高原都市『シルフィード』 No.1 先遣隊イフリート~No.4 魔竜帰還
No.1 先遣隊イフリート
そこは国を支える苗床。
その高原には黄金の麦畑が広がり。
魔法大陸の食を支える穀物地帯。
草原と穀物が微風舞う都市『シルフィード』
著『冒険家・ラインバッハ・エゴル』
高原都市『シルフィード』場外
「守れ!守れ!一般妖精達は避難させろ!!!魔竜のせいで自我を保て無くなるぞ!!!」
「我々!!エルフだけでどうにかするしかあるまい!!!くそっ!!!」
「あぁ、シルフィード様もいつまで持って頂けか分からないぞ!あんなに大量の一般妖精に囲まれては!!」
「とにかく!この大都市『シルフィード』の門だけは奴等に潜らせるてたまるか!!」
「殺そう♪殺そう♪エルフは殺そう♪」「殺そう♪殺そう♪殺そう♪仲間の妖精達も」「楽しく殺そう♪仲間も殺そう♪」
「シルフィードちゃん♪そろそろ降参しなさい~♪そうすれば、この子達みたいに楽しく過ごせるよ~♪」
「くっ!誰が魔竜等に屈するものか!」
次々に飛び交う。エルフ達の声が、郊外の遠くからでも聴こえてくる。
全線でかの忌々しき魔竜『ジャバウォック』と戦闘をしているのは、大都市『シルフィード』の市長。ウィンザー・シルフィードだろう。
セツは上位妖精イフリートです。
メリュジーヌやアルディス王子よりも先に出立し、高原都市『シルフィード』が陥落する前に何とか間に合いました。
「ふう!一般妖精達はだいぶ、片付けたと思ってましたが‥‥‥‥‥まだ、あれ程入るとは、ゆうに2000近くは城壁にて西軍のエルフ軍と戦ってますか」
セツは、現在の契約者である。カミナリ殿からの魔力パスを繋ぐ。
「現代の主の魔力は本当にそこが見えなんだ。双星の大洞窟に居た時よりも、セツの魔力の質が段違いです。‥‥‥成る程、タマキ様や鵺、麒麟ですか?ああ入った方達。神獣達が現代の主と契約したがるのが分かりますね。‥‥‥契約しただけで、ここまで自身の能力が上がるとは。『幻獣の楽園』の者達が知れば戦争になるかもしれませんね」
セツは今の新たな力に酔いしれながら独り言のように喋りました。
「おっと!いけませんね。ウィンザーが死にそうでしたね。すみません。ウィンザー!今、行きます」
セツは神代術式を展開し。
「まずは、ウィンザーの近くに入る一般妖精を倒しましょう。神代魔法(赤)『火球紅蓮』」
セツがそう唱えると八つの巨大な火球を生み出し、高原都市の回りに入る一般妖精に向けて火球を放ちました。
「どれだけ生き残れるでしょうかね?楽しみです。フフフ」
「シルフィードちゃん!言うこと聞けないなら!そろそろ眠りな!‥‥‥‥さようなら♪かわいい♪かわいい♪シルフィードちゃん♪君達♪僕がシルフィードちゃんを抑えてるから、近くに落ちてる兵士のやりで串刺しにしてあげな♪」
「はい♪はい♪魔竜様」「でもでも♪おかしい♪涙が出るよ?♪」「楽しいのに涙が出るよ♪」
「あ、貴方達!‥‥くっ!」
「ああ、元は君の大切な部下達だもんね?♪可哀想に!僕の能力♪魔力感染で一般妖精は、あっ!そこの君、頭ぶつけて死んでみて♪」
「はい!喜んで♪魔竜様♪」
一般妖精はそう告げると城壁の壁に勢い良く頭から突っ込み。
ぐしゃり!!
