鵺と猫族の少女は木星を穿つ No.2 白き花の加護(アルバ・フロース・アナクレトス)
『ゲルオラ』国・廃城・アルカラ
「おぉぉ!神々しくも怖いお方の為にいぃぃ!!今日も信仰を御披露目致します!!親愛なる【教皇】様!!!」
「お、お止めください!!土星様!!そのお方は【教皇】様への貢ぎ物です!!」
「嫌です!!止め‥‥‥‥」
グサリッ!
「おおぉぉ!何たる事か!!天命により、この娘の生命はこの時を持って終わってしまうとは!!何たる事か!!!悲しき紛争国の貧乏貴族よおぉぉ!!」
「あー、あー、アルモシュタラ様がまーた、ゲルオラ諸国の貴族を殺してらぁ。つうか、これで何回目だよ!この国周辺の奴等は『ロマ・テレシア』への労働様の貢ぎ物だってのに。なぁ、リッチ副神官様よう」
「それは余りにも木星様に失礼だぞ。あんな熱心な狂信者に向かって何たる言い草か!」
「‥‥‥‥‥‥いや、あんたも大概ヤベー奴なのなー、つうか」
「何だと?貴様!はては貴様、七聖教会の回し者か?」
「‥‥‥‥‥‥なんでそうなんだよ。全くよう!ヘスティア地方じゃあ、アクレール港経由しか渡航もできねえんだぞ。それに『ロマ・テレシア』の信徒か例の『女の国』の奴隷になるかの二択しかねえじゃねえかよ。それ以外は紛争地帯に住まわせて、永続的な内乱生活と『死の大地』か西海の果『オケアノ』への追放しかねえじゃねえかよ!そんな場所で生きる俺が何で七聖教会の回し者になるんだよ」
「‥‥‥‥‥‥長々とした言い訳だな。だが、リーグ副神官の『ロマ・テレシア』教の真摯なる信徒だとハッキリとした!これは奇跡!!【教皇】様の奇跡なりいいい!!!」
「おおぉぉ!輝かしお方!【教皇】様!!!このわしは一生付き従いますぞおぉぉ!!」
「我々の真摯なる信仰心をお認め下さい!!【教皇】様!!!!」
「「おおぉぉ!」」
グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!
「いやあぁぁ!!」「や、止めてくれ!ワシはゲルオラの王族ぞ!!」「お母様!!!」「ご主人様!!」
木星・アルモシュタラとリッチ副神官は半狂乱になりながらゲルオラの王族関係者達を容赦なく惨殺していく。
「‥‥‥‥‥‥おいおい!あんたら、マジで狂ってんな‥‥‥‥‥つうか、どうすんだよ!勢い余ってゲルオラの王族だぞ!!こんな事が本国に知れたら何を言われるか」
「大丈夫じゃ!リーグ副神官。全ては【教皇】様が許して下さる!!我が煌々たるお方は全てを許して下さる!」
「その通りです!その通りですとも!木星様!!!」
廃城・アルカラ郊外
マーリンの『転写魔法・合せ鏡』
「‥‥‥‥‥‥何ニャア?コイツら、イカれてるニャア」
「ちょっと!セシリア嬢ちゃんよう!俺の鬣をそんな強く掴まないでくれ!抜け落ちるだろうが!」
「あれが狂いの木星とその片腕のリッチ副神官ですか?理事長」
「うん。そうなんだけどね‥‥‥‥‥想像異常にヤバい子達みたいだ。まさか、ゲルオラの王族関係者達を殺してしまうなんてね‥‥‥‥‥‥‥ふむ、『ロマ・テレシア』教の内部は想像以上に闇が深いみたいだね。エウロペ大陸の中でもヘスティア地方の人工が二番目に低いのもこんな事が日常茶飯事に行われているのなら納得もいくね」
「どうしますか?理事長。あの人達に見つからない様に静かに侵入して‥‥‥‥‥‥」
「いやいや、時間も勿体ないし。彼等をこのままほ放っておくわけにはいかないしね‥‥‥‥‥‥私はここに残って彼等が逃げられない様に結界を張っておくから君ら三人であの子達を倒してきなよ」
「は?オニャエ、何言ってるニャア?マーリン!あんニャ、頭の可笑しいニャツラの前にわっち等を行かせる気なのかニャア?オニャエ、それでも『魔術院』の理事長なのか‥‥‥‥‥‥」
「ではでは、時間も押しているし行ってみようかっ!今回は『神明』でいこうかな。神明・回帰‥‥‥‥『白き花の加護』」
魔法世界・アリーナでの魔術師・マーリンは世界最高峰の魔法使いである。長き時を生き、救済、天災、厄災を経て。現在は人類側の加護する者へと変化した。
そんな彼女は四つの異なる魔法を使用する。
一つは神代魔法。使う色は〖白銀〗と〖藍色〗
一つは現代魔法。使う魔法は〖闇魔法〗
一つは神明魔法。使う魔法は『白き獣と花の力』
一つは●●●●。世界の理を壊しうる『●●』
規格外の能力を持つ彼女が今回使用する魔法は神明魔法である。
白き獣と花が交わる。夢魔の力の一端がこの紛争地帯。『ゲルオラ』に降臨し、蹂躙する事を彼等、狂信者達は未だ理解していない。
「隔離するよ。快楽殺人者達。白き花弁は壁を、白き包みを保つ」
「ニャア?白い空間が大きくなっていくニャア!」
「こりゃあ、鳴神様。レベルの力か?あの白のお嬢ちゃんは何もんなんだい?」
「‥‥‥‥‥現代魔法の生みの親。〖白銀の魔女〗・『マーリン』その人ですよ‥‥‥‥鵺さん」
神と同等の力が牙を向く。