聖座決戦・〖ロマ・テレシア教皇と龍族の巫女〗編 No.6 神獣と獣族と冒険家
テレシア・【無闇の死白箱】前
(そ、そんなっ!アフロディーテ様!マスターがっ!)
「つっ!‥‥‥‥そんな事は分かっています!!ルシファー!ですが今はこの【無闇】を封じ込めておくのが私達の使命。此方に集中して下さい!良いですねそれにマスターの中にはウリエルも付いています。だから、集中して!」
(くっ‥‥‥‥はい!アフロディーテ様)
「この地には他にも神々が‥‥‥‥二神も近くに入るからと油断していました。まさか手伝いにも赴かないなんて‥‥‥‥此方の世界の神々は‥‥‥‥‥『始祖・神集九煌』はどうなっているでしょうか」
テレシア大聖堂近く・〖アウヴェルス地区〗
「ぐっ!‥‥‥‥なんつう馬鹿力と魔力だよ。こんな遠くまで飛ばしてくれて‥‥‥‥オマケに両腕の骨が折れ曲がっちまった」
「ハハハハハハ!!!担い手・ナルカミ。お前が何で俺様の攻撃を全て避けていたか、だんだん分かってきたぞ‥‥‥‥‥お前、まだ子供だな?それも十代位よう。ハハハハハハ!!身体が成熟仕切れてないものな」
「くそっ!痛ぇぇ‥‥‥‥‥だから‥‥‥‥‥どうした?トルギアス・アトス」
「アテナ地方の魔法使いは二十歳前後で魔法の身体を整えると聴く。そんな未完成子供の身体で良くも俺様に挑めた態度を取ったものだな。クソガキ!!晦冥魔法【黒弾】」
「くそっ!人が子供だと分かった途端に容赦なく攻撃してきやがって。雷魔法『春雷・雷光』」
俺は迫って来る黒弾を避ける為、雷魔法で自身の足の身体能力を上げ。避けようとした瞬間。
「ハハハハハハ!!こんなお粗末な策にハマってんじゃねえぞ!クソガキ!!〖神気・闇〗【黒撃】」
「ガァアア?!!」
俺が逃げようとした場所に突然、トルギアス・アトスが現れ、俺の右腹部に強烈な一撃を加える。
「ハハハハハハ!!!底が見え始めたな。担い手・ナルカミ!ハハハハハハ!!」
『黄金の宝物庫(魔法の袋の中)』
黄金の宝物庫。私、ラファエルが契約する元『勇者』・セツナ、神獣・タマキ、―女神―アテナ様が認めた者以外は入ることができない場所。
それは神々や『ラグナログ(神々の黄昏)』であろうとも入る事ができない。魔法世界・各大陸の神々。『始祖・神集九煌』であろうとも逆らう事が叶わない天上の契約だと。遥か昔、アテナ様から教わったわね。
セツナはこの宝物庫の中で闘えない人達、怪我や病気をした民宿達。そして、今回の旅に巻き込んでしまったアヤネや恵達を避難させていたんだけど‥‥‥今は少し不味い状況みたいね‥‥‥‥‥
「ちょっとっ!セツナの奴!やられそうじゃない!!」
「そ。そんな!!早く外に出て助けに行かないとっ!」
「あ、あぁ、そうだね。ハニー!‥‥‥‥彼は君にとって‥‥‥‥‥いや?私にとっても大切な存在なのだからね」
「何意味分かんない事、言ってんのよ。セシルス王子。そんな事より早く武器を‥持って外に‥‥‥‥‥」
「外に出ては駄目ですよ!恵。それにセシルス様もです!‥‥‥私達には私達の役割があるのです!セツ君からも言われていますでしょう?!(時が来るまではこの中で待機していてくれ。君達にはある物を見つけて来てもらいたいんだ)とっ!‥‥‥‥‥ですから‥‥‥‥ですから‥‥‥‥セツ君がどれだけ傷付いても彼の言った事を守り、遂行するのです‥‥‥‥それが私達ができる最善なんですから‥‥‥‥」
