聖座決戦・〖ロマ・テレシア教皇と龍族の巫女〗No.15 アトスの歴史
神話時代・終焉期
七原龍・月詠が治める地『星読の谷』
(オギャアー!オギャアー!!オギャアー!)
(おおっ!産まれたぞ!男の子だ。族長待望の男の子が産まれたそうだ!)
(男の子よ。これで、この〖星読〗次なら後継者が決まったのね)
(あぁ、星読の民に光をもたらす存在だっ!)
(‥‥‥‥‥星読の後継者か)
(ん?何か言ったか?ヨル殿)
(いや、何でもない‥‥‥それよりも君が飛ばされて来た時代。ローマ時代の話をもっと聞かせてくれ。俺は代わりに〖日本〗の文化や言葉を教えてあげるからさ‥‥‥‥‥)
(ん?あぁ、分かったよ‥‥‥‥‥ローマの建国者・クィリヌス様はな‥‥‥‥)
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(‥‥‥‥‥‥申し訳ありません。私の力が及ばないばかりに皆さんの〖星読の民〗を‥‥‥‥‥アトス(聖山)の聖地を‥‥‥‥‥)
(〖月詠〗様‥‥‥‥)
(‥‥‥‥だ、大丈夫ですよ。月詠様。貴女のお力で造って頂いた星月の方舟で極東から遥か西の地にあると言われる〖魔法大陸〗へ無事に着けるのですから!新天地でも上手くやりますとも!)
(うぅぅ、トルギアス殿‥‥‥‥本当にごめんなさい)
(父さん‥‥‥‥何で月詠様は泣いてるの?‥‥‥‥‥何で僕達は何処かに行かないと行けないの?ねぇ?何で?シリウス‥‥‥‥‥何でヨルさんだけ此処に残って罪を償わないといけないの?)
(アトス様‥‥‥‥色々あるのですよ‥‥‥‥皆さんには色々な事情がね‥‥‥‥‥(言えるわけがない。アトス様が〖神殺しの力〗を暴走させ、月詠様を殺しかけ、〖月詠の谷〗を崩壊させたなど説明できる訳がない‥‥‥‥‥アトス様はまだこんなにも子供なのだから‥‥‥‥‥))
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神代初期・ヘスティア地方〖未開の地〗
(何?)西海の地『トリストメギストス』が我々、〖星読の民〗の後ろ立てになってくれるだと?)
(はい‥‥‥族長様。その代わり‥‥‥‥この地の神・―女神―ヘスティア様の悩みを解決してほしいとの事です。何やら今は魔神達や魔獣が暴れ始め、ヘスティアの地は荒れているとかで)
(ふむ。我々の崇める神〖月詠〗様と同じ『始祖・神集九煌』である―女神―ヘスティア様を助けないわけにいかぬだろう‥‥‥全ては創造神様の為に‥‥‥‥)
(ヘスティア?‥‥‥‥神〖月詠〗と同じ?‥‥‥‥つまり‥‥‥あの人の敵?‥‥‥‥なの?シリウス)
(アトス様‥‥‥‥‥お静か‥‥‥‥お静かにお願いいたします)
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神代初期
エウロペ大陸・ヘスティア地方
(今回は本当に助かったわ。星読の人達。本当にありがとう)
(い、いえ、勿体無きお言葉‥‥‥‥‥ヘスティア様がご無事であられて良かったです)
(お礼をしないといけないわね‥‥‥‥‥確か、ヘスティア地方の真ん中の地は未開拓の地だったわね。そこをあげるわ。貴方達の故郷が無くなったのはあの子から聴いていたしね)
(わ、我々に新しい土地をですか?)
(神代って言う新しい時代だしね!貴方達。〖星読〗の文化もヘスティア地方や各地にも教えてあげなさい。そういう多文化にはエウロペ大陸は寛容なんだから!)
(あ、ありがとうございます!ヘスティア様!!)
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(許さない!許さない!汚したな。私のエウロペの地を汚して回ったな!‥‥‥‥‥死ね死ね死ね死ね死ね死ね!ヘスティアの〖星読〗共)
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(父様の熱が下がらないよ!シリウス!)
