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アヤネとルアの道 No.3 多岐亡羊


〖天王洲邸宅・大広間〗


カンカンカンカン!!!


「アヤネお嬢様が逃亡しました!屋敷内にいる使用人の方々は速やかにアヤネ様捜索隊を‥‥‥‥」


「アヤネ様~!何処ですか~!」


「‥‥‥‥‥また逃げた。待ったく‥‥‥‥アヤネ様は何時も楽しい騒ぎを起こす‥‥‥‥早く探してあげないと」


「アヤネお嬢様を探し出せ!!我等のご主人様をっ!」


「「「「「おおおぉぉぉ!!!!」」」」」


何か凄い騒ぎになってきた。何処から途もなくいきなり現れた大量の黒服のSPに俺を囲み集団リ◯チしてきたメイド達があっちこっち走り回っている。


「カハハハ!騒がしいなぁ!何だか氷雪大陸の〖氷雪祭〗を思い出すな!カハハハ!」


「氷雪大陸の〖氷雪祭〗?」


「ん?、気になるか?セツ」


「まあな、あっちの世界で氷雪大陸って言ったらアルトネ大陸としか交流せず。エウロペ大陸じゃあ、未開の地みたいなものだからな」


「ほう。未開の地とな‥‥‥‥成る程。〖氷雪祭〗は七氷帝の一角〖氷狼神〗を讃える祭りでな。そこで出される氷猪の串焼きといったら昔から絶品でな」


「へー、神をも唸らす味とは‥‥‥‥何だか興味が湧いてきたな」


「ほうほう。ならば、そのうち一緒に来るか?〖氷雪大陸〗へ?歓迎するぞ。私の国〖スノー・ライト〗でもてなしてやろう」


「んー‥‥‥‥まぁ、色々と今の問題が解決したら行くかなー、何年後になるか解らんけどな‥‥‥‥」


「むっ!そうか‥‥‥〖ラグナログ(神々の黄昏)〗か‥‥‥‥難儀な奴らが現れたもんだな。まぁ、そんな、私もそのメンバーの一人に負け幽閉されていたのだがな」


「〖教皇〗や〖星〗の大アルカナがヤられて。報復しにルア・カトリクに奴等が来ると思って急いで帰って来たが‥‥‥‥失敗だったかな?報復しに来た奴等も倒してから帰って来た方が‥‥‥‥」


「いや、急いで地球に帰って来たのが正解だろうよ。戦争終結後、お前や私は〖教皇〗との闘いの傷はまだ、癒えていなかった。あれで〖教皇〗よりも上位の者が一人でも現れたら。私達は全て殺される羽目になっていただろうよ」


「‥‥‥‥まぁな」


「予防線に古代からある〖ロマの地下神殿〗で神々の加護を施したのだろう?」


「あぁ、ついでにアナスタシアの名前も使った」


「何だと?‥‥‥‥‥くぅー、もしや、アリーナめ。このまま、全てが終わるまでセツの面倒を見させる気か?‥‥‥‥‥いや、そうしないと魔法世界が滅びるということか?‥‥‥‥うーむ。分からん」


「アナスタシア?」


「‥‥‥‥‥‥まぁ、良い。今はルアの事の方が大事。セツよ。私達も変態お嬢様とやらを一緒に探すぞ」


「そうだな。俺達も行くか‥‥‥‥」


「ちょっと待って。刹那君」


「綾さん?」


俺とアナスタシアが大広間から出ようとした瞬間。アヤネのお母さん。綾さんに呼び止められた。


「あの一件以来、初めて家に足を運んでくれたって事は元(許嫁)に戻ったって事で良いのよね?」


「元に戻ったですか?‥‥‥えーっと」


‥‥‥‥このシチュエーション。漫画で良く見かけるやつだ。お互いの認識が誤解を招き後々、めんどくさくなるという爆弾。

俺は知っている。天王洲家の執念とアホみたいな勘違いのボタンの掛け違いを‥‥‥‥元とは多分。許嫁の事だろうか?いや、そうに違いない。


ここで変な発言をすれば俺は天王洲家の‥‥‥‥アヤネと四六時中いる生活の未来が約束されてしまう。

それだけは絶対に回避しなくてはならない。そんな事になれば、俺の隠し財産の全てがアヤネの物になり、俺は‥‥‥‥いや、それ以上の事は考えるのを止めよう。


今は綾さんが勘違いしない様に、自分の考えをちゃんと伝えなくては。


「はいっ!アヤネさんは俺にとってとても大切なしん‥‥‥‥」


カンカンカンカン!!

