表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/868

炎上都市『サラマンダー』 No.1 鎮火と救出~No.7 鎮火


No.1 鎮火と救出



妖精の国の北の地には情熱を燃やす者達が集う。


彼等は一人一人が、商人であり大切な仲間達である。


たまには騙し。騙し返す。自身の利益と仲間の利益の為に。


その土地はエルフと妖精と商人の都市。


ユグドラシル地方。最大級の、貿易都市『サラマンダー』である。


著『冒険家・ラインバッハ・エゴル』



夜霧のヒスイだ!


よろしく頼む。


俺は、現在。アインズさんとタマキさんと共に『セルビア』の北部にある。大都市『サラマンダー』に向かっている。


「‥‥‥‥おっと!これは!」


俺達の前を飛んで、先導してくれていたタマキさんが、困惑の表情を浮かべた。


「ンニャア?どうしたのニャ?腹黒タマキ?」


「‥‥‥腹黒タマキ?!‥‥‥‥いえ!先ほどから魔力探知で『サラマンダー』の様子を探っていたんですが、なかなか不味い状況になってますね」


「万能タマキさんが言うのなら間違えねえな!ちくしょう!」


「‥‥‥‥万能タマキさん(ニコリ)‥‥‥荒業ですが、仕方ありませんね。お二人を先に簡易転移魔法で『サラマンダー』の都市内部上空へ移動させます」


「ンニャア~!よろしく頼むニャア!!狐!」


「よろしく頼むぜ!天才、タマキさん」


「はい!任せてくて!下さい。ヒスイさん!‥‥‥そして、消えて下さい。セシリアさん」


「ンニャ?今、何か言ったかニャア?」


「では、お二人共に飛ばしますね。〖縮転移〗」


タマキさんがそう唱えると地面から魔方陣が現れ。俺達はその中へと入って行った。



そして現在。



「行って良いぜ!アインズさん!闘いたくてウズウズしてるんだろう。『サラマンダー』の方は譲ってやるよ」


「何の事かニャア?(ウズウズ)‥‥‥‥じゃあ、黒騎士のお言葉に甘えさせてもらうニャア!!‥‥行ってくるのニャア!!!」


アインズさんはそう言うと。都市外部に追い出したサラマンダーを追いかけて行った。


「俺はまず、この大都市の火災を消す所から始めるか!」


目の前には火の海になった。貿易都市『サラマンダー』が見える。


「‥‥‥‥一瞬で終わらせる」


俺は一呼吸して感覚を研ぎ澄ます。


「夜○術『一の型・百鬼夜行・黒正鴉(こくしょうからす)』」


俺は愛刀。空中に闇霧で大きな円を描く。


(おお、すげえな!こりゃあ!少し魔力を注いだだけで闇霧に施されている魔力増強の術式のお陰で大量の(からす)達を呼べるとわ)


「カミナリはヘファイストス地方に留学に行った時、遊びで闇霧をある〖魔道具技師〗と共同で作ってたと言ってたがよう!こりゃあ!神代の『神煌具』にも負けない代物だな!おい!」


俺は闇霧の性能が良いため、嬉しさの余りテンションが爆上がりした。


「‥‥おっと!いけねえ!火消し!火消しと!行け!黒正烏・『万鵣群鴉(ばんらいむれからす)』」


闇霧で顕現させた。大量の鴉達は群れとなり、大都市『サラマンダー』の空を多い尽くす。


そして、炎上している建物や人へと群がって行く。


「生きてる奴等は郊外の安全な所へ行かせろ『鴉達』」


「カア!カア!」「カアア!カアア!」「があ!があ!」


この鴉達は多少の命令なら言うことを聞く。おそらく、死の大地の魔力残滓(まりょくざんし)(わず)かな意思を残して顕現しているのだろう。

俺も良く分かってないがな。(怨念みたいな物か?昔、起きた。『神魔竜大戦』の戦場だったしな。死の大地は霊魂やら怨念何かも残ってそうだな。)


「他は、鎮火に当たってくれ。報酬はその魔力の塊でお釣りが来るんだろう?なぁ!おい?!」


「があ!があ!」「きゃあ!きゃあ!」「くくく!」「けけけ!!」「こここ!!」


なんだか分からないが凄い嬉しそうだな。


炎上している建物には(からす)達を突っ込ませ『サラマンダー』の火魔力ごと(からす)達に吸わせる。その分、何故か鴉達が肥大化しているのは俺の気のせいであって欲しいものだ。


「ここまでは、順調だが‥‥‥‥そろそろ出てきそうだかな」


俺はそう言いながら。鴉達へと指示を飛ばしていき。住民の救出と平行して鎮火にも対応していく。


何故、そんな起用な事が出きるかって?それは、前に双星の大洞窟でカミナリから貰った。収納魔道具の中に魔法機能増加の魔道具が入ってたからだ。


俺はこの魔道具を身に付けて、『サラマンダー』の中へと降り立った。

カミナリの奴はどうして、こう、貴重な魔道具を幾つも持っているんだろうか?

分からないが、そう言えば数ヶ月前にエウロペ大陸の各地方から貴重な魔道具や金銀財宝が土くれになるとかいう珍ニュースがあったが、それと関係してるんじゃないのか?


