凶星を狩るは神人なり No.3 狩人
『クタ近郊・ルーベ草原』
「君のその澄ました顔が嫌い!嫌いなんだよ!オリオンンン!!凶星魔法『リジュルの土跡』」
「そうか、私はね。君のその嫉妬心と対抗心がとても羨ましかったよ。リゲル!神明魔法『月の弓姫』」
お互いが繰り出す。神代大魔法の攻防が『クタ近郊』に飛び交う。
(長い月日。幽閉されていたせいか。上手く魔力が練れなくなっている‥‥‥‥リゲルの方は広範囲魔法を連発しても息も乱していないか。これが『死の大地』で戦ってきた天界人の力か‥‥‥‥オマケに)
「アハハハ!魔力が切れた?切れたねぇ?補充しないと!!凶星魔法『リジュルの死轢』」
『北都市・クタ』
「現在、ロマ・テレシア軍が此方に来ています!もうしばらくすれば‥‥‥‥」
「そんな事より。早く金をくれよ!‥‥‥‥何だ?‥‥‥‥ギャアアア!」
ドゴオオォンン!!
ロマ・テレシア軍・リゲルの部隊
「リゲル樣は何処に居られるのだ?」
「分からん。急に飛び出したかと思ったら、クタの方へと‥‥‥‥」
ドゴオオォンン!!
『クタ近郊・ルーベ草原』
「み、見つけた!彼処で闘っておりるぞ!わ、我等も一緒に!」
「あぁ、あの方が闘っている処など初めて見る!ぜひ、我等、信徒が‥‥‥‥‥」
ドゴオオォンン!!!
(何の躊躇いもない。考え無しに人を潰しては殺している‥‥‥‥‥サータ(土星)は、この北都市だけで何万人も住んでいると言っていたな。被害が気になってしまい、魔力探知で住民達の気配を探ったが‥‥‥‥‥兵隊と‥‥‥‥男の信徒ばかり殺しているのか?何故だ?)
「リゲル。君の軍の者まで殺し、周辺の民も殺すの事に何の躊躇いも無いのかい?」
「躊躇い?躊躇いいい?無いね、無いよ!無いんだよ!‥‥‥‥‥コイツらは餌なんだよ。餌!【教皇】様や僕達。『星』を関する者達のねぇ!」
「餌とは‥‥‥なかなか酷い事を言うんだな。君達の大切な国民だろう?」
「大切?‥‥‥あんな潰せば直ぐに肉塊になる奴等が大切?大切なのかい?‥‥‥アハハハ!笑う!笑うねぇ!アイツらには長い間。十分な、十分なんだ。金、暴力、尊厳、国を与えてやったらしいよ!オリオンンン!!」
「らいし‥‥‥‥だって?」
「そう、らいしさ!【教皇】様はそれを見て退屈そうに言うんだよ!言うのさ!【虫共は今日も沸いてくるな。本当につまらん奴等だ!我が国民の奴等はな】だっ!そうだよぉ!君もそう思うだろう?オリオンンン!!」
「‥‥‥‥完全に精神も可笑しくなり、死んでしまっているんだな。君も‥‥‥‥【教皇】も」
「‥‥‥‥‥‥誰のせいだと思ってやがる。やがんだぁ?!」
「何?」
「何時も、何時も、僕の欲しい物、振り向いて欲しい人、見て欲しい人を奪っていきやがる!!無意識に、無遠慮に、無意味に僕の事を見下しやがる!やがってよう!!僕の心が殺された時も、〖大人しく幽閉される‥‥‥‥だからリゲルを!友達に‥‥‥‥‥危害を加えないでほしい〗と懇願したんだって?君はさぁ!」
「あぁ、君が助かるのならば何でするつもりだった‥‥‥‥命乞いでもね」
「聴かされてるんだよ!!僕の心が壊され、殺された日から。毎日、毎日なぁ!【アイツ(オリオン)はお前とは違う。アイツは本物だ。アイツが欲しい。お前は無能だな。お前はアイツには勝てない。お前は‥‥‥‥惨めだな。此処まで言われているのに反撃一つしないとは。アイツ(オリオン)は数日に渡り、俺とやり合ったというのに。それに奴は全てを出し切っていなかった。全力のアイツはもっと強いだろうな。お前は‥‥‥‥オリオンの足元にも及ばないな。星跡のリゲル】‥‥‥‥‥だそうだよ!オリオンンン!!どうだい?笑えよおぉ!!」
「‥‥‥‥‥‥【教皇】がそんな事を言ったのかい?」
「僕は何も悪いことはしていない!なのに!なのに!心を狂わされてから、殺されてから、あの方は僕を見てくれない!見てるのは何時も君なんだよ!!!オリオンンン!!‥‥‥‥だから、君は殺さなくちゃねぇ?!‥‥‥‥‥凶星魔法『リジュル死軋轢』」
極大な跡型の岩石が空中で造られ、夜空を覆い尽くす。
(この規模は‥‥‥‥‥君の軍の兵隊の命を潰しるのかい?生き残りは‥‥‥‥北都市『クタ』のみ?)
