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到着するは龍脈狂う紛争の中心地『ヘル・デア』


『ロマ・テレシア』


大聖堂地下・『ロマの地下神殿』最新部


「グルル!!!ウルオォォ!!!」


「ハハハ!!五月蝿えぇぇ!!死ね!!」


ズハンッ!


「オォォォ‥‥‥‥‥」


「フンッ!龍族の巫女を手に入れたら、何かしらの変化があると期待したんだかな‥‥‥‥‥気のせいだっか?‥‥‥‥‥‥だが、あの夜叉巫女の力は本物だ。将来性も抜群だしな‥‥‥‥‥‥‥時が来れば俺様と婚儀も許してやるか」


「‥‥‥‥カサカサ‥‥‥‥‥ウオォォォ!!!!」


「チッ!またか‥‥‥‥‥‥旧信徒の成れの果ての魔獣共。神代から探し続ける〖ロマの聖なる杯〗。この地下神殿にある確率が一番と踏んでこの地を手に入れたんだかな。未だ至らずか‥‥‥‥‥‥‥あの杯を持ち、光らせた者が真の『ロマ』の法王になるか‥‥‥‥‥忌々しい仕掛けをしてくれたものだな。〖クィリヌス〗め‥‥‥‥‥‥クソッ!何処にありやがる!『ロマ』の黄金聖杯は!」




▽▼▼▽▽


龍脈狂う紛争の都市『ヘル・デア』


荒れ果てた冒険者ギルド・地下の宿『デアル』


「何故、この様な紛争地の中心都市に冒険者ギルドがあるのですか?ナルカミさん」


「ん?あぁ、『ロマ・テレシア』国が七聖教会の信徒の入国を禁止してるんだ。そのせいでこの『ヘル・』と『ロマ・テレシア』一帯は他国の傭兵か、冒険者ギルドの人達しか入国できない確約になっているんだよ」


「禁止ですか?それはどうして?」


「七聖教会の信徒が入国して来て、勝手に自身が入信している七聖教会の教えを『ロマ・テレシア』に広められない様に入国制限をかけてるんだよ。それより、腕の傷は大丈夫だと思うけど‥‥‥‥‥‥‥‥心の傷の方は大丈夫か?まだ、無理そうなら魔法の袋(黄金の宝物庫)の中で休んでいても良いんだけど」


「‥‥‥‥‥‥‥‥い、いえ、このまま喚ばれて何もしないというのも円卓の騎士の名折れですので‥‥‥‥‥‥‥これからは全力で闘います」


「そうか‥‥‥‥‥‥でも、無理だけはしないでくれよ。パーシヴァル卿」


「は、はい!ありがとうございます!ナルカミさん」


「あの~、良い雰囲気になるのは後で拷問すればお許ししますが、行き過ぎますと恵にも報告しますからね。セツ君」


‥‥‥‥‥‥別に良い雰囲気になってなどいない。俺はパーシヴァル卿の事を心配しているだけだ。そして、何故か右膝に激痛が走る。


「アヤネ‥‥‥‥‥右膝をツネるな。メチャクチャ激痛がするんだが?」


「はい!全力でツネっていますから、それよりも何故、この建物はボロボロなのですか?ここは『ヘル・デア』の中心都市何ですよね?」


「‥‥‥‥‥‥右膝がまだ、痛いんだが?アヤネ」


「はい!全力でツネっていますから。では、(わたくし)の質問に答えて下さい。セツ君」


「‥‥‥‥‥右膝が‥‥‥‥‥‥くっ!『ロマ・テレシア』は独自の独裁政治を強いているんだ。そのせいで、『ガリア帝国』にある冒険者ギルド本部『ウルバリン』から派遣されてくる人数にも制限を設けておるんだ。つうか、そろそろ、離してくれアヤネ!」


ムニッ!


「ヒィ、お腹に痒みが!!」


「フンッ!軽い身体強化系の魔法だ。思い知ったか!このヤンデレ幼馴染み元カノよ」


「誰がパーフェクト美少女アヤネ様ですか!褒めすぎですわ」


「‥‥‥‥‥誰も褒めてねえよ。そして、俺が言ってやった事の一文字も合ってねえよ」


「まぁ、(わたくし)と復縁したいだなんてウェルカムですわ。セツ君」


「‥‥‥‥‥‥コ、コイツ‥‥‥‥‥‥」


この旅で更に図太く、図々しく成長していないか?


