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輝星決戦・〖星は煌々たる主を思い、土は地上の民を思い願う〗No.8 智天使ウリエル


『ヘル・デア』上空


「この様な星が良く見える夜空に雷雲を造るとはな。私の神明魔法対策か?‥‥‥‥‥‥いや、それだけではないか、雷魔法の使い手‥‥‥‥‥土星(パイノーン)は地魔法系統の魔法。相性不利と判断して闘う相手を私に選んだか‥‥‥‥‥なかなかやるようだな」


ロマ・テレシアの神官『東星』シリウスは雷雲立ち込める夜空を眺め語っている。


「そりゃ、どうも。つうか、俺の攻撃を喰らっといて余裕そうだな。あんたは」


「‥‥‥‥‥‥随分と騒がしくしてくれたものだな。偽り多き者よ。だが、お前達の思惑も星の光の様に消える」


「‥‥‥‥‥何だと?」


「たかだか、『ヘル・デア』の紛争地の一つ落としたところで運命など何も変わらん。ロマ・テレシアの本国からの信徒の大群を始め、西のシルテア、東のゲルオラから、お前達を裁く為に大群が押し寄せて来るのだ」


‥‥‥‥‥‥その対策はもう数日前に済ませてるんだがな。此方の情報を引き出す為のブラフか?


オアシスから連れてきた傭兵や情報屋には偽の情報をバラ撒くように雇って『ロマ・テレシア』側に正しい情報が渡らないようにしている筈なんだがな。


「どうした?静かになったようだが、私の脅しに恐怖してしまったか?偽りの男よ」


「安い挑発を‥‥‥‥‥‥『雷光鞭』『ルシファー』は、まだ使う時じゃないか‥‥‥‥‥‥七聖―女神―の杖『ウリエル』よ!」


俺がそう叫ぶと、魔法の袋(黄金の宝物庫)から一人の天使が現れた。


「はい、ご主人様。天使・ウリエルが此処に参りました」


「済まないが今回は君の力を貸してくれ」


「了解しました。ご主人様!」


「相手は大アルカナの『星』‥‥‥‥今まで闘ってきた他のアルカナNo.達よりは序列は低いが‥‥‥‥名前がシリウス‥‥‥‥『星』の名前だ。恐らくは神明魔法を使う。そうなれば、以前、闘った『死神』よりも厄介な相手になる事になる。だから、十分気をつけて闘ってくれ。ウリエル」


「『星』ですか‥‥‥‥‥シリウス‥‥焼き焦がすものですか」


「あぁ、『七聖―女神―杖・ウリエル』神代・回帰」


「はい、ご主人様。神煌・回帰‥‥‥‥」


「「神煌具・『聖楯・智天聖棍(ウリエルの守護)』」」


「神級の天使族が現れたと思ったら、そのまま、神煌具化までするとはな‥‥‥‥‥‥天使族は七聖―女神―の(しもべ)。だがな、此処で出会ったとなれば狩るのが我々、『ロマ・テレシア』の道理なり」


「何が道理なのでしょうか?偽りに満ちた嘘の国『テレシア』の方。七聖―女神―に代わり。この智天使・ウリエルが神罰を降しましょう」


「だそうだ!シリウス」


「偽りの男‥‥‥‥その言動は少年か?‥‥‥‥偽りの少年。無闇(むや)の部屋でのやり取りの時にも、議題に出てきた謎の男か‥‥‥‥‥まさか貴殿がその男なのか?」


「さぁね、そんな事。今はどうでも‥‥‥‥‥良いだろう!!『ラグナログ(神々の黄昏)』!!〖聖棍・光蓮激〗」


俺は神煌具・『聖楯・智天聖棍』‥‥‥‥智天聖棍をシリウスに向けて振り上げる。だが、このまま振り上げたとしても到底、シリウスには届く筈がない。


「ふっ!何を血迷ったから‥‥‥‥間合いが全然足りていない‥‥‥‥‥‥ぐおっ?!」


シリウスの奴も失笑しているが‥‥‥‥智天聖棍の先から、光の支柱の様なモノが伸び、シリウスの腹部へと命中する、その攻撃は深く衝撃となり、シリウスを『雷霆結界・曼陀羅』の壁へと叩き付けた。


ドガアアアンンン!!!!


「がぁぁぁぁ!!!」


「『死神』や『隠者』だったら、こんな攻撃見透かされていた筈なんだがな‥‥‥‥‥‥まさか真っ正面から最初の初激を受けてくれるとは思わなかったな」


「それだけ油断しているのでしょうか?『ヘル・デア』の何かしらの異変には気付き。対処しには来たようですが、半信半疑、絶体有利と思い私達と相対していると勘違いしていますね」


「‥‥‥‥‥‥あぁ、それだと良いんだけどな」


シリウスの方を見ながら、そんな話をしていると。


「くっ!‥‥‥‥‥攻撃距離が伸びただと?‥‥‥‥‥内部の数ヶ所が逝ったか。しかし、この威力は‥‥‥‥‥もう、ほぼ間違いないな。アルゴン以来の数百年振りに我々、『ラグナログ(神々の黄昏)』を倒している存在。それが目の前の奴なのだな!ブレインズよ」


「何だ?今頃気づいたのか?シリウス。だが、もう遅いぞ。認識阻害と雷と転移の結界でこの中で起こっている事は外にバレないように細工してある。出れるとしたら、俺を殺さないと出れない仕様だ」


「成る程。狙いは『ラグナログ(神々の黄昏)』のメンバーである私の首と地下の『大龍脈』の解放か?」


「まぁ、それだけじゃないけどな‥‥‥‥‥‥アンタらはこのヘル・デアの地下に随分と凄い奴を飼っているだな‥‥‥‥例えばそう、神獣の類いを幾つも」


「‥‥‥‥‥偽りの少年よ。貴様はまさか?」


「あぁ、全て貰うぞ地下の連中を!あんな連中が『ロマ・テレシア』になだれ込んだら、いったい国内はどうなるんだろうな?シリウス・クラウディウス神官」


「おのれ、貴様は!!!」


俺はシリウスの怒りに満ちた顔を見ながら、笑みを浮かべたのだった。

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