「まぁ、いいか!そのお陰で惜しみ無く貴重な魔道具が貰えるならな!カミナリ様々だぜ!おい!!」


コツン、コツン、


俺が今、入るのは『サラマンダー』でも最も高い建物とされる。炎蜥蜴の搭と呼ばれる。場所だ。あのどう見ても女にしか見えねえ、アルディス王女に貰った地図にそう書いてあったのを覚えている。


コツン、コツン


「つうか何でそもそもアインズさんと許嫁何だ?女同士だろう?あの2人はよう?それに見た感じ仲の良い女友達にしか見えねえぞ」


カツン、カツン、


「しかしアルディス王女か!男装しているとはいえ、あれだけの美人なら他国から引く手数多だろうな!‥‥‥だから、男装させてアインズさんと許嫁にしたって事か?分からねえな」


カツン、カツン、


「好きありですぞ!!鎮火師殿!!!」


俺が独り事を呟きながらボーッとしているフリをしていると。獲物がノコノコやって来た。


「夜○術『参の型・夜の(とばり)』・網鴉」


俺は敵からの初撃目を受け止めると。事前に闇霧に仕込んでおいた魔法を発動した。


「な、これは?いったい?!」


眼鏡をかけた黒服の男は少し同様し始める。


「逃がせねえぜ!!黒幕さんよう!!鏖殺の始まりだからな!!どれだけ耐えられるか実験してやる!!覚悟しな!!」


「な、なんだと?!」


俺は邪悪な笑みを浮かべ。眼鏡の黒服を眺めるのだった。






No.2 拳王姫セシリアの威光


『サラマンダー』郊外


「不意打ちとは結構飛んだニャア!あの図体でニャア~」


わっちは大都市の名前にもなっている『サラマンダー』と退治していたニャア。


「あの図体と言っても。所詮(しょせん)

火の神代魔法で肥大化しているだけですからね。そもそもの大きさはもっと小さいんじゃ無いですかね?」


わっちは驚愕の顔をしたのニャア。


「オ、オニャエ、何でこっちに入るのニャア?」


「ふっ!ご主人様に頼まれて、不本意ながらセシリア嬢の手助けをするようは言われましてね、あの猫はやらかすらしいですよ。プププ!!」


空飛ぶ狐はそう言いながら、大笑いを始めた。



「お、おニョれい!セツニャめ!余計なことをニャア~!」


「あっ!不用意な発言は気を付けた方が良いですよ。あちらの世界の動画でセシリア嬢の戦闘シーンと会話は記録していますのでね」


「また、わけの分からんことを言い出したニャア?あのバカセツニャに伝えとけニャア!変なことばかりしてるとアホになるニャゾ!とニャア!ニャッハッハッ!」


私は高らかに笑ったニャア。


「‥‥‥‥アホなのはどちらでしょうね。この『セルビア』の事が全て終わった後、きついお仕置きが待っているという事は確信しましたよ。セシリア嬢」


「何ニャ?狐?何か言ったかニャア?」


「いいえ、何も!さあさあ、目の前の『サラマンダー』に集中しましょう。はい」


空飛ぶ狐はそう言うとわっちの横にならんだニャア。


「まぁ、良いニャ!それよりもわっちは別れる前に話しに出てきた『地球』って所の話の方が気にな‥‥‥」


「来ましたよ!セシリア嬢。死んで下さい」


「何ニャ!オニャエ?!その言い方はニャア?!って!!おわわわわニャア!!!!!」


『サラマンダー』の口から火球が幾つも飛んできたニャア。


「ほらほら、セシリア嬢!応戦して、応戦して!火球はうちが、さっき都市部の影にいた。黒服眼鏡に全弾自動追尾するように簡易転移魔法で誘導しますので」


「ん?よく分からニャイが!了解ニャア!!水麗棍・天夢』(すいれいこん・てんや)行くニャヨ!!『水刃残波(すいじんざんぱ)』」


そして、本格的な『サラマンダー』との闘いが始まったのニャア。


そして、そんな遠くからエルフと一般妖精の混合部隊の軍が遠巻きにわっちを見ていたのニャア。


「お、おい!見ろ!あのお方は、()の有名な拳王姫セシリア様では?」


「あの人族と魔族の戦争を終結に導いた。勇者様の従者の伝説の一角の?」


「ん?セシリア?七賢人の御一人である森の賢者ガルド様の娘様の確か長女だったけ?」


「いや、次女だろう?確か、姉ぎみは確か、西国の『トリストメギストス魔法学校』に留学中だろう?」


「ああ、噂では、ものすごい剣技と美しさを持つらしいぞ。拳王姫様に負けず劣らずのな」



「馬鹿者共が、何を呑気に会話をしておる!!負傷者の救助に当たれ!!北軍部隊!!!」


「ヒイーー!!軍隊長ガルム様!すみません!!」


「す、直ぐにやります。です!はい!」


「たく!魔法部隊は拳王姫セシリア様の援護を!付与魔法も忘れるな!!あのお方はアルディス王子の許嫁だ!何か、あれば我々は『セルビア』から追い出されるからな!」


「は、はいーー!肝に命じます。軍隊長ガルム様!!」


「働きます!働きます!です!」


「ぼ、僕らも動こう!」「そうしよう!そうしよう!」


遠くでエルフと一般精霊達が慌ただしく動き始めた。



「‥‥‥‥‥セシリア嬢の話しに幾重にも尾ひれがついてますね。‥‥‥‥貴方、このまま行けば歴史の教科書とかの理想な勢いですよ。全く。本人のこの適当な性格を知ったら。皆さん、どう思うんでしょうね。ねえ?セシリア嬢?」


