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三日目の杯・《心理の祝福》


セシルス王子からの説明が一通り聞き終わった。そして、セシルス王子は俺の事をガリア帝国の『勇者』としてロマ・テレシア国への革命の旗頭として先陣を切らせようと企んでいた様だ。


それにキレたウリエルがセシルス王子に精神系の魔法をかけ。

俺と再開してからの出来事や、俺がこの世界に滞在中にやらかした事を忘れる様に記憶改竄をしたとの事。


‥‥‥‥‥‥つうか、マジて怖いな。昔から神仏は怒らしてはならないとか良く言うが‥‥‥‥‥まさにその通りだったな。


そんなやり取り後、俺とセシルス王子は宿屋から冒険者ギルドの外へと出たのである。


『ヘル・デア』冒険者ギルド前


「私は何故、『ヘル・デア』の冒険者ギルドなどに居たのだろうか?何んでか分かるか?『救国の担い手』カミナリ殿」


「‥‥‥‥‥いや、分からん‥‥‥色々と本当に済まんな。セシルス王子」


「色々?‥‥‥そうか‥‥‥‥うーむ。何か大事な事を忘れているような、ないような。特に昨日の夜の『ヘル・デア』解放戦の記憶が‥‥上手く思い出せないんだ」


「そ、それはお気の毒に‥‥‥‥‥‥色々と‥‥‥‥済まん。うちの天使様が‥済ま‥‥‥(ボソッ)」


(やりませたね。ご主人様。このマゾ王子様。ご主人様の事をすっかりお忘れになってます)


俺の心の(・・・)から話しかけてくるウリエルがとても嬉しそうに喜んでいる‥‥‥なんで心の(・・・)だって?

ウリエルは今、現在。俺の心の深層心理の中で精神と自身の魔力を休すませているからだ。


『心理の祝福』という力をウリエルは使い、俺と精神的に繋がったらしい。そして、今後は俺を内側(心の中)で守護していくとの事。


ウリエルが使った『心理の祝福』という力は新しく使える様になった力との事。詳しく聞いてみたら、大天使・ウリエルは今回の『ラグナログ(神々の黄昏)』・シリウスとの闘いで活躍したため、―女神―ヘスティア様から、新な力として授かったとの事だ。


―女神―ヘスティア様いわく。(今回、あんたは頑張った。凄い!頑張ったわ!だから、新しい力!『心理の祝福』という権能を与えるわ。だから、この力を上手く使い、〖元勇者〗の心に入り込んだ好き放題‥‥‥‥‥いえ、心を守ってあげなさい)


との事だ‥‥‥‥‥眷属でもない者に―女神―の権能を与えるとは、なんとも太っ腹な―女神―様である。


どっかのアホテナ様も見習ってほしいものである。再開しては訳の分からん権能を俺に付与しやがって。いや、本来、権能なんて一人に付き一つしか貰えないだたな‥‥‥‥まぁ、貰える物は何でも貰っとくのが得というものか。


因みに俺が何でそんなに色々な権能を貰えるのかというと『地球』からの転移者だからだそうだ。何とも役得だろうか。


おっと!済まない、話を元に戻そう。ウリエルが何故、俺の心の中に入って居るのかというと。セシルス王子の意識が無くなった後の出来事が原因なんだ。

それを今、回想で語ろう。



冒険者ギルド・地下宿屋《回想中》


「記憶の改竄やら記憶操作とか、そんな事して本当に大丈夫なのか?ウリエル」


「はい!大丈夫です。私は戦闘よりも精神系の魔法や幻術魔法の方が得意ですし、何故か以前よりも魔法能力格段に良いんです‥‥‥‥‥どうやら、ヘスティア様の計らいで魔力、魔法精度、天使族としての『格』も向上したみたいです。ご主人様」


「『格』?ヘスティア様の計らい?」


「はい‥‥‥これなら今後、ご主人様を内側から御守りする事もできそうです」


「内側から?それはどういう事だ?ウリエル」


「私、自身が精神体になって。ご主人様の心の中、つまり〖深層心理〗〖夢〗〖思考回路〗などに意識を共有、繋がることができるんです‥‥‥‥‥や、やってみたいですか?ご主人様」


上目遣いで何か可愛いいな。ウリエル。これはまるで‥‥‥。ハニートラップみたいだな‥‥‥‥‥だが、最近のウリエルには色々と負担をかけてばかりだ。ここで断るのも色々と不味い。では答えは‥‥‥‥YES!一択だ。


「あぁ、やってみてくれ!ウリエル!」


「はい!直ぐに実行します!『心理の祝福』・《心理接続》」


俺が「やってみてくれ!」と言った瞬間。ウリエルは速攻で技を発動した。何の躊躇いも迷いもなくだ。


「うわぁ、眩し‥‥‥‥‥意識が遠退く‥‥‥‥」ガクンッ!