壁にぶつかり絶命した。
「な、なんて!惨い事を!」
「君も、もう少しでこうなるから大丈夫だよ♪シルフィードちゃん♪じゃあ~♪みんな、後は、よろしくね♪僕は都市のエルフ達を皆殺してくるから♪」
「はい♪はい♪魔竜様♪」「おまかせ♪おまかせ♪魔竜様♪」「シルフィード様を殺したら♪僕達♪」「私達も皆殺し♪」
「うんうん♪君達も様が無くなったらちゃんと殺してあげるからね♪僕の糧の為に!ペロリ♪」
その瞬間。一般妖精と『ジャバウォック』の回りに特大の火球が飛弾する。
「ぎゃあ~♪魔竜様♪」「楽しい♪燃えてる♪」
「助けて♪燃えてる♪」
「な、なんだい?いったい?」
「かの『ジャバウォック』もいきなりの火球で狼狽するか!」
「何者だい?♪君?」
「あ、貴方は!」
「その前に貴様の動きを封じさせてもらう。『ジャバウォック』‥‥‥神代・回帰『火炎牢獄・炎上牢』」
「神代・回帰?君?神代の上位妖精かい?♪ちょっと待っ‥‥‥‥」
一時的にだが、『ジャバウォック』を『火炎牢獄・炎上牢』の中へと幽閉した。
「これで、少しは時間を稼げますね。ウィンザー!」
「イフリート!!『妖精国』の方はいいの?あっちもあっちで大変なんじゃ?」
「ええ!でも、まずは地上の『ジャバウォック』退治から優先しなくては友達が苦しんでいるのを放っておけませんもの」
「‥‥‥‥イフリート!ありがとう」
ウィンザーはそう告げると涙を流しました。
「では、『ジャバウォック』が炎上牢獄に入る間に一般妖精を倒しても大丈夫ですか?ウィンザー?」
「‥‥‥‥‥‥ええ!お願いします。イフリート!‥‥‥‥ごめんなさい!みんな」
ウィンザーはそう言うと俯き涙を流しました。
「‥‥‥っ!‥‥ウィンザー!後から貴方の教え子のアルディス王子と友人のメリュジーヌ卿も合流してきます」
「アルとメリュジーヌが合流?本当ですか?イフリート?!」
「ええ!本当ですよ!!なので貴方にはこれを」
セツは魔法陣からある小瓶を取り出し。ウィンザーに手渡しました。
「イフリート!これは?」
「魔王領の秘薬だそうです。飲めば体力、魔力、傷共に治るとの事!早く飲んで下さい。ウィンザー!」
「で、でもこんな貴重な秘薬‥‥‥」
「早く飲みなさい!!!」
「は、はい!イフリートお姉ちゃん!!!ご、ごめんなさい!ゴクリ!」
全く、昔から(神代)から手の係る妹分を持つと姉係は大変ですよ。『オーディン』様、フフフ。
「では、行きます。神代魔法(赤)『火炎流双』」
セツは火炎の渦を作り出し。一般妖精達を容赦なく、燃やしていきました。
「‥‥‥‥‥ごめんなさい。『セルビア』の民達!この敵は必ず討ちます」
セツはそう言いながら涙を流し。一礼しました。
No.2 シルフィード・ウィンザーとの関係
神代後期『ユグドラシル地方 』
「イフリートお姉ちゃん!ねえ待ってよ!」
「早くしなさい!ウィンザー!『オーディン』様がお待ちです」
「ねえ?!何で私まで着いていかなきゃ行けないの?」
「貴方は、若くて優秀です。ですから、こうして早い内ならからセツの付き人を任せされているのですよ!少しは自覚をお持ちください」
「私、まだ、遊びたいよ。それに、私、一般妖精だし!才能無いし!」
「才能が無かったら、セツの付き人なんかには選ばれていませんよ!それに今は、戦禍の真っ只中です。次世代の妖精達を育てるのが、急務になっています」