「オ、オニャエ!そ、そんな事よりも!簡易転移魔法でわっちをサポートしろニャア!!!」


「いや、してますよ。火球やらは簡易転移魔法であちらに嫌がらせで送ってますしね。それに、あの軍隊長さんの機転で。貴方。今、エルフや一般精霊の方達から付与魔法で全ての能力が底上げされてますよね?」


「‥‥‥‥‥‥‥ちっ!ニャア!」


「‥‥‥‥‥‥本当にろくでもない性格をしていますね。全く。ヒスイさんもこんな猫の何処が良いやら?以前、少し聞いたときは、(あん?アインズさんか全てが素敵だろう?)とか言ってましたし。一定の誰かに魅力の効果でもあるんでしょうかね?あの腹黒猫は」 


「何をさっきからぶつぶつ言ってるニャア!!オニャエも攻撃魔法か何か出せニャア!!」


「‥‥‥‥はいはい!簡易転移魔法『束縛の鎖』」


腹黒狐はそう言うと。魔法陣を展開し、この中から金の鎖を出し。『サラマンダー』を束縛したのニャア。


「何ニャア?あの鎖は?」


「あれ?古代四大文明を知りませんか?‥‥‥あぁ、こっちではありませんでしたね。私の伝承は!フフフ」


腹黒狐はそう言うと不敵に笑ったにゃあ。


「まぁ、良いニャア!腹黒狐!この闘いが終わったら。お礼にセツニャから盗んだ。裂きイカとスルメイカをやるから頑張ってくれニャア!!」


わっちがそう言い終えた瞬間。『サラマンダー』を束縛している鎖に物凄い力が入ったニャア。


「お任せ下さい。拳王姫セシリア・アインズ様!うちの力を全力でお貸しします」


腹黒狐は中身が別人見たいになったのニャア。


「セツニャに似て。買収すると便利だニャア!風魔法『風氣刀・(ふうきとう・さん)』」






No.3 魔神・グザファン


貿易都市『サラマンダー』都市部の中心地・『炎蜥蜴の搭』


『闇の(とばり)網鴉(あみがらす)』内


「闇の帳にもよう!色々、種類があるんだぜ!!黒服眼鏡さんよう!!お前に使った『(とばり)』は脱出困難な捕縛結界だ!もう逃がさねえ!」


「き、貴様!み、見たところ!お前は魔族だろう?何故、『セルビア』をエルフと妖精達を助ける?」


「あん?‥‥‥‥てめぇ、価値観が神代でお無くなりか?‥‥‥馬鹿なのか?お前?!」


「な、なんだと?!わ、私はこれでも『ヴォーティガン』に仕える四大死竜が1人で‥‥‥‥」


「うるせえ!俺が今、喋ってんだごら!『夜刃』」


俺は闇霧を黒服眼鏡に向けて一振、振り上げた。


「ぎゃああ!!!痛いいい!!」


「ん?何か、弱いなお前?‥‥‥‥まさか、最初に『勇者の道標』の入国管理館で襲って来た。『クエスティング・ビースト(唸る獣)』の後釜か?」


「ふ、ふざけるな!誰があんな、獣風情と」


「いやいや!奴と戦ったカミナリ!はかなり手こずってるたからな!‥‥‥‥‥そうなるとあの獣の方が四大死竜の一角か?‥‥‥確かにカミナリ!が最後は簡単に仕留めてたが、あのカミナリが消滅させるまでの相手だったしな!それに引き換えてめえは!!」


「な、なんだ?さっきから?私は四大死竜の」


「分かったてんだよ!黙れ!うらあ!」


「ぐぎ!!ぐああああ!!!」


俺は容赦なく黒服眼鏡との間合いを詰め。左腕を切り落とした。


「さっきの不意打ちといい!『サラマンダー』の暴走といい!お前え、真っ正面の闘いに向いてないタイプの魔神だな?‥‥‥‥まぁ、強さって奴はその場の状況で大きく変動するから何とも計りづらいがな。てめえも、国、単位の戦争や戦いだったら。相当強いだろうが、今回は詰めが甘かったな。魔神『グザファン』さんよう?!」


