聖座決戦・〖ロマ・テレシア教皇と龍族の巫女〗編 No.5 〖不老〗と〖無闇の死白箱〗
「‥‥‥‥ま‥‥‥‥さ‥‥‥‥かあ‥‥‥‥自爆‥‥‥‥すると‥‥‥はな。お陰で身体が塵と化したぞ〖節制〗」
【教皇】はそう言いながら頭の方から身体が再生し始めた‥‥‥‥〖不老〗だとは調べて分かっていたが。塵レベルにまで吹き飛んでも再生するのか?あの身体は。
「異常な程の再生能力だな。トルギアス・アトス」
「ハハハハハハ!!貴様はお得意の転移魔法で〖節制〗と共に遥か上空にでも逃げてたのか?俺様の大切なペット(黒翼残鳥)を良くも殺してくれたな。それに剣まで奪うとは‥‥‥‥なかなか手癖が悪い奴だ」
そうなのだ。ルシファーがルーキフェル(明けの明星)・『イザヤ・エゼキエル』を発動した瞬間。雷光鞭でトルギアス・アトスの闇星剣を奪い。転移魔法でルシファーと共に直ぐ様、魔法攻撃範囲から脱出したのだ。
「あぁ、こんなものでまた変な怪物を喚ばれてもイヤだからな‥‥‥‥戦利品に貰っといてやる」
「何が戦利品だ。返せっ!偽物野郎っ!!」
「‥‥‥‥これはある場所に封印する。あの部屋にな」
シュンッ!
俺は魔法の袋(黄金の宝物庫)の中に闇星剣をしまった。
「貴様っ!!それは〖あの方〗が俺様の為にと拵えた〖無闇の剣〗だ。お前の様な奴が持って良い代物じゃねえんだよ」
「そんなの関係無い。鑑定魔法があまり得意じゃないと俺でも分かるぞ‥‥‥‥この剣は危険だ。これは〖異界〗とは全く違う所から破滅を呼び寄せるんだろう?‥‥‥‥これはこの闘いの後、適切な場所で封印しておいてやるよ。トルギアス・アトス」
(‥‥‥‥五月蝿いわ。マスター、怠いの静かにして頂戴‥‥‥‥‥‥【教皇】は‥‥‥‥やはり消滅していないのね‥‥‥‥)
「ハハハ!!何を勝手に決めてやがる。〖節制〗はあの馬鹿な自爆技で動けなくなったんだろう?後先考え無い頭は昔から変わってねえんだな‥‥‥‥まぁ、良い此処からはじっくりと闘ってやる。身体がフッっ飛んだことで〖神気〗の回復が遅れちまってるが‥‥‥‥‥知ってるか?担い手・ナルカミに〖節制〗。大アルカナの〖主格〗から〖属格〗のNo.には各々、固有の結界が使える事を?」
「固有の‥‥‥‥結界?‥‥‥まさか?!」
俺は〖妖精国〗でのエキドナ戦とジャック・ザ・リッパー戦の時をふと思い出した。
「ハハハハハハ!!何か感づいたか?だがな‥‥‥‥‥もう遅い。地上の奴等なんて最初から眼中にねえんだよ‥‥‥‥【無闇】で生き残れるのは神性持ち位なものだ。そんな神性持ちも後から俺様が狩り尽くすがな‥‥‥‥短い闘いだったが久しぶりに楽しめたぞ。担い手・ナルカミ‥‥‥‥潔く黒に歠まれて死ね‥‥‥‥晦冥魔法‥‥‥‥【無闇の死白箱】」
トルギアス・アトスが詠唱を終える。
すると奴を中心に首都・テレシアの上空が闇に染まって行く。いや、包まれていくと言った方が良いのか?
(マスター‥‥‥‥これは?)
「‥‥‥‥‥‥‥エキドナ戦と同じだ。多分、皆。黒闇の歠まれて死ぬ」
(‥‥‥‥‥そう。原始の技ね。そういえば、彼ら上位No.は使えるのよね。あの方の力の一端‥‥‥‥無に返す力が‥‥‥‥)
「無に返す力?‥‥‥‥たくっ!闇の剣や〖不老〗と無の力とか。どんだけチート何だよ。あの【教皇】は?!」
(ぼやいてても。しょうがないは‥‥‥貴方とウリエル達だけでも此処から‥‥‥‥‥)
「やはりこうなりましたか‥‥‥‥‥マスター」
腰に巻いていた〖雷光鞭〗から誰かの声がする。
「その声はアフロディーテか?」
「はいっ!彼が放ったあの【無闇】は私が何とかしましょう」シュンッ!
「愛と美と性の神・アプロディーテが此処に」
最高美神・アフロディーテ・顕現
「‥‥‥‥次から次へと虫がわくな。今度は何だ?‥‥‥‥見たこともない神性持ちだが?」
トルギアス・アトスは【無闇の死白箱】の結界を広げながら此方の様子を伺っている。
「マスター。あの【無闇】の結界は私とルシファーで何とか相殺しましょう」
(‥‥‥‥‥‥え?私もですか?アフロディーテ様‥‥‥‥私はもう闘えない‥‥‥‥魔力もう底を尽きてますし‥‥‥‥)
「それでは魔力は私が補います。ルシファーは神煌具の状態のままで大丈夫ですよ。同じ金星に縁がある身。相性としてはバッチリですからね」
(あっ!いえ、あの‥‥‥‥‥)
あのクールなルシファーが困惑している流石、神様、身勝手である。いや、アフロディーテは比較的に此方の気持ちを組んでくれる方なんだが‥‥‥‥‥同じ金星繋がりなのか、ルシファーには遠慮がない。
「では、ルシファーを御借りしますね。マスター」
ガチャッ!
何時の間にか俺が手に持っていた〖輝ける金星剣〗がアフロディーテの手の中にあった。
「あっ!ちょっとっ!」
(マ、マスター!!何しているのアフロディーテ様はこう見えて天使の扱いが‥‥‥特に私に対しては乱暴で‥‥‥‥‥)
「神明魔法『アヴェ・マリス・ステラ(海の星よ)』‥‥‥‥アプロディーテー・ウーラニアー(天の娘の美の女神)」
(くっ!アフロディーテ様の魔力が!魔力が
流れてきます!!や、止めて下さ‥‥‥‥うぅぅ。・『ルーキフェル(明けの明星)』・『クルアーン』)
二重の金色の螺旋が首都・テレシアの空に舞い上がる。その金色は【無闇の死白箱】へとぶつかり。無闇の動きを封じ込めた。
「神と天使族二人で何とか抑えられるのか?‥‥‥‥‥いや、持っても一日位か‥‥‥‥‥その間に何とかお前を倒さないとな。トルギアス・アトス」
「‥‥‥‥‥チッ!何処の神かは知らねえがな。〖節制〗の大アルカナを利用して【無闇の死白箱】を封じたか‥‥‥‥‥だが、これで‥‥‥‥お前の武器もその雷の鞭だけになったな?担い手・ナルカミ!!晦冥魔法・『黒幻跋』」
「は、速い?‥‥‥‥しかもこの攻撃は?」
俺はトルギアス・アトスの速すぎる攻撃に反応できず。数キロ先の建物までぶっ飛ばされたのだった