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七日目の朝に


宗教国家〖ロマ・テレシア〗と新国家〖ルア・カトリク〗による。短き戦争、『黙示録の六日戦争』は一週間もしないうちに終戦を迎えた。


後の憶測話しでは行方不明中の〖勇者〗が突如、現れ。全ての元凶たる〖教皇〗を暗殺したとか。


隠れ潜んでいた龍族の襲撃に合い。〖教皇〗を始めとした国の中枢の者達が纏めて始末されたなど有りもしない様な噂話がエウロペ大陸中を賑わせていた。


だが、事実は全く異なるだろう。今回の戦争で亡くなったのは、悪事を働いていた信徒、〖富〗を独占していた上流貴族、トルギアス・アトス率いる〖五芒星(ペタルファ)〗〖ニ凶星〗〖シリウス・クラウディウス〗などの中枢を担っていた者達だ。


今後、新国家〖ルア・カトリク〗建国後の不穏分子になりそうな者達を大粛清したとも言えるだろうか?


だが、此方の被害はあったが自由を勝ち取った紛争地帯の〖ヘル・デア〗国民達は平和と自由を手に入れた喜びの叫びが各所から聴こえてきた。



終戦後の新都〖ルア・カトリク〗


「此処が〖剣山〗に囲まれた入国困難な閉鎖的な国で良かったな。他国からの外部干渉が始まる前に国内の事が処理できるらいしな。サータさん」


「あぁ、我が義理の娘。ルア新法王がテレシア大聖堂の正当な〖ロマ法王〗と認められ。〖ニーズヘッグ〗の援軍。〖ロマの地下神殿〗居た古き信徒達が我々の側に付いた事で、戦争も我々の勝利に終える事ができた………後に彼等を正規軍とした軍を編成し〖ロマ・テレシア〗から新国家〖ルア・カトリク〗樹立をエウロペ大陸中に広めようと思っている」


「そうか………まぁ、ケット・シーやハルピュイア達が暴れるだけ暴れてくれたお陰で〖ロマ・テレシア〗の屈強な聖騎士達は壊滅。首都に居た貴族連中も皆、どさくさに紛れて粛清してたらしいな」


「あぁ、お陰で我々はやり易くなった。他国から何か言われた際、神獣様達の天罰が下ったと誤魔かせるからな‥‥‥これからは掃討戦だ。〖首都・テレシア〗にあった潤沢な備蓄の食糧を〖ヘル・デア〗の兵に与え、十分な休息を与えた後。各都市の残党も片付けていく予定だ‥‥‥私も後に何処かで消える予定だしな」


「消えるねぇ‥‥‥そんな簡単にいくとは思わないけどな。〖三星教〗のサータ・エンケラドス」


「〖三星教〗?何だそれは?」


「さぁ、後で誰かに教えてもらってくれよ。俺は後、数日したら帰るからな」


「帰る?〖オアシス〗にか?‥‥‥〖救国の担って〗は〖教皇〗を倒した立役者。ちゃんとした式典を開き報酬をだな‥‥‥」


「いや、報酬なら十分貰ってるよ‥‥‥それとだな‥‥‥少し移動するぞ。転移魔法『縮転移』」シュンッ!


「何?」シュンッ!


『テレシア大聖堂』国庫


ビュオオオオオ!!!!!スポンッ!スポンッ!スポンッ!スポンッ!


「ウキウキウキウキウキウキウキウキウキウキ!!!!!金銀財宝!貴重な魔道具!数個ある神煌具はこの窃盗団〖タマキ組〗が頂きますぞ!!ウキウキウキウキウキウキ!!!!ウチは今、かつてないゾクゾクがあぁ!!」


シュンッ!シュンッ!

