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聖座決戦・〖ロマ・テレシア教皇と龍族の巫女〗No.19 〖不老〗の行き着く先


〖テレシア大聖堂・シリウスの部屋〗


「〖神核〗らしき物はあったか?何でも良い。それらしい物は全て集めろ。担い手殿から渡された〖見定の水石〗とやらで判別ができるそうだ」


「了解です。セシルス王子‥‥‥‥しかし、この部屋‥‥‥小さな机と椅子しか置いてありません」



〖ラストの部屋〗


「‥‥‥‥何この部屋?豪華な家具ばかり並べられてる‥‥‥それに絵?‥‥‥小さい女の子と男の子の絵だわ。兄妹なのかしら?」


「神無月様!【教皇】の部屋の鍵がやっと開いたそうです。我々と共に来ていただけますか?」


「あっ!は、はい!今行きます」


キイィィ‥‥‥‥‥。



〖【教皇】アトスの部屋〗


「おぉ、私の神無月よ。無事たったんだね」


「誰が貴方の神無月よ。セシルス王子‥‥‥‥たくっ!調子狂うわね‥‥‥‥神成君に謝るタイミングも逃したし‥‥‥‥いや、あれは完全に私の言い方が悪かっただけなんだど‥‥‥ハァァ」


「なんだい?私に対しての恋心の悩みかい?神無月。良し、良いだろう!私の元へとおいで」


「こんな状況で何、おかしな事言ってるのよ。セシルス‥‥‥何か最初にあった時と感じが違うけど。神成君に毒でも盛られたの?アホ王子」


「誰が大好きだって?」


「言ってないわよ!バカ王子!」


「御二人共。夫婦喧嘩はご結婚されてからの方が良いですわ」


「こんな状況だ。結婚するなら全てが終わってからにしてくれないか?神無月とセシルスよ」


「あぁ、そうするよ。我が友。ローラにギルス」


「誰が夫婦喧嘩よ。誰が結婚よっ!アホなの?貴方達!!」


「み、皆様。お静かに願います!今は戦争時、早急にこの部屋を調べ。担い手殿に頼まれた〖神核〗を探さなくてはなりません」


「近衛騎士ヘレナよ。そんなに慌てるな。慌てても焦るだけだ。だから、先ずは神無月を愛でろ」


「愛でるな。アホ王子。ほら、さっさと中を調べるわよ。この脳内お花畑‥‥‥‥えっ?」


神無月 恵はそう言って。〖アトスの部屋〗へと入って行く。


「‥‥‥‥何?この部屋‥‥‥‥女の子の像に‥‥‥‥【教皇】と一緒に入る女の子の絵?‥‥‥‥〖天夜叉〗に祝福を‥‥‥夜叉?」


「此方には〖龍族の歴史〗〖龍の始祖の話〗〖ニーズヘッグの歴史書〗。龍族関連の本ばかりが棚に置かれているな」


セシルス王子がそう言って一冊の本を持ち上げる。


「‥‥‥‥‥それ以外には対した物は置いていないな‥‥‥‥大国のトップの部屋が此処まで質素とは。【教皇】のあの邪悪な性格からは考えられん部屋だ」


続いて鬼族の〖ギルス〗が部屋を見渡しながら感想を述べた。


「そうですわね‥‥‥‥‥これと言って怪しいものはありませんし‥‥‥‥‥あぁ、そういえば。まだ、【教皇】様の机へは調べていませんでしたわ」


「机?‥‥‥‥あの引き出しが一つしかない小さい机の事?」


神無月 恵は小走りでトルギアス・アトスが使っている机へと近づき、机の引き出しを勢い良く開けたのだった。


ガチャッ!


