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輝星決戦・〖星は煌々たる主を思い、土は地上の民を思い願う〗No.4 怒髪天


「‥‥‥‥‥‥ナルカミさん。あの方達が」


パーシヴァル卿が冷や汗を流しながら、転移結界の中に入って来た、死白色の服を着た二人を見つめている。


「あぁ、わざわざ、探さなくてもあっちから来てくれるとはな。探す手間が省けたな」


俺も彼女同様に悠然と立ち尽くす二人を見つめる。


「あの二人のどちらかが【教皇】様が言っていた、偽物か‥‥‥‥‥思っていたよりも若いのだな」


「‥‥‥‥‥いや、あれも偽装と幻覚の類いの魔力を感じます‥‥‥‥‥我等が見ているどちらとも本来の姿を隠しているかと‥‥‥‥‥ですが‥‥‥‥‥‥」


「あぁ、捕まえ、牢獄で審判に掛ければ直ぐに分かる事だ。土星(パイノーン)よ。貴殿はどちらと闘い?」


「‥‥‥‥‥‥はい‥‥‥‥‥でしたら‥‥‥‥‥」


「嘘だろう?何でアイツまで?土星(パイノーン)だけでも厄介なのに、何でロマ・テレシアの一翼が此処に入るだ‥‥‥‥‥‥もう駄目だ。逃げられない‥‥‥‥‥」


あの二人が登場してからというものセシルスが身体を震えさえ始めた。それだけじゃない、ローラ、ギルスといった商品として売られそうになっていた者達の殆どの身体が震えている。


「‥‥‥‥‥セシルス。俺達はあの二人を相手するだけで手一杯になる。厄介な奴等は俺達に任せて、此処に捕まってる人達を皆解放してやってくれ‥‥‥‥‥そして、暴れろ!好きな様にな!」


「え?神成 刹那‥‥‥‥‥今なんて?」


「この大部屋に居た奴等は全員。魔法の袋(黄金の宝物庫)内の牢獄に居れたしな。邪魔な奴等は警備の信徒位の筈だ‥‥‥‥‥‥‥それにしたの牢屋の奥にはヤバそうになのが幾人も捕まってるみたいだしな。面白そうだから全部解き放ち、『ロマ・テレシア』にぶつけてやろうぜ!セシルス」


「は?ぶつける?お前はこんな時に何を呑気な事を‥‥‥‥‥‥」


セシルスがそう言いかけた時であった。


「させると思うか?偽物とやら!いや、我等が餌に掛かり死ぬ逝く子供よ」


ガキンッ!!!


「お前こそできると思っているのか?『ラグナログ(神々の黄昏)』‥‥‥‥‥いや、大アルカナNo.17『星』よ!」


『星』‥‥‥‥‥シリウスとか言ったか?奴は銀白色の両手剣をセシルスに向けて振り下ろすが、俺がすかさず腰に巻いていた『雷光鞭』をシリウスの両手剣に巻き付かせ攻撃を防ぐのだった。


「私の剣戟を止めるか」


「軽いんだよ!ロマ・テレシアの信徒さん!」


「‥‥‥‥‥‥ならば此方は重いぞ。無礼な少年よ‥‥‥‥‥『土隕(どいん)』」


そして、今度はシリウスと一緒に居た土星(パイノーン)が俺に向かって細長い何かを振り下ろそうとするが‥‥‥‥‥‥


バキンッ!!!


「させませんよ!!ナルカミさん!!今です!私を地下へ!!」


「あぁ!!勝ってくれよ!!パーシヴァル卿!転移魔法『縮地転移・景』」


「はいっ!」シュン!


「‥‥‥‥‥‥‥転移魔法だと?‥‥‥‥‥」シュン!



「え?二人が消えた?」


セシルスは驚きながら二人が居た場所を指差している。


「貴殿は‥‥‥‥七聖―女神―アテナに連なる者か?」シュン!


「さぁな!俺達は上だぞ!!シリウスさん!!セシルス!後は好きにやってくれ!転移魔法『縮地転移・外』」シュン!


「神成 刹那と‥‥‥‥‥『星』の神官も消えていしまった?」



『ヘル・デア』上空


シュン!


シュン!


「神代・回帰‥‥‥‥『雷霆結界・曼陀羅』」


ゴゴゴゴゴゴ!!!


『ヘル・デア』の大空に雷雲と黒き稲妻が立ち込め、シリウスの周囲数百メートル範囲に方位結界が敷かれていく。


「ヘスティア地方の大空?‥‥‥‥‥‥貴殿は最初からこれが目的か?偽物‥‥‥‥‥いや、七聖の使いよ」


「半分は賭けだったんだかな、―女神―ヘスティアもこの地の解放に賛成の様だな。シリウス」


「気安く、私の名前を言わないでもらいたいものだ。七聖教会の回し者よ。地下に行った愚かな仲間と共に葬ってやろう。聖星魔法『焼皇(ショウコウ)』」


「七聖教会の回し者ね‥‥‥‥‥‥‥別にそんな風に言われようが気にもしないんだがな‥‥‥‥‥聖魔法『閃皇(せんこう)』」


ガシュン!!ドドドドドドドド!!


聖星の力と聖魔法の力がぶつかり合い光の粒子の様に辺りを綺麗に輝かせる。


「ぐっ!何足る重い攻撃を‥‥‥‥‥」


「仲間の悪口を言われたら腹も立つんだよ!いや、それだけじゃない!勝手に夜叉巫女まで拐いやがって!!こっちはとっくに怒髪天を突く勢いで端っからキレてんだつうの!!分かった!!『ロマ・テレシア』!!!」



『ヘル・デアル』大館(おおやかた)


隔り地下空洞


一方その頃、ヘル・デアルの地下では神成によって転移させられたパーシヴァルと土星(パイノーン)が相対していたのだった。


「‥‥‥‥‥‥‥まさか端っから我々の分断が目的とはな‥‥‥‥驚いたものだ‥‥‥‥‥‥」


「此処は‥‥‥『大龍脈』を流れていない部屋?それにしては広いような?」


「‥‥‥‥‥ん?‥‥‥‥気になるか?若き女性よ‥‥‥‥‥」


「若き女性?‥‥‥‥えぇ、あまりにも不自然な空洞がある場所ですので」


「‥‥‥‥‥‥ここなら、シリウス様にも悟られまい。戦う前に一つ教えてやろう‥‥‥‥」


「い、いえ、今は闘いの最中ですよ」


「‥‥‥‥‥此処は避難所だ‥‥‥‥『大龍脈』が暴走した時とあるものが暴走した時の為の避難所‥‥‥‥‥その二つの脅威から身を隠す為の避難所なのだ‥‥‥‥」


「二つの脅威?‥‥‥‥あの一つはまぁ、分かりますが‥‥‥‥もう一つの脅威とはいったい?」


「‥‥‥‥‥‥‥それは私に勝てたら教えてやろ‥‥‥‥‥さぁ、掛かって来い‥‥‥‥‥『妖精国(アルフヘイム)』の騎士殿‥‥‥‥‥」


「正体は知られてしましたか‥‥‥‥‥‥ではその秘密とやら、私が勝って教えて頂きましょうか!五芒星(ペタルファ)の一星・土星(パイノーン)さん!!」

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