「???!何故だ?何故、私の名前を知っている?」


「ある有力な、情報筋がいるもんでね。イヤー何でも事前に調べとくっつうのは大事だなおい魔神グザファン?」


俺はまたも不敵に笑った。


「く、この悪魔め!!!」


「悪魔はてめえだろうが?なんだ?あっちじゃあ!仲間を裏切って地獄とやらに行くらしいじゃねえか?!こっちじゃ、何処に行くんだろうな?グザファンさんよう?!」


「ひーー!く、来るな!魔神討技『不縁の堕落』」


「はっ!やっと覚悟を決めたか!!良い面になったぜれ!グザファンさんよう!!夜○術『抜刀・闇弾(やだん)』」


俺と魔神グザファンの技がぶつかり合う。


「おいおい!俺だけに集中するなよそろそろ来るぜ。『サラマンダー』の火球がな!」


「何を馬鹿な事を?私のペット『サラマンダー』は貴様達が郊外に‥‥‥‥」


「『神代十二英雄』の1人をペット呼ばわりしてんじゃねぇぞ?ごら!!『闇鴉(やみからす)』」


「ぐ、があい!」


俺の『闇鴉』が魔神グザファンに当たると同時に闇の帳の中に魔法陣が現れた。


「‥‥‥ほれ、上手く踊れよ!魔神グザファン!必死にならないと死ぬぜ?!‥‥‥更にオマケだ闇の帳『網鴉・極点』」


俺がそう言うと。闇の帳から無数の黒い鴉が現れる。


「少しもんでやれ、鴉達!報酬は目の前の魔力濃度濃厚の魔神だ!!」


「く、来るな!!くそう!次から次へと!!!た、助けて下さい!!ヴォーティガン様!!!!」


「うるせえ!野郎だ!!いいのかそんな事、言ってる間に来るぞ?『サラマンダー』の火球!!」


「ぐう!!」


「それ次は、鴉達の群れだ」


「お、おのれえええ!」


「気を付けろよ!俺も絶えず闇鴉を出してやるからな!四方からの攻撃に吐くんじゃねえぞ?」


「く、どうして私がこんな目に!!!」


「‥‥‥‥‥てめえは、神代十二英雄の『サラマンダー』様を汚し。貿易都市をめちゃくちゃにした。しばらくの間はエウロペ大陸側の貿易機能は麻痺しやがる!全く、やってくれたな!くそ!魔神!!オマケに住民の負傷者と死者の数も増やしやがって!!」


「そ、それと貴様に何の関係がある?」


「はん!知識も神代で止まってんのか?てめえは?全ては繋がってんだよ!貿易が(とどこお)れば、『セルビア』を始め、隣国の『魔王領』、『魔法族の里』、『始まりの大森林』に至るまでの貿易利益が(いちじる)しく低下すんだよ!その余波は人族まで行き渡る。」


「そ、そんな事、私には関係ない」


「‥‥‥‥だから、魔神やら魔竜って奴等は嫌いなんだ!自分が世界の中心だと常に考えてやがる!周りを見て、人の営みを助けるっていうのが、本当の神様ってもんだろうが。―女神―ユグドラシル様や―女神―○○○○○様の様にな」



俺はそう言いながら。魔神グザファンを攻撃し続けた。






No.4拳王姫対炎蜥蜴①


再び、『サラマンダー』郊外


目の前のサラマンダーは、腹黒狐の変な鎖で動きを封じ込められているのニャア。


「な、なんだ?!あの鎖は?」


「拳王姫様の特殊な魔法に違いない!!」


「な、なに?では、拳王姫は自らを犠牲にして我々の為に時間稼ぎを‥‥‥なんと、尊いお方なんだ!」


「あの方は拳王姫様ではない!ユグドラシル地方の聖女様だ!」


「が、頑張って下さい!!拳王姫様!!」


「お、おい!俺達もこうしちゃあ入られないぞ!人命救助だ!人命救助!行くぞ~!」


「おおーー!!!」


わっちの人気が有りすぎて、エルフと一般妖精達がやる気を出したみたいニャア。


「‥‥‥‥凄い勘違いですね。まぁ、他の方からはうちの姿は見えませんから仕方ありませんが」


「ウニャア~!人気者は辛いのニャア!!」


わっちは嬉しそうに腹黒狐に話しかけたニャア。


「‥‥‥‥そうですね。ほらほら来ますよ。サラマンダーが!!」


「分かってるニャゾ!水麗棍(すいれいこん)天夢(てんや)・『流水時雨』」


「ガギャアアアアア!!!神代魔法(赤)『火炎竜』」


サラマンダーは背中の炎から無数の火蜥蜴(ひとかげ)を作り上げ。わっち達の方へと突進して来たニャア。


(あやつ)られてるとはいえ、流石、神代十二英雄が1人数えられているだけはありますね。火球が駄目なら。自身の分身を作り上げ。襲ってきますか」


腹黒狐はそう言いながら、サラマンダーを見つめている。


「お、おいニャア!どうするのニャア?こんなに沢山一度に相手しきれないニャア!」


「セシリア嬢!広域魔法『水円爆破』を唱えて下さい。そうすれば、うちが簡易転移で分身の真上に『水円爆破』をぶち当てますので」


「りょ、了解ニャア!水麗棍・『水円爆破』!!!!」


わっちが水麗棍をクルクルと回しながら『水円爆破』を出すと腹黒狐が簡易転移を展開したニャア。火蜥蜴(ひとかげ)の分身の真上に水円の塊をぶちまけたニャア。


「おお、上手くいったのニャア?」


「いいえ。まだです。‥‥‥やはり、魔力を分散する魔法は威力が落ちてしまいます。‥‥‥仕方ないあれを使います」


「あれニャア?」


「はい!あれです」


腹黒狐はそう言い終えると魔法陣を開き。中から小さな小瓶を取り出したニャア。


「なんニャア?その小瓶は?」


「これですか?これはご主人様から抽出したご主人様の魔力が入った魔力瓶です」


「セツニャの?それをいったい何に使うのニャア?」


「はい!このように」


腹黒狐は、わっちが出した『水円爆破』(もう消えかけてる。)に向かって魔力の小瓶を投げたのにゃあ。

すると。


ドババアアアン!!!とわっちが出した『水円爆破』よりも大きな水円になり。火蜥蜴達を丸のみにしたのニャア。‥‥‥‥いや、『水円爆破』はそれだけでは終わらず。分身の主であるサラマンダーまでもを巻き込んで最後は爆散していったのニャア。


