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攻防会議~転移魔法

①攻防会議



「しかしよう?!何で四大都市中!東の大都市『ノーム』だけは魔神や魔竜共に襲われてねえんだ?隊長さんよう?!」


先ほどまでセシリアと睨めっこしていたヒスイがエルフ部隊の隊長であるエルキス殿に話しかけた。


「は、はい。黒騎士殿(カッコいいなぁ!)!現在、東の大都市『ノーム』には同盟関係にある魔王領から派遣頂きました。「魔法剣士」の方で。三騎士の御一人で‥‥‥」


「ちょっと待て!!おい!!」


ヒスイが自身が座っている椅子から立ち上がり叫んだ。


「は、はい。何でしょうか?」


「今、三騎士と言ったか?」


「ええ、言いました。」


私もヒスイ同様。二対の騎士ではなく。三騎士とエルキス殿が発言したことが気になり質問した。


「エ、エルキス殿。二対の騎士ではなく三騎士なのですか?」


「はい。三騎士の方の御一人です。」


「それは誰ですがいったい?朝殿ですか?昼殿ですか?」


「いいえ。どちらも違います」


「じゃあ、誰なんだ?!いったい?!」


「そ、それは夜型(やがた)の『ライハ』殿と言う方で」


夜型(やがた)の『ライハ』だあ?‥‥‥メイエスさんよう?!知ってるか?」


ヒスイが私に聞いてきた。


「ん?あぁ、私がまだ、あちらで奉仕活動をしていた時は。確か騎士見習いの方だったな。まさか、夜の称号を与えられていようとは、それに二対の騎士から三騎士に増えている等。驚いたな」


「(俺の後の次世代か?)‥‥‥‥‥そうかい!教えてくれてありがとよう!話の腰を折ってすまねえ!話を戻してくれ!」


ヒスイはそう言うとエルキス殿を見た。そして、何故か、ヒスイを見るエルキス殿が乙女の様な目をしているのは気のせいだろうか?是非とも気のせいであってほしい。


「かしまりました。ヒスイ様」


ヒスイ様?


「ヒスイ様だあ?!良く分からねえが‥‥‥‥まぁ、いいか!」


「話を戻しますと現在、『ノーム』には三騎士の御一人が滞在していまして。それに加え。我が国『セルビア』の東地域は、我が民であるエルフと妖精が入り交じるセルビアの国軍が常に駐屯していますので。敵もなかなか手を出しづらいと思われまして」


「鉄壁の要塞都市『ノーム』だよな?俺も聞いたことがあるぜえ!『セルビア』の西側は長年同盟関係にある魔王領に守りを任せ。『セルビア』国内の東側は国軍が守備に任せてるらしいな?西側の地域一帯は『セルビア』と魔王領の食料を支えるエレーン農地が、どデカかあるんだったな?」


「は、はい。そうです。ヒスイ様!」


「‥‥‥‥そうか!」


ヒスイもエルキス殿の様子のおかしさにようやく気づいたらしく。同様を隠せずにいた。


「では、とりあえず。『ノーム』の話しは一旦終えてよう。残りの『サラマンダー』『シルフィード』『ウンディーネ』の救援を急がないと大変な事になってしまうよ」


アルディス王子がそう語る。


「東西南北のうち3つが敵に落ちれば。その次は『セルビア』の首都である『オーディン』か東の大都市『ノーム』をその『王様』?とか言う奴に攻められるの火を見るより明らかか‥‥‥」


