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五日目の杯の夜に


ロマ・テレシア国内・国境の街『ルルア』


「ルアカトリクの兵は此方に並んで下さい~!食料は全員分あります!慌てずに並んで下さい!ルアカトリクに改宗する方は此方の紙に名前を書いてから此方の食事を受け取って下さい~!」


俺は現在、自分から進んで配膳をやっている。何故かって?反乱軍とルルアの信徒達との間でトラブルを起こさせない為だ。


まぁ、本当の狙いは別にある。反乱兵及び信徒達、全員に俺の『契約者』になってもらう為だ。

反乱軍も、ロマ・テレシアの信徒達も『契約』で縛ってしまえば変な事はできない。


そういえば、何故、俺が『契約者』達と無尽蔵に契約関係を結べるのにちゃんとした理由があった。ウリエルが知っていたので聞いてみると。


(―女神―アテナの権能『知恵』によるものですよ。それの『知恵』を与えられた方は〖無尽の契約〗と呼ばれる力を使えるのです)


との事だ。流石、万能ウリエルさんだ!何でも知っている。今日の夜もお腹をモミモミ、プニプニして遊んでやろう。


(や、止めてください!そ、そろそろ、ラファエル様に報告しますよ)


「‥‥‥‥‥何か聴こえたが‥‥‥‥気のせいか」


(気のせいか。じゃありません!ご主人様は私の事を玩具かなんかと勘違いされています!)


「いやいや、そんな事は‥‥‥‥」


俺はウリエル口喧嘩を始めた。



『ルアカトリク軍』・休憩場


「‥‥‥‥何あれ?神成君。また、一人でぶつぶつ楽しそうに独り事言ってるし」


「緊張しているのだろう。彼には私の様に闘う力はあまり無い様だしね。そう思わないか?神無月」


「‥‥‥‥いや、その彼に救い出された人が何言ってるなのよ。セシルス王子‥‥‥‥ていうか、そろそろ付きまとうの止めてくれない?迷惑なんだけど!」


「フフフ、何を言ってるんだい。私の神無月」


「誰が貴方の神無月よ!」



「あれは時間の問題ですわね‥‥‥‥‥‥セツ君。不味いですわ」


「‥‥‥‥ママ‥‥‥お腹減った‥の‥‥」


「あら、すみません。ルアさん。はーい!あーん!して下さい!」


「‥‥‥アィ‥‥‥あーん‥‥‥」


「‥‥‥‥いや、アヤネも何でルアちゃんのママみたいになってるのよ‥‥‥はぁー、私はどっちを応援すれば良いのかしら」


「?何ですか?ラファエル。そんなに悩んだ顔をなさって」


「あんたの恋の心配をしているのよ」


「心配?」「‥‥‥‥心配?‥‥‥‥」



ルアカトリク軍・軍テント


「明日の昼頃に首都に決戦を挑むですか?サータさん」


「あぁ、ディエース。この軍は後、三日か四日しか食料もたないだろう。おまけに皆、痩せ細り。長期間の戦いになれば餓死者が出て、我々は負ける。それにロマ・テレシアを裏切った我々をあの残虐な性格の【教皇】が赦すわけがない」


「‥‥‥‥‥‥間違いなく辱しめられながら殺されますね。木星(パエトーン)・アルモシュタラさんみたいに」


「あぁ、我々が生き残るには勝つしかない‥‥‥だが、【教皇】はヘスティア様から頂いた権能〖不老〗が与えられている」


「〖不老〗ですか?」


「半永久的に死ぬ事は無いという事だ。それ意外にも【教皇】は〖無闇の部屋〗〖神殺しの力〗なども持っている」


「〖不老〗〖無闇の部屋〗〖神殺しの力〗‥‥‥‥‥【教皇】様って種族的には人族ですよね?何でそんな力があるんですか?ていうか、そんな人とどうやって闘うんです?私達だけじゃ、勝てないんじゃ‥‥‥‥」


「【教皇】‥‥‥‥いや、アトスの相手は俺がするよ。『オアシス』での借りもあるしな」


「お邪魔いたします」


「カミナリさんにパーシヴァルさん?」


「来たか。救国の担い手とパーシヴァル殿。貴殿が此処に来たという事は‥‥‥‥‥準備と信徒達の反乱の心配はしなくて良いのだな?」


「あぁ、悪いがロマ・テレシア打倒の報酬に貰うぞ。ヘスティア地方に住む人達の魔力半分と〖あれ〗をな」


「それでこの地に平和が訪れるならば安いものだ。なに、数年すれば契約は終了してくれるのだろう?現在、行方不明中の元勇者殿は」


「‥‥‥‥‥何だ?気づいてたのかよ‥‥‥‥やりづらくなるな」


「私もディエースとラダも全てが終わればこの地を去る。貴殿の正体を知る者は居なくなるさ。それよりも、良いのか?本当に【教皇】と闘ってもらって?あの方は強いぞ。恐ろしくな‥‥‥‥‥」


「大丈夫だ。二言はない。それにアイツには借りを返すって決めてるんだ」


「夜叉巫女様か‥‥‥‥‥あの方は恐らくテレシア大聖堂に居られるだろう。【教皇】と共にな」


「テレシア大聖堂か‥‥‥‥‥一度だけ行ったことがあるな。確か、首都テレシアの中央にあるんだよな?」


「そうだ。明日は決戦になるだろう。私、ディエース、パーシヴァル殿を将に据え首都を落とす。軍は三軍に分け、信徒と『聖騎士』達と戦う事になるだろう」


「そんで、その混乱の隙に、俺は他の二方向から進軍してくる仲間と水星、土星の派閥に合流してテレシア大聖堂に乗り込むって作戦だよな?」


「うむ‥‥‥後は残りの五芒星(ペタルファ)と【二凶星】がどう動くかで戦況が変わってくるのだがな‥‥‥‥‥」


「東にはあの人がいるし、西にはラインバッハ達が来てる‥‥‥‥‥そんで此処に向かって来ようとしているどす黒い魔力の持ち主にはあの人に行ってもらったよ」


「あの人?」


「そう。俺が最も契約したかった神人(しんじん)‥‥‥‥‥オリオンだ」




ルルアより北都市『クタ』


「来てるね!来てるよ!来るんじゃないよおお!!ヒヒヒ、殺そうね!殺す!さぁ、殺害会場の開演だよーおー!イヒヒヒ!!!殺すね!殺そうね!!!へへへ!!」


「‥‥‥‥‥君が来たのかい?闇落ちの【リゲル】」


「?誰だ?誰だい?誰なんだよお?‥‥‥‥‥その声は!!裏切り者のオリオンンン?!」


「裏切ったのはどっちだい?‥‥‥‥‥彼との約束でね。撃ち落とすよ。かつての友よ!」


「撃つ?撃つの?撃つだと?この僕をををぉぉ?舐めんなよおぉぉ!オリオンンン!!裏切り者のオリオン!そこまで言うなら殺そうね!神人オリオン!」


「あぁ、撃ち落としてあげよう。人神(しんじん)・リゲル」



神人(じんしん)人神(しんじん)の闘いが始める。



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