そして、その光景を見た。わっちは空いた口がふさがらなかったのニャア。


「いやー!流石、ご主人様の魔力が凝縮された魔力瓶ですね。威力が違いますね。威力が!流石は、本職は魔法使いなだけはありますね。ね?セシリア嬢」


「い、いやニャア!い、威力は凄かったけどにゃあ。オニャエ、良かったのか?あんな、貴重そうなセツニャの魔力瓶なんニャロウ?」


わっちは貴重な魔力瓶を使わせてしまってハラハラしてたのニャが。


「ああ、あの魔力瓶ですか?あれは1ヶ月前にセシリア嬢から供給された魔力をご主人様、経由で作った魔力瓶なのでうちらには痛くも痒くもない入らないものですから。ご心配なく(笑)」


「オ、オニャエエーー!!」


こ、この腹黒狐はいつか痛い目に合わせてやるのニャア。


「そんな事よりも今がチャンスですよ!セシリア嬢。サラマンダーが先程の『水円爆破』の水圧でひっくり返ってますよ」


「くううう!!わかったニャア!!後で覚えてろニャア!!‥‥‥‥ちまちまやっててもしょうがニャイから大技いくニャゾ!!‥‥‥‥獣化術解放・回帰・『聖獣化・風』」


わっちは獣化術で神代の生物の能力を自身の体に体現させたニャア。今の体は白いオーラと風魔法の風壁を帯びて白く発光してるのニャア。


「‥‥‥‥セシリア嬢。回帰、技使えたんですか?正直、びっくりしましたよ」


「最近、出きるようになったニャア。旅の暇な時は、皆で戦闘ごっこして遊んでるからニャア。つまり、修行の成果だニャア」


「‥‥‥‥あれが戦闘ごっこでしたか。そうですか、ははは、やはり腐っても鯛。ご主人様が旅のメンバーに貴方を選ぶのも納得いきますね」


「オニャエ!絶体馬鹿にしてるニャロウ?」


「おっと!セシリア嬢!サラマンダーが起き上がろうとしてますよ!」


「終わったら!絶体にしめるのニャア!!『神気・風』・『新風獣人(しんふうじゅうじん)』‥‥行くニャア!!!」





No.5拳王姫対炎蜥蜴②


『サラマンダー』郊外


うちは、カミナリ セツナ様と契約している『7つ秘宝』と呼ばれる。神獣の類いです。


獣化術解放・回帰・『聖獣化・風』


まさか、神代魔法が廃れていくなか。再び、獣族の神代技をこの目で見られるとは思いもよりませんでした。


拳王姫・セシリア・アインズ


ご主人様が何かと気にかけている獣族族長の氏族。


前回の旅でも今回の旅でも、あの優秀揃いのパーティーメンバーの中で唯一。ご主人様と旅を共にしている方。


あの性格は気に入りませんが、ポテンシャルは底が知れないと言うことですか?ご主人様?


それだけに成長を見届けたいから、近くに居させてるいのだと最近になってやっと気づきました。


『獣化術解放・回帰・『聖獣化・風』


古代の獣族が編み出した。獣族の回帰技。


わざわざ、獣化せずとも。神代の力をその体に宿し。縦横無尽に力を行使する。


そして、うちも余り知らない。『神気』という身体の技を取り組む事で、以前のご主人様と並ぶ強さを手に入れるというわけですか?セシリア嬢は


『神気』ですか‥‥‥


うちの勝手な憶測ですが、この『神気』と言うのは神殺しの技だとうちは推測します。


神、神獣、神竜、魔神、魔竜、等を相手にどうしたら勝てるのかと人類が編み出した極意。

現にうちや麒麟さん、鵺さんには使えません。勿論、―女神―様や今は亡き。『オーディン』様さえ!


‥‥‥‥セシリア嬢がこのまま、成長していくと世界のパワーバランスが崩壊するかもしれませんね。


まあ、うちはご主人様がいなくなったら天界のアテナ様の所へ。ご主人様が必死に集めてくれた魔道具や金銀財宝を持って帰るだけですがね。


ご主人様がいない地上等に興味ありませんもの。争いの種になる道具は全て持ち帰るのが一番良いいことでしょう。


平和が1番です!ねぇ?アテナ様!ユグドラシル様!



おっと失礼しました。今はセシリア嬢とサラマンダーの戦いの続きでしたね。今から再開致します。それでは、始まり!始まり!


