因幡の白兎
私の勉強不足で〖因幡の白兎〗の因幡を稲葉と間違って打ってしまっていました。
すみません。
稲葉では100人乗っても大丈夫の方になってしまうところでした。
ご迷惑をおかけします。
〖神無月神社〗黒蛇の帳内
「この鈴は神鈴として大切に使おう‥‥‥‥‥報せ‥‥‥‥感謝する」
何時もは酒ばかり飲んで馬鹿騒ぎしている〖大蛇〗が、地面に転がっていた鈴を拾いながら感謝を述べている。
「‥‥‥‥鈴のお化けがいないけど?‥‥‥‥あの酒乱の人が倒してくれたの?」
委員長は俺の身体に密着しながら〖大蛇〗の方をジロジロと観察し始めた。
「あぁ、鈴の〖怪異〗は居なくなったよ‥‥‥‥だが、それよりもヤバそうな白兎が目の前で大蛇に捕まってるんだがな」
「ヤバそうな白うさ‥‥‥ぎ?」
俺は大蛇と大蛇の魔法によって動きを封じ込めれた白兎の方へと目線を向けた。それを追うように委員長も大蛇側に目を向けた。
「ウゥゥ‥‥‥動けない‥‥‥‥くそぉ‥‥‥何で退治された筈の〖黒龍〗様が此方の世界にいるんだよぉ‥‥‥」
「〖月詠〗が封印しされ、寝返ったのか?小賢しい兎よ‥‥‥‥貴様は遥か昔から何一つ変わらぬのだな。因幡の兎よ‥‥‥‥」
「こ、黒龍様!!これは何かの手違いなのです!因幡は黒龍様にあの化物を退治して頂きたく‥‥‥」
「我が新しき主を狙ったという事か?この世界ならば新しき主は魔力が使えず狩れると信じて?」
「い、いえ、そんな考え、この因幡には一切ありません。因幡はただ〖帝〗様に無理やり命令されたのです。一度しか開くことができない〖天照の岩戸〗であの〖怪異〗をこちらの世界に入れる様に強制的に‥‥‥‥」
「〖帝〗だと?‥‥‥‥‥‥新しき主よ。和国の主は確か将軍の位の者なのだろう?」
「ん?あぁ、そうだな‥‥‥‥和国の〖神ノ使徒〗‥‥‥‥‥『火炎』『統一ノ者』『覇者』の〖資格〗を持つ〖焔将軍〗が治めている筈だ」
「ほう、『不知火』の一族か‥‥‥‥それは遥か昔から変わらずのようだな‥‥‥‥‥‥それで?〖帝〗と言う者は何者なのだ?因幡の兎よ」
「‥‥‥‥因幡も詳しくは知りません。因幡はただ、〖帝〗様から。夢渡りでお会いし、勅命を授かったまでの事なのですぅ」
「‥‥‥‥‥そんな演技でこの〖八岐大蛇〗を誑かせると思っているのか?‥‥‥‥列島には現在、〖鳴神〗〖天照〗〖青龍〗しかいないのか‥‥‥それを良い事に〖怪異〗は現れ初め、貴様の様な小賢しい存在が溢れ始めたと‥‥‥‥‥」
「はへ?何で因幡の考えている事が筒抜けに?」
「貴様の様な神獣級の者の心の考えなど。術で縛って貴様の中の〖神秘〗を読み取れば造作もなく知れるわ‥‥‥‥〖月詠〗の封印は解いた。これで暫くは持ち堪えるだろうよ」
「へ?〖白龍〗様が何ですかぁ?黒龍様」
「‥‥‥‥‥七原龍に叛こうとする者に教える事など何もないわ。此処は〖神無月神社〗と言うのか‥‥‥‥小娘。いちを聞いておいてやる。この因幡の白兎に思い入れはあるか?」
「思い入れ?‥‥‥‥‥ううん。全然。何か腹黒そうだし‥‥‥」
「はへ?そんなっ!因幡は神無月家を守護する‥‥‥‥」
「歴代の神無月家から〖神秘〗を奪って自身の力に還元していたのか?‥‥‥貴様、だから〖出雲〗では毎回の様にデカイ顔をしていたのか?‥‥‥呆れた兎だな。貴様」
「歴代の何?‥‥‥‥〖神秘〗を奪って?」
大蛇の話を聞いて委員長は困惑し始めた。
「いえ、あのお嬢さん‥‥‥‥」
「小娘‥‥‥‥お前の先祖達の中でたまに短命の者や、突然、不幸にあったと言う者はいたか?」
