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六日目を向かえる前に


『黄金の宝物庫』


際奥の間・神成の部屋


「ウリエル‥‥‥‥寝たのか。無理もないか、この部屋の中じゃ、神性がある天使族にはきついからな‥‥」


「本当ね‥‥‥‥何なのかしら?この部屋は。息苦しいし。思考が働かなくなるんだけど?」


「あぁ、それはあっちの世界(地球)から持って来た。神性が残る場所をそのまま部屋として使ってるんだ‥‥‥‥てっ!何で此処に居るんだ?ルシファー!何で君が此処に入るんだ?神煌具達は全部外してから来た筈だぞ」


「〖女神の祝福〗の力を使ったのだけど‥‥‥‥そう。魔法や能力を使うだけでこんなにも辛くなるのね‥‥‥一度目の帰還の後。色々と準備していたのかしら?貴方は‥‥‥」


「大丈夫か?ルシファー。この部屋は神性持ちが何か行動するだけで、弱っていく〖十種神宝(とくさのかんだから)〗の一つを真似て造くられた部屋なんだ」


「そう。世界の概念その物が違うのね‥‥‥厄介だわ」


ルシファーはそう言うと床へと座ってしまった。

‥‥‥‥‥何時もはミステリアスで強気に接してくるルシファーだが、今は気分が悪そうで何故か‥‥‥‥


「変な事を考えているなら止めときなさい。どさくさに紛れて何かする様なら、容赦なく他の子に報告させてもらうわ」


「なっ?!君が苦しそうにしているのに変な事をするわけないだろう」


「‥‥‥‥どうでしょうね。貴方の心の中(精神世界)で好き放題できる事からって、ウリ(ウリエル)には沢山のイヤらしい事をしてるんじゃなくて?」


「は?大切な〖守護天使〗だぞ?そんな事、するわけ‥‥‥‥」


(や、止めて下さい!ご主人様!私のお腹を揉まないで下さい~)


(背中から離れて下さい~)


(わ、脇を擽らないで下さい!ご主人様~)


「‥‥‥わけないだろう!」


「‥‥‥少し変な間があったのは気のせいかしら?」


「あぁ、気のせいだ」


俺は即答した。


「‥‥‥‥そう。なら、今回の旅が終わった後にでもウリから詳しく聞き出すとして‥‥‥」


はっ?聞き出すだと?止めろ!俺がラファエルやガブリエルに血祭りにされるだろうが!


「?何かしら?」


「イヤ。別に」


おっと!いけない。顔に出てしまっていたか?


「そう‥‥‥‥話を変えましょうか‥‥‥明日のロマ・テレシアとの戦争。いいえ、ロマ【教皇】との闘い。勝てると思ってるのかしら?貴方は!」


ルシファーは息も絶え絶えに俺へと質問する。


「‥‥‥‥どうしてそんな質問をするんだ?ルシファー」


「彼‥‥‥【教皇】は『ラグナログ(神々の黄昏)』でも一桁No.なの、それにアルカナでも六人(・・)しかいない主格(nom)の地位に居るの」


「【教皇】だから五番目か?‥‥‥‥『妖精国(アルフヘイム)』で闘った。『恋人』・エキドナより上って事なのか?」


「そうよ。あの時は最後、貴方は以前の‥‥‥‥」


「あぁ、エクスカリバーでエキドナを倒したな」


「そう‥‥‥‥でも今回は七の秘宝『エクスカリバー』は手元に無いわ」


「〖ロンギヌス〗が居るだろう。ロンギヌスがいればちゃんと闘え‥‥‥‥」


「それでもかつての強さには程遠いんじゃないかしら?‥‥‥‥それに彼には〖神殺しの力〗もあるのだけど?どうやって対抗するつもりなの?」


「以前の様には闘え無いだろうって心配してるのか?‥‥‥‥最初の質問は【教皇】との闘いが始まってみないと分からないが、二つ目の質問ならもう対策してある」


「対策してある?‥‥‥どういう意味かしら?」


「此方も同じ力を使えば良いんだ‥‥‥‥いや、それ以上の強い〖神殺しの力〗をな!」


「それよりも強い?‥‥‥‥痛っ!‥‥‥もう限界の様ね。そう、色々と考えているなら良いの。明日は私も一緒に闘うから‥‥‥それではおやすみなさい」


ギイィィ!パタンッ!