「やっぱり此処に居た‥‥‥何しての?タマキ」

「‥‥‥これはいったい?」


「ウキウキ‥‥‥?ご主人様?‥‥‥何故‥‥‥此処に?」


「何故、此処にじゃないっ!今回の戦いに全然、参加しなかったと思ったら宝探しに奔走してたのか?!ウキウキと楽しそうざゃないか。このアホキツネ!!!」


「ウキャアア?!!ご、ご主人様。止めて頬を引っ張らないでくだシャイ!ごめんなさい!ゴシュヒンシャマア!!」


「この国にはまだまだ金がないんだ。金銀財宝は返すんだっ!」


「ウギャアア!!ショニャア!!!」


俺はお馬鹿なタマキを粛清した後、魔法の袋(黄金の宝物庫)へと乱暴にぶちこんだ。


「何だったのだ?あの小さき生き物は‥‥‥‥」


「泥棒狐だ‥‥‥‥金銀財宝は返しておくよ。ヨイショっと‥‥‥‥」


「待て!貴様、貴重な魔道具と神煌具も返すのだ」


「‥‥‥‥これは今回の報酬として貰っておいたやるじゃあな。サータ・エンケラドス」シュンッ!


「お、おいっ!それは金よりも高価なっ!待てえぇ!!!担って!!!」



『テレシア大聖堂』客間


シュンッ!


フハハハハ!遂に手に入れたぞ。大国〖ロマ・テレシア〗の貴重な魔道具や神煌具達をやっと手に入れた


〖勇者〗時代には入国を諦めていた〖テレシア大聖堂〗の国庫に入る機会があったとは思わなかった。

さぁ、新たな力達。新天地でこき使ってやるから覚悟しておけよ。ハハハハハハ!


「此処での目的も達成できたし。後は〖ロマの地下神殿〗にでも転移魔法陣を設置して帰れば何時でも此処に来れるな………」


「ちょ、ちょっと話しなさいよ!アホ王子!ヘレナさんっ!」


「ん?委員長の声?‥‥‥‥何か?されているのか?」


「暴れるな!私の愛しい神無月よっ!さぁ、此処は教会。大人しく花嫁衣装に着替え。私と挙式を上げげるのだっ!近衛騎士ヘレナ。私の妃に着替えをっ!」


「はっ!セシルス様」


「はっ!じゃないわよ。バカヘレナ!!それにセシルス!!貴方!本当はあぁぁ!!ちょっと!離しなさい!服を!服を脱がせんなぁ!!!」


「ハハハ!今更だ。それに恋に人種や性別は関係ない。さぁ、挙式を上げるのだ!我が妃!」


「何が妃よ!ちょっ何処触って‥‥‥‥アァァ‥ン」


ガチャッ!

