〖太陽〗と〖世界〗の報告 そして〖吊るされし者〗は西へと赴く‥‥‥‥
魔法世界・ヘスティア地方
〖ルア・カトリク〗上空
「どう?‥‥‥‥‥国内には入れそう?オルビステラ」
「‥‥‥‥‥いや。三神‥‥‥もっとかな?‥‥四神の〖神の守護〗が張られているよ。フレイ」
「えーっ!何それ?‥‥‥‥せっかく遠いフレイヤ地方から遥々やって来たのに観光もできないわけ?ヤダーッ!」
「いや、観光に来たわけじゃ無いでしょう。アトスさんやシリウスさんの安否の確認をして来いと〖代理人〗から言われて来たんだし」
「ブーッ!それはそうだけど〖ロマ・テレシア〗や〖ヘル・デア〗の貴族オークションとか、大星華祭とか言うのにも参加したかったんだよ?」
「‥‥‥‥‥‥仕方ないでしょう?〖ロマ・テレシア〗は数日前に滅んでしまったって。今は〖ルア・カトリック〗‥‥‥‥西側の殆どの国々が纏まり。新しく造られた大国家‥‥‥‥そこに西の無法地を上手くまとめ始めたプロキオンとか言う人の集団と龍族の国『ニーズヘッグ』までもが合流した。エウロペ大陸でもガリア帝国に匹敵する国がこの数十日の間にできてしまったのよ。フレイ」
「知ってますーっ!それもこれも謎の魔術師。〖救国の担い手〗さんが原因何でしょう?‥‥‥‥この大陸の〖神ノ使徒〗何だっけ?その担い手さんは」
「まだ、余り情報が無くて。分からないの‥‥‥‥誰しもこの世界で魔法を使えば、使った本人の魔力残滓が微かにでも残るのに。〖救国の担い手〗の魔力残滓は何一つ感じ取れないんだ。まるでこの〖世界〗から姿そのものを消したようにね」
「嘘?オルビステラの〖世界〗探知に引っ掛からない子なんて居ないでしょう?〖異界〗〖天界〗〖他大陸〗の何処に隠れていても貴女の眼なら何処に隠れていても居場所が分かっちゃうのに?」
「そう。とても不思議に思っているよ‥‥‥‥せめて『ヘル・デア』の〖大龍脈〗位は回収して帰らないと。〖魔術師〗に何をされるやら‥‥‥しかし、どうしてこんな短時間で大アルカナが五席も減るんの?私は不思議に思って‥‥‥‥‥」
「へー?何がそんなに不思議なんだい?可愛らしいお二人さん」
「誰っ?」「こんな高い空に人がっ?」
「グルルル!!フム、我輩にも説明を頼む。お若いお二人。何故、傷まだ癒えぬこの国に来た?」
「ワハハハ!!答えによっては首を飛ばすぞっ!フレア!!いや、〖○○〗!!と良く分からぬ美少女よっ!」
「‥‥‥グレイ‥‥‥オルタナティブ‥‥‥さん」
「白の魔術師〖マーリン〗に‥‥‥‥〖異界〗の三銃士〖ケット・シー〗‥‥‥‥〖剣聖〗グレイ・オルタナティブ‥‥‥‥こんな大人物達が何でこんな場所に?」
「いやいや、そんな質問はしてないんだけどね‥‥‥‥とりあえず捕えて‥‥‥色々とその愛らしいお姿を愛でながら実験をしようか?お二人さん」
「実験って‥‥‥‥私達に何をする気よ?白い年増!」
「‥‥‥‥白い年増?‥‥‥カッチーン!お姉さん。少しぶちギレちゃったかな~?さぁ、拷問の時間の始め‥‥‥‥」
(させぬぞ‥‥‥〖白銀い獣〗これ以上。こちら側の数を減らされても困るのでな)
ズズズズ‥‥‥‥‥‥。