「了解‥‥‥てっ!もう出てっ行ったのか?‥‥‥‥まぁ、無理もないか。この部屋事態が〖神殺しの力〗‥‥‥‥『神気』その物なんだからな。」


こんな場所なせいもあって、ウリエルには先に寝てもらったのだ。彼女に変な影響を与えたくはない。ルシファーには‥‥‥‥後で謝っておかないとな。イヤな思いをさせてしまった。


そして、今から昨日の続きを。〖アトスの書〗を読むとしよう。読んでいる途中、この部屋なら変な暴走も起こる事も無いだろう。


「『封書・解』‥‥‥続きは‥‥‥ロマを手に入れし者。曰く元星民なり、曰く人神(じんしん)を配下に持つ者なり、曰く【教皇】となりて、『審判』と『星』とで、不幸と暴力、富を築く者なり‥‥‥‥‥そして、その者。〖不老〗の身体を持ち、神をも落とす力を有する者なり」


書いてある事はだいたい皆から聞いたことあるものばかりだな‥‥‥‥これ以上、読んでても意味無さそうだ。


「そして、悪童は探す。黙示録の聖女の金の‥‥‥杯を‥‥‥地と下を徘徊し、変わり果てし信徒等と果て無き闘いを繰り返す。幾年、幾度とも探すが未だ見つからぬは、初代ロマの金の杯なり‥‥‥‥それを手に入られねば、真のロマの天とは認められること無かれ‥‥‥やっと見つけた!【教皇】を倒す弱点を‥‥‥‥やっぱり重要だったか!六日の酒の杯は‥‥‥」


俺はその後も〖アトスの書〗を読んだが。金の杯の頁の後は、これといって重要な事も書いていなかったので。禁忌の間に本を戻してから、明日の戦争に備えて寝室で寝ることにした。


「‥‥‥‥疲れた。真書や禁書の類いは読むだけで魔力が持ってかれるからな‥‥‥‥だいぶ、疲れた‥‥‥寝よう」パタンッ!



神成の精神世界


「ご、ご主人様!ご主人様~!す‥‥‥」


「‥‥‥‥凄い格好で寝そべってるな。ウリエル」


「へ?‥‥‥‥‥ふぇ?ご、ご主人様?‥‥‥い、何時からそこに入らしたんで‥‥‥すか?」


「さっき寝たばかりだけど‥‥‥‥何で?服が乱れてるんだ?‥‥‥まぁ、良いや!お休み。ウリエル‥‥‥‥」


「い、いえ!この格好はですね!‥‥‥ご、ご主人様、わ、私のお腹に引っ付かないで下さい!ご主人様?!‥‥‥起きて、起きて下さい!う、動けません~!」


「‥‥‥‥分かった。こうする」


「へ?い、いえ、私の頭を‥‥‥抱き抱えて寝ないで下さい!ご主人様~」


俺はウリエルを抱き枕の様にはしながら、眠りに落ちていった‥‥‥‥変態だって?良いんだよ。


どうせ俺の心の中(精神世界)なんだから、それに俺が寝落ちしたら。何時も、いつの間にかしたらウリエルは俺の手から抜け出してるから問題無いのだ。


‥‥‥‥しかし、この精神世界。匂いまで再現できるのか?寝落ちる前にウリエルから妙な香りがした気がしたんだが気のせいだろうか?



『五日目の杯・深夜』


西の地・エンケラ地区


「進め!目指すは首都・テレシアだっ!」


「時間が無い!進め!進むんだ!」


紛争地帯『シルテア』から進行してくる飢饉兵が夜にも関わらず、進行をする。


「おい!天界の者よ。これだけの兵を通して良いのか?‥‥‥‥殺されるぞ」


「‥‥‥‥〖アヴァロン〗の妖精竜・エスピナが。何故、地上に居る?」

『二凶星・プロキオン』


「質問を質問で返すとはな。考える余裕も無くなったか」


「‥‥‥‥‥数刻前、親友が息を引き取った。そして、悲しんでいる」


「ほう。私(妖精竜)には理解できない感情だ‥‥‥‥‥そんな状態ではまともな闘いはできないか‥‥‥‥メリュジーヌ!」


「了解だよ。エスピナ。じゃあ、ラーダ君。出番だよ」


「ラーダじゃねえよ!ラーを伸ばすな。フローレンス」


「先生ね?ラーダ君!!」


ドゴオオォンン!!!

「痛えぇぇ!分かった!分かったよ!フローレンス先生!」


「うんうん、理解が早い子は好きだよ。此方(こなた)は」


「‥‥‥‥‥金星(ポースポロス)ラダ・テラか?成る程。お前はそっちに着いたのか」


「言われるがままにな!‥‥‥‥悪いがプロキオンさん。倒させてもらうぜ!僕の本来の力でな」


「‥‥‥‥思考も回らん。憂さ晴らしだ‥‥‥特別に闘ってやろう。ラダ・テラよ」


「あっそうかい!なら遠慮なくやらせてもらうぜ。プロキオン」




元五芒星(ペタルファ)と元神人が相対する。

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