「リゲル!それじゃあ、皆死んでしまうよ。自分達が暮らす民を殺すなんてそんな事はやめるんだ!聞いてくれ!リゲル!」
「だから、なんだい?‥‥‥‥何回も言わせるなよ。オリオンンン!!虫は勝手に増えていくんだよ‥‥‥‥それにこの国はエウロペ大陸でも有数の国力を誇るんだ!【教皇】様が自慢気に言っていたんだよ!」
「‥‥‥‥‥それは紛争地帯から奪っていた富だ。三つの地帯は彼が‥‥‥‥解放者のお陰で三つの地帯は独立する事になった。もう、今の様な暮らしも、富も、国力も無くなってしまうんだよ。リゲル」
「‥‥‥‥‥‥また、そうやって。僕から無意識に奪うつもりかい?つもりだろう?‥‥‥‥‥もう、飽きてたんだよ。神話から、神代から、現代まで、飽きた!飽きたね!飽きんだよ!!!オリオン!!!神代から現代まで何もしていなかったんだろう?‥‥‥‥‥昔みたいな立場で話してくれてさぁ、イライラするよねぇ!力関係なんて、とっくに僕の方が優勢なのにさぁ!!神話・回帰!!!『リジュル・アル=ジャウザー(巨人の大足)』」
「君の心情に寄り添えなかった私の罪だろうか‥‥‥‥‥‥我が友〖リゲル〗に解放を‥‥‥‥‥神明‥‥‥‥回帰‥‥‥『オリオン・アステリズム』」
〖ハチサ〗〖サイフ〗〖メイサ〗の三光星が矢の形を形成し、オリオンの前へと並ぶ。
「何をしても無駄なの!!オリオンンン!!潰れな!!潰れろ!『ライジェル』!!!」
「一矢目は‥‥‥‥夜空に穿つ‥‥‥‥〖ハチサ〗‥‥‥‥‥」
シュンッ!
空高く〖ハチサ〗の矢が『ライジェル』に突き刺さる。
ドゴオオォンン!!!
「ハァー?!オリオンンン!!君?何をした?したんだぁ?」
「‥‥‥‥二矢目は‥‥‥我が友の身体の動きを止めん‥‥‥‥〖サイフ〗‥‥‥‥」
シュンッ!ドスッ!
二矢目が放たれ、リゲルの方へと向かって行き‥‥‥‥‥
「がぁ?‥‥‥‥‥ぼ、僕の‥‥‥‥心臓?‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥三矢目‥‥‥‥我が友の心の解放と安寧を‥‥‥‥‥‥〖メイサ〗‥‥‥‥」
シュンッ!ドスッ!
「‥‥‥‥‥‥‥な‥‥‥ん‥‥‥‥‥で‥‥‥‥‥‥勝てない‥‥‥だよ‥‥‥‥」
ドサッ!
リゲルはその場に倒れ意識を失ったのだった。




