放浪者の旅の果て
〖首都・テレシア〗上空
(アフロディーテ様。〖無闇の死白箱〗が消えていきます‥‥‥‥)
「どうやら終わった様ですね。マスターの勝利‥‥‥‥本当にお疲れ様でした。ルシファー」
(は、はい‥‥‥アフロディーテ様にはお世話になりました)
「フフフ、そうですね。ルシファーは昔から私に負担を掛けてくれましたね」
(え?いえそんな事‥‥‥ありましたね)
「冗談ですよ。さぁ、マスターの元へ向かいましょう。ルシファー」
(はい。冗談ですか‥‥‥‥もう‥‥‥‥疲れているのに全くこの人は‥‥‥全く‥‥‥)
〖ロマの地下神殿〗
「‥‥‥‥意識が無い‥‥‥‥旅は終わったんだな。トルギアス・アトス」
「……はい。ちゃんと終わらせてあげる事ができました。皆様に何と御礼を御伝えすれば良いか‥‥‥‥」
夜叉巫女の身体を借り喋っている〖天夜叉〗さんが俺を見つめながら話し始めた。
「龍族の姫。その人も〖ロマ〗だったら、この神殿‥‥‥ロマの墓所で眠らせてあげよう」
「え?宜しいのですか?‥‥‥‥初代ロマ様」
「おい。ロマよ。その【教皇】という男は、お前が創設した国を滅茶苦茶にした者なんだぞ」
「うん。良いんだよ。ドラゴ‥‥‥‥このまま、彼の身体を地上に運んでも。悪い事にしか扱われないよ。顔を晒されて、身体をボロボロにされちゃう」
ドラゴとロマは良い争いをし始めた。俺はその二人の争いをボーッと見つめている。
ジッ‥‥‥ジジジ‥‥‥‥‥‥。
ビリビリ‥‥‥。
「〖ロンギヌス〗に亀裂が‥‥〖来光鞭〗も。限界か?〖ロンギヌス〗」
(‥‥‥はい。暫くは黄金の箱でお休みを頂きたいですね)
(ジザアアア)
「‥‥‥‥そうか。そうだよな。此方に来てからずっと戦い通しだった。君達には無理をさせてしまった。ごめんな‥‥‥‥」
(い、いえ‥‥‥)
(ジザァ‥‥‥)
「マスター!」
「勝てたのね?」
〖ロンギヌス〗と〖来光鞭〗が何か良いかけた瞬間。空中からアフロディーテとルシファーが突然、現れた。
「ルシファーにアフロディーテ。あぁ、全部終わったよ‥‥‥‥ルシファーの身体も限界みたいだな」
「え?い、いえ、私はこんな程度で‥‥‥‥平気よ」
「〖七聖―女神―の杖〗に戻るんだ。身体の回復をしよう‥‥‥アフロディーテも〖来光鞭〗の中で早く入って休んでくれ‥‥‥修復は後で帰ってからやれば良いが。〖祝福〗と〖神秘〗が弱まっているんだ」
「そんな事まで分かるのですか?‥‥‥‥マスターが闘いの最中、此方の世界の〖雷○〗になっているのは気づいていましたが」
「〖雷○〗?‥‥‥〖神ノ使徒〗ではなくて?」
「質問は後日だ。丁度良い、此処は〖祝福〗と〖神秘〗が濃く残る〖ロマの地下神殿〗。ロマ!このテレシアの力を少し貰うぞ」
「だから、ドラゴは何時も何時も過保護すぎるよっ!‥‥‥‥えっ?う、うんっ!いいよ。主」
初代ロマ様から簡単に許可を頂いてしまった。
「わ、分かった。お前の判断を尊重する‥‥‥‥全くこの頑固さ。誰に似たのやら」
「ドラゴだよっ!もうっ!‥‥‥〖龍族の巫女〗さん。貴女も彼と共に眠りなさい‥‥‥‥貴女の〖像〗と彼の身体は私の近くで眠らせてあげる‥‥‥‥長い間。本当にお疲れ様でした。龍の巫女・〖天夜叉〗」
「…………初代ロマ様……はい………ありがとうございます。ロマ・カトリク様とその守りての神獣様………」
「いや。我は〖黙示録〗の………あぁ、安らかにかの〖教皇〗と眠り、添い遂げてやれ。去らばだ。〖天夜叉〗殿」
「はい………ありがとうございます」
………どうやらあっちの話しも纏まった様だ。
「此方は此方で早く治し始めないと手遅れになるな。魔力はスッカラかんだが〖魔力瓶〗がまだまだある………聖地〖ロマの地下神殿〗よ。我が秘宝、神煌具、美神に救いの〖祝福〗と〖神秘〗を。我には新たな力と新国家〖ルア・カトリク〗に繁栄を…………割れろ〖魔力瓶〗×100……」
パリンッ!バリンッ!
