聖座決戦・〖ロマ・テレシア教皇と龍族の巫女〗編 No.9 君が無事で良かった
(ハハハハハハ!遂に神をも捕まえたぞ!シリウス!)
(おめでとうございます。【教皇】様。これで神の座も‥‥‥‥‥)
(あぁ、見えて来たな!俺様の神格化がな!ハハハハハハ!これから、時が来るまで暗い地下にお泊まりだ!神の一角。アナスタシア!!良かったな!ハハハハハハ!!)
(ふむ‥‥‥‥これが〖神殺しの力〗か‥‥‥‥‥別に私は何とも思わんしな。言ってもわからんだろうな‥‥‥‥あまりやりすぎるなよ‥‥‥‥何事も限度があるでな。悪童殿よ‥‥‥‥)
▽▽▽▽▽
現在。首都・テレシア〖イルミタル地区〗
「昔、俺様に平伏した。神の一角が何のようだ?アナスタシア!」
「新たなる短くも恩ある〖契約〗の者を救いにだ。悪童殿‥‥‥‥忠告はしたが。やはりやり過ぎたか。悪童」
「やり過ぎだと?これから始めるだよ!殺戮はな!ガル・デル・カム●‥‥‥‥輝白星剣・〖シリウス・クラウディウス〗」
トルギアス・アトスは懐から白色の指輪を取り出し、何かを詠唱した。すると白色の指輪は禍々しい白剣となったのだった。
「何とも不気味な剣を出してくるか‥‥‥‥‥氷霊帝の名の元に来ることを許す。氷〖青〗剣・〖・アナスタシア・スィーニィ〗」
‥‥‥‥美しい彫刻の様なデザインの青き剣が氷霊帝・アナスタシアの右手に現れた。
「ふむ。久しぶりに使うとしようか!〖青の氷〗をな‥‥‥‥猫族の子と〖魔女〗の者は私の補佐を頼むぞ。始めましてで悪いがな‥‥‥‥三位一体となり時間を作るぞ。油断なき判断を頼む」
「氷霊帝様の思いのままに」
(主、鳴神様に誓います!)
「ウニャア!誓うますニャア?!ニャアアア!!身体が勝手に平伏のポーズを!!」
「ふむ、この大陸は素直な者が多く、良きだな。解放者‥‥‥‥これなら私の名前だけでも貸しても良いが。どうやら、此処には既に二匹と一神が居るのだな。しかり、しかりだ!カハハハ!!」
ん?二匹と一神?‥‥‥‥いや?可笑しくはないか。俺が契約してるのは〖鳴神〗様。〖大蛇〗〖アフロディーテ〗だもんな‥‥‥‥うん。合ってる‥‥‥‥よな?ん?
「‥‥‥‥‥長いお喋りは終わりで良いか?氷霊帝・アナスタシア!!」
「ふむ。まだだ。悪童殿よ‥‥‥‥‥解放者。行け!行って全てを終わらせて来い‥‥‥‥最後の‥‥‥‥〖星の民の放浪者〗の悠久の旅を終わらせてやれ‥‥‥‥では行け!!〖青の氷〗・『雹青』」
凄まじい青の冷気がトルギアス・アトスに向かって放たれる。
「は、はい!ありがとうございます!アナ!一緒に来てくれタマキッ!てっ!何処に行ったんだアイツ?‥‥‥‥‥まぁ、良い急がないとな。転移魔法〖行方転移〗」シュン!
「ハハハハハハ!!また、平伏させてやるぞ!氷霊帝・アナスタシア!!!『白逕』」
トルギアス・アトスが放つ強力な一閃の白の斬撃。
青く輝く氷雪と白の衝撃が〖イルミタル地区〗の風景を青と白の世界へと変えていく。
▽▽▽▽▽
思わぬ助っ人氷霊帝・アナにお礼を言い。俺は一人テレシア『大聖堂』へと転移魔法で移動したのだった。
‥‥‥‥‥‥しかしトルギアス・アトスは今日だけで何回死んだんだ?
