聖座決戦・〖ロマ・テレシア教皇と龍族の巫女〗編 No.11 龍の援軍と聖騎士部隊
首都・テレシア〖南正門〗
場所は変わり、ルアカトリク軍の占領基地と化した南正門。
「我がロマ・テレシアの精鋭聖騎士達よ!奪い返せっ!裏切りや逃亡もあったが此処は我等が住まう首都!何人足りとも落とさせてはいかないのだ!」
「「「「「オオオオオオ!!!!!」」」」」
「マルセユ聖騎士長に続けえぇ!!」
「南正門を取り戻すぞおぉぉ!!」
「パ、パーシヴァルさんっ!ロマ・テレシア軍の勢いがっ!」
「えぇ、戻り初めていますね‥‥‥‥‥やはり痩せ細った兵士では精鋭相手はキツイですね。オマケに彼方は聖騎士部隊が加わり。まだまだ、数も多いときましたか‥‥‥‥いったいどうすれば」
パーシヴァルがこの状況を思案していると遠くの方から何かが飛ばされて来る。
ドガアアアアンン!!!
「な、何?」
「グルルル!!フム‥‥‥‥お困りだな妖精国のレディー」
「ケ、ケット・シーさん?!何で飛ばされて?」
「フム。流石、大国・ロマ・テレシアの聖騎士長・マルセユ殿。堅牢だな。なかなか近づけない‥‥‥‥レディー、我輩はあのマルセイ殿に集中したいのだが‥‥‥精鋭の聖騎士達が邪魔をしてくるのだ‥‥‥‥どうしたものか」
「しゅ、集中ですか?‥‥‥‥ですが私やディエースさんもこの軍の部隊を任されていますし」
「数は拮抗してきたが。兵の質はまだまだ彼方が優勢だな‥‥‥‥流石、首都。倒せど倒せど次々に兵が現れる」
「ど、どうしますか?時間が経てば経つにつれて此方が不利になっていきますし、一度此処を放棄して‥‥‥‥」
「いやいや、無理であろう?此方は兵量ごく僅かな短期決戦しかないと解放者も言っていた」
「パ、パーシヴァルさん!東側が抜かれそうです!!」
「ディ、ディエースさん?!くっ!今、行きます!!ケット・シーさんも一緒に」
「フム‥‥‥‥ピンチだな‥‥‥‥ピンチに現れてくれる援軍もしかり」
「‥‥‥‥援軍?こんな時に何の冗談を‥‥‥言って?」
新国家を謳うルアカトリク軍は敗戦濃厚になり。後、数刻で壊滅の危機にあった。
そんな状況の中、西の空から一体の黒竜が現れた。
南正門・上空
「済まぬ。西奥故、遅くなったな夜叉の主‥‥‥‥‥無事に再開できたのは〖魔力パス〗を通じて理解した。先ずは目の前の敵を殲滅する事を誓う‥‥‥‥黒竜魔法『段空龍牙召』」
首都・テレシアの空に黒の炎弾が舞落ちる。
「夜叉巫女の竜よ‥‥‥‥良いのだな」
「龍巫女様からの許可は頂いた‥‥‥‥それに龍族との契約に背いたのはロマ【教皇】の方だ。契約による不利益は無い‥‥‥‥これは龍巫女様の‥‥‥‥『ニーズヘッグ』の総意である」
「‥‥‥‥‥‥分かった。これより、ロマ・テレシア軍に攻撃を仕掛ける。竜騎兵は難所に飛び。味方の援護に回れ!【教皇】側に何もするな。敵軍の殲滅を優先しろ!行けっ!」
「「「「ハッ!!!!」」」」
「キュルル!!」「ギャラララ!!」「グルル!!」「ギャオオオ!!」
次々に降下して行くは龍族の国の精鋭〖竜騎兵〗部隊。
そして、その後続に続くは龍族の魔術師、竜空部隊等二万のニーズヘッグ軍が西奥の地から現れる。
首都・テレシア〖南正門〗
「進め!敵はもうすぐ崩壊する!このまま押しきるのだ!」
「ほ、報告致します!空より、炎弾が降り注ぎ多数の被害があり、至急、援軍をとの事です」
「炎弾?‥‥‥‥南の聖騎士達に対処させ‥‥‥‥」
「き、緊急、緊急!!西側より龍族の国〖ニーズヘッグ〗から数万もの軍隊が現れました!!」
「‥‥‥‥何?このタイミングで?」
「なっ?援軍か?」
「【教皇】様との盟約を交わしたという!〖ニーズヘッグ〗!!これで勝てる!我等がロマ・テレシア軍が勝て‥‥‥‥」
ドゴオオオオンン!!!!
「偽りの盟約は終わりだ‥‥‥‥聖騎士共」
「な?何故、我等に攻撃が?ニーズヘッグは味方の筈じゃあ?」
「何を抜かしてやがる。終わるんだよ!お前らは!!死ね!」
「がぁ?‥‥‥は?」ドサッ!
「ガルダ卿!!‥‥‥‥‥龍族の巫女様を無理やり拐えばこの様な事が起こるなど分かっていた筈だったのだ」
「グルルル!!これでお互いの軍の戦力は逆転したのではないか?マルセユ殿」
「‥‥‥‥ケット・シー‥‥‥‥‥どうやって‥‥‥彼等〖ニーズヘッグ〗の龍族を説き伏せた。あの国はロマ【教皇】様の言いなの筈だ」
「説き伏せた?フム。それは古い認識だな。マルセユ殿‥‥‥‥‥それは今日で【教皇】及びこの国が滅ぶからではないかな?‥‥‥‥‥我輩の短き契約の者達のお陰でな」
「成る程。ソイツを殺せば、まだ戦局を覆す事も可能か‥‥‥‥」
「フム‥‥‥‥それを我輩が見過ごすとでも?聖騎士長よ」
「見過ごす?笑わせるな。先程から何度も打ち合いをしているが対した実力がないのはもうバレているぞ‥‥‥‥幽閉されし猫如きが!テレシア執刀法・〖アマルティア〗」
「何の‥‥‥神代魔法(黄)・『キャッツテール』」
ガキンッ!
「な‥‥‥‥に?」
「フム、入り乱れての乱戦、貴殿を囲むは精鋭、我輩は孤軍のケット・シー‥‥‥‥‥ようやく、貴殿だけに集中できる。これからが本番だぞ!聖騎士長・マルセユ殿」
「‥‥‥‥‥私と一対一になるまで待っていたのか?不思議の国の〖三銃士〗が一人。神猫・ケット・シー!!!」