セツナがそう話し終え、難しい顔をして目を瞑った。


「首都『オーディン』にいる数人の特記戦力のエルフ達は各地域の一般妖精の反乱を鎮圧中だから動けないし。‥‥不味い状況になっちゃったね」


アルディス王子が悔しそうに言った。


「俺達のパーティーを2組‥‥‥いや、3組に分けよう。」


「え?どう言うことかな。セツナ君?」


「はい!アルディス王子。今いる俺達6人を二人1組で分け。現在、進行されている3つの大都市の救援に向かいましょう」


「僕達を二人1組に分けるか。‥‥‥‥そうだね。悪くないかも知れない。戦力的には皆、均等に別れれば良いだろうしね」


「はい、その通りです。アルディス王子。なんなら、この中で魔道具を使わなかったら俺が一番弱いですからね」


「そ、そうなの?メリュジーヌ卿とのて闘いの時は、そんな風には見えなかったけど」


「戦闘中は能力向上の魔道具を常に発動させて入るだけですよ」


「そうなんだ!ちょっと信じられないや」


「アルディス王子。話の続きをしましょう」


私はアルディス王子に促した。


「じゃあ、よう!機動力のあるアインズさんと俺が一番遠い『サラマンダー』に行っていいか?‥‥‥それで大丈夫か?アインズさん?」


ヒスイが今まで聞いたことがない優しい声音でセシリアに聞いた。


「ウニャア!それで大丈夫だニャア。黒騎士!一緒に行こうニャア~」


セシリアは嬉しいそうにヒスイを見ていた。

こやつら。私達と別れた後。何か親密になるイベントがぜったい起このかもしれない。


「では、『サラマンダー』はそれで決まりで。残りの『シルフィード』と『ウンディーネ』は‥‥‥」


「僕と」「此方(こなた)が行くよ」


アルディス王子とメリュジーヌ卿が同時のタイミングで言った。


「シルフィード殿は僕の魔法の先生なんだ。だから絶体に助けてあげたい」


此方(こなた)の場合は親友だけどね。アルディス王子詳しく教えてよ」


「はい!メリュジーヌ卿。実はですね」


2人はそう言いながら共通の知り合いである『シルフィード』について語りだした。


「だが、敵はあの『ジャバウォック』だ!いくらメリュジーヌ卿が居たとしてもアルディス王子に死なれたら『セルビア』の未来が暗くなるぞ」


セツナはそう言うと何やら思案し始める。


「では、このイフリートが王子とメリュジーヌ卿に着いていこう。主殿」


そう言ってセツナの魔法の袋から出てきたのはわたしと変わらない位の体に戻ったイフリート様だった。


「イフリート?何で君がそんなところに入るんだい?」


メリュジーヌ卿はビックリしたのか。口をポカーンとしながらイフリート様に問いただした。


「おや、メリュジーヌ殿?何故ここに?」


「いや、それは、此方(こなた)の質問でしょう~!イフリート!!」


メリュジーヌ卿はそう言うと。嬉しそうにイフリート様の所へ近づいていき話し始めた。


「おっと、すまない。主殿」


「お体の方は大丈夫なのですか?イフリート様」


「ええ、タマキ殿の魔法の袋の中でだいぶ回復出来ました。ですので『ジャバウォック』がいる西の『シルフィード』へ向かう。この二人に同行出来ますゆえ」


「本当に?イフリートが一緒に来てくれるの?やったーー!!嬉しいなぁ!!」


メリュジーヌ卿はそう言うとピョンピョン跳び跳ねた。


「では、私とセツナとタマキは残った南の大都市『ウンディーネ』に向かうで良いか?セツナ」


「ん?あぁ、そうだな。それでいいよ。こっちに帰って来る前に君を守ると約束したしな」


「セツナ!‥‥‥‥ああ、そうであったな。ありがとう」


「よし!じゃあ、北の『サラマンダー』にはヒスイ君とセシリアが。西の『ウンディーネ』には僕とメリュジーヌ卿、イフリート様が。南の『ウンディーネ』にはセツナ君とユナちゃんが向かうということで言いかな?」


「ええ、それで大丈夫です」


私がそう言うと皆も同じ様に(うなづ)いたのだった。



『クエレブレ』の洞窟・二人の墓標


2人の上位妖精が眠る。墓標の前に一人の若者が立っていた。


『クエレブレ』殿『シャナ』殿。助けることが出来ずもう分けありません。この仇は絶体に討ちます」


「ホーエンハイム卿!ここに入らしゃいましたか!‥‥‥そちらの墓標は?」


「『クエレブレ』殿と『シャナ』殿のお墓だよ。2人には昔、森で迷った時、助けて頂いた事があってね。心配になってソロモン山脈を越えて来たけどもう遅かったみたいだね‥‥‥」


