輝星決戦・〖星は煌々たる主を思い、土は地上の民を思い願う〗No.2 第三王子セシルス
『ヘル・デアル』大館
「‥‥‥‥‥‥‥‥ん?この様な『星』が見える‥‥‥‥‥‥深夜に侵入者とは‥‥‥‥‥‥‥念の為、水星・ディエースにも連絡をするか‥‥‥‥‥‥‥‥行け‥‥‥‥地魔鳥よ‥‥‥‥‥‥」
ザッ!「ピュルルル!!」
大館の窓の一角から一羽の鳥が放たれた。この時の土星は水星が堕されている事は知るよしも無かった。
〖ヘル・デアル〗内部・『仕分けの間』
俺とパーシヴァル卿の二人はヘル・デアル大館の警備網を難なく突破し、内部へと侵入する事ができた。
今は認識阻害と気配遮断の魔道具を使用して、大館の天上内を移動中である。
ガヤガヤガヤガヤ!
「おおっ!これはなかなか良い商品ですな。おいっ!」
「はっ!旦那様‥‥‥‥‥‥」
「おいっ!このエルフは良く泣き叫ぶのか?」
「えぇ、お客様様!此方の商品はとても良く!叫び声も『セルビア』一とも」
ガヤガヤガヤガヤ!
「この魔道具を売ってくれ」
「其方は闇市でも滅多に出回る事が無い品になっておりますので。値が張りますが?如何致しますか?」
「うむ‥‥‥‥少し考えさせろ」
ガヤガヤガヤガヤ!
「金銀財宝!!隠地方、エウロペ大陸から集めた多種族の美少年、美少女は如何ですか?ちなみに今夜の目玉はガリア帝国の王族の血を濃く受け継ぐ、行方不明中の〖セシルス〗第二王子になります!!そして、此方はティアマト地方の『歌姫』そして、そして、ユグドラシル地方の鬼族等が多種多様に‥‥‥‥‥‥」
「まぁ!そんな、商品が入荷している何て!!今日はいているわね!!5000万ギルで買うわ!」
「なら、私は6000万ギルよおおっ!!!オホホホッ!!!」
「ほらっ!此方を向きなさい!!身体を良く見せるのよっ!!」
ガヤガヤガヤガヤ!
「‥‥‥‥‥‥‥つっ!ガリア帝国の王族が何人か行方不明とか魔法新聞に載ってたが、まさかセシルスの奴もかよっ!」
「な、何ですか、あれ?色々な種族が裸にされて、首と足には鎖が付けられてますけど?」
「オマケに値段やらも付けられてるな‥‥‥‥‥‥ヘスティア地方にお忍びでやって来た隠地方の金持ち貴族や闇商人達が。高額金で売り買いの取引をしているだろうな」
「高額な売り買い?確か、エウロペ大陸ではその様な事はガリア帝国を初めとした諸外国が禁止している筈!違法ではないですか」
「あぁ、ちゃんとした国ではな。でも、ここは何があっても合法になる紛争地帯『ヘル・デア』。それにその北には七聖教会を良しとしない『ロマ・テレシア』があるだろう?」
「それに目を付けた方々がこの場所に集まり、高額な取引をしているということですか?」
「そうだ。昔、俺が勇者の時代の時に解決しようとこの国に来た事はあったんだけどな。あの時はガリア帝国と魔術院に席を置いていたから身動きが取りづらくて。この場所の解放は諦めたんだよ」
「‥‥‥‥何故です?『妖精国』の時、エキドナを屠ったナルカミさんなら、そんな事情を押し退けて解決できたのでは?」
「あの時は魔王領と戦争状態だったし、解決後もここいら一帯のお宝を盗む‥‥‥‥‥ゲフンッゲフンッ‥‥‥‥見て回って、紛争と飢饉で死にそうな人達を救うので手一杯だったんだよ。仲間も連れていなかったしな」
「‥‥‥‥‥‥‥‥成る程」
「だが、今回は違う。強力な仲間も連れてきた。ヘファイストス地方や魔術院からの後ろ楯もあるからな‥‥‥‥‥‥久しぶりに好き放題できるさ」
「好き放題ですか?」
「あぁ、ここに居る連中を全て捕まえて『ヘル・デア』解放後は、あいつらの資金源を根こそぎ奪うのさ」
「うわぁ、ナルカミさん。貴方、今、凄い邪悪な笑みを浮かべていますよ!」
「そうか?いやー、過去のやり残しがこんな形で片付けられると思うと、つい嬉しくてな‥‥‥‥‥そろそろ始めるか。とっ!その前にアヤネ」
シュン!