(‥‥‥‥分かっています。アトス様‥‥‥‥私の妻も‥‥‥‥子供も同じです‥‥‥‥私達以外‥‥‥‥‥熱に犯され‥‥‥‥‥います)
(何で?何で?お母様は昨日、熱で死んだんだよ‥‥‥‥友達のリドも‥‥‥‥‥カルチも‥‥‥‥妹のシルカも)
(‥‥‥‥‥‥我々がこの地に高度な知識や道具の使い方を広めたのが原因でしょう‥‥‥‥我々は七聖―女神―の一柱を怒らせてしまったのです‥‥アトス様‥‥‥)
(七聖‥‥‥―女神―のせいで皆‥‥‥熱に犯されて死んでいく?‥‥‥‥)
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(‥‥‥‥‥ごめんなさい。〖星の賢者〗さんと‥‥‥‥‥〖星読のロマ〗・アトス‥‥‥‥‥七聖―女神―の一人が暴走したの‥‥‥‥‥それ以外の私を含めた六人は貴方達が教えてくれる全ての知識を受け入れていたのよ)
(えぇ、分かっております。ヘスティア様‥‥‥‥‥彼方に居た時から貴女のお優しいさは伝承で聴いておりましたから‥‥‥‥‥)
(‥‥‥‥‥そう。ごめんなさい‥‥‥‥‥せめてもの罪滅ぼしに‥‥‥‥貴女達に〖―女神―の祝福〗を‥‥‥‥〖不老〗を授けます‥‥‥‥‥本当にごめんなさい。シリウス‥‥‥‥アトス‥‥‥‥‥)
(ろす‥‥‥‥殺す‥‥‥‥復讐してやる‥‥‥‥全ての神々を‥‥‥‥この地の奴等を‥‥‥‥魔神や魔獣も全てを殺す‥‥‥僕が‥‥‥‥いや俺が全てを奪ってやる!虫共!!)
(‥‥‥‥‥‥アトス様)
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〖星読の民〗が滅ぼされてから数年後
〖無闇の部屋〗
(では、大アルカナのNo.5『教皇』を〖星読〗トルギアス・アトスにNo.17『星』を〖星の賢者〗シリウス・クラウディウスに譲渡する‥‥‥‥大事に扱えよ‥‥‥‥この力)
(ハハハハハハ!!当たり前だ。今に見ていろ!ヘスティア地方を俺様の国に変えてやる。それをするには先ず‥‥‥‥魔神と人側とで戦争をやらせないとな‥‥‥ハハハハハハ!!)
(‥‥‥‥何かしら?‥‥‥‥くれるの?〖星の賢者〗さん)
(〖抑制〗は金星‥‥‥‥〖星〗の力を使うのだろう?‥‥‥‥私が昔、造った物だ。受け取ってくれ‥‥‥‥星読で遥か未来で必ず役にたつと出たからな)
(役に立つ?‥‥‥‥なんだか解らないけど貰っておくわ。ありがとう)
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(ハハハハハハ!!脆いな!ロマの国‥‥‥‥ロマのガキの法王はよう!シリウス!)
(‥‥‥‥はい。全ての貴族、信徒、大聖堂以外の土地はトルギアス・アトス・新『教皇』様の者になり。〖トリストメギストス〗〖龍族〗〖アウェンティヌス家〗〖アルモシュタラ派〗〖エンケラドスの信徒〗オリオンを初めとする〖天界人〗も手中に治めております)
(ハハハハハハ!!上出来だな‥‥‥‥龍族‥‥‥‥七原龍〖月詠〗‥‥‥‥シリウス。龍族の姫巫女とかいうのは何処に居るんだ?)
(は?‥‥‥‥テレシア大聖堂に幽閉していますが‥‥‥‥)
(そうか!そのご壮健な顔でも見てやるか!ハハハハハハ!!態度が悪かったら殺してやるとしよう!)
ガゴンッ!
(お初に‥‥‥‥龍族の長。天夜叉と申します‥‥‥‥)
(か、お母様?!‥‥‥‥な‥‥‥‥んで?)
(母様てすか?‥‥‥‥あぁ、私達。龍族は元々、〖列島大陸〗から)
(‥‥‥‥‥‥詳しく聞かせろ‥‥‥‥お前自身の事もだ!〖天夜叉〗)
(はい‥‥‥新ロマの〖教皇〗様‥‥‥‥‥)
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(アトス様。お代わりはいかがですか?)