「何でそんなに急ぐの?戦争は私達、人類側が有利なんでしょう?」
「『オーディン』様の友であり、盟友の『リスク』様は、『オーディン』様、急病後、行方不明。数年前には、オーディン様のお孫様と娘夫婦が『オーディン』様の目の前で魔竜共に殺害されると言う悲惨な事件もありました。そのせいで我々、人類側が有利と言っても。何かの拍子に簡単にひっくり返えされる戦局にあります」
「だから、私達、若い子をイフリート将軍やモルガン魔法師の付き人にしてるって事?」
「‥‥‥‥それもありますが、もしこの魔神や魔竜達との戦いが終結した後、『オーディン様』は世界樹を中心にユグドラシル地方とアテナ地方に幾つかの国を作る構造をされてあるのですよ」
「多種族国家?なに、それ?」
「我々、エルフや妖精達が集う国、人族が寄り添う国、魔族が治める国、幻獣だけの野生の国等。数多に別れ、それぞれの種族別に国を治める等。もし、今の戦争が終わり。平和になった世になった時、魔族や魔竜が攻めてきても幾つかある国家が協力し。これらを撃退できるように。現在、バラバラになっている種族達を1つの地域に住まわせて。仕事や居住地を与え。国それぞれに力を付けさせる。そんな、構想を『オーディン』様は、戦争終結後になさるおつもりなんです。分かりましたか?ウィンザー‥‥‥」
「ぐーーぐーー(眠)はっ!はい!聞いておりました。イフリートお姉ちゃん」
「すみません。つい力が入ってしまいました!ごめんなさい。ウィンザー!」
「い、いいえ!こちらこそ、ごめんなさい!イフリートお姉ちゃん」
「フフフ、『オーディン』様との面会の時間。このままでは、早く着いてしまいますね。‥‥‥ウィンザー、市場へ少し行きましょう。何か欲しい物があれば買ってあげますよ」
「で、でも『オーディン』様会いに行かなきゃ行けないんでしょう?」
「大丈夫です。セツは、用事の時は、いつも、少し早めに出ていますから。時間は余裕で着きますよ。そんな、事よりもウィンザーは何か食べたいものか何かありませんか?」
「私の食べたいもの?じゃあ、じゃあ!蜂蜜がたっぷり乗ったアイスが食べたい!!」
「そうですか、では、参りましょう。いつか、貴方が上位妖精になって、セツと同じ立場になったら。その教え子のにも何かしてあげて下さいね。ウィンザー!」
「うん!イフリートお姉ちゃん!私、そうするよ!だから、戦争が終わって平和な世界が早く来てくれるといいね」
「‥‥‥ウィンザー!‥‥‥‥そうですね。セツもそれを心から願っています。」
高原都市『シルフィード』城壁外
「ウィンザー!援軍の2人がくるまで時間を稼ぎましょう。久しぶりに『風炎結界』をやりましょう。相手はあの『ジャバウォック』ですが、多少は延ばせます」
「は、はい!イフリート!!‥‥‥‥では、早速!‥‥‥神代魔法(緑)『風王の結界』」
「合わせます。ウィンザー!神代魔法(赤)『炎竜の牢獄』」
ウィンザーの『風王の結界』とセツの『火竜の牢獄』のが高原都市『シルフィード』の空へと伸びていき。赤色と緑色の二色が折り重なり。2重の螺旋を描きながら高原都市を覆っていきます。
それを見ていた。『セルビア』西軍のエルフの兵士達が驚き慌てながら、真上に広がる。身代の技に目を奪われていました。