「ふあぃ‥‥‥‥やっと私の出番ですか?ふあぃ‥‥‥‥‥」
「眠たそうですね‥‥‥‥‥こんなんで大丈夫何でしょうか?」
「この状態‥‥‥‥‥アヤネが一番リラックスしている状態だから、イケるな」
「‥‥‥‥‥‥ふあぃ、行けます‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥心配しかありませんが?」
「大丈夫だっ!アヤネにはラファエルが付いている。ほれ七聖―女神―の杖『ラファエル』だ。大事に扱ってくれよ!アヤネ。何かあれば直ぐにラファエルに助けてもらえよ!‥‥‥‥‥それとこの『狐の水輪』も渡しとくからな」
俺はそう言って青色と水色が美しく光る修復された七聖―女神―の杖『ラファエル』と和国の魔道具である『狐の水輪』を彼女に渡した。
「‥‥‥‥眠い‥‥‥‥‥ふあぃ‥‥‥‥いって参りましわ‥‥‥‥‥」フラフラ
「アヤネ!シャキッとしなさい!ここはもう敵地なのよ!」
「ふあぃ‥‥‥‥ラファエルママ‥‥‥‥」
「誰がママよっ!誰がっ!」
「うんっ!いつも通りだし、大丈夫そうだな」
「‥‥‥‥‥‥不安しか感じられませんが?本当に大丈夫何でしょうかね?」
「『妖狐』も憑かせたから大丈夫だろう」
「?‥‥‥‥『妖狐』も憑かせたとは?」
「それよりも俺達も動こう‥‥‥‥‥‥先ずは下で呑気に商売をしている連中を全て捕まえて牢獄にぶち込む。行こう!パーシヴァル卿!」
「は、はい?!いきなりですね?了解です!!」
『仕分けの間』
「うぅぅ、何で第三王子のセシルスであるこの私がこの様な辱しめを‥‥‥‥‥‥」
「まぁまぁ、お元気だ事!!高いお金を払ったかいがあったわね!!どれどれ、その布切れを退けなさいな‥‥‥‥‥さぞかし立派な‥‥‥‥‥あら!あなた?!フフフ、そう隠していたのね!フフフ、今夜は楽しく踊らせてあげるわ!」
「つっ!み、見るな!この私の身体をまじまじと見るなっ!」
「フフフ!その赤面した顔も素敵ねぇ!!今夜が楽しみだわ!‥‥‥‥‥ブヘェ?!!!」
私を買ったフレイヤ地方の貴族のマダムがリキッドトードを潰した様な時の悲鳴を上げる。マダムを見てみると、上から何か重たい物に乗っかられた様だった。
「なっ?何?!!」
「ん?コイツは‥‥‥‥‥フレイヤ地方のレイク一族じゃないかっ!こんな奴まで此処に居るのかよ」
遠い昔に聞いた事のある声が、目の前から聞こえた。
「なっ?何で君が此処に居る?というか?何で昔と容姿が変わって無いんだ?神成 刹那!」
「ん?その甲高い声は‥‥‥‥‥セシルスか?久しぶりだな。ついでに助けてやるぞ!‥‥‥‥‥‥‥つうか、お前、女の子だったんだな。気づかなかったわ」
神成 刹那はそう言って私の身体を上下に見る。
「へ、変態!!私の身体をまじまじと見るな!!このスケベ男!!!!」
私はこんな状況なのに、騒いで周りの注目を集めてしまったのだった。
新キャラのセシルスさんは‥‥‥‥‥作品の終盤辺りにでも活躍すると思います。はい