(あぁ、食べさせえくれ。天夜叉)
(はい‥‥‥‥私のアトス様‥‥‥‥)
(ふんっ!何だその言い方‥‥‥‥馬鹿が‥‥‥ハハハ!)
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(何故、天夜叉が〖星読の民〗と同じ熱になる?答えろ!シリウス!!)
(‥‥‥‥恐らく、〖死の大地〗のあの方の仕業かと‥‥‥手を尽くしましたが手遅れです。〖教皇〗‥‥‥アトス様)
(くっ!貴様!!)
(アトス様‥‥‥‥‥怒らないで‥‥‥‥天夜叉は‥‥‥貴方に優しくされて‥‥‥‥嬉しかったです‥‥‥‥愛してくれてありがとう‥‥‥‥ございます‥‥‥‥私の大切なアトス‥‥‥‥様)
(‥‥‥‥天夜叉?‥‥‥‥おい!‥‥‥天夜叉!起きろ!!起きてくれ!!天夜叉!!!!!!ああああぁぁ!!!!)
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神代中期‥‥‥‥〖神魔竜戦争〗終結時
(‥‥‥‥生存者を探さなくては‥‥‥‥)
(‥‥‥‥おい!お前)
(ん?誰か入るの?)
(俺様は『教皇』の神座に座すものだ)
(『教皇』?誰かしら?)
(『節制』は仲間の『悪魔』に攻撃し我々を裏切ったと皆に伝えるが良いのか?悪いのか?返答次第ではそなたの先の行動に制裁を加えるが?)
(‥‥‥‥好きに解釈しなさい‥‥‥‥でも不安定な状態の私に今、攻撃すれば貴方は少なからず身体の何処か一部は欠損する羽目になるわ。確実に)
(俺様を‥‥‥‥『教皇』に指図する気か?天使風情が?!)
(だから解釈次第よ。それに彼には何時でも出入りは自由と『ラグナログ(神々の黄昏)』に入る時に言われているわ。貴方より上の方にね)
(‥‥‥‥っち!!‥‥‥‥もう行け。今回は見逃してやる‥‥‥変わりにあの『悪魔』を至いたぶる事に決めた‥‥‥‥さらばだ‥‥‥‥永遠にな)シュイン!
(‥‥‥‥消えた?‥‥‥どうやら見逃してくれたみたいね)
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神代中期・アルトネ大陸・『イカーズ国・スラム』
(どうだ?この大陸は‥‥‥‥奪えそうか?シリウス)
(難しいかと‥‥‥‥そもそもこの大陸には魔法残滓が余りにも微力で‥‥‥‥‥‥)
(おぉぉ、何方どなたか食料を‥‥‥‥もしくは水恵んで下さい‥‥‥お願い致します‥‥‥何方か‥‥‥)
(ん?なんだ?貴様!物乞いか?小汚ないガキよ)
(〖教皇〗様。いけません。感染症等の病気にかかる恐れが‥‥‥‥その少年から離れて下さい)
(黙っていろ。シリウスよ!俺様に指図するな)
(‥‥‥‥失礼致しました、〖教皇〗様。)
(フンッ!分かれば良い。それで‥‥‥‥小汚ないガキよ!此方の右手にはパンがある。そうだな、これを今、貴様が食べれば一時の空腹は収まろうな。そして、逆の手、左手には売れば高値が付く宝石がある。これを売れば数ヶ月は飢えをしのげよう!さぁ、貴様はどちらを選ぶ?汚きガキよ)
(‥‥‥‥み、右手のパ、パンを頂けますか?親切な御方)
(何?!パンだと?貴様、正気なのか?左手を選べば数ヶ月は暮らしていけるのだぞ?!馬鹿なのか?)
(す、すぐ近くの下水道にい、妹がお腹を空かせて待っているのです!!い、妹に数秒でも早く何かを食べさせてあげなければ飢え死にしてしまう!だから、宝石ではなく、食べ物を!生きる糧が私には必要なのです!!)
(‥‥‥‥貴様‥‥‥‥シリウス!!)
(はっ!)
