聖座決戦・〖ロマ・テレシア教皇と龍族の巫女〗編 No.3 神殺しの衝突
【教皇】・トルギアス・アトス。まさかコイツが神代魔法を衰退させた原因の一端だったとは驚いた。
‥‥‥‥確かし神代魔法が広まってしまえば、それを研究、対策され、エウロペ大陸でも極秘とされる〖神気〗の力が広まる事になり。
トルギアス・アトスの絶対的な優位性が失われこのロマ・テレシアという大国そのものを維持できないと考えたんだろう。
そして、そうした状態を保っておけば魔法世界では〖神気〗という存在も誰にも気づかれず消えていくという算段なのだろうか?
「お前はあえて現代魔法を発展させ。エウロペ大陸の〖神代魔法〗と〖神気〗を衰退させたとはな。トルギアス・アトス‥‥‥‥《神気・聖》・『光拳!』」
「そのお陰で〖現代魔法〗は飛躍的な発展を遂げただろう?その恩恵はお前にもあった筈だが?‥‥‥‥担い手・ナルカミ!!!【神気・闇】・『闇蹴』」
俺が放った光の拳と【教皇】の闇の蹴りがテレシアの上空で激しい衝突する。
その衝突により、白色と黒色の〖神気〗の波動が首都・テレシアを揺らしたのだった。
テレシア・南正門
「な?じ、自信ですか?」
「ディエースさん!止まらないで下さい!!そのまま正門を破壊しましょう!聖騎士の精鋭達が到着する前に後続の部隊がこの首都に乗り込めるよう此処を臨時拠点にするんです!」
「へ?拠点ですか?」
「私達は攻める側です。短期決戦と言っても数時間‥‥‥‥いえ、数日は戦う羽目になります。ですからこの区画を落として私達の第一拠点にするべきです」
「は、はいっ!流石はセルビアの騎士様。なんと頼もしいんだしょうか!ディエース部隊!二手に別れ、この〖ヘルト〗地区を制圧するのです!」
「「「「ハッ!ディエース天水様」」」」
「は?天水とは?」
【貴族信徒特区】
「ええい!私達を守れ!聖騎士共!!」
「そうだぞ!貴様!安全に金が稼げると聴いてわざわざ、ガリア帝国から来てやったんだ!高い寄付金も払った!さっさとこの騒動を終わらせて来い!!」
「‥‥‥‥マルセユ聖騎士長。南正門は完全にルアカトリク軍により陥落寸前だと伝令から来ていますが」
「せめて、シリアス卿かリルマーズ卿が健在ならば此処までで懐に入られる事は無かった筈なのだ」
『ロマ・テレシア軍・聖騎士長マルセユ・イリル』
「おいっ!聖騎士共!!」「私達をちゃんと守りなさいよ!」
「‥‥‥‥‥自分達の事ばがりしか考えない無能共めっ!」
『副騎士長アルト・マーナイン』
「アルト!部隊を半分に分ける。半分は南正門の鎮圧は私、直々に行く。君はこの〖上級特区〗でライラ神官共に待機し守ってくれ」
「聖騎士長自らですか?りょ、了解しましたマルセユ聖騎士長!」
「あぁ、では此処は任せた!行くぞ!テレシア精鋭部隊!」
「「「「ハッ!!!」」」」
「お、おいっ!私達の話を聞けっ!!!」
「そ、そうだ!そうだ!貴様らは私達から多額のだな‥‥‥‥‥」
「今は緊急時ですっ!皆様は我々、テレシア聖騎士隊が必ずお守りします!」
「ほー、これはなかなか気骨のある若者であるな。ハルピュイア殿」
《魔王領・元軍隊長ギルフォード・サイウォール》
「えぇ、その子からは悪意を感じないわ。殺すべきは‥‥‥‥‥‥後ろの化物共ですもの」
《神鳥・ハーピィー・ハルピュイア》
「な、何だ?お前らは?何処から現れた?何者だ?」
「復讐鬼とでも呼んでもらい所存である!『魔銅鑼』」
「ひぃ?何で私に攻撃を」ズバァン!