「行くニャアア!!火蜥蜴!!!『風獣拳・水激』」


セシリア嬢は立ち上がろうしているサラマンダーに水麗棍の魔力(水)と自らが宿している(風)の力を合わせ。サラマンダーの腹部辺りに水麗棍をぶち当てます。


「ぎゃああ!!きゃあぎああ!!‥‥‥‥」


サラマンダーは悲痛な叫びを上げその場で静かになりました。


1分経過。


2分経過。


3分経‥‥‥


3分が経過しようとしたところでサラマンダーがよろめきながら立ち上がりました。


「‥‥‥‥何ニャア?一撃で終わりかニャア?火蜥蜴?」


「‥‥‥く、我は今まで意識を」


「ンニャア?」「あれ?」


うちとセシリア嬢は同じタイミングでビックリしました。最悪です。


「‥‥‥お、お主は確かガルド殿?!娘だな?拳王姫か?」


「おお、火蜥蜴!わっちのパパを知ってるのかニャア?」


「いや、知らない方がおかしかろう。霊王殿と並ぶ英雄だぞ!‥‥‥そんな、事よりも拳王姫よ!済まない!迷惑をかけた」


「ウニャ!ウニャ!意識が戻って良かったニャア!!それじゃあ!これで終わりニャア!終わ‥‥」


「済まないが、その状態で我と一戦だけ闘ってくれぬか?」


「‥‥‥今なんていったニャア?」


「その状態‥‥‥‥いや、神代の英獣王にして我が友『ラグナ』と同じ技を使いし拳王姫よ!貴殿に闘いを申し込む」


「な、何でそうなるのニャアーーーー!!」


「いや、そりゃあ、北部の大精霊にして神代十二英雄ね1人『サラマンダー』様ですよ。そりゃあ、セシリア嬢のその状態を見たら闘いたくもなるでしょう(ウキウキ)」


「オ、オニャエも!何で嬉しそうニャンだ?腹黒狐」


「いいから、闘ってあげなさい!セシリア嬢ワラワラ」


「くそニャアーーー!!シ、シャラマンダー!自分の大都市は良いのかニャア?こんなに壊れて‥‥‥被害もだニャア!」


「ああ、我の魔力残滓(まりょくざんし)で直ぐに直そう。フムフム、死人はいないようだな。だが、市民には悪い事をしてしまった。‥‥‥‥今、待っててくれ。‥‥‥‥神代・回帰(白)『聖回奉還』」


サラマンダー様が『聖回奉還』を唱えた瞬間。炎上していた家々や建物、果ては住民や兵士の身体までもがあっという間に戻って行く。


これが神代では、再生と造成の象徴とされた『サラマンダー』様の秘技。初めてみましたが凄まじい能力ですね。


敵さんがサラマンダー様を洗脳して使役しようとした理由も納得いきましたね。


「ニャ、ニャア!建物が人の傷が‥‥‥ニャア?」


セシリア嬢は口を大きく開けてビックリしています。

そして、バッチリ記録にも残ります。


「ふぅ、『聖回奉還』をやると身体が元のサイズに戻ってしまうんだ。だが、戦闘には差し使えないから安心してくれ拳王姫」


「オ、オニャエ!もしかして、意識がちゃんとしてたら?」


「四大精霊の中で一二を争う強さですよ!良かったですね?セシリア嬢。ニタア」


「わっちの横に悪魔が顕現したのニャア」


「失礼なうちはこれでも天の使いです」


「最悪ニャア!‥‥でも闘いを申し込まれて逃げるわけにはいかないのニャア!その申し出、引き受けるニャア!火蜥蜴!!」


セシリア嬢がそう言うと。サラマンダー様は嬉しそうな顔になり。


「ああ、感謝する。拳王姫!では、早速」


「行くニャゾーー!!『獣拳風牙』」


「では、我も『火炎竜牙』」


風と火の牙が空中を散布する。


「行くニャア!行くニャア!!拳王連激・「風雷翔」」


「ふふふ!なんの!なんの!『消炎演舞』」


セシリア嬢とサラマンダー様はお互いの技をぶつけ合う!その衝撃で火風が郊外に飛び回る。


凄まじい技の連激が次々と巻き起こる。


「ふふふ!楽しいな!『ラグナ』!!君にまた、会えた気がするよ!ふふふ」


サラマンダー様はそう言うと少し悲しそうな顔をしました。


「オニャエ‥‥‥まぁ、良いニャア!!‥‥‥悪いがニャア!黒騎士の方も少し心配になってきた所だからニャア!!そろそろ終わらせてもらうニャゾ!」


「‥‥‥‥では、我も本気でやらせてもらう‥‥‥神代・回帰(赤)『極楽浄土・炎舞』‥‥‥この技は『ラグナ』でも耐えきれなかった技だ!‥‥‥済まぬが新世代の獣族よ!試させてもらう」


極炎が空を乱舞する。その炎は、空中をさ迷い太陽とも火球とも違う円周を作り。

神代の力を体現していた。


「くそニャア!最後にニャンちゅう技出すのニャア?!‥‥‥わっちもいくニャア!『神気・風』・回帰・『獣聖神気・風神』」


セシリア嬢は『神気』?を身体に宿した状態でヒトガタの風人を作り上げました。

それを


「では、参る。‥‥‥ゆけ、『極楽浄土』」


「負けないニャア!!!!『風神・風拳』」


相手同士にぶつけ合い!凄まじい!!轟音を上げて衝撃が郊外に響き渡った。


数刻後。


「はぁ、はぁ、はぁ、勝ったニャア」


立っていたのはセシリア嬢でした。

まさか、洗脳されていない状態の『サラマンダー』様に勝ってしまうとはうちもビックリしました。


「ははは、やはり、強いね『ラグナ』の子孫は‥‥‥‥ラグナ!やっぱり君は最高の友だ。死んでも尚、我を喜ばせる。ふふふ!」


『サラマンダー』様はそう言うと静かに眠りについたのでした。


「つ、強すぎニャア。火蜥蜴めーーニャア!!」


貿易都市『サラマンダー』勝者・セシリア・アインズ





No.6 魔の薬


都心部・火蜥蜴の塔『闇の帳』の中


「‥‥‥‥どうやら!あっちは終わったみたいだな!黒服眼鏡!‥‥‥‥聞いちゃいねえか?」


「ふ、へへ、へへ、はへ」


「大量の攻撃を喰らって!正気を保てなくなったか!哀れな野郎だ!」


「うへ、はは、ははは、」


サラマンダーの火球や俺の鴉達の攻撃を絶え間なく受けていた魔神・グザファンは不気味な笑い声をずっとあげるばかりだった。


「‥‥‥‥終いだな!だが、前のカミナリとの闘いの時はしくじったからな!念には念をだ!闇魔法『束縛回廊』」


俺は闇魔法の束縛技『束縛回廊』で魔神・グザファンを拘束した。


「‥‥‥おい!黒服眼鏡!もう、終わりで良いか?もし、何かやるならやってみな!」


「く、く、く、何を偉そうに!魔神にもなろうともしなかった魔族風情が!私に指図する気か?」


「だから、考え方が神代で止まってんだよ!お前ら魔神や魔竜達は、本当にご先祖さん達には感謝したいぜ!神代末期に神『オーディン』様に着いたお陰で今でも魔王領は健在。そればかりか人族と和解してお互いに助けあってきてやがる。」