「ご先祖様?‥‥‥え、えぇ‥‥‥曾お爺様が昔、突然歩けなくなって。それからずっと寝たきりになったとか、ママに聞いた事はあるけど」
「‥‥‥‥‥因幡の白兎‥‥‥‥貴様‥‥‥‥此方の世界で人に‥‥‥悪事を‥‥‥加えたのか?」
「はへ?いえいえ。あれはただの不幸な事故でございますぅ。黒龍様。それにあの年寄りは、因幡が居なければ直ぐに死んでおりましたところを‥‥‥‥」
白兎はビクビクと慌てながら大蛇に説明し始めた。
「主の〖月詠〗が封印され、気持ちが増長したか?‥‥‥‥はたまた、自身が新たな〖白龍〗に化けれるとでも盲信したのか‥‥‥‥‥何れを取っても浅はかな考えに至るその心‥‥‥‥この『七原龍』・〖黒龍・八岐大蛇〗が裁く」
「はへ?そ、そんなのあんまりでごさいますぅ!!黒龍様だって罪の無い列島の民を幾人も‥‥‥‥」
「貴様が言うあれらが罪が無い民だと?討伐としょおして我が土地に住まうただの民を拐って行った。者共が罪の無い列島の民だと?‥‥‥‥‥‥貴様は今、我の逆鱗に触れたぞ」
「はへ?今なんとぉ?」
「何事もなければ〖鵺〗の心を汲み取り、貴様を小娘の補佐をと思案したが‥‥止めだ」
「‥‥‥‥何の補佐?私に?」
「はい?これ程の魔力を持った神無月の娘さんの補佐ですか?はへっ!やります!是非、この因幡の白兎に‥‥‥」
「そうか‥‥‥ならば貴様を媒介にして、我の使いを小娘に付けるとしようか」
「はへ?黒龍様。今なんと?」
「因幡の白兎の〖神獣の毛皮〗か‥‥‥‥質が悪いが仕方あるまい‥‥‥‥‥オン・アラガ・ハクダ‥‥‥」
「は‥‥‥へ?‥‥‥‥それは魂のみを喚び出す。〖霊魂の‥‥‥‥はへ?‥‥‥身体が‥‥‥消えて‥‥‥‥」
スゥー‥‥‥‥‥。
大蛇が何か不気味な詠唱すると因幡の白兎の姿が消えていく。そして、新たなに白蛇の様なものが姿を現した。
「白兎が白蛇に変わっちまった?」
「‥‥‥‥嘘‥‥‥モフモフしたかったのに」
いや、今、それどころではない場面だろう。委員長。
「シュゥゥ~‥‥‥〖八岐大蛇〗様。お久しぶりでございます」
「白蛇‥‥‥久しく会わず。いきなりの喚び出し許せ」
「シュゥゥ~、はい~!〖八岐大蛇〗様~。そして、本日はどの様なご用件でしょうか?」
「あぁ、あの小娘に付き色々と世話してやれ‥‥‥‥それと小娘の一族の百年ばかりの間だけ護り手として守護してやってくれ。我の〖加護〗を一つ授ける‥‥‥‥頼めるか?白蛇よ」
「シュゥゥ~、分かりました~。〖八岐大蛇〗様。では‥‥‥‥え~とっ!小娘様は神無月様で宜しかったですか?」
「え?えぇ、そうだけど‥‥‥‥」
「シュゥゥ~、そうですか。では、今後、魔法についてお困り事がありましたら私、白蛇にお聞き下さい~。シュゥゥ~、それでは〖八岐大蛇〗様。行って参ります~」
「おぉ、また。百年後に会おうぞ。白蛇よ」
「シュゥゥ~、はい~」シュンッ!
「な、何?白蛇が光ったと思ったら‥‥‥‥腕輪になっちゃったんだけど?」
「これで天王洲の小娘に引けを取らぬ、相方を付けてやれたか‥‥‥これで良いか?新しき主よ」
「‥‥‥‥あぁ、色々と察して動いてくれてありがとう。大蛇」
「契約の祝詞に従ったまでよ‥‥‥神鏡、神鈴、〖白兎の毛皮〗か‥‥‥‥毛皮は魔力を帯びさせた注連縄にでもするか‥‥‥‥全く。面倒な世になっていくものだ。現代の時というやつは‥‥‥‥‥」シュンッ!
大蛇は最後にそう話すと魔法の袋(黄金の宝物庫)の中へと帰って行ってしまったのだった。
神鈴は巫女が神楽を踊る時に使う鈴の事だそうです。