「‥‥‥‥‥末永くお幸せに‥‥‥‥委員長はセシルス王子を選んだのか‥‥‥‥パーシヴァルが前に言っていたな。

(新し恋ですよ!新し恋。それも新たな形でね)‥‥‥‥か。本当にそうなるとはな」


俺は少し落ちこんだのだった。



〖首都・テレシア〗南正門


「負傷者は外のルアカトリク軍の駐屯地へ移動させて下さい。味方、敵関係なく全ての負傷者を移動させて!」


「「「「ハッ!」」」」


「各地の残党は龍族の軍が掃討しに行った!我々はこの首都に保管されていた食糧を紛争地帯へと届けに行くぞ。家族を餓えから救うんだぁ!!」


「「「オオオォォォ!!!」」」


「敵軍も降伏し。直を抵抗して来る人達は龍族の方々が全て倒してしまいましたね。パーシヴァルさん」


「‥‥‥‥‥えぇ、これで私の此処での役割も終わりました。後は〖ロンギヌス〗さんに妖精国アルフヘイムに送ってもらえます‥‥‥‥」


「その予定は少し遅らせてもらうよ。パーシヴァル」


「え?‥‥‥‥その声は‥‥‥‥フローレンス?‥‥‥ですか?」


「うんっ!やっと会えたね。パーシヴァル。迎えに来たよ‥‥‥‥遅くなってごめんね」


「痛てててっ!離せ!メリュジーヌ師匠!!動けるから!ちゃんと自分の足で動けんだよおぉぉ!!もしかしてこれも修行の一環なのかよおぉ?」


「ラダ・テラ?‥‥‥ラダ!無事だったんですか?」


「おぉぉっ?その声はディエースなのか?お前‥‥‥‥生きててくれたのか?」


「‥‥‥‥えぇ、ちゃんと‥‥‥‥生きてていましたよ。ラダ‥‥‥‥」



「感動の再開の様だね‥‥‥‥うん。良かった。良かった」


「‥‥‥‥フローレンス‥‥‥カミナリさんから喚ばれているとは聞いて今したが。まさか私の為に?」


「‥‥‥‥うん。そうだよ‥‥‥君の両腕が切られたってご主人様に聞いた時はどうしようかと思ったけど。どうやら良くなったみたいだね」


「はい。カミナリさんの蘇生魔法で何とか元に戻りましたよ‥‥‥‥‥そして、〖ロンギヌス〗さんのスパルタで心の克服も‥‥‥‥」


「そうなんだ‥‥‥パーシヴァルにも色々あったんだね今回の旅‥‥‥‥でも、ご主人様との旅は楽しかったんじゃない?色々な事があったんでしょう?」


「えぇ‥‥‥‥突然の事で色々ありましたね‥‥‥‥色々あって‥‥‥色々な体験しました‥‥‥‥そうですね色々あったけど楽しい旅でしたよ。フローレンス」


「そう。それは良かったね。じゃあ、もう暫く旅を続けようね。今度は此方こなたと一緒に」


「は?‥‥‥はい?フローレンスと共に?フローレンス。それはどう言うことですか?」


「うん。1ヶ月はラダ・テラ君の修行でヘスティア地方を転々としてそれが終わったら。〖アクレール港〗を経由してヘファイストス地方、アテナ地方を経由して〖セルビア〗に帰ろうね。やったね。パーシヴァル」


「は‥‥‥い?いやいや役目を終えたんですよ。私は疲れているんです。カミナリさんにユグドラシル地方の近くまで転移魔法で送ってもらえば直ぐに帰れるんですよ。フローレンス」


