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鵺と猫族の少女は木星を穿つ No.6 俺(私)は普通なんだ②


「‥‥‥‥‥首切りさん。貴方、心までもあっちに呑まれ始めてますよ。全く、『ロマ・テレシア』という宗教国家は魔法世界の禁忌に触れ始めているのですかね?本当にしょうがない‥‥‥‥‥‥‥‥ご主人様はそこら辺の境界線に凄く敏感ですので何も起こりませんが、ロマ・テレシアの【教皇】さんは関係ないみたいですね」


「いくら俺が異常者の掃き溜めである『ゲルオラ』地帯を任されているからと【教皇】樣の悪口は聞き捨てならない。あの方の悪口を言うものは‥‥‥‥殺し、首を切り落とす。それが俺の‥‥‥‥‥願い」


「成る程‥‥‥‥精神的に異常がある方には精神汚染で徐々に従わせていくんですか、‥‥‥‥‥これはなかなにエグい事をするんですね。あのの国のトップの【教皇】は」


「お前ぇ!!!!小動物のクセに俺達。信徒の【教皇】様を侮辱する気かぁ?!!粛清してやる!!木石魔法『木遠斬』」


(殺せ‥‥‥‥‥)

ザワ‥‥‥‥‥‥‥。


?!‥‥‥‥‥俺は木石魔法を小動物と魔法装束の女に向かって放つ。円盤状の『異物な何か』を奴等へと。


「当たれば!即死だな!!小動物!!!」


(消せ‥‥‥‥‥殺せ‥‥‥‥‥‥首を切れ)

ザザザ‥‥‥‥‥‥。


つっ!何だ?また、頭の中で何かが呼び掛けて‥‥‥‥‥‥。


「カーリー嬢!!すみませんが!お願いします!」


「‥‥‥‥は、はい‥‥‥‥魔法札(水)解放‥‥‥‥‥‥水魔法『爆水』」


「ナイスです!転移魔法『爆水・転束』」


シュン!シュン!シュン!


「何?!何もない場所から大量の水ができてて俺の攻撃を防ぐだと?」


「それだけじゃあ、ありませんよ!『水転移』」


シュン!

「ガバッ!‥‥‥‥‥‥‥ゴバッ?!」


先程と同様、俺の身体の真上から勢いよく水流が流れてくる。


(何をしている‥‥‥‥‥‥狩れ‥‥‥‥苦しませろ‥‥‥‥‥殺せ‥‥‥‥‥)

ザワ‥‥‥‥‥ザザザ‥‥‥‥ザ‥‥‥‥‥‥。


「う、うるせぇ!!さっきから誰だ?‥‥‥‥つうか、木石魔法って何だ?‥‥‥‥‥俺が昔‥‥‥‥使っていた魔法はもっと‥‥‥‥希少性が高い‥‥‥‥緑‥‥魔法‥‥‥で?」


(‥‥‥‥‥ただの苗木が‥‥‥‥‥‥良く喋る‥‥‥‥‥そろそろ変われ‥‥‥‥無価値な苗床よ‥‥‥‥‥)

‥‥ザ‥‥‥ザザザ‥‥‥‥‥‥ザワ‥‥‥‥‥


「は?変われだとた?いったいさっきから【俺の中】で何が起きてやがる?」


(消え行く自我に価値は無し‥‥‥‥‥悪の苗木はここに‥‥‥‥‥●●●‥‥‥‥‥‥生える‥‥‥‥‥)

ザザザ‥‥‥‥ザワザワ。


「がぁ?お、俺の意志が!!や、止めろ!!失くさないで!!来るな!止めろ!止めてくれ!!!アアアァァァ!!!」


‥‥‥‥‥‥俺の意識が‥‥‥‥‥死んでいく‥‥‥‥俺の人生が、俺の意志が、俺の自我が、俺の行動が、俺の未来が、俺の、俺の、俺の魂が書き替えられていく。嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!


アアアァァァ!!!止めろ!止めてくれ!意識が乗っ取られ、俺が俺、自身に殺されて‥‥‥‥‥‥いった。


「‥‥‥‥‥‥やっと入れ替わり‥‥‥‥消えてくれたか‥‥‥‥リーグ君‥‥‥‥‥邪魔な水滴だな‥‥‥‥‥『●●●』!!」


リーグ君だった、私はゆっくりと水滴を払った。


ドドドドドドドド‥‥‥‥‥シュン!