〖神成 刹那の深層心理世界〗


「やりました!ご主人様。成功しました。キャー!嬉しいです!‥‥‥‥これで(ウリエル)は今後、ご主人様の内側を守る〖守護天使〗です。心の守護者として頑張っていきますね。なんかあれば直ぐに!直ぐに私に相談して下さい」


キャラが変わってきてないか?ウリエルの奴。いや、此方の性格が素なのかもしれないな。


「‥‥‥‥凄いな。本当に俺の中にウリエルが居るのか‥‥‥‥‥いや、以前にも似たような事があったような?‥‥‥‥‥『死神』?‥‥‥‥いら、上手く思い出せないな」


「ご主人様、ご主人様!大丈夫ですか?何処か痛い所があるんですか?わ、私が癒してあげます‥‥‥‥この中(深層心理)の中なら色々とできるんですよ。全てはイメージ、イメージで、このご主人様の心理世界で色々な事が出きるんです。それが私に新しく与えられた権能『心理の祝福』の力の一端なんです」


「色々?ねぇ?『地球』の技術でいうVR やメタバース的なものか?‥‥‥‥そういえば昔、マーリン師匠が俺の夢の世界に干渉してきたのも、ウリエルと似た力を使ってたからなのか?あの時もやけにリアルだったしな」


「ま、まぁ、そんな感じですね‥‥‥‥‥‥色々は色々ですよ。あれやこれや、それやとか‥‥‥‥御試しになられますか?ご主人様」


またも上目遣いで可愛らしいな。流石、本物の天使様だ。ここも男ならYES!一択だ。


「あ、あぁ、よろしく頼む」


「畏まりました。直ぐに始めますね」


ウリエルも速攻で返事を返してきた。


「なっ!こ、これは‥‥‥‥‥‥成る程。肩揉みしてくれるのか」


「は、はい‥‥‥‥今はこれくらいで慣らしていきます」


「慣らしていく?」


「いえ、此方のお話です。ご主人様‥‥‥‥‥今後は誰にも邪魔されませんし‥‥‥‥‥はい‥‥‥‥‥私、頑張ります」


「お、おう‥‥‥‥とりあえず‥‥‥‥‥これから宜しく‥‥‥‥ウリエル」


「はい‥‥‥‥‥此方こそです」


「‥‥‥‥‥‥膝枕また頼めるかな?」


「喜んでです~」


‥‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥

‥‥‥‥

‥‥

そんな事があり、現在のウリエルは身体は指輪方の魔道具と化し、俺の右指へ付けている。精神体の方は俺の中(深層心理)でゆっくり休んでいたいとの事で好きにさせてるいる所だ。


ウリエルが俺の心の中(精神世界)の中に居るからといって、俺の心が荒れるとか可笑しくなるとかは全く無く。そればかりか、以前よりも思考がハッキリする様になったまである。


これも天使族の特殊な加護や能力のお陰なのか分からないが、ありがたい事である。


「‥‥‥‥‥ウリエル。君、俺の心の中で今、何しようとしていた?」


(‥‥‥‥‥何もしようとしていません。ゆっくり寛いでいるだけです。ご主人様)


「変な事はするなよ‥‥‥‥‥した瞬間に罰を与えるからな」


(ば、罰ですか?い、いったい何を私になさるんですか?ご主人様!!)


「‥‥‥‥‥‥心の中が五月蝿‥‥‥‥」


昨日より俺の()が騒がしい‥‥‥‥まぁ、今後は何かあれば直ぐにウリエルに相談する事もできるし、精神世界で癒してもらえる‥‥‥‥‥今は深く考えず。三日目の杯にキルシュの酒を注ぐとしよう。






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