なんだよ!あの出鱈目(でたらめ)な強さの魔法は」


「つうか、同じタイミングで同時に三属性を扱っているのか?例の行方不明の勇者と言い。噂に名高い拳王姫セシリアと言い。化物連中なのか勇者一行って奴らは!」


「マジで、俺達とは次元が一つ違うな!」


要塞都市『ノーム』正面門



「‥‥‥まだやる?ギガイアス?」


「黙れ!黙れ!全てはあの方の為に!!全ては混沌の為に!」


「‥‥‥‥あっそう!‥‥ふわぁ‥‥」


「おいおい!双璧の魔女さん。親玉との戦闘中に欠伸(あくび)したぞ」


「どんだけ、余裕なんだよ!」


「‥‥‥‥き、貴様!なめおって!‥‥‥魔神闘技『古院朴頭(フルインパクト)』」


「‥‥‥なめてはいない‥‥そもそも貴方と私の相性が最悪なだけ‥‥三魔法『炎地水脈老』」


三色のマグマのような魔法がギガイアスの出した『古院朴頭(フルインパクト)』を飲み込む。


「何故、効かぬ。何故、届かぬ。ぐ、くそおおお!!グオオオオオ!!!や、焼かれる!!!」


サーシャの『炎地水脈老』がギガイアスの身体を灼熱へと変える。


「せ、せめて『ノーム』だけでも落とさねば!」


「させない!神代・回帰・五大魔法『五色・縛籠』」


サーシャの神代・回帰技。『五色・縛籠』が発動した。

ギガイアスを中心に五角形の結界を作る。


「な、なんだ!この攻撃は?!」


「‥逃がさない!壊させない!‥‥『圧縮』」


サーシャがそう唱える。『五色・縛籠』が徐々に小さく収縮していく。


「ぐおう!なんだ!これは?!圧迫される?い、息が!!」



岩場の高台


「うわ、久しぶりに見たな。サーシャの『五色・縛籠』」


「あ、あの技は何にでしょうか?ナルカミ様?」


ライハさんが俺に聞いてくる。何故か距離が近い。


「あ、あの技ですか。ライハさん?」


「は、はい!教えて下さい。ナルカミ様!」


くそ!可愛いぞ!この子。エスフィールに顔が似ているのもセツナ的にポイント高い。


「あれは、サーシャの神代・回帰技『五色・縛籠』と言って。指定した相手を圧死させるまで終わらない。無限の地獄みたいな技ですよ。」


「無限の地獄ですか?」


「えぇ、昔『魔術院』で一緒の時ですが、『スパイング山脈』に研修に言ったとき。当時、サーシャは9歳で山脈の竜。地竜をあの技で倒したことがありまよ」


「9歳で地竜をですかな?それはまるで‥‥‥」


「おとぎ話かと思いますけどね。オウボウ看守長。事実なんですよ!これが、あそこにいる。トリスタンやイゾルテもその場に居たらしいので本当の事なんです。」


「‥‥‥全く。信じられませんが。実際にあの巨人の親玉のギガイアスが。ああも、一方的にやられているのを見ると信じるしかありませんな」


オウボウ看守長は額に汗をタラシながら目の前の光景を見ていた。


要塞都市『ノーム』正面門


「‥‥‥終わりにするさようなら‥‥魔神巨兵‥‥‥五大魔法・縮図『五色・終局』」


「がぁ!身体が圧縮される?!俺様の屈強な肉体が?がぁ!」


ギガイアスのゆうに50mはあるであろう身体が、『五色・縛籠』によって5m程の大きさに圧縮された。


「ぎがあ!?、き、貴様!!!」


「‥‥‥さようなら‥‥神代の巨人さん。『無箱・消滅』」


「ぎがあ!?、ぎご!ぎ!‥‥‥ブツン」


ギガイアスはそう言うと喋るのを止め。『五色・縛籠』の中で圧死した。


「‥‥‥‥終わり‥‥‥」


岩場の高台


「うそ!凄い、勝っちゃいましたよ。ナルカミ様」


「な、何と!」


ライハさんとオウボウ看守長は驚きの顔をしながら。勝利したサーシャを見ていた。


「えぇ、そうですね。転移魔法」


俺は転移魔法でサーシャのいるところまで近づいた。


「‥‥‥‥兄弟子終わった‥‥」


「ああ、見ていた‥‥‥この後、ここを3人に任せるがいいか!サーシャ?」


コクリ!サーシャが頷く。


「‥‥‥分かった!やっとく!ただしこの杖をくれたら!‥‥」


「‥‥‥ガリアの一級杖をご所望とは‥‥では、このローブも着けよう。それでいいか?」


「‥‥‥ほおお!ほおお!‥‥了解!後、やっとく‥‥行って!兄弟子‥‥風魔法『風刃』」


サーシャはそう言うと近くにいた。巨人の胴体に『風刃』を喰らわした。


「了解だな、後は頼んだ!」


そして俺は別の場所へと移動した。


要塞都市『ノーム』


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