「なっ?!あれ程のあった大量の水を一瞬で消した?‥‥‥‥いえ?蒸発させたのですか?」


「‥‥‥‥‥何だ、久しいな‥‥‥‥奴等の使いの者か?‥‥‥‥成る程。私がリーグ君から出てこれたのも君が近くに居てくれたお陰か?成る程。それは僥倖‥‥‥‥‥では、その僥倖に感謝して殺してあげようか?使いの者君」


「オエェェ!‥‥‥‥あ、あれですよ‥‥‥‥タマキさん‥‥‥‥歪みの魔力の源は‥‥‥‥‥あんなもの‥‥‥‥何でこんな‥‥‥‥場所に存在して‥‥‥‥‥オエェェ!!!」


「カーリー嬢?!いけませんね。あの人の魔力残滓に当てられて‥‥‥‥魔力暴走を引き起こそうとしてる‥‥‥‥つっ!転移魔法『黄金牢獄』」


シュン!


「ん?おぉ、転移魔法か!‥‥‥‥懐かしいね。それ‥‥‥‥‥昔から一部の者しか使えない希少性の高い魔法だった‥‥‥‥寄越しなさい。この私に‥‥‥ねぇ?奴等の使いさん」


‥‥‥‥ザザザ‥‥‥‥ザザザ‥‥‥ザワザワ‥‥‥‥


私は目の前の小動物に優しく近づく。慈悲深く、上から目線で、心優しく、虫けらを見るように、無価値な者に触れてやろうとする。


「くっ!来ないで下さい!!何なんですか?貴方はいったい?先程の方とはまるで違う」


‥‥‥ザザザ‥‥‥ザワザワ‥‥‥


「そりゃあ、そうさ、私は‥‥‥‥あのリーグ君とは違う存在?‥‥‥‥いや、上書きしたのかな?‥‥‥‥いや、リーグ君の無価値な経験は私の中に残っているんだけどね。いらないのだけど‥‥‥‥‥それよりも今は君の転移魔法だよ。良いね、その力。凄く良い、色々な場所に行ける」


‥‥ザザザ‥‥‥ザザザ‥‥‥‥


「こ、来ないで下さい!!くっ!『黄金の牢獄』」


シュン!シュン!


目の前の小動物君は黄金色の鎖を私に放つ。

此方の魔法は差程、興味は引かれないな。


‥‥‥‥‥ザワザワ‥‥‥‥ザザザ

「うーん、こっちはいらないかな。此方の世界の知識もいらないね。全て沈めれば終わりだし‥‥‥‥それよりも転移魔法を貰うよ。さぁ、一つになろうか‥‥‥‥使いの君」


「ぎぅ?か、身体が?動かな‥‥‥‥」


私が小動物を掴もうとした瞬間。


《世界の異物を介入させる程、我々は寛容ではない。即刻、退場しろ‥‥‥‥苗木の者》


何処からともなく彼の声が聴こえる。


ザザザ‥‥‥‥ザザ‥‥‥‥ザワ‥‥‥‥

「おや、今回、見つかるのは早かったか‥‥‥‥‥‥良かったね使いの者君。君の勝ちだよ。パチパチパチパチ!拍手ー」


私はわざとらしく於けて称賛の拍手を小動物に向ける。


「‥‥‥‥‥貴方はいったい何者なのですか?それにうちの勝ちとは?」


怯える顔をしながら私を見つめる小動物。あぁ、なんて壊したくなる様な表情をしているだろうか。


‥‥‥ザザザ‥‥‥‥

「私かい?‥‥‥‥私はね‥‥‥‥」


《‥‥‥‥‥この世界に介入するな。死ね》


スパンッ!!!


‥‥‥‥ザザザ‥‥‥ザザ‥‥‥


「あー、せっかく来れたのに‥‥‥‥もう追い出されるかい」


空中に私の頭が舞っている。先程までくっ付いていた胴体が力なく地面に倒れ始める。さようなら、此方の世界‥‥‥‥また会う日まで‥‥‥‥‥。それは無いか


グシャッ!


「なっ?!顔が破裂してしまった?」


《○○○よ。ここで視た事は他言は許さない。先程の三名の記憶も貰い受ける‥‥‥‥‥では、我々も此方の世界から立ち去る‥‥‥‥‥創造神に宜しく伝えよ。ではな‥‥‥‥‥‥》


‥‥‥‥ザザザ‥‥‥ザザザ‥‥‥‥シュオン‥‥‥‥。


「‥‥‥‥あの声はいったい?‥‥‥‥‥いえ、これ以上の詮索は止めておきましょう。今はカーリー嬢の容態を視ないと!」


シュン!


そして、その場に誰も居なくなり。静寂に包まれた。


‥‥‥‥‥‥あれは別の世界の者。この世界とは異なる異物。


世界が違う。


理が違う異物。


介入は許さない、許されない。


この世界の話に割り込めない者。


『苗木の異物』

今回、登場した『私』は‥‥‥‥‥いつか別の世界のお話で活躍するかもしれませんね。


多分、数年後位に‥‥‥‥‥

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