輝星決戦・〖星は煌々たる主を思い、土は地上の民を思い願う〗No.6 聖槍 VS 土星 ②条件を
「‥‥‥‥‥‥余計な事を‥‥‥‥言ってしまったか?‥‥‥‥だがこれで‥‥‥‥私の子はむく‥‥‥‥」
「いきます!!神代魔法(黄緑)+白狼術『森羅白浪』」
「‥‥‥‥‥大きな白緑の狼?‥‥‥‥‥なんだその魔法は?‥‥‥‥‥見たことも聞いたこともない‥‥‥‥‥魔法だ‥‥‥‥」
「神代魔法と現代魔槍術の複合統計魔法です。私にはロンギヌス(神話)、色相環・円卓十二述式(神代)、白浪術(現代)の三つの時代の魔法と武器を操る〖円卓の騎士〗パーシヴァル。これで貴方とも全力で闘うことができるようになりました。行って下さい!白浪!!」
「ゴルルル!!!!」
「‥‥‥‥‥くっ!‥‥‥‥土星魔法『地単・光弾』」
(パーシヴァル卿が自身の本来の力で闘う事ができる様になった為、『ロンギヌス』はこの様な動きが可能になりました‥‥‥‥‥『聖槍創造』・〖タダイの秘密の槍〗)
その聖槍は白銀の色を輝かせ、土星サータ・エンケラドスの首元へと狙いを定め、向かい始めた。
ドスンッ!!!
「‥‥‥‥‥がぁ?!‥‥‥‥‥白銀の槍?‥‥‥‥いったい何処から?‥‥‥‥‥」
「グルルオオオ!!」
ズザンッ!
白銀の槍は土星の右首筋に深く突き刺さり、左首筋には白浪の振り上げられた強烈な爪により深く抉り取られ深い傷を負う。
「‥‥‥‥‥この‥‥‥‥‥まるで神話終期の白銀の獣の様な攻撃を‥‥‥‥‥‥」
「私の力量を甘く見積もりましたか?土星さん。〖我が円卓に序列は無い。皆が同じ強さを持つんだ〗‥‥‥‥かの王が私に語ってくれた一言です」
(いや、そんな事よりも。何故、首筋に攻撃を受けて尚、立ち続け。普通に喋っているかの方が気になりますが‥‥‥‥)
「‥‥‥‥‥『妖精国』の王か‥‥‥‥‥だが、この位の傷‥‥‥‥〖魔法族の秘薬〗をもってすれば直ぐに‥‥‥‥‥‥」
木星・サータ・エンケラドスは懐から小瓶を取り出し、蓋を開けるとその中身を勢い良く飲み干した。
すると木星の深い傷口が治り始め、あっという間に完治したのだった。
「‥‥‥‥‥‥ふむ‥‥‥‥久方ぶりに飲んだが‥‥‥‥やはり、効き目は素晴らしいな‥‥‥‥‥エスフィール家の秘薬は‥‥‥‥‥」
「エスフィール?何故、貴方がその名を口にするのですか?エスフィールと言えば現『魔王領』の魔王様の一族の筈。貴方はいったい?」
「‥‥‥‥私は神代から生きる魔法族との混血‥‥‥‥‥古からの繋がりがあって何が可笑しいのだ?ペレノア卿の娘よ」
「なっ!貴方、お父様とも知り合いなのですか?」
「‥‥‥‥‥長生きしていれば大陸はおろか‥‥‥‥‥世界を見に行く時もあった‥‥‥‥今は契約により‥‥‥‥身動きも取れぬがな‥‥‥‥ペレノアには神代時代‥‥‥‥‥『セルビア』滞在時世話になったのだ‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥お父様の知り合いですか‥‥‥‥‥木星さん」
「‥‥‥‥‥何だ?パーシヴァル卿‥‥‥‥‥‥」
「私達‥‥‥‥‥いえ、ナルカミさんの目的は現在、一緒に旅をしている仲間。夜叉巫女さんの救出及び、宗教国家『ロン・テレシア』の崩壊なんです」
「‥‥‥‥‥それは【教皇】様から聞かされている‥‥‥‥‥ポン仁達内達からしたら気の毒な話だ‥‥‥‥‥だが、この世には‥‥‥‥‥逆らってはいけない存在‥‥‥‥‥〖天災〗の様な存在が幾人か入るのだ‥‥‥‥」