「アヤネお嬢様が地下で見かけたとの報告あり。報告あり。至急、メイド部隊は地下の全通路を隈無く捜索するようお願いします!」


「ゆうです‥‥‥‥‥」


「まぁ、大切な新婚ですなんて‥‥‥‥そう。分かったわ。周りや『花衆(かしゅう)十二家』の人達は口を出してくると思うけど。アヤネや可愛い美少年を息子に持ちたい私にとっては気にする人達でもないわ‥‥‥‥」


「いや、新婚ですなんて一言も言って無いですし。〖親友〗と‥‥‥‥」


「まぁ、そういう細かい事は貴女達が〖高校生〗に上がった時にでも決めましょうね。今はアヤネの捜索が第一よね。義理息子君」


「いえ、俺は綾さんの義理息子では無くて‥‥‥‥あの、頬擦りするの止めてもらいますか?怖いんで‥‥‥‥」


「駄目よ。もう逃がさないわ‥‥‥‥私の子」


「‥‥‥‥ヒィィ!!この親にして、あの娘ありだ!!ヤバイぞ!セツ!この家はヤバイ!頭の可笑しい娘しかいない〖魔窟〗の奴等もドン引きする変態ハウスだ!!逃げるぞ!!〖霧雪〗」


ビュオオオオ!!!


「あら?いきなり何かしら?てっ!キャアアアア!!」


「奥様!!大丈夫てすか?!!」


「え、えぇ、平気よ。如月ちゃん。そんな事より、私の刹那君をもっと抱きしめ堪能したいの‥‥‥‥てっ?居ないわ?」


「なっ?いつの間に?」



▽▽▽▽▽


〖天王洲邸宅〗・地下迷路


「ふぅー、助かったよ。アナスタシア。まさか、穴がこっちの世界(地球)でも魔法が使える何てビックリしたぞ」


「カハハハ!あれは〖神秘〗だ。セツ」


「〖神秘〗?あぁ、ウリエルが作ってた俺のステータスにもそんな表示があったな」


「〖神秘〗‥‥‥神の神業だな。私は〖神〗‥‥‥此方の世界でもその認識は変わって無いのだろうよ。〖神〗は魅技を見せる‥‥‥‥これでセツを助けろということか?アリーナ‥‥‥」


「〖神秘〗ねぇ‥‥‥タマキやウリエルがこっちで色々出きるのもその〖神秘〗の力なのかもな。そんな事より、今はアヤネとルアを探しに行くか」


「おう!そうだったな。行くとしよう!カハハハ!」



▽▽▽▽▽


地下迷路・最新部


「ここで待っていれば少しは時間を稼げます。その間にセツ君のスマホに連絡を入れて、此処まで来てもらい、その後はセツ君のお家に皆で逃げましょうね。ルアさん」


「‥‥‥‥逃げりゅ?ママが」


(ルア様。私達は逃げます!貴女は此処に残り〖柱〗の役割を果たすのです)


(やだ!ルアも一緒に連れててぇ!!)


(いいえ、貴女様は選ばれた方‥‥‥‥〖地上〗と〖異界〗を繋げる‥‥‥‥贄なのでから‥‥‥‥さようなら。愚かなルア様。貴女は私達が自由になる為のね)


(‥‥‥‥さようなら。ルア。ごめんなさい)


(‥‥‥‥待って!待って!お姉ちゃん!!!)


「‥‥‥っ‥‥‥うぅぅ‥‥‥‥」


「?ルアさん。大丈夫てすか?」


「‥‥‥‥‥ママは此処から逃げたいの?ババを‥‥‥家族を置いて一人で逃げたいの?」


「はいっ!勿論です。(わたくし)の自由の為に!」


「‥‥‥自由?‥‥‥そ、そんなの違う!」

バシンッ!