「おお、なんと!色鮮やかな!」「シルフィード様の妙技か?」「いや、噂では、『妖精国』のイフリート将軍が援軍に来たとか!」「何?それは本当か?では、我々は都市部の警備の強化を‥‥‥」
さすか、『セルビア』の兵士。東の『ノーム』の精鋭には見劣りしますが、国境が『中央魔法国』や『魔王領』と接しているだけあって判断能力が高いですね。
これも、ウィンザーが一般兵士に緊急時の対応をちゃんと教育していた賜でしょう。
「ウィンザー!そろそろ!『ジャバウォック』にかけた。神代・回帰が溶けます。ここからは2人であの魔竜の相手をしましょう」
「‥‥‥‥いいえ、イフリート!!どうやら、私達、4人で魔竜の相手をする事になりそうよ」
「私達、4人でってことは!まさか?」
「ぐおおおお!!!熱かった!熱かった!全く!いきなり何をするんだい?僕はただ、あの子に‥‥‥‥」
「神代・回帰『氷雪・極楽浄土』」
『ジャバウォック』にかけていた。セツの神代・回帰『火炎牢獄・炎上牢』が終わり。次に氷の神代回帰『氷雪・極楽浄土』が『ジャバウォック』を包み込んでいきます。
「たく!次から次へと何なんだい?」
「何とか、間に合いましたね!メリュジーヌ卿」
「‥‥‥うん!助けに来たよ!シルフィー!!」
「アル!にメリュジーヌ!!2人とも何故ここに?」
「先生を」「君を」
「「助けに」」
No.3 親友の出撃
神代時代終了後・七聖暦元年『セルビア』建国時
『セルビア』王宮内の通路
「新しい時代が来たね!シルフィー!」
「ええ!そうね!メリュジーヌ!全てはユグドラシル様と『オーディン』様。それに、これまでに犠牲になっていった沢山の戦友達のお陰で神魔竜戦争にも勝つことができたわ」
「うん!此方のお父さんとお母さんは魔竜達に殺されちゃったけど。悔いはないと思うよ!だって此方のお父さんとお母さんだもの!」
メリュジーヌは涙を浮かべながらそう告げた。
「ええ!ええ!そうね!セルビアの泉の大妖精プレッシナ様と神竜であるアールバニー様ならきっと悔いは残らず。誇りを持って戦ったわよね」
「うん!うん!そう!そうだよ!きっと!」
メリュジーヌは啜りながら暫く泣いていた。
数刻後
「なんか、ごめんね。シルフィー!‥‥‥‥あっ!それと、上位妖精への『神核』浄心おめでとう!」
泣き止んだ。メリュジーヌは笑顔になり。シルフィードにお祝いの言葉を伝える。
「あっ!忘れてたわ!自分が一般妖精見習いから上位妖精へと『神核』浄心した事」
ドカン!
メリュジーヌが王宮の通路の柱に頭を打ち付けた。
「な、何でそんな、大事な事を忘れるんだい君は?全く!本当に昔からボーッとしてるんだから。全く」
「め、面目無いですよ。メリュジーヌ卿」
シルフィードはシュンとなる。
「君が上位妖精になったという事は、多分だけど、こんご、君は西のウィンザー高原地帯の守りを『セルビア』王家から任されると。此方は推測するよ」
「わ、私が?なんで?西のウィンザー高原を?あ、あそこはエウロペ大陸の北東部と中央大陸の食糧の要の土地じゃない?!」
「だからだよ!君は神代時代の幼少期からイフリート‥‥‥イフリート将軍の元でエウロペ大陸の色々な土地を見てきたり。植物の研究をしてきたじゃないか。それに君は神代十二英雄には選ばれなかったけど。彼らに負けない神代魔法がある。西部一帯に何かあってもすぐに対応できるのは君くらいしかいないと此方は推測するよ」