「あの解放者の子との契約で〖悪〗以外は殺せないのよね‥‥‥‥‥‥この大規模な戦争でヘスティア地方の闇を葬る気なのかしらね。あの解放者の子は。『誘蝶』」
「ああぁぁ!!吸われる!殺される!!」
「くっ!全隊!迎撃せよ。貴族方を守るのだ」
「ギギギ‥‥‥無駄だよ‥‥‥幽閉されていた皆。集まって来てる‥‥‥‥ここの金持ち達は‥‥‥‥死ぬ運命さ‥‥‥‥ギギギ‥‥‥‥」
再び。テレシア・南正門
「進め!南正門を取り戻すのだ!全てはロマ・テレシアの!【教皇】様の為に!」
「「「「「【教皇】様の為に!!!!」」」」」
「パ、パーシヴァルさん!何か強そうな人達が特区の方面から現れました!」
「落ち着いて下さい!ディエースさん!‥‥‥‥‥あれが噂に聴くロマ・テレシアの聖騎士部隊ですか。そして、その先頭を走るは〖テレシア〗の騎士・マルセユですか‥‥‥‥‥カミナリさん。曰く、あの方に対処する方は来ているとの事ですが‥‥‥‥誰の事なんでしょうか?」
「くっ!正門が完全に破壊されてるじゃないかっ!それにあれは行方不明中だった水星様?‥‥‥‥【教皇】様が言っていた通り裏切っていたのか?‥‥‥‥‥裏切り者は粛清する!!光星魔法‥‥‥」
「グルルル!!フム、ではそれは我輩が阻止させてもらおうか。うら若き銀髪の美女よ。『ダルア』」
「ヒルルルル?!!」
マルセユが乗っていた魔馬が突然、体勢を崩し倒れてしまった。
「は?二足歩行の猫?‥‥‥‥‥うわぁ!!!」
「グルルル!!さぁ、我輩と闘ってもらうぞ。聖騎士長・マルセユ殿」
《異界の守護獣・神猫・ケット・シー》
「‥‥‥‥‥こんな所に現れるなんて?‥‥‥‥神猫・ケット・シー!!」
テレシア・管理地区・上空
「ハハハハハハ!!厄介な野郎だな!担い手・ナルカミ!!まさかお前も神気使いとはな!驚いたぜ!お前は今日、確実に此処で殺してやる!!神気・闇【黒弄】」
「‥‥‥‥‥‥お前は下の状況は心配じゃないのか?《神気・聖》『光断』」
ドゴオオオオンンン!!!!
数度に渡る〖神気〗の衝突で建物が倒壊していく。
「何度も言うがな。俺様さえ生き残れば国などまた造れる。神性が未だ濃く息づいているこのエウロペ大陸のどんな土地だろうと、俺様に勝てる奴なんていねえんだよ!この神代の〖神気〗使いたる。俺様にな!」
「そうか、でも、そう思ってるなら何で‥‥‥‥転移魔法『縮転移』」
シュン!
「あぁ?何処に消えた?」
「此方だよ!トルギアス・アトス!!《神気・聖》『聖刻』」
「ぐがっ?!‥‥‥‥‥クソがぁ!!」
ドゴオオオオンンン!!!
俺は転移魔法でトルギアス・アトスとの間合いを詰め。渾身の『聖刻』を奴に撃ち込んだ。
「さっきから俺の攻撃を相殺していたな?トルギアス・アトス‥‥‥‥‥もしかして、この〖神気〗事態がお前、最大の弱点なんじゃないのか?アトス(聖山)の申し子‥‥‥‥‥いや、〖放浪者〗!」
「ぐっ!‥‥‥‥‥てめえ‥‥‥‥‥俺様をその名で呼ぶな‥‥‥‥その名でよびれるとイライラしてくる。何がアトスの放浪者だ‥‥‥‥馬鹿にしやがって神々共がぁ‥‥‥‥‥‥効いたぜ。救国の担い手・〖ナルカミ〗‥‥‥‥‥此処からは多少、本気で殺ってやる。殺すぜ!!お前はぁぁぁ!!!晦冥魔法『シュヴァルツシルト』‥‥‥‥‥来い!闇星剣」
トルギアス・アトスはそう叫ぶと暗闇から銀色と黒色が混濁した長剣を取り出したのだった。
トルギアス・アトスが使う。晦冥魔法の晦冥の意味は光明がとだえて、くらがりとなること。 くらがり。 くらやみ。
だそうです。私も調べて初めて知ることができました。




