剣聖 VS 水星 No.2 水星の過去
神代末期
(ここに神代の終結を宣言する!お前達。愚鈍な信徒共よ!これからの時代、俺様に媚びへつらい服従しろ。そうすれば、貴様らの欲を満たす為、俺様は全力で答えてやる)
(おぉぉ!【教皇】様!!!)
(新国家ロマ・テレシアに栄光を!!)
(我々の新たなる光!!)
(邪教!七聖教会に神罰を!!!)
(‥‥‥‥‥‥‥あれが‥‥‥‥‥‥新宗教の【教皇】様ですか?お婆様)
(えぇ、そうですよ!ディエース。貴女は次期アウェンティヌスの当主として、【教皇】様に付き従い服従するのです。それが我々‥‥‥‥)
(信徒の喜びですよね?お婆様!デイエースは全て理解しています)
(まぁ、流石は私の孫にして次期アウェンティヌス家当主。全ては親愛なる