謎の少女二人の周りに黒い影が広がり始め、その中から灰色のローブを見に纏った人物が現れた。
「おぉ、これは、意外な人が登場したね‥‥‥‥厄介な人が」
「〖代理人〗」「何故、此処に?」
「帰るぞ二人共‥‥‥‥何故、私の許可無しに動いた?危うくお前達まで危ない目に合うところだったんだぞ」
「い、いえ、それは〖ロキ〗さんが‥‥‥‥」
「うんっ!探りに行かないと力の剥奪は免れないって‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥また〖ロキ〗か?〖教皇〗アトスの時も勝手に〖無闇を力〗を取り上げていた‥‥‥‥いったい何を考えている?」
「おやおや?呑気に会話かい?‥‥‥‥そんな暇は〖白銀の‥‥‥‥」
「グルルル!なに筈だぞ!神代‥‥‥‥」
「ワハハハ!飛ばすぞ!その首っ!地剣‥‥‥‥」
「お前達が此処に居るという事は南側は手薄になったという事か‥‥‥‥‥今日は良い事を知れた。お前達に感謝する‥‥‥去らばだ。〖無闇の帰路〗」
ズズズズ‥‥‥‥。
「プフゥ、時間オーバーっ!じゃあね?白銀のおばさん!」
「おばっ?!ちょっ!待てコラー!お馬鹿そうな子っ!!逃げるなー!」
「あぁ、逃がさぬぞ。フレイ!!!」
「無理だよ。白の魔術師〖マーリン〗〖剣聖〗グレイ・オルタナティブ‥‥‥‥〖無闇〗には通じないし。私達はもう此処に居ないんだからね」
「グルルル!!フム、逃げ込むか?〖無闇〗へ。ならばせめてもの‥‥‥‥‥〖グラガ・○○○〗」
「ケット・シー‥‥‥‥‥久しいなかつての友よ。また会おう‥‥‥‥去らば」
ズズズズ…‥‥‥‥。
ドガアアアアンンン!!!!!
バリバリバリバリバリバリ!!!!!
「ウ~ン!逃げられたね」
「ワハハハ!!意味が分からん。まるでカミナリ様の転移の様だったぞ」
「いや、我が弟子のは〖空間転移〗‥‥‥あれは〖空間移動〗だね‥‥‥徒歩での。全く厄介な子達だよっ!ていうか、君、我が弟子の知り合いなの?‥‥‥‥」
「グルルル!!だが、我輩の攻撃だけは持ち帰らせたが‥‥‥‥当たるかどうか分からぬな?」
▼▼▼▼▼
〖無闇の部屋〗
ズズズズ…‥‥‥グオンッ!
「フゥー、間一髪」
「えぇ、危なかったわ」
「無事で何よりだ‥‥‥‥今回の勝手な行動は不問とする。後で事細かな経緯は〖ロキ〗本人に聞いておく‥‥‥‥‥今はお前達の無事を喜ぼう」
「ほ、本当?優しいーっ!流石、私達の〖代理人〗」
「えぇ、何時も私達が危なくなったら助けてくれるからね」
「‥‥‥‥‥気のせいだ‥‥‥‥では緊急だが今、入る者達だけで〖無闇の会議〗を始める」
「おうよっ!失礼するぜっ!ダンナッ!西の大陸の攻略に行ってたラストの旦那が死んだってのは本当なのかい?」
「〖エクシス〗か‥‥‥‥‥あぁ、それだけではない。〖教皇〗のアトスと〖星〗のシリウスもヤられてしまった。お陰で我々はヘスティア地方の大部分の土地とアルトネ大陸の西方教会を失う事になった」
「おいおい、マジかよ?大アルカナの一桁No.の〖主格〗がヤられるなんて初なんじゃ無いのかよ?〖代理人〗のダンナ」