ホーエンハイムと言われる白装束の若者は悔しそうに唇を噛み締める。


「ホーエンハイム卿、このような時に申し訳ありませんがご報告があります。」


「‥‥‥ええ、すみません。聞きましょう」


「はい、やはり聖女様はこちらには入らしていなかった様です。」


「そうですか。ありがとうございます。‥‥‥‥全く世話が焼ける妹ですみません。マレーシ卿」


「いえいえ、お二人は私にとっては自分の孫の様な者ですからな!何の何の。それと‥‥‥恐らくですが『魔王領』か『魔法族の里へ』向かったかと思われます」


「『魔王領』は同盟後。人族との貿易を再開し観光でもお互いに協力し合ってますしね。『魔法族の里』は聖魔法を使える聖女なら歓迎されると思われるし。‥‥‥しょうがない。一旦、七星教会へ戻りましょう。マレーシ卿」


「聖女様は宜しいので?」


「ええ、一旦、放置で行きましょう。あれでも昔は勇者パーティーで旅をしていた化物ですからね。大丈夫でしょう。それに何かあれば力業でどうにかするのがうちの聖女様ですから」


「‥‥‥‥確かにそうですな」


「はい、それに先ほど魔神の手掛かりになりうる魔神の記憶も手に入れたので。一度、教会へ戻り分析にかかりましょう。」


「はっ!セハル様の仰せのままに」


そうして白装束の聖職者達は森の奥へと静かに消えていった。




②転移魔法


謎の人物である魔神『王様』が『セルビア』国内の主要大都市である。『サラマンダー』『シルフィード』『ウンディーネ』に本格的な進行を始めたことが分かり。


会議の末。俺達6人パーティーは二人1組のチームに別れて各大都市へと向かう事になった。


隠れ妖精の里『シャナ』広場


「各大都市へ行く為のチーム分けは終わったけど。肝心の移動方法はどうしようか?ここから、一番近い『ウンディーネ』に行くだけでも2日位有するから。『サラマンダー』に着く頃には、全てが後の祭りになってしまっているかもしれない」