「あっ!引き出しは開いてだんだ‥‥‥‥封筒?‥‥‥中には手紙?‥‥‥‥見て良いのかな?‥‥‥‥いや、何かの手掛かりになるかもだし。今は緊急時‥‥‥‥ごめんなさい」


彼女はそう言って折り畳まれた手紙を開く。


「なんだい?何か書いてあったのか?てっ!何だ?その字は?七聖語ではないのかい?」


「‥‥‥‥そうね。アホ王子‥‥‥〖地球〗の日本語に似てるけど?字体が少し違う様な?」


「‥‥‥‥あぁ、七原語ですね。列島大陸の。数年前、アルトネ大陸に入る〖ヨル〗さんという方から頂いた手紙にも同じ様な文体が使われていたので覚えております」


「そうなのか?ではこの文章を読めたりするのか?ヘレナよ」


「‥‥‥‥い、いえ、あんな高度な七原語。読める訳ありませんよ。なんせ、極東の言語なのですから。難しいです」


「そうか‥‥‥いや、困ったな。こんな大事そうにしまわれていた手紙。何かしらの重要な手掛かりになっただろうに」


部屋に入る、ある一人を除いて皆が頭を抱えてしまった。違う世界から来た少女を除いた全員がだ。


「‥‥‥‥《最愛の龍巫女にこの手紙を捧げる》」


「よ、読めるのか?神無月」


「え、えぇ‥‥‥‥何となくだけどね」


「‥‥‥‥静かにしろ。セシルス。神無月。続きを頼む」


「そうですよ。アホ王子」


「むっ!誰が夫婦だっ!ローラ」


「しっ!お静かに願います。セシルス様」


「‥‥‥‥黙ってなさい。バカ王子‥‥‥‥」


《君の国‥‥‥‥龍族の国を傷つけてしまった事。深く謝罪しよう。誰の手にも渡らぬよう、極西の地に国を与え、永劫長く栄えていく様に契約で見守る事を約束する‥‥‥‥それだけでは何の許しも得られない事はこの俺が一番理解している。


君にもっと早く会えてたら、もっと多くの時間を過ごせていたらと君が居なくなった後、何時も思っている‥‥‥‥あぁ、全てが憎く。俺の心は荒んでいくんだ。君を殺した〖七聖―女神―〗が、俺の家族を殺した〖七原龍〗が、俺に闘いを挑んだ〖七氷帝〗が‥‥‥‥‥全ての神々が憎いんだ‥‥‥‥だから、俺は全てを手に入れ君に捧げる。


君は間違っていると言うだろうな‥‥‥‥だが、この心は止められないんだ。君を殺したこの世界(アリーナ)が俺は許せないんだ‥‥‥天夜叉。


だから、俺は復讐する。君を殺した神を‥‥‥神々を‥‥‥‥それを従える創造神達を‥‥‥‥俺の天夜叉。バカな事は止めろと怒るだろうか?‥‥‥‥あぁ、怒るだろうな。


君は‥‥‥‥怒る。こんなバカな俺の為に‥‥‥優しい君は何時も叱ってくれた。こんなバカな俺を‥‥‥‥俺に一切の恐れを抱かずに接してくれる優しい天夜叉。君だけが俺の荒んだ心を癒してくれる存在だった。


‥‥‥‥だから、君の為に君が残した全てを守ると誓うよ。そして、君の姿も‥‥‥‥勝手ながら君の姿をした像をこの地の広場に建てさせてほしい‥‥‥‥‥そして、いつか、俺の研究が身を結び。俺の〖不老〗で君が蘇る事を祈り、渡し、其処(そこ)に置いておくよ‥‥‥‥俺の〖不老〗‥‥‥‥君が蘇る為の〖神核〗をその手の中に持たせておく‥‥‥‥勝手な願いを書いて済まない‥‥‥‥本当の愛をありがとう。俺の最愛の人。龍族の姫巫女・〖天夜叉〗》


「‥‥‥‥‥終わりよ」


「‥‥‥‥場所は分かったが‥‥‥‥」


「‥‥‥‥やるのか?」


「‥‥‥‥やらなければ。私達が殺されます」


「どうされますか?セシルス王子」


「ん?あぁ、一度。ルア新法王の元へ行こう、皆。神無月‥‥‥‥手紙は戻して置こう」


「う、うん!そうよね‥‥‥二人の大切な手紙だもんね‥‥‥‥ちゃんと戻さないと駄目ね。ごめんなさい」


「あぁ‥‥‥‥それは大衆に広めてはいけない大切な手紙だ‥‥‥‥施錠の魔道具で今後は誰にも読ませない様にしておこう。そして、この手紙の内容も此処に入る者達だけの秘匿とする‥‥‥‥龍巫女・天夜叉殿の威光の為にもな‥‥‥‥」