アヤネは下を俯きながら泣き出してしまった‥‥‥‥無理もないわ。外の世界で元恋人が一方的ボコボコにされているんでさもの‥‥‥‥‥私はこんな時なんて声をかければ良いのだろう。
「アヤネ‥‥‥‥‥」
「アヤネ嬢‥‥‥」
「‥‥‥‥‥ママ‥‥‥‥大丈夫?‥‥‥‥‥良い子良い子する?‥‥‥‥」
ルア新法王はアヤネの頭を優しく撫で始める。本来なら逆でしょうっ!とツッコミを入れるんだけど。今はそんな事はしたいとも思わない。ルアは、ルアなりにアヤネを元気付けているんだろう。
「は、はい!ルアさん。私は元気ですよ!な、泣いてなどおりませんっ!大丈夫ですよー!ルアさんの良い子良い子で私、元気が出ました!ありがとうございます!ルアさん!」
「‥‥‥‥‥ウィ!‥‥‥‥ママ‥‥‥元気出て良かった‥‥‥‥ルアも一安心‥‥‥‥‥」
ルアはそう言うと太陽の様な笑顔でアヤネに微笑み笑っていた。あぁ、この子が新たな法王になれば新国家ルアカトリクは繁栄するだろう。私は一瞬だけ、そう感じてしまった。
場面戻り。〖アウヴェルス地区〗
「此度の反乱も、お前の死と共に鎮圧されていくだろう。大量殺戮を引き換えにな‥‥‥‥‥死ね!晦冥魔法『黒獄』」
暗き闇が俺の頭上に現れ、堕ちてくる‥‥‥‥あぁ、終わってしまう‥‥‥‥‥‥
(ご、ご主人様逃げて下さい!ご主人様!)
先程から俺との分離を拒絶していたウリエルの声が頭の中で響く。
「『黄金航路』・『破壊の道』」
誰かの魔法詠唱なの声が聴こえたと思った瞬間。トルギアス・アトスの晦冥魔法が消滅した。
「‥‥‥‥‥‥現代も俺様の邪魔をする気か?ラインバッハ・エゴルッ!!!!」
「会うのは数世紀振りか?トルギアス・アトスの悪童」
「‥‥‥‥‥ラインバッハ?」
「ご主人様!大変遅くなりました‥‥‥‥てっ!うわぁぁ!ご主人様の両腕が大変な事に!」
「ニャンニャンニャン!騒がしいから急いできて正解だったニャア。ニュエ(鵺)」
「鵺な‥‥‥‥‥遅くなっちまって悪かったなカミナリ様よう!大丈夫‥‥‥‥じゃねえな!こりゃあ‥‥‥両腕がやベエ事になってるな」
「‥‥‥‥‥タマキ?セシリアに鵺様も?何で此処に?」
「あっちはカミナリ様のお師匠様に任せてきた‥‥‥‥‥今頃、派手にやってんだろうよ!それよりも今は」
「傷を治すのが先だニャア!セツニャ!!久しぶりに会えたのは嬉しいけどニャア。目の前のヤバい奴を倒さニャイといけないニャロウ?」
「あ、あぁ、だがな。トルギアス・アトスは〖不老〗で‥‥‥‥」
「止めはナルカミ氏がすれば良い。俺達はその前座だ。お前がこの後でやるべきは回復、探索、召喚だろう?目的を忘れないでくれよナルカミ氏」
「ハハハハハハ!!何をするか知られえがな。この俺様が自由にやらせると思うか?ラインバッハ・エゴ!!」
「その自由をやられて、かつての領土を‥‥‥‥‥西の地を失った奴に言われたくないな。トルギアス・アトス!」
ラインバッハとトルギアス・アトスはお互いを罵しり合い、言い合いをしている。どうやらあの二人にも何かしらの因縁があるようだ。
「‥‥‥‥‥今度こそ、殺してやる!!晦冥魔法『黒断』」
「シリウスを失ったお前など最早っ!『イムベル(豪雨)』」
因縁再び。