アルディス王子が悔しそうな顔をして言う。


「‥‥‥アルディス王子。ご心配無く。ここは俺の転移魔方で皆を各大都市の近くまで送ることで解決しますよ」


「‥‥‥転移魔法?セツナ君使えるの?」


アルディス王子が驚いた顔で俺に質問してきた。


「はい!数日前のメリュジーヌ卿が仲間に加わってくれたお陰で。俺、本来の魔力総量の内の8割まで回復すること事が出来ました。」


「仲間では無く。召し使いですよ。ご主人様」


「えええ?」


近くでフヨフヨ浮いていた。タマキがボソッと俺に耳打ちし。

メリュジーヌ卿が驚愕の顔をしていたが。今は緊急時の為。スルーする事に決めた。


「それで?セツナ君。君の魔力総量が8割まで戻るとどうなるのかな?」


「はい!アルディス王子。魔力濃度が濃い『セルビア』国内だけの限定ですが。俺は転移魔方が使用可能です」


「転移魔法か。‥‥‥‥時間も無いし。それにかけるしかないか。よし!分かった。それで行こう!宜しくね。セツナ君」


太陽の様な笑顔でアルディス王子は俺に笑い深くお辞儀をした。


「は、はい!喜んで」


自国の為に簡単に頭を下げ。これ程、臨機応変に対応する人が次世代の王ならば『セルビア』の未来も明るいだろう。


俺が住む。日本のトップとはエライ違いである。

『セルビア』の国民が少し羨ましくなる。


「では、時間が惜しいから。皆、急だけど、20分後にもう一度ここへ集まって来てね。じゃあ、一時的に解散。」


アルディス王子はそう言うと。自身の荷物を纏める為なのか。『シャナ』まで乗って来た。ブラックキャットの子の所まで歩いていってしまった。


「セツナ?お主。準備の方は良いのか?」


近くにいた。エスフィールが話しかけてきた。


「ん?あぁ、大丈夫、大丈夫。俺達が行く。『ウンディーネ』について調べる位かな。後はこれを少し時間があるから読んどこうかと」


そう言って俺は魔法の袋からある本を取り出した。


「何なのだ。その本は?」


「この本んかい?これは地球の幻獣の神話や魔神の記録を集めた。伝記物の本さ。それをこの複製魔道具の紙に数ページを書き写して。ほれ完成」


俺は各大都市に現れた。『サラマンダー』『ジャバウォック』『バジリスク』等の伝説の逸話等が詳しく書かれた所をエウロペ大陸の言語に翻訳して6枚書き写した。


「ほれ、エスフィール。『バジリスク』の項目を良く読んどいてくれよ。必ず後で役に立つから」


「ああ、ありがとう。セツナ」


そう言って紙の1枚をエスフィールに渡した。


そして残りの数枚も皆に渡し。時間が来るまで各自熟読していた。


「ねぇ?何で、こんなに『ジャバウォック』や『バジリスク』について詳しく書かれてる資料があるのかな?」


アルディス王子が俺に聞いてきた。


「‥‥‥それでは皆?準備は大丈夫かな?」


俺は無視して。転移魔法の準備をし始めた。


「おい!無視はよくニャいニャア!セツニャ!いつも、美味しくご飯が炊けるあの‥‥‥炊飯器かニャア?あの便利アイテムといい。そのニャアか変な文字で書いてある本は何なのニャア?」


「うるさいぞ!セシリア!電撃浴びせるぞ」


「ンニャア!心の声が漏れてるニャア!セツニャ」


「それによう!あの炊飯器やらメイエスさん!が使ってるスマホか?の時に使う電池やら電気バッテリーか?あれは何なんだ?カミナリ!!」


今まで気にする素振りも見せなかった。ヒスイも気になり始めたの俺へと詰め寄ってきた。


「‥‥‥‥よし!準備完了だ。そろそろ転移魔法発動するよ」


俺は時間が無いので全て無視する。


「ああ、それはセツナの故郷であるこことは別の異世界の『地球』という場所に」


久しぶりに発動したお馬鹿エスフィールさんがぼろっと漏らす。本当に久しぶりの登場だったが緊急時なので無視する。


「異世界?地球?何それ?それにその炊飯器とかスマホって?教えて教えてよ!!セツナく‥‥‥‥」


「まず、1人」


「オ、、オニャエ!セツニャ!昔、一緒に旅をしている時にはそんニャ事。一言も言ってニャかったニャア!もしかして、他にも珍しい道具を隠し持ってるのかニャア?隠さずにわっちのみせ‥‥‥‥」


「続いて2人目」


「おい!カミナリ!!!スマホか?俺にもくれ‥‥‥」


「3人目」


「ご、ご主人様!こ、此方(こなた)もスマホってやつ見たい!!見せて!みせ‥‥‥‥」


「よし!4人目‥‥‥ふう、終わったよ!エスフィール」


俺は達成感から自然と笑顔になった。


「何故?それ程、嬉しそうなのじゃ?皆にちゃんと地球について話してやれば」


「いや、めんどくさいし。あっちに連れてけとか言われるのもなんかな」


「‥‥‥‥まぁ、セツナの判断だからのう。地球の事については私からは何とも言いづらいのでコメントは控えよう」


エスフィールはそう言うと。先ほどの渡した紙をもう一度読み始めた。


「俺達も少ししたら『ウンディーネ』の近くまで飛ぼう」


「あい、分かった。‥‥‥おっと!セツナこれを渡しておく。後で飲んでおけ」


エスフィールはそう言うと小さな小瓶を2つ渡してきた。


「何これ?」


「魔法族の里で伝わる。秘伝の秘薬じゃ。飲めばフルポーションよりも早く魔力、体力、傷等を治せる。旅の道中で時間をかけて作っておいた。他のものにも1人2本ずつ渡してある」


「凄いものをさらっと道中作るなんて。君はいったい何者なんだ?」


俺はそう聞くと。


「勇者殿に倒された。魔王ですよ。ご主人様。フフフ。‥‥‥さぁ、我々もそろそろ行こう。セツナと話して少し元気が出たしのう」


先ほどまで辛そうな顔をしていたエスフィールだが、会議や少しの休憩を挟めたことによって心に少しの余裕ができたようだ。


「あぁ、行こう。全ては君の為に」


そして、俺達も転移魔法で南の大都市『ウンディーネ』へと向かうのであった。

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