「わ、私!そんな強くない!」
「以前、『ノーム』殿に勝ってたよね?」
「私はか弱いの!」
「この間は、調子に乗ってた『サラマンダー』をボコボコにしてたじゃないか!」
「‥‥‥‥‥わ、私は」
「‥‥‥‥もういいよ!『セルビア』国の隠れ特記戦力のシルフィードさん!今後は同じ特記戦力同士。この平和な『セルビア』を守って行こうね!シルフィー!」
「‥‥‥‥メリュジーヌのバカー!私が、隠れ特記戦力なんて大声で騒がないで!恥ずかしいでしょうーー!!」
「別に隠す事、無いじゃないか?何がいけないの?」
「色々不味いのよ。色々ね。貴方のお父様の事とかもあるから」
「此方のお父さん?どう言うこと?」
「‥‥‥‥メリュジーヌ、本当は私ね!最初な付き人になるはずだった人がいたのよ。イフリート将軍以前に。それが貴方のお父さん。神竜アールバニー様」
「でも、お父さんは魔竜に殺されて‥‥‥‥」
「表向きはね」
「表向きはって?じゃあ、本当は?」
「行方不明なのよ!以前、あった。神魔竜戦争の前哨戦の時に、義理の父である『オーディン』様の前で忽然と消えたのよ。貴方のお母様のご遺体と共に。その時、私はアールバニー様の付き人をしていて近くにいたの。私の故郷が近くに合ってね」
「‥‥‥‥‥‥お母さんの遺体を一緒に消えた?‥‥‥‥そんな、話。『オーディン』様からは‥‥‥‥おじいちゃんから一度も聞かせてもらったこと無いよ?」
「‥‥‥‥無理も無いわよ。‥‥‥‥自分の実の娘と婿が邪悪な魔竜達に持て遊ばれてたんですもの。私は途中で気絶してしまって最後まで見ていなかったけど。数多いる魔竜を負傷している『オーディン』様とアールバニー様だけで圧倒していたのよ。それが、最後の一匹ってところで何故か、貴方のお母様が犠牲になって、激怒したアールバニー様もその一匹に深手の傷を負わされたの」
「‥‥‥‥シルフィーはその、此方のお父さんとお母さんに傷を負わせた人の名前は分かる?」
「‥‥‥‥余り覚えていないんだけど。確かヴォーデイガとか!あの最後の魔竜は名乗っていたわ」
「ヴォーデイガ?聞いたこと無い魔竜の名前だけど‥‥‥‥うん!包み隠さずに教えてくれてありがとう!シルフィー!」
「メリュジーヌ卿!貴方、まさか復讐なんて‥‥‥‥」
「考えて無いよ!シルフィー!大丈夫!大丈夫!それにおじいちゃんもこの話を此方が聞いたら悲しむから。あえて言わなかったんだろうね。‥‥‥色々、考えたけど。今は、『セルビア』の為に動かなくちゃ!シルフィー」
「メリュジーヌ‥‥‥‥貴方」
「ほら!ほら!早く行こう!シルフィー!皆が待ってんだから」
「‥‥‥‥ええ!行きましょう!メリュジーヌ卿‥‥‥強い人ですね。私の親友は‥‥‥そして、悲しい人です。メリュジーヌ‥‥‥‥もっと、私を頼りにしてね」
「ん?なにか言ったかい?シルフィー?」
「いいえ!さあ、行きましょう!メリュジーヌ卿」
‥‥‥‥‥‥そして現代に至る。
現在、高原地帯『シルフィード』
「どうにか、間に合った!無事かい!シルフィー?!」
「シルフィー先生大丈夫ですか?!」
「うん!うん!大丈夫!大丈夫!この通り。イフリートお姉ちゃんから変な怪しい薬を貰ったから全回復したわ!」
ジロリとイフリートがシルフィーを睨む。
「後で、久しぶりにお説教です。ウィンザー!」
「イフリート?何か言いましたか?」