俺が放った初手の『雷光・赤白蛇竜鞭』と《神気・聖》『聖刻』
ルシファーの全力を注いだ『ルーキフェル(明けの明星)』の一撃で塵へとかし、
ラインバッハの謎の力、セシリアの〖神気〗、神獣・〖鵺〗様、謎の緑魔法の力の四つが重なった技。『四極・恩讐の炮』の容赦ない攻撃を喰らっても平然と再生していた。
トルギアス・アトスは〖不老〗であって〖不老不死〗では無い‥‥‥‥‥〖ヘル・デア〗で同じく〖不老〗とされていた大アルカナの〖星〗シリウスの時は普通に攻撃が通り。倒すことができていた筈なんだ。
「そもそも、シリウスを倒した時もほんの違和感があったんだ‥‥‥‥‥僅かな違和感が‥‥‥‥‥シリウスの心臓はとっくの昔に‥‥‥‥」
そんな独り言を言っていると目的の場所に着いた首都の中心部〖テレシア大聖堂〗に。
「先ずは中に入る邪魔な信徒を倒すか‥‥‥雷魔法『雷疾走』。気を失え!信徒達」
俺は大聖堂の建物全体に強力な雷撃を放った。すると大聖堂の中から複数の悲鳴が聴こえてきた。
「ギャアア!!」「痺れ?!」「ああぁぁ!!」「ギャリア?!」
「‥‥‥‥だいたい片付けたか?‥‥‥‥中に入るか!」
ギイイィィ!!ガチャンッ!
俺は礼拝堂に入る為の正面大扉を開け放った。するとその礼拝堂の中には数週間振りに合う仲間の姿があった。
「‥‥‥‥‥セツナ殿」
其処には死白色の礼服を着た龍族の女の子が立ち尽くしてした。
「‥‥‥‥あぁ、やっぱり居てくれた‥‥‥‥夜叉巫女‥‥‥無事みたいだな‥‥‥あぁ‥‥‥‥良かった‥‥‥‥良かったよ‥‥‥‥夜叉巫女」
俺は夜叉巫女にゆっくりと近づいて行く‥‥‥‥‥そして、何か不思議な気持ちが込み上げてくる。
「‥‥‥‥セツナ殿!」
夜叉巫女は俺の方へ急いでやって来る。
「あぁ‥‥‥‥本当にゴメン‥‥‥‥俺が不甲斐無いばかりに君を連れ去られてしまったんだ‥‥‥‥‥ゴメン。夜叉巫女‥‥‥‥本当にゴメン‥‥‥‥」
俺は夜叉巫女の両手を握り。ただ涙を流し、謝る。かつて、守り切る事ができなかった彼ら、彼女ら旅の仲間を思い出しながら。俺は夜叉巫女に謝るのだ‥‥‥‥‥今回は必ず救うと決めた。過ちは二度と繰り返さない為にも。
「セ、セツナ殿?だ、大丈夫でありまするか?‥‥‥‥や、夜叉よりもセツナ殿の方が何だか?」
「‥‥‥‥ゴメン‥‥‥‥遥か昔の事を思い出ていだんだ‥‥‥‥君は必ず救うから‥‥‥‥過ちは繰り返さない為にも‥‥‥‥」
「過ち?」
「‥‥‥‥本当に無事に居てくれて良かった!本当にありがとう。俺の〖契約者〗‥‥‥‥夜叉巫女の姫」
「は、はい!此方こそ助けに来て頂きありがとう御座いまする。セツナ殿」
「あぁ、此方こそだ‥‥‥‥此処を‥‥テレシア大聖堂を落とさないとな」
俺は夜叉巫女と再開できた事でかつての取り返しがつかない事を思い出し、勝手に涙を流した‥‥‥がっ!今は戦争中、気持ちを切り替えなくては。
「出てきてくれ。皆。〖我は出るを念ずる〗」
俺がそう言うと魔法の袋(黄金の宝物庫)から次々に人が出てきた。
「夜叉ちゃん!」「夜叉!」「うわぁぁ!!何だ?いきなり?」「‥‥‥‥ウィ?‥‥‥」
「アヤネ殿!恵殿!」
「無事で良かったですわっ!」
「本当よっ!心配したんだからね!」
「うぅぅ!!お二人共。ご心配おかしましたぁ!!」
アヤネ、委員長、夜叉巫女は再開するなり、抱きしめ合い涙を流して再開を喜び合っていた。
「‥‥‥‥良かったな。夜叉巫女‥‥‥‥本当に良かった‥‥‥‥ルアカトリク軍に伝えます。このテレシア大聖堂を占拠し、ある物を見つけてきて欲しい‥‥‥‥【教皇】の心の蔵‥‥‥‥〖神核〗を!」
俺はそう叫ぶを首都・テレシアでの最後の作戦をルアテレシア軍の特殊部隊に説明し始めた。
捕捉です
シリウス・クラウディウスは昔、ルシファーに一つの剣をプレゼントした事があります。
主人公は魔術院時代と列島大陸の旅の時に仲間を失う場面がありました。
それは余り思い出したくない記憶だった為、夜叉巫女と再開時にそれらの思い出を思い出し泣いています。