(この汚きガキが指差した方向へ向かえ!あそこら辺の下水道で女のガキを見つけたら、これを食べさせ、保護してこい)
(はいっ!〖教皇〗様)
(ふんっ!早く行けっ!)
(はい!)
シュタッ!
(‥‥‥‥‥あの?親切な人?)
(貴様は‥‥‥‥面白いな)
(面白い?‥‥‥あの?‥‥‥それは?ゴッホ、ゴッホ!)
(結核か?‥‥‥ふむ!良く観察すると魔力の才能もあるか‥‥‥ここで散らすには惜しいか!汚きガキよ!)
(ゴッホ、ゴッホ、ゴッホ!惜しいで、ですか?)
(俺様と共に来るか?勿論、妹も一緒だ!病気も観てやる)
(貴方に僕と妹がですか?)
(あぁ、その代わり必死に俺様に忠義を尽くせ!これは絶対だ!裏切る事などもってのほかだ!)
(ゴクリッ!)
(ハハハハハハ!、脅しが過ぎたか?まぁ、忠義は半分冗談だ)
(冗談?)
(まぁ、救ってやる!それが教会というモノらしいからな!せいぜい、性に食らい付けよ!汚きガキよ!ハハハハハハ!)
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神代末期
(〖ヘル・デア〗一帯を紛争の地へと変え、ロマ・テレシアを富が集まる大国にしてやる‥‥‥‥その代わり俺様には逆らうな!全ては俺様の為に動けよ。虫共!!!ハハハハハハ!!!!!)
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現代初期
(神代魔法は衰退させる‥‥‥‥〖神気〗が研究されるからな)
(はい。【教皇】様)
(〖神魔竜戦争〗から異様に神代魔法は研究され始めた。〖神気〗の存在に気付き始めた奴等も各地に居ると聴く。〖神気〗は俺様だけで独占できれば良いんだよ。虫共!!シリウス!火星〖ピュロエース〗・リルマーズに星の研究を急がせろ‥‥‥‥‥現代魔法のこの先‥‥‥‥〖覚醒魔法〗の研究をな)
(はっ!‥‥‥‥全ては【教皇】様の思うがままに‥‥‥‥)
▽▽▽▽▽
そうだ!俺様は産まれてからこの時まで全てが思うがままにいっていた。
全ては憎悪で父様の、お母様の、妹の無念を晴らす為に、〖月詠〗を〖ヘスティア〗を神々を殺す為に始めたんだ!!全ての虫共を利用し、成り上がり、大国を造り、最愛の人を龍族を‥‥‥天夜叉‥‥‥‥をも手に入れ‥‥‥‥‥‥失った。
俺様は神々を殺し、復讐せねばならない。俺様の最愛を‥‥‥‥家族を、民を、天夜叉を、奪った世界に憎悪と復讐を‥‥‥‥しなければならない!
目の前の神を‥‥‥‥殺さなければならないんだ。
▽▽▽▽▽
現在・テレシア・〖イルミタル地区〗
「氷霊帝様。後、どのくらい持ちますか?」
「‥‥‥‥‥‥そうだな。後、数刻の猶予はあるが‥‥‥‥何時目覚めても可笑しくはないな」
「何ニャア?神様なのに自身がニャイニャア?アナスタシアは」
「‥‥‥‥神でも解らん時はあるぞ。猫族の娘よ‥‥‥‥‥ん?悪童殿の魔力の流れが変わった?」
「‥‥‥‥‥晦冥魔法を放棄‥‥‥‥‥足りないのか‥‥‥‥‥晦冥魔法と〖神気・闇〗を放棄する‥‥‥‥大アルカナ・起動‥‥‥‥‥『法の審判』を発動する‥‥‥‥‥罰するは目の前の神、魔女、獣人‥‥‥‥消し飛べ虫共!!!『崩壊した星』」
「?!不味い!逃げるぞ!!お前達‥‥‥‥‥〖青の氷〗・『氷河青闢』!!!!」
「氷霊帝様!!」
「い、いきなり何ニャア??!!!」
「‥‥‥‥‥‥次は奴を殺し‥‥‥‥全てを殺し‥‥‥天夜叉と全てを手に入れる!待っていろ!!俺様の天夜叉を取り戻す!」
聖山の教皇・『月詠の神威』
顕現。