「‥‥‥‥いいえ何も!元気ならばそれで良いです」
「?‥‥‥そ、そうですか」
この戦いが無事に終わっても。シルフィーには別の戦いが待ってそうだね。
「え?、別れる前に渡された。ユナちゃん特性の秘薬ですか?!あれを飲んだんですか?シルフィー先生?!」
「な、なんで?そんなに驚いてるのアル?‥‥‥‥それにしてもこの大都市『シルフィード』の援軍が親友と教え子とはね!私、嬉しくて感動しちゃうよ!」
シルフィーはガバッと!此方とアルディス王子同時に抱き抱える。
「うん!うん!アルは少し見ない間に大きく実っちゃって」
「‥‥‥‥何を言ってるんですか?僕は王子で‥‥‥」
「そうね!色々バレたらヤバイわよね!アルの正体!国外なんかにバレたら我先にと人々が押し寄せてくるもの」
「だから黙ってて下さいよ!シルフィー先生!」
アルディス王子がプンスカしながらシルフィーに怒る。
「それに引き換えメリュジーヌは‥‥‥‥変わらないわね。昔のままだわ」
「そりゃあ、そうだよ!此方達。妖精は歳は取るけど外見は余り変わっていかないんだから。シルフィーやイフリートだって昔からそんなに姿が、変わってないじゃないか」
「セツは若返ったぞ」
「私は少し痩せたわ!変わらないわね!メリュジーヌは」
「‥‥‥‥‥少しイラっとしたかな!フフフ、とりあえず、そのイライラは目の前の『ジャバウォック』で晴らすよ。その間に3人は『シルフィード』の住民の避難をお願い!避難が完了したら。イフリートとシルフィー此方と『ジャバウォック』の周辺に結界魔法を張って!都市に張ったのよりも丈夫なヤツをお願い」
「了解した!」「わかったわ!」
「アルディス王子はこなた(こなた)のサポートをしてくれないかな?お願い!『セルビア』に多大な被害を出した『ジャバウォック』は、ここで確実に倒したいんだ!」
「分かりました!メリュジーヌ卿!お任せを」
「出るぞ!ウィンザー!『セルビア』の特記戦力が1人。赤白の騎士・メリュジーヌの全力が!」
「はい!イフリート将軍!神代より生きる騎士・メリュジーヌの戦いが久しぶりに見れますね。‥‥‥‥では、私達は!」
「ええ!住民の避難と結界の準備をしましょう。洗脳された一般妖精達は、もう動けないでしょうからね」
「‥‥‥‥‥‥はい!(ごめん!妖精の皆!本当にごめんなさい。)では、行きましょう。イフリート将軍」
「ええ!では、メリュジーヌ卿!アルディス王子!ここは任せます!」
「「了解!!」」
ピシッ!パキン!と氷の割れる音が聞こえる。此方達、4人はその音のする方を見上げていたんだ。
「了解じゃ!無いんだよ~!!君達!!!熱いの次は寒いかい?!いい加減にしてくれないかな?イライラするよ!こんな、温い神代魔法!」
『ジャバウォック』を閉じ込めていた。アルディス王子の神代・回帰技。『氷雪・極楽浄土』が崩壊した。
「神代・回帰が温い技だって?しかも、僕の『氷雪・極楽浄土』を受ける前にイフリート将軍の神代・回帰『火炎牢獄・炎上牢』を受けているんだよね?」
「ええ、そのはずよ。でも、私達の相手は神代を生きた魔竜『ジャバウォック』!それだけ、強敵と言うことよ」
シルフィーがそう説明し終わった瞬間。
「なにをぶつぶつと魔竜闘技『毒魔』‥‥‥」
『ジャバウォック』が此方に向けて技を出そうと構えたけど‥‥‥‥攻撃してこない?
