表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
356/867

輝星決戦・〖星は煌々たる主を思い、土は地上の民を思い願う〗No.7 解放の時


『ヘル・デアル』大館(おおやかた)・外部


ヘル・デアル大館の内部が混乱の最中、神無月 恵とディエース・アウェンティヌスは大館の入口前に立っていた。


「此処の建物に末裔の子の手懸かりが隠されてるの?ディエース」


「はい、『ロマ・テレシア』支教会の資料やヘル・デアに住む方々からの聴き込みの結果。紛争地に集められる資金、商品、重要な品はこの場所に集められる予定になっていますから」


「そう‥‥(この子の事をまだ、私は何も知らない。これが罠という事も考えられる‥‥‥) 神成君達の魔力の気配もこの中からするし、奇しくも目的の場所が被るなんてね。ビックリね」


「そうですね‥‥‥‥‥それに先程まで晴れていた夜空は、雷雲が立ち込め始めてるし、何だが私、怖くなってきました」


ディエースはそう言うと身体を震えさせ始めてしまった。


「(な、何?この女の子らしい反応!凄く可愛いわ!)そ、そうね。私も怖いわ‥‥‥‥でも、この紛争地で暮らす人達の為にも。末裔の子を探して、この国を開放してあげるべきじゃないかしら?だから、一秒でも、一分でも早く私達のやるべき事をやるべきじゃない?ディエース」


「やるべき事‥‥‥‥‥そうですね。それが贖罪になるとは思いませんが‥‥‥‥私は私のできる事をやらないと‥‥‥‥‥いけません!」


「(もう大丈夫そうね)‥‥‥‥‥‥‥そう、なら中へ入りましょう。何でか分からないけど警備の人達はいないみたいだしね」


「はい!神無月さん!行きましょう!」



『ヘル・デア』・紛争統治地区‥‥‥‥地下収容部屋


「お、大きいくて、広い場所ね。紛争統治地区とか言ってるだけあるわね。地上じゃあ見つからないわけよね。こんな場所が『大龍脈』の近くに誰もあると思わないし。盲点だわ」


「‥‥‥‥‥眠いですの‥‥‥‥‥ラファエル」


「アヤネ‥‥‥‥あんた、夜中に起きるの弱かったのね‥‥‥‥‥ほら、しっかりしなさいよ!」


「そ、そこの女の子!何故、外に入るんだ?脱走できたのか?」


「‥‥‥‥‥はぁい‥‥‥‥‥」


「そ、そうか!なら、此処から出してくれないか?鍵は恐らく上の看守が持っていると思うんだが、私はフレイヤ地方の『金の洞窟』のドラドと言う支配人でな。何故か『オアシス』に商談に来た時に捕まってしまったな」


「‥‥‥ふぁい‥‥‥」


カチャカチャ、ガチャンっ!キィーー


「な?開いた?何で?それに看守は?」


「そこの商人。助けてあげたんだから感謝しなさいよ」


「天使族‥‥‥‥‥始めて見たぞ!いったい何処から現れた?」


「そんなの今、どうでも良いのよ!看守は私とこの子で対処してあげるから。この牢屋の鍵を使って他の子達も開放してあげなさい‥‥‥‥‥いえ、この場所以外で捕まってるエリアの子達もかしら?‥‥‥‥‥確かこの場所の奥に幻獣、霊獣の子も掴まってたわね。行くわよ!アヤネ」


「‥‥‥‥‥了解ですわ‥‥‥‥」


「お、おい!待ってくれ!開放ってどういう事だ?それに看守は?‥‥‥‥‥‥誰もいない?」


「このお眠の子が水幻魔法で全部眠らせて無力化したわよ、そんで違う場所にぶち込んであるわ」


「ぶち込んである?こんなか弱そうな子がか?」


「あんた、あんまりこの子を舐めんじゃないわよ!この子は天才よ。私を使いこなせる様になる位のね‥‥‥‥分かったんならさっさと行きなさい。上に居た子達もあんた達を助けに来たみたいだし。捕まって多分の鬱憤(うっぷん)を『ヘル・デア』開放にぶつけなさいよ。じゃあね」


「‥‥‥‥‥サヨウナラですわ~‥‥‥‥」


「アヤネ、シャキッとしなさい。私達は私達でこの奥に捕まってる子達をスカウトに来たんだから‥‥‥‥」


「スカウト?何との事だ?‥‥‥‥いや、それよりも早く他の牢屋の奴等も助けなくては‥‥‥‥‥」


ドラドがそう言って牢屋の鍵を取ろうとした時である。地上に通じる階段から次々と人が降りて来たのだ。


「おーい!助けにって‥‥‥‥誰か居るぞ?看守か?」


「いえ、あれは‥‥‥‥フレイヤ地方のドラドさんよ!私達に食料を分けてくれた‥‥‥」


「ん?黄金屋のか?」


「うん」


「君達は‥‥‥‥今日の『市場』に連れていかれた子達か?何故、鎖が付いていないんだ?」


「ガリア帝国に居た元勇者が助けに来てくれたのだ。ドラド殿」


「あ、貴方は‥‥‥‥ガリア帝国の王族の方?」


「話しは後にする。先ずはこの地下牢の者達を開放する。その後、闘える者はヘル・デア国内に点在する収容地を解放していくぞ」


「「はっ!セシルスさま!」」


「セシルス様?ガリア帝の第三王子?‥‥‥‥‥そんな方まで捕まってたのか?」



『ヘル・デアル』大館おおやかた・深部

〖大龍脈・水晶〗


ピシッ‥‥‥‥‥‥‥ズズズズ

「‥‥‥‥‥‥‥エン‥‥‥‥‥‥ケラ‥‥‥‥‥‥ドス」



誰かが目覚め動き出す‥‥‥‥‥‥‥。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