「あぁ」「はい‥‥‥‥」「了解しました」「‥‥‥そうね」


セシルス王子の宣言後、4人はそれぞれ複雑な表情を浮かべながら返事をした。


「では、大聖堂へ戻ろう‥‥‥‥」


その後、五人は〖アトスの部屋〗を後にし、急ぎ大聖堂へと戻るのだった。



▽▽▽▽▽


『ロマの地下神殿』


「‥‥‥‥まさか身体半分を失って尚、再生するとはな」


「〖女神の祝福〗違う。此処までいくと呪いだよ。ドラゴ」


「‥‥‥‥あぁ、そうかもしれないな。ロマ」


ドラゴとロマがトルギアス・アトスを見つめながらそんな話をしている。


「上はまだ〖神核〗を見つけてるみたいだな。トルギアス・アトス」


「〖神核〗だと‥‥‥‥ハハハ!見つかる訳ねえだろう。俺様の心臓だぞ?この(ロマ・テレシア)で最も安全な場所に隠してあるんだからな。ハハハハハハ!」


「後、少し時間があるか‥‥‥幾つか質問するぞ。トルギアス・アトス」


「質問だと?勝負はまだ続いているんだぞ!貴様!」


「お前が生きている間は俺はこの姿だ。お前には一切の勝ち目は残されていないんだよ‥‥‥‥」


「‥‥‥‥黙れ」


「‥‥‥‥‥‥質問だ。トルギアス・アトス。ヘファイストス地方に悪魔達を送り込んだのはお前なのか?答えろ。答えなかった場合。お前の脳の記憶を全て貰う‥‥‥今のこの状態なら、それを実行可能な魔道具を使えるんだ」


「‥‥‥‥‥ちっ!だから何だ?たかだか悪魔二匹を送り込んだだけで何が悪い」


「〖オアシス〗の騒動で数千人は死んでいるんだぞ?何とも思わないのか?」


「何も思わないな。虫達が死んだだけの事だ。ハハハハハハ。―女神―ヘファイストスの民共めもっと死ねば良かったんだ。なんせ、〖オアシス〗の奴等は‥‥‥」


トルギアス・アトスは不気味に笑い始める。


「いや、良い。それ以上話すな‥‥‥次の質問だ。何故、〖神魔竜戦争〗やアルトネ大陸・『イカーズ国の争乱』『ヘル・デアの紛争地化』を起こし、影で暗躍したんだ?いや、その他にも数え切れない悪夢を作り出したとなる動機はいったい何なんだ?」


「‥‥‥‥‥全ては俺様の欲を満たす為だ。全ては自身の自己の肯定の為のな」


‥‥‥‥‥その眼。


俺はトルギアス・アトスの眼を見つめる。


嘘と罪悪感に際綯われている時にする様な眼。


ただ一人の女性の為に虚勢を張り続けた男の悲しい眼だった。


「‥‥‥‥‥‥君にも大切な誰かがいたんだな。彼女(神無月 恵)の眼を通して君の本当の姿を今、ちゃんと理解したよ‥‥‥‥君に対する暴言の数々を謝罪する」


「ハハハ‥‥‥‥〖神ノ使徒〗なら契約者達の眼を通して何でも見れるのか?ハハハハハハ!!!化物め‥‥‥‥俺様の憎悪を理解しただと?‥‥‥笑わせてくれるなよ。なぁ、シリウス、ラストよ!‥‥‥‥最後に使うぞ。お前達の大アルカナを‥‥‥〖星〗と〖審判〗の最後の輝きを‥‥‥‥」


「‥‥‥‥最後の輝きか」


「お、おい!主、何かする気だぞ。抑えなくては!」


「主。強大なアルカナが来るよ!!」


ドラゴとロマは慌ててトルギアス・アトスに近づき彼の動きを封じようと試みる。


「最後の再終決戦か?アトス」


「ハハハハハハ!!!付き合えよ。〖勇者〗。この【教皇】の最後の足掻きをな…‥…大アルカナ・起動‥‥‥〖シリウス・ラスト・ロマアトス(終輝星の聖なる放浪者)〗‥‥‥‥行くぞ。神成 刹那。最後の輝きを!」