「あれ?んーー?藍色の綺麗な髪の子?君、昔、僕と合ったことあるかい?あれ?おかしいな!何で、こんな質問を藍色の髪の子に?あれ、れ?」
体長は有に40mはあるであろう巨大魔竜『ジャバウォック』が困惑している。
「悪いけど!此方と君が会うのは、今日がはしめてだよ。魔竜さん!」
「‥‥‥‥‥‥‥そうか!僕の勘違いか!ハハハハハハ!長く生きてるとボケてくるのかな?悪い。悪い。小さい子!じゃあ!」
「殺すね!魔竜さん!神代魔法(白)『白亜の部屋』」
此方が唱え終えると。此方、アルディス、『ジャバウォック』を『白亜の部屋』の中へ吸い込まれる。
「‥‥‥?白亜の部屋?‥‥‥‥面白い技を使うね。君!ハハハ!君となら少しは楽しめそうだ!」
「うん!だから、黙って殺されてね。魔竜さん!行くよ!神代魔法(赤)『緋赤の籠手』今回は本気で行く!覚悟!」
「やれるものならやってみな!‥‥‥藍色の髪の子!」
白亜の竜と闇の魔竜が今、激突する。
No.4 魔竜帰還
『白亜の部屋』
「‥‥‥‥空間事。外との干渉を切断する。神代魔法かい?‥‥‥‥ふーん!さっきの二人の神代・回帰よりも強度はありそうだね。藍色の髪の子!」
「それは、神代に生きた者達の古い考え方だね。今の時代は相性と言うものもあるんだ。闘う人との相性。その場の環境や土地との関係とかね。」
「それは弱い子の言い訳だよ。藍色の髪の子!強者は場所や人を選ばない!あの方の様に!‥‥‥‥あの時の様に!」
「あの時の様に?」
「‥‥‥‥おっと!ごめん。ごめん。つい、感情的になってしまった様だよ!この、僕としたことが!」
「‥‥‥‥そう。‥‥‥‥じゃあ、先に行かせてもらうからね!神代魔法(赤)『緋色の爆夜』」
「お、おお、おおっと!なんだい!いきなり!世話しない子だね?少しは余裕を持って会話を‥‥‥‥くぅぅ!熱い!熱い!」
「‥‥‥‥貴方、さっきから何なんだい?ちゃんと闘うきがあるのかな?ふざけてるの?」
「‥‥‥‥この、僕がふざけている?だと?‥‥‥‥この『ジャバウォック』が?!‥‥‥‥少しムカついたかな!‥‥‥‥行くよ!君!魔竜闘技『羅刹の闇』」
『ジャバウォック』は呪文を唱えると。『ジャバウォック』の近くに黒い門が現れた。
「行っておいで『ジャバラル』!」
「ギャシャシャシャシャ!!ギャシャア!!!」
『ジャバウォック』が呪文で呼び出した。『ジャバラル』の口?門?なのか分からない。得たいの知れない扉が開き。中から夥しい牙が飛び出して来た!
「かつての仲間の骨や牙の屍さ!さて、どどうやって対象するのかな?藍色の髪の子?ハハハハハハハハハ!」
「メリュジーヌ卿!あれは?」
僕は不覚にも『ジャバウォック』が出した『ジャバラル』の異様さに怯み。怖がってしまった。
「‥‥‥‥怖がらないで!アルディス!此方が入るから。安心して」
「は、はい!メリュジーヌ卿!」
僕としメリュジーヌ卿とのやり取りを見ていた『ジャバウォック』が苛立ちながら、こちらの会話を見ていた。
「口では言うのは簡単さ!『ジャバラル』行きなよ!」
「ギャシャア!!!ギャバ、ギャバギャバギャシャシャシャシャ!!」
『ジャバラル』が物凄い勢いで僕とメリュジーヌ卿に突撃してくる。
「‥‥‥‥君、遅いね?ご主人様の使い魔の鵺って子の方が凄い早かったよ!神代魔法(赤)『赤龍刀』』」
メリュジーヌ卿が右手に赤い刀を出現させる。
「ギャシャア!!!ギャバギャシャシャシャシャ?!」
「遅いよ!『赤龍乱舞』行け!刃達!」
メリュジーヌ卿はめにも止まらぬ速さで無数の斬擊を『ジャバラル』に向けて放つ。
「ギャシャア!!!ギャバ?!ガバッギャ?!」