いや、俺の勘違いであってほしいものだ。


「夫婦喧嘩も終わりましたか?‥‥‥‥ (ナルカミさんには他にも近しい少女達が居たと思いましたが‥‥‥‥今は止しときましょう)‥‥‥‥‥‥時にナルカミさん。そのカルヴァトス酒が注がれた黄金の杯は何なのですか?」


「ん?あぁ、これは〖成らし〗‥‥‥‥召喚の下準備だな」


「召喚の下準備ですか?」


「そう、この戦いの勝敗を左右する下準備‥‥‥‥‥‥パーシヴァル卿は知っていると思うけど、神獣以上の位の存在を喚ぶには、呼び出すなりの対価、供物、契約等が必要なのは知っているよな」


「えぇ、僅かですが文献や各地の伝承にも少し記述があると聞いた事がありますね」


「それがこれだよ」


俺はパーシヴァル卿にカルヴァトス酒が入った黄金の杯を見せた。


「〖酒に杯を注ぐ〗ですか‥‥‥‥‥六つの酒種が飲み干された時、聖少女は甦り‥‥‥‥‥‥ヘスティア地方の古き伝承ですね」


「そうだ。その成らしの一回目が、このガルヴァトス(リンゴー)酒なんだ。『セルビア』の時は強制契約だったが今回は正規の契約召喚で来てもらう予定だ」


「‥‥‥‥‥そうなんですか。私も決戦の時にはお役に立てる様に〖ロンギヌス〗との『神代・回帰』を間に合わさせて見せますね」


「ロンギヌスとの神代・回帰?そんなのできるのか?‥‥‥‥‥‥‥いや‥‥‥‥うん。その時はよろしく頼む。パーシヴァル卿」


俺達はそんなやり取りを交わしながら、明日の『ヘル・デア』襲撃に備えるのだった。



◆◆◆◆◆

そこは大きな館だ。『ヘル・デア』の中心に威風堂々とした強大な収容施設を構え、エウロペ大陸や他大陸へと日夜、質の良い奴隷を出荷している。ヘスティア地方最大の闇市と化している場所である。


『ヘル・デア』・紛争統治地区


〖獣人、魔獣〗収容エリア


「ワンッ!ワンッ!ワンッ!」


「クゥーン、クゥーン、クゥーン」


「ニャー、ニャー、ニャー、」


「出してくれ!!」


「売らないで!!私は正当な入国を!!!」


カツン‥‥‥‥‥カツン‥‥‥‥‥‥


『元貴族、エルフ族』収容エリア


「わ、私はガリア帝国の王族に連なる者なのです!!だ、誰か話しだけでも聞いて下さい!!」


「む、娘を返してくれ!!私の一人娘なんだ!!」


「うぅぅ、わざわざ『セルビア』から観光で来た筈なのに、何故、捕まるんだよ」


「‥‥‥‥‥‥‥私は妖精とのハーフなのよ!こんな檻くらい!!」


カツン‥‥‥‥‥‥カツン‥‥‥‥‥‥



『魔法族、魔族、龍族』希少価値エリア


「‥‥‥‥‥‥屈辱なり」


「我が剣が‥‥‥‥通じないなんて」


「夜叉巫女様は何処に行かれたのだ?何処にいらっしゃるのですか?」


カツン‥‥‥‥‥‥カツン‥‥‥‥‥‥‥


『霊獣、地獣、竜種』希少獣収容エリア


「知性ある。我等をこの様な場所に‥‥‥‥‥‥‥許さぬ」


「グロロロロ!!グオオオオ!!!!」


「ギャオオオオ!!!ウルオォォ!!!」


カツン‥‥‥‥‥‥カツン‥‥‥‥カツン‥‥‥


「相も変わらず。商品の手入れは怠っていないのだな。土星(パイノーン)サータ・エンケラドス殿」


「‥‥‥‥‥シリウス様‥‥‥‥‥‥数日振りですね‥‥‥‥‥‥彼等は我が国に潤いをもたらす者達。大切にしない道理は無い‥‥‥‥‥」


「そうか。それは何より、我等の主たる【教皇】様もお喜びになるだろう」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥えぇ、その通りです‥‥‥‥‥‥‥偽りの【教皇】等入らぬは (ボソッ)」


「ん?何か聞こえたが?‥‥‥‥‥いや、気のせいとしておこう。ではな、暫くの間はこの『ヘル・デア』に滞在する事になる予定だ、世話になる」


「‥‥‥‥‥‥‥‥はい‥‥‥‥‥‥‥全ては『ロマ・テレシア』の信仰のままに」



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