「その通りだ‥‥‥‥大アルカナのNo.0~No.5までのメンバーは神をも凌ぐ力が何かしら持っている。〖教皇〗アトスの場合は〖神殺しの力〗現代闇魔法が進化を遂げた〖晦冥魔法〗〖大アルカナ〗〖不老〗〖無闇の部屋〗‥‥‥‥‥もな。〖エクシス〗。西の地〖アルトネ大陸〗は西の世界的港都市〖アステルマルカル〗へと向かってくれ」
「〖アステルマルカル〗?何でだよ?ダンナ。今さらあんな所に資金を投入してもだな‥‥‥‥」
「裏で動け。〖カンナギ〗の動向に注視しろ‥‥‥‥無理せずにな」
「〖カンナギ〗?あぁ、成る程。アルゴンのオッサンをヤった奴か‥‥‥‥了解した」
「フレイは豊穣の地にて準備を整えろ。〖剣聖〗が不在と分かった今、あれの準備を進める」
「あれの?でも。〖代理人〗。〖ヘル・デア〗の〖大龍脈〗は?あれが無いと地上と〖異界〗の融合何て無理なんじゃないの?」
「あぁ、〖大龍脈〗‥‥‥‥いずれは〖ロマ・テレシア〗とイシスの〖異界〗を融合させる為に力を貯めていた神秘の遺産‥‥‥‥何処の者が我々から奪ったのか。検討も付かないがな。あれに類にするものは〖ティアマト〗地方にもあるのだな?〖オルビステラ〗」
「‥‥‥まだ。探し終えて無いけど。帰ったら。〖アプス〗様に聞いてみないと」
「そうか‥‥‥‥まぁ、ゆっくりで良い。今までは急ぎ過ぎたのだ。ティアマト地方は〖オルビステラ〗と〖アプス〗に委ねる。そして、女王は〖異界〗に戻り計画を進めてくれ」
「フフフフフフフフフフ!!!そう。五月蝿かった〖教皇〗は死んだの‥‥‥‥‥‥フフフフフフ。分かったわ。敵はいずれ私が取ってあげるから。五月蝿いアトス」
「あの陰気な女王さんが〖代理人〗の言うことを素直に聞いた?」
「まぁ、乙女心は複雑なんだろうよ。色々とな。特に彼方さんは一桁のNo.だったんだ。新参の俺達よりも色々とあったんだろう」
「創設メンバーですか?‥‥‥色々とですか」
「‥‥‥‥無駄な会話は会議が終わってからにしろお前達。〖エクシス〗に巨額の金を。〖フレイ〗と〖オルビステラ〗には私の力の一端を与える。女王は‥‥‥まぁ、今はそっとしておこう。南の土地は今、手薄だ油断無く手に入れるぞ‥‥‥‥‥次に我々の邪魔をする謎の人物。〖救国の担い手〗だが」
「グレイ‥‥‥‥オルタナティブの仲間?」
「逃げ隠れする卑怯ものですね?〖代理人〗」
「あぁ、例のセルビアとテレシアで暴れた奴か?」
「これについてはある時期が来た時、〖フォルトゥナ〗が対象する‥‥‥‥これ以上、我々、『ラグナログ(神々の黄昏)』に手出し出来ない様にな‥‥‥‥では、これにて緊急の会議を終える‥‥‥‥メンバーはかなり減らされてしまったが。その減った者達の為にも、我々はやり遂げるのだ。これからは色々な準備の段階に入る、力を蓄える時期だ‥‥‥‥それと〖ロキ〗には気をつけろ。私の見えない所ではお前達を救ってやれないからな」
「「「「‥‥‥‥‥了解」」」」
「それでは解散する‥‥‥前にあれを唱えるか」
「「「「「「我等は我等の主人の為に!我等は我等の世界の為に!そして彼らに終末を!全ては我等、『神々の黄昏ラグナログ』の為に!!!!!!」」」」」」
ズズズズズズズズ‥‥‥‥シュンッ!