魔法の袋から取り出した〖魔力瓶〗が〖ロマの地下神殿〗の祭壇で激しく割れていく。
「では、彼方の世界でまたお話しましょう。、マスター」シュンッ!
「少し休ませてもらうは………【教皇】を倒してくれてありがとう。本物の〖勇者〗様」シュンッ!
(身体が修復されていく………)
(ジアア………)
今回の旅で共に闘ってくれた〖七聖―女神―の杖・ルシファー〗〖来光鞭〗〖ロンギヌス〗が七色に輝き傷を癒していく。
「黙示録術………〖黒の星読と龍巫女の棺〗……変な技を使わせるな。ロマよ」
「私は何も言ってないでしょう。ドラゴ………じゃあね。〖天夜叉〗………始めましてのロマのアトス………安らかに」
「はい………はい!ありがとうございます。皆様。ありがとう………さようなら……本当に感謝を………」
トルギアス・アトスの身体の近くにあった〖天夜叉の像〗が突然、宙に浮いた。そして、ドラゴが作った白の棺へと静かに入って行く。次いで〖教皇〗トルギアス・アトスの遺体も天夜叉を追いかけるように入り。静かに棺の蓋が閉められた。
「初代ロマが命令を。この者達をロマの関係者達と認める‥‥‥‥この地下での永久の安らぎの約束を‥‥‥‥与えましょう」
「‥‥‥‥良かったな。龍の巫女姫殿。」
「‥‥‥‥あれ?天夜叉様は何処へ?‥‥‥‥‥‥‥白の棺?‥‥‥‥そうですか。想いは伝えられましたか。初代龍族の巫女姫様‥‥‥良かったです」
クロと夜叉巫女が涙を流し始め、白の棺が地面へと埋まっていくのを静かに見ていた。勿論、俺やドラゴ、初代ロマまでも此処に入る皆が何故か目から涙を流していたのだ。
「‥‥‥‥龍の巫女姫・〖天夜叉〗は感情を他者に伝達させるか………」
「え?何?ドラゴ」
「いや、何でも無い………ロマとの魔力パスも再び繋がった。この〖ロマの地下神殿〗ならまた会うことも可能だろう………また、暫しの別れだ。去らばたロマと主よ…………去らばだ。ワハハハー!」
「うん。私も感じてるよ!ドラゴ…………うん!またな。主よ!去らばだ!ワハハハ!」
「あぁ、今回は来てくれて本当に助かった!!また、必ず会おう!二人共!!去らばだ!!」
「ハハハ!必ずかっ!ではな!」
シュンッ!
「ハハハ!また、必ず会おうね!バイバイ!主!」
シュンッ!
ロマ〖教皇〗と天夜叉の龍の巫女の埋葬は静かに終わった。
そして、黙示録の獣は〖魔窟〗へ、初代ロマ・カトリクは〖天界〗へと高らかに笑い帰って行く…………。
ヘスティア地方に新たな時代が訪れる。
真の新たな平等の平和が来る。
大国家〖ルア・カトリク〗の平和と平等の国がやって来る。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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第二部も後、数話で終わります。最後まで書ききりますのでよろしくお願いいたします。