「いやー、今から楽しみだね。パーシヴァル。旅は続くよ何処までもね」


「イ‥‥‥ヤ‥‥‥イヤーー!!」


再び〖テレシア大聖堂〗ルアの間


「‥‥‥へ?‥‥‥ママが帰りゅ?」


「はい。ルアさん‥‥‥‥此方とは別の世界と言えばいいのでしょうか?‥‥‥短い間でしたけど。ルアさん。今後は‥‥‥」


「‥‥‥イヤだ‥‥‥よ‥‥‥離れたくない‥‥‥ママ‥‥‥」


「ルアさん‥‥‥‥」



〖ロマ・テレシア〗大病院


此処は首都・テレシアの病院。此処にセシリア達が運び込まれたと聴いて見舞いがてら、俺はやって来た。


「動けないニャア~」


「ミー、ミー確り療養しろよ。セシリア嬢ちゃん」


「ニャア~、ニュエ(鵺)もお疲れニャア~」


「まさか、俺達が怪我するとはな‥‥‥」


「‥‥‥‥それは嫌みか?冒険家よ。私なんて〖神〗なのにベットに寝かされてるぞ」


「い、いえ。そうではありません。氷霊帝様!」


病室の中からセシリアやラインバッハの騒がしい声が聴こえてきた。


「おーい!皆、身体の調子はどうだ?いやー、今回は本当に助かった‥‥‥‥」


「セツニャ!やっと会えたニャア。さぁ、〖オアシス〗に行ってわっちと‥‥‥‥ゴキッ!‥‥‥ニャアアア!!!痛いニャア!!!」


「‥‥‥‥それじゃあ、暫く動く事もできないな。セシリア。闘いはまた会った時だな。イヤー、残念、残念」


「ニャアア!!全然、残念そうに見えニャイゾ!!オニャエ!!‥‥‥バキッ!‥‥‥ギャニャアア!!」


「身体が治ったら〖オアシス〗に行って暫く滞在するんだろう?また、此方に来るかは予定が無いが滞在中に確り、修行しておけよ。セシリア」


「ギニャアアアア!!!痛いニャア!!!」


全然聞いてないなコイツ。


「ミー、ミー、カミナリ様。遅かったな。やっと迎えに来てくれたのかよ。忘れられてるかと心配したんだぜ!ミー、ミー」


「鵺様‥‥‥‥無事で良かった。今回の旅‥‥‥最初から最後まで助けて頂いて感謝します。ありがとう」


「ミー、ミー。カミナリ様‥‥‥‥なに言ってんだ。昔、あれだけ〖和国〗じゃあ助けてもらったんだ。たかだか、今回、旅しただけで返し切れねえ恩がな。ミー、ミー」


「そうですか?‥‥‥いや、御礼はちゃんとさせて下さい‥‥‥鵺様にはこれを渡しておきますね」


俺はそう言ってポケットから収納魔道具のペンダントを鵺様の首にかけた。


「ミー?カミナリ様よう!これは何だ?」


「俺の魔力残滓が入った魔力瓶数百本と〖オアシス〗から貰った砂金を入れておきました。何か困った事があったら売ったり、使ってやって下さい。鵺様」


「カミナリ様の?‥‥‥おぉ、マジか?助かるぜぇ!契約者本人の魔力を浴びると〖和国〗の神獣は神化しんかできる様になるからな。ありがとうよぅ!ミー、ミー!」


鵺様は兎の姿の状態で病室内を駆け回り始めた。

つうか、どんだけ嬉しいんだ?俺の魔力の絞りカスなんて‥‥‥‥


「駆け回っているな。神獣・鵺殿」


「私も駆け回りたい!ていうか、おいっ!そこの小僧!私にも報酬を寄越せ。蘇生魔法とやらで私の身体を治し。氷雪大陸に帰らせろ」


「‥‥‥‥何だ?お前。銀髪美少女‥‥‥‥いや、穴だったか?」


「アナスタシアだ。馬鹿者!!早く治せえぇぇ!!」


「‥‥‥神に蘇生魔法は効かないだろうが。幽閉されている間にボケたのか?」


「誰がボケるか!アホ!もういい!それはあれだな?アテナの幻想袋だな‥‥‥‥〖七氷帝〗が入る許可を‥‥‥‥」


(‥‥‥‥‥駄目よ。)


「貴様!!アホアテナ!!私は怪我人だぞ!!もう三神も中に居れておいて今更、私だけ居れないのはどう言うことだ」


アナスタシアが病室の天井目掛けて騒ぎ始めた。何だ?遂に可笑しくなったか?この神様は。


(散らかさないでよね‥‥‥‥許可します。チッ)


「何がチッだ!おいっ!アホアテナ!!‥‥‥‥切りおったな。全く、では許可も降りた。暫く世話になるぞ。元〖神ノ使徒〗殿」シュンッ!


「うわぁ、勝手に魔法の袋(黄金の宝庫庫)に入って来た」


「神の保護をしろか‥‥‥‥それが眷属の役目でもあるのだろう。ナルカミ氏よ‥‥‥‥色々とお疲れだったな」


ラインバッハが自分の右手を俺へと伸ばす。


「あ、あぁ、ラインバッハも来てくれてありがとう」


そして、俺も自身の右手でラインバッハの右手を掴んだ。


「ヘファイストス地方とヘスティア地方を救ってくれて本当に感謝する‥‥‥‥新たな問題点も色々とあるが…‥‥‥今はこの一時の平和を興じよう」


「‥‥‥‥‥一時か。あぁ、今は休もう‥‥‥次に備えてな。だから少し話し合おうか‥‥‥次の為に」


「‥‥‥‥あぁ。拳王姫。神獣・鵺様と共にな」


その後、俺とラインバッハ、セシリア、鵺様で今後の事に付いて数時間話し合ったのだった。



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