『赤龍乱舞』の斬擊が『ジャバラル』へと当たり。『ジャバラル』の胴から上と下を真っ二つに切り刻む。
「ギャ!ギャシャシャシャシャ!!!!‥‥‥‥ギャ‥‥‥」
「『ジャバラル』?!おーい?!『ジャバラル』!」
「なにを悠長に構えているんだい?まだ、斬擊は残っているよ!」
「ん?君、今なんて‥‥‥‥」
メリュジーヌ卿がそういうと残った『赤龍乱舞』が『ジャバウォック』と命中する。
「ぐおおおお!!!熱い!痛い!熱い痛い!!!魔竜闘技『極楽闇雲』吸い出せ『闇雲』」
『ジャバウォック』が黒い雲を出したと思ったら。その黒い雲に命じて『赤龍乱舞』を吸収した。
「‥‥‥‥まさか『ジャバラル』がこんなに早くやられるなんてね。少し驚いたねえ!」
「貴方はあれだね。油断が、多い魔竜。隙だらけだね」
「あぁ、昔、あの人にも言われたよ!」
「あの人?」
「まぁ、昔の話さ!‥‥‥はて?いつの話だろう?‥‥‥しかし、この体格の状態だと的が大きくなるだけだね!‥‥‥‥よし!魔竜闘技『魔竜帰還』」
『ジャバウォック』が『魔竜帰還』を唱えると。『ジャバウォック』の40メートルは有ろうかと思われる図体がみるみるうちに縮小していく。
「メリュジーヌ卿。あれは?何なんでしょうか?」
「‥‥‥‥多分、今までの『ジャバウォック』の身体は擬態だね。」
「擬態?どういうことですか?メリュジーヌ卿」
「真の姿は、全く。違うと言うことよだよ。アルディス!ほら見て!あんなに大きかった『ジャバウォック』の身体が、西の龍の国の龍族並みの大きさになっていくでしょう」
「ええ、確かに」
メリュジーヌ卿が説明してくれたように。『ジャバウォック』の身体の大きさが全長15メートル程に縮んでしまった。
「‥‥‥うん!うん!うん!こっちの方が素早く動ける。よっと!」
「‥‥‥アルディス!此方に捕まって!飛ぶよ!‥‥間に合わないか!ごめん!アルディス!抱えながら移動するから振り落とされないでね神代魔法(白)『白亜の靴』」
「メ、メリュジーヌ卿?いったいなにを?!って!うわぁぁぁ!!」
メリュジーヌは僕を持ち上げると凄い勢いで走り出した。
「うーーん!判断が速いね!!!藍色の髪の子!そうそう!僕のこのスリムな体格だとね!‥‥‥‥身体を少し動かすだけで‥‥‥魔竜闘技『極楽演舞』軽い斬擊になるんだよ!さっきの萎縮返しだ!さぁ、さぁ、さぁ、!たーんと喰らいな!」
「メ、メリュジーヌ卿!『ジャバウォック』の動きご先ほどと全然!」
「あんまり移動中に喋らないでアルディス!舌を噛んじゃうよ!‥‥‥そうだね!さっきの擬態の時は鈍足だったのに。小さくなって痩せたと思ったら。今度は、素早くなるなんてね‥‥‥‥まぁ、少しは予想はしてたけど当たるなんて‥‥‥」
「ど、どうします?メリュジーヌ卿!このまま逃げ続けますか?」
「‥‥‥いや!真っ正直に突っ込んで『ジャバウォック』の脳天に重い一撃を叩き込もう!アルディス」
「‥‥‥‥本気!ですか?!メリュジーヌ卿」
「本気も!本気!マジだよ!数日前の雷撃君との闘いで思い知らされたけど。何をしてくるか分からない相手と闘う時は、相手の闘いのボルテージが上がりきる前に決着を着けないと負けると言うことだね」
「‥‥‥‥では、このまま、『ジャバウォック』との戦闘が長引けば。いずれ、メリュジーヌ卿が負けてしまうと?」
「その可能性は十分にあるね。だから、アルディス!君の氷魔法『氷雪地層』で此方の周りに氷の壁を作って!そしたら此方がドでかいのを『ジャバウォック』にぶつけるから」
「‥‥‥わ、分かりました!メリュジーヌ卿!では!早速!」
「真っ正直から突っ込むよ!!!」
「はい!」