「それが貴殿方が仕える【教皇】ですか?」
「‥‥‥‥‥済まないが私は【教皇】様には仕えていない‥‥‥‥‥私の本当に御使いし信仰するお方は後にも先にも『ロマ』様。ただ一人だ‥‥‥‥‥あれから長い年月が経ち、次に再開するのはこの命尽きた時と思っている‥‥‥‥‥」
「そうなんですか‥‥‥‥‥凄い信仰ですね」
「‥‥‥‥勿論だ。現在の『ロマ・テレシア』の支配者【教皇】様が‥‥‥‥‥政権を取られる以前の旧ロマ信仰派もまだまだ入るのだ‥‥‥‥そんな彼等が上手く『ロマ‥テレシア』で生きて行く為には、ここの潤沢な資金が必要‥‥‥‥なのだ‥‥‥‥だから、私は‥‥‥‥」
「そうですか。事情は良く分かりました。もし、数日後、その『ロマ』様に再開できるとしたら、貴方は【教皇】を裏切ったりしてくれますか?」
「‥‥‥‥‥何?‥‥‥‥それはどういう事だ?‥‥‥‥初代『ロマ』様への冒涜は‥‥‥‥私を初めとした旧信徒を敵に‥‥‥‥‥」
「〖金の聖なる杯〗」
「‥‥‥‥‥‥?!‥‥‥‥‥‥まさか!‥‥‥‥」
「はい!私ではありませんがそれを所持している方が此方にはいます。もし、このまま、私達に付いて頂けるのでしたら‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥『ロマ』様と再開させると?‥‥‥‥‥」
「はい」
「‥‥‥‥‥‥‥噂では数ヶ月前のセルビアの地下に〖黙示録の獣〗が出たと聞くが‥‥‥‥‥それは本当か?」
「はい!本当です」
「‥‥‥‥‥‥‥‥分かった‥‥‥‥パーシヴァル卿‥‥貴殿が私との勝負に勝利した時は‥‥‥‥私を筆頭とした旧『ロマ』信徒が其方側に付くと約束しよう‥‥‥‥‥その対価として‥‥‥‥‥」
「はい。初代ロマ様に必ずお会いさせます」
「‥‥‥‥‥そうか‥‥‥ならばあの【教皇】様。相手に本当に国取りができるか‥‥‥‥‥見定めてみよう‥‥‥土星魔法・『土信・輪廻』」
「つっ!そっちから条件を提示しといて、まだ、闘うんですか?神代魔法(黄緑)『光緑の棘・槍』」
暫くの間。拮抗した闘いは続き。
「‥てわ‥‥‥小手先の技では埒が明かないか‥‥‥‥‥土星・天来‥‥‥‥‥『土星・照らす者』よ!!」
「此方もそろそろ限界ですので‥‥‥‥‥」
(『ロンギヌス』の力を解放しますか?パーシヴァル卿)
「それは最後でお願いします!ロンギヌス。神代・回帰(黄緑)+白狼術・『黄緑・白浪槍』」
「‥‥‥‥‥黄緑色の槍を口で‥‥‥‥‥咥える白銀の狼か‥‥‥‥‥何とも美しい技だ‥‥‥‥‥‥だが、怯まん‥‥‥『土星・エンケラドス』!!!」
「終わりにします!『白銀浪槍・峨朗』!!!」
地下大洞窟内全体を破壊する勢いで両者の技はぶつかり合う。
「今です!ロンギヌス!!」
(はい!『聖槍創造』・〖グレゴリウスの槍〗‥‥‥‥‥‥‥これでこの地は平定されます。聖槍装填・『神罰の槍』)
七の秘宝『ロンギヌス』は自らの意思(‥‥)で土星へ向けて白き槍を放った。その槍は見事に土星の左肩へと突き刺さり、土星を倒す。最後の一撃になったのだった。
グサリッ!!!
「‥‥‥‥‥‥くっ‥‥‥‥‥見事な力であった‥‥‥‥‥良かろう‥‥‥‥‥先程の約束通り‥‥‥‥今後はお前達側に付いてやる‥‥‥‥全ては我等が主『ロマ』様との再開の為に‥‥‥‥」ドサッ!
土星サータ・エンケラドス
地下大洞窟で堕つ。