「‥‥‥‥最後の足掻きを見守ってやる。最後の放浪者・トルギアス!」


黒、白、黄金の三種の輝きを放ち彼は立ち上がる。


トルギアス・アトスは最後のの輝きを放ち、俺への攻撃を再開するのだった。



〖テレシア大聖堂〗


「なんと?!そんな場所に【教皇】の〖神核〗が」


夜叉巫女は驚愕の表情を浮かべ神無月達の報告を聞いた。


「う、うん。ルアちゃん。後は貴方があの人に合図を送るの?」


「‥‥‥‥うぃ‥‥‥任せて‥‥‥恵‥‥‥‥」


「頑張って下さい。ルアさん」


「‥‥‥‥うぃ。ママの為に頑張りゅ‥‥‥」



〖『ロマの地下神殿』〗


「消えろ!消滅しろ!!『極超新星』」


「‥‥‥‥まだ軽いよ。神技『セフィルア』」


ドゴオオオオンン!!!!



▽▽▽▽▽


『テレシア大聖堂』


「真の有りかは‥‥‥‥彼女の元に‥‥‥‥聖杯・聖典‥‥‥『ルア・イリス』」


『テレシア大聖堂』の祭壇から一筋の光が差す。



▽▽▽▽▽


「〖司祭長〗のアルカナを放棄する。『星の煌めきよ(スター・バスト)』」


「‥‥‥‥『シル・レクルシト』‥‥‥‥彼処にあったのか?‥‥‥‥聖槍の輝きをもって終わらせる‥‥‥『聖槍の聖なる光よ(ロンギヌス・ルークス・サーンクタ)』」


『ロマの地下神殿』の地下大空洞から白峰の聖槍の輝きが放たれる。


「ハハハハハハ!!!何を血迷った?〖神の使徒〗!〖法王〗のアルカナを放棄する。『超新星』」


「全てを終わらせる光を放ったんだ。〖星読の神威〗‥‥‥‥『シン・レリフガ』」


ドゴオオオオンン!!!!


「‥‥‥‥攻撃の次元が違い過ぎる。我々の結界無しでは地下空洞全体が持たないぞ」


「でもドラゴ。主はまだまだ余裕そうだよ」


「あぁ‥‥‥‥‥恐ろしい事だな。ロマよ‥‥‥‥‥」



▽▽▽▽▽


北都市・『クタ』アルゲバルの丘


『首都・テレシア』より北側。『クタ』の地にも聖槍とルア新法王の輝きが空へと上がる様子が見えていた。


「そうか。其処に撃ち込むのだ‥‥‥‥私と友の矢を‥‥‥‥私の神明をとして彼の思いを晴らそう。神明・回帰‥‥‥‥‥『リゲル・オリオン・イーリアス』」


因襲の青き矢が『首都・テレシア』に向け放たれた。



▽▽▽▽▽


『ロマの地下神殿』


「どこまでやれる?どこまでが其処そこなんだ?どこまで俺に放棄させる?どれ程遠いというんだ?貴様と俺様の力の差は?!答えろ!!〖勇者〗!!!!〖放浪者の王子〗を放棄する!最大のアルカナよ!俺様に最大の力を!!『原始星プロトースター』」


「‥‥‥‥‥全てだよ。〖星読の神威〗‥‥‥全てが遠いよ‥‥‥‥でも感謝する。久しぶりにこの全盛期の身体で少し闘えた‥‥‥嬉しかったよ。さようなら〖ロマ(放浪者)〗の【教皇】トルギアス・アトスよ‥‥‥‥『ロンギヌス・アルメニア』!」


俺はトルギアス・アトスに向け。最後の聖槍を放つ。


▽▽▽▽▽


『クタ』アルゲバルの丘


「全ての元凶に鉄槌を与える‥‥‥‥」



▽▽▽▽▽


『テレシア大聖堂』


「‥‥‥‥‥神代の悪童に終焉を」



▽▽▽▽▽


『ロマの地下神殿』


「全ての終わりの時を‥‥‥‥‥」



▽▽▽▽▽

「「「終わりのミラビリス・リベル」」」



全ての悪意に終止符を‥‥‥‥‥‥‥。

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