「ふん!人族の犬になったとで‥‥ぐあ!!」


俺はムカついたので魔神・グザファンの顔を闇霧の鞘で強く叩いた。


「そのお陰でエウロペ大陸の中央分は平和になるってことだよ!アホ魔神!それをてめえらは、大国『セルビア』を内乱に持ち込んだせいで、また不安定にしようとしやがって!」


「ふ、不安定にして何が悪い?争乱こそこの世の平和そのものだろう?があ!!」


今度は腹を蹴りあげる。


「しょうがねえ!時代錯誤だ。昔はそうだったんだろうな!だが、お前らはユグドラシル地方を敵に回した!俺達は容赦しねえのによう!‥‥‥‥じゃあな!四大魔竜殿!お別れだ」


俺は魔神・グザファンにトドメを誘うと闇霧を構えた瞬間。


「『王様』すみません。この先は貴方に着いていけなくなりました。ですが、この目の前の障害だけは何とかしても‥‥‥‥ゴクン」


「おい!お前え、今、何を飲み込みやがった?!」


俺がそう聞いた瞬間。


「グゲゲゲゲガがが!!」


魔神・グザファンの身体にが肥大化し巨人の様な体格へと変貌を遂げた。


「おい!おい!マジかよ!これじゃあ!北西の果てに住む巨星族(きょせいぞく)じゃねえか?!」


「‥‥‥私はお前を殺す!!‥‥私の障害!『王様』の障害は必ず殺す!」


「ははは!やれば出きるじゃねえか!!魔神・グザファン!!良いぜ!!ここからが本番と行こうぜ!!夜○術・『肆の型・天夜の黒馬』」


俺は再び、闇霧で円周を作りあげる。


そして、その円周から黒色の黒馬を召喚した。


「我が主!来ました!」


「天夜!久しぶりに暴れさせてやる!好きに動きな!」


「では、目の前の敵を?」


「あぁ、鏖殺(おうさつ)だ!天夜!!!!」


「御意に!」


「ぐききぎぎ!!魔神闘技「獄門」」


「わははは!何かの秘薬か?技の威力も相当上がったな!魔神グザファン!!良いぞ!良いぞ!天夜!合わせろよ!!夜○術『黒馬鉄槌』」


「御意に!闇魔法『駿馬』」


俺は呼び出した天夜に乗り込み。同時に技を魔神グザファンにぶち当てる。

黒い蹄鉄(ていてつ)を模した魔力の塊を魔神グザファンに叩き込む。


「ぐききぎぎ!!、よくも、よくも!!!もも」


「ははは、いいぜ!今のお前!必死さが伝わって来るぜ!カミナリみたいだな!!」


「主!楽しそうですな!」


「ああ、楽しいぜ!全力で必死なやっと闘うのは心が踊るぜ!!!ユグドラ街道でカミナリに負けたのはある意味正解だったな!」


「何故です?」


「こんな、訳の分からねえ奴等と全力で闘えるからだよ!下にはもっとやべえのがいそうだがまぁ、いい!!今は目の前の魔神グザファンだ!!どんどん行こうぜ!!『鴉行幸』」