「ビチャィ?!!な、何をするんですか?ルアさん。ママに向かってっ!」


「‥‥‥ママ!逃げないで‥‥‥‥さっきの偽物パパ‥‥‥うぅん。神成みたいに自分とちゃんと向き合って!そうじゃないと‥‥‥未来のママ可笑しくなってく」


「未来の私が可笑しくなっていくですか?」


カツン‥‥‥カツン‥‥‥カツン‥‥。


「〖ロマの未来視〗か‥‥‥‥ルアの言うことをちゃんと聞いといた方が良いぞ。アヤネ」


「セツ君?どうして此処に?」


「‥‥‥アヤネの●●●に発信器を付けているからな。だから、これで二十四時間ずっとアヤネを監視できるんだよ。俺」


「はい?私の●●●にですか?いつの間に?」


「‥‥‥‥ナイショ」


「お前も大概。変態だな。セツ‥‥‥‥天王洲のおなごよ。ルアは七聖―女神―ヘスティアの〖権能〗・『先読み』を行使できる‥‥‥‥そんなルアが忠告したんだ。素直に言う事を聞き。ケレスが守護する女学院とやらで時が過ぎるまで守ってもらっていろ。じゃないとお前‥‥‥‥‥死ぬ事になるぞ」


おいおい、アナスタシアの奴、何を言ってんだ?アヤネが死ぬ?どういう事だ。


「‥‥‥は?私が死ぬですって?」


「お前。このまま、此処を脱出したら、セツと一緒に。また、魔法世界(アリーナ)に行けるとか安易な考えを持っておるだろう?違うか?」


「わ、私がそんな安直な事考えるわけありません。変な言いがかりは止めて下さい!」


「心肺が上っ面いるぞ‥‥‥‥所詮は〖地球〗の子供だな。いいか?ヘファイストス地方やヘスティア地方の旅はこのセツのサポートがあったから無傷の状態で帰って来れたと天使達から聴いた」


「い、いえ、オアシスでは私達もそれなりに活躍を」


「それは敵が弱ったからだろう‥‥‥‥だが、次に魔法世界(アリーナ)に行ったのならば状況も変わっている。ヘスティア地方であれだけ派手にやったんだ。セツが何者かなど後、少し時間が経てば〖ラグナログ(神々の黄昏)〗の連中に気付かれるであろうよ。そんな時にお前の様な足手まといが入れば真っ先に狙われ殺されるのがおちだ」


「私が足手まとい‥‥‥‥ですって?」


「そうだ‥‥‥だから、ケレスの所‥‥‥‥いや、昔の名は〖デメテル〗か?‥‥‥アイツの所で修行して色々と学んで来い。ラファエルよ!」


「はいっ!アナスタシア。天使・ラファエルが此処にっ!」


「〖写しみの虚像〗を渡してやる‥‥‥半身になり。変態お嬢様を助けてやってくれ。それと私の手紙を〖デメテル〗の奴に見せておけ‥‥‥‥遠き〖神秘〗が残るギリシャ辺りにでも身を潜めているだろうが。私の〖神秘〗を依代にケレス女学院に呼び寄せられるだろう‥‥‥‥サポートとしてやれ。親しい契約者ならばな」


アナスタシアはそう言うとラファエルに〖写しみの虚像〗と〖青色の手紙〗を渡した。


「アナスタシア様のご厚意に感謝を‥‥‥セツナ‥‥‥悪いわね。しばくの間。私の力は半減するけど宜しくね」


「ん?あぁ、話がいきなり過ぎて付いて行けなかったが‥‥アヤネの為になるなら。分かった」


「ありがとう‥‥‥‥アヤネ。あんたが足手まといとか言われないよう。私があんたをサポートしてドンドン強くしてあげるから覚悟しなさい!良いわね!」


「へ?え?あっ!はいっ!大丈夫ですわ。何だか話が唐突過ぎましたが‥‥‥‥」


(‥‥‥ママ!逃げないで‥‥‥‥さっきの偽物パパ‥‥‥うぅん。神成みたいに自分とちゃんと向き合って!そうじゃないと‥‥‥未来のママ可笑しくなってく)


「‥‥‥ルアさんのあの一言で目が覚めましたわ。私、ルアさんのママとしてケレス女学院で頑張って強くなってみせますわっ!」


「‥‥‥‥ママ!!頑張れっ!」ガシッ!


ルアはそう言うとアヤネの体にしがみついた。

血など繋がっていないが母と娘の愛情が其処にはあった。


「カハハハ!腹は括れた様だな。ケレス女学院の中の〖豊穣の角〗を探せ。そうすればケレスの〖神秘〗が漂う豊穣の間に入れるであろうよ‥‥‥後は其処のラファエルと共に多くの事を教えて貰え‥‥‥〖デメテル〗神にな!カハハハ!」



おいおい、此処で判明するのかよ。アフロディーテと同じ存在。【地聖七星(ちせいしちせい)】の一人。地球の神・〖デメテル〗の名前が‥‥‥‥。

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