表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
380/867

虚脱の天界人と神代魔法 No.2 〖色〗の力


神代魔法は個人の魔法適正、産まれた血筋、生きてきた帰路によって、その性質が決まる。

一人で複数の〖(しき)〗の神代魔法を扱える者も入れば。

単色の神代魔法しか使えない者も入る。単色しか扱える者は複数持ち劣るかというとそうではなく。単色の神代魔法は複数持ちの神代魔法よりも、威力、魔法規模等が桁違いに強い。


ラーダ君は後者だった。神代魔法(黄)‥‥‥‥雷や貴金属、天候等を操る力に特化した神代の魔法。

神話魔法、現代魔法とは異なる魔法体系。そんな魔法をこの数日の間。此方(こなた)はラーダ君に叩き込んだ。(物理)


「‥‥‥‥神代時代の魔法を今更覚えても遅いんじゃないか?そんな魔法制御もできていない状態で扱っては危険すぎる」


「五月蝿い!僕だって‥‥‥‥僕だって、覚えたくて覚えたんじゃない。金星魔法が‥‥‥‥‥ヘスティア地方の現代魔法が使えなくなったから使ってんだよ!神代魔法(黄)『雷忉(らいとう)』」


ラーダ君はプロキオンに向かって雷の稲妻を放つ。でもそんな魔法攻撃。天界人である彼に当たるわけないんだけど‥‥‥‥


「‥‥‥‥やはり。威力は凄まじいが‥‥‥‥‥魔法操作が全然制御できていない。それではいつ、魔力暴走が起こっても可笑しくないぞ!ラダ・テラ。光星魔法『白犬聖痕(はくけんせいこん)』。突撃しろ!白犬!」


プロキオンは白色の犬の姿を魔法で造りだして、ラーダ君の攻撃にぶつける。


「ワオォォ!!!」


ドガアァァン!


「あの、プロキオンの魔法を相殺した?‥‥‥‥‥ぼ、僕の神代魔法の威力‥‥‥‥高過ぎないか?」


「はぁ~、自覚してるならもっと魔力コントロールに意識を向けるべきだよ。金星魔法の時はあの悪魔君がラーダ君の代わりに魔力操作をしていんだからね」


「わ、分かってるよ。フローレンス‥‥‥‥でも、何で俺はずっと悪魔に取り憑かれてたのに、それに気づけなかったんだ?未だに理由がわかんねえよ!神代魔法(黄)『雷弾』」


「‥‥‥‥‥光星魔法『犬星光』‥‥‥成る程。ベリトの悪魔を追い出したか。ラダ・テラ。お前は彼の‥‥【教皇】の実験体だったんだのだ」


再びの魔法の衝突。この攻撃も相殺し合う。うーん。技の威力だけは今のところ互角なんだね。


「実験体?どういう事だよ。プロキオンさん!」


「‥‥‥‥あれは神代の頃から、色々な種族を使い。暗黒大陸の悪魔種や魔人達との交配に力を入れている。俺の友、リゲルもその被害者の一人だったんだ‥‥‥」


「だった?あの〖狂ったリゲル〗卿がか?」


「‥‥‥‥五芒星(ペタルファ)の中ではそう呼ばれていたのか‥‥‥‥いや、恨む対象が違うな。星占いの結果がでて分かっていた筈だったんだ。あの時、全力で止めて入ればリゲルは救うことができたのだ。それに‥‥‥‥‥」


「君達。天界の神人(しんじん)人神(しんじん)が地上に降りてこなかったら。あの悲惨な〖神魔竜戦争〗はそもそも起きなかったもんね」


「‥‥‥‥‥お前は‥‥‥」


「うん。自己紹介がまだだったね。天界人・プロキオン。此方(こなた)の本当の名前はメリュジーヌ・フローレンス・セルビア。神代の英雄。オーディンの孫だよ」


「‥‥‥‥‥そうか。オーディン殿の。では、あの戦争の被害者か」


「そうだね。あの沢山の〖神魔竜戦争〗のせいで此方(こなた)の沢山の家族が死んじゃったね」


「‥‥‥‥俺を恨むか?メリュジーヌ殿」


「さぁね?もう終わった事だし。恨むとしても、それは君に首輪を着けて離さない【教皇】を恨むかな。オーディンお爺ちゃんの書籍で読んだんだよね。〖神魔竜戦争〗を引き起こした黒幕。アトスの【教皇】の悪事が書かれた本を」


「‥‥‥‥オーディン殿は知っていたのか。【教皇】の闇を‥‥‥‥何故、戦争のを止めなかったんだ?‥‥‥‥いや、一度始まった戦争は止めようがないな。それにロマ・テレシアには〖剣山〗という―女神―フレイヤが造った〖神工物〗があり、アテナ地方から侵入するのにも時間がかかるか」


「そんな。感じだね‥‥‥‥‥君からは悪意を感じないし‥‥‥‥やっぱり、現況はあの【教皇】みたいだね。ご主人様に喚ばれたのも何かを分かってきたよ。ねぇ、ユグドラシル様」


「お、おい!そんな事より。どうするんだよ!プロキオンさん‥‥‥‥プロキオンに僕の魔法が全く通じて無いぞ。このまま、もし負けたら。僕はあのロマの野郎に八つ裂きにされちまうぞ」


「五月蝿いなぁ。今はプロキオン君と情報交換してるんだからさぁ、静かにしていてよ‥‥‥‥‥君の神代魔法はかなり‥‥‥ううん。凄く良いよ。後はね‥‥‥‥‥」


「‥‥‥‥〖(しき)〗だ。ラダ・テラよ。(しき)をもっと高めろ」


「おわっ?!何だよ!プロキオン‥‥さん!いきなり話しかけてきて!」


「‥‥‥‥黙って聞いていろ。俺は神話魔法は捨て、現代魔法に傾倒してしまった身だから、アドバイスしかできないがな‥‥‥‥色を高めろ」


「色?」


「うんうん。そうだね!色々だよ!」


「‥‥‥‥神代魔法は自身のイメージ、色彩、自然の状況、周辺の風景が力の源。神代魔法を自由に扱いたいのなら、自身の中にある〖(しき)〗を明確に決めろ!お前が使うのは黄色の色彩、そして、〖雷〗なのだろう?何でも良い、それに基づく情景や風景をイメージして神代魔法を放ってみろ。そうすれば、先程よりも精密な魔法コントロールを得られるだろう」


「何で闘ってる相手にアドバイス送ってんだよ。この処罰人は‥‥‥‥‥さっきより生き生きし始めてるしさぁ。何があったんだ?」


「ラーダ君!それよりも、早く!プロキオン君が言った通りにやってみてよ!此方(こなた)君が成長する所を見せて欲しいんだから!ほら!」


「わ、分かったよ!フローレンス。今からやるから、尻を叩くなよ!‥‥‥‥イメージ‥‥イメージ?‥‥‥‥黄色の閃光に‥‥‥‥針の様に鋭い稲妻?‥‥‥神代魔法(雷)『雷忉』」


ラーダ君はそう言ってプロキオンに向けて再び、神代魔法を放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