俺は大量の鴉達を再び、召喚し、魔神・グザファンに向かわせた。


「ぐかい!ぐぐぎ!魔神闘技「闇爆破」」


魔神・グザファンが自身の身体から黒い魔力を放出し。俺が放った鴉達を粉々に砕いた。


「やっぱり!さっきまでとは段違いに強ええな!」


「ですが、主!あの者もう!」


「あぁ、終いが近いな!おい!!!魔神・グザファン!!時間がねえ!最後はお互いの最大技をぶつけ合おうぜ!!その方がお前も安らかに行けるだろうよ!!」


「ぐききぎぎ!!なんと言う屈辱!!‥‥‥‥魔神闘技奥義・『堕天の檻』」


「ふん!カミナリから貰った紙どおりなら!やはり堕天か天夜!!!!俺達もやるぞ!!!神代・回帰・『八咫烏(やたがらす)』」


「はい!主!闇魔法『天夜の黒蹄』」


「いくぜ!!魔神・グザファン!!!」


「「『黒天八咫烏(こくてんやたがらす)』」」


「ぐききぎぎ!!ぐききぎぎ!!!!死ね!!障害があ!!!!」


魔神・グザファンの『堕天の檻』と俺と天夜の合わせて技『黒天八咫烏』がぶつかり合い!都心部全体いや『セルビア』北部一帯に衝撃を与えた。


「‥‥‥‥‥‥跡形もなしか、魔神・グザファン!だが、カミナリ戦後の闘いで1番楽しかったぜ!!ありがとうよう!!わっはっは!!じゃあな!!来世でまたやろうぜ!!」


崩れ行く。闇の帳を見ながら俺は闘いの高揚感で絶えず笑っていた。


『火蜥蜴の塔』勝者・夜霧のヒスイ






No.7 鎮火


貿易都市『サラマンダー』『火蜥蜴の塔』


うち達は、『サラマンダー』様との闘いの後、『セルビア』国の軍隊長率いる北軍に保護され『サラマンダー』郊外にある。軍のテント無いで休ませてもらっていました。


「おっと!ヒスイさんの所も決着が着いたみたいですね」


「ンニャア?黒騎士は負けたのかニャア?」


「いいえ、セシリア嬢と違って、奥の手も出さずに勝ちましたよ」


うちは楽しげにセシリア嬢に言うのでした。


「オ、オミャエ!本当に性格の悪い腹黒狐だニャア!セツニャの教育はどうなってのニャア?」


「英才教育ですがなにか?七大賢者をお父上に持つセシリア・アインズ嬢」


「‥‥‥‥‥パパの教育は最高ニャア」


「だから、娘の教育に失敗したんですね。納得しました」


「ニャンだと!パパを馬鹿にするニャア!」


「貴方を馬鹿にしてるですよ。セシリア嬢」


「きいぃぃー!!なんニャそのわっちを馬鹿にした態度はにゃあ?締め上げてやるニャゾ!」


「やれるものならどうぞ?うちにはご主人様が付いていますので、うちになにか、あればお仕置きを受けるのはセシリア嬢ですが?」


「グニャア!最悪な使い魔ニャゾ!この狐!!!」


「お褒めに預かりありがとうございます。セシリア嬢」


その時でした。


「おおい!!アインズさんよおお!タマキさんよおお!無事かーー!!」


時間潰しにセシリア嬢とヒスイさんが何かカッコいい黒馬に股がり颯爽と現れました。

顔が良いので絵になりますね。


「おお!黒騎士!わっちは余裕で勝ったニャゾ!」


「おお!本当かよ!アインズさん!!まぁ、アインズさんは強ええからな!心配してなかったぜ!」


「‥‥まぁ、ニャア」


なんだか、気まずそうに明後日の方向を見つめるセシリア嬢ですが、後で映像化の記録をヒスイさんに見せてあげるとしましょう。


「‥‥‥‥ん?おっと!意識が飛んでいたのか?我は」


セシリア嬢の虐待のせいで意識を失っていた。『サラマンダー』様が目を覚ました。


何だか、最初の肥大化した状態からだいぶ、小さくなりもしたね。背中の炎もなくなり。地球のサンヒョウオに近い形をしていますね。


「ん?おお!!あれが伝説の『神代十二英雄』が1人『サラマンダー』様か!なんて、神々しいんだろうな!アインズさんよ!」


「‥‥‥‥そうだニャア」


その神々しい『サラマンダー』様を先ほどまでボコボコにしていた。セシリア嬢はどこか気まずそうに明後日の方向を見つめていました。


「もしや、ソナタがあの忌々しい魔神グザファンを倒してくれたのか?」


「ん?おっと、すみません。『サラマンダー』様!お初にお目にかかります。自分は夜霧のヒスイと申します。よろしくお願いいたします。」


ヒスイさんが背筋を伸ばし敬語で喋り始めました。


「プププ!ニャフー!」


セシリア嬢はヒスイさんの行動がおかしかったのか、笑いを堪えています。いえ、貴方の態度の方が、おかしんですよ。セシリア嬢。

神代から生きる。上位妖精をフルボッコして敬語も使わないなんて他のエルフや一般精霊が見たら卒倒ものですよ。


「そうか、そうか、ヒスイ殿か。今回は本当に助かった。ありがとう。我は昔からどうも幻術系の魔力に弱くてな。そのせいであの魔神・グザファンに浸け込まれてしまった。大変、迷惑をかけてしまった。すまない。ヒスイ殿、拳王姫殿、タマキ殿」


おや、私の存在がバレてます。さすが、神代十二英雄の1人に数えられる。生きる伝説『サラマンダー』様ですね。


セシリア嬢もこれまでの威光が独り歩きし、四大学校の教科書に載りそうな予感が致します。最悪です。


「いえ、『サラマンダー』様!そのお言葉だけで十分です。ありがとうございます」


「なんにゃら、なにか、報酬でもくれにニャア?あれだけ戦ったら腹が減ったニャア!服もボロボロだしニャア!弁償ニャゾ!弁償ニャア!」


セシリア嬢が難癖をつけ始めたので、ご主人様から預かったある魔道具を魔法陣から取り出しまして。


「ではでは、威力を拝見。ポチっとな!ポチっ」


「ギニャアアアアア!!!この感覚、久しぶりニャアアアア!!、ニャ、ニャンで?ここにセツニャはいないはずにニャア?」


「こんなこともあろうかと、セシリア嬢が暴走した時にご主人様がビリビリボタンの魔道具作り、うちに預けてくれたんです」


「あんのくそセツニャ!!ギニャアアアアアー!!!

嘘ニャア!わっちの大事なご主人様だニャア!!!!」


「そうですね。嘘はいけませんね。嘘は」


「ギニャアアアアア!!くそ腹黒狐や、やめるにニャアアア!!」


そうして、うち達はセシリア嬢の断末魔を聴きながら。勝利余韻に浸るのでした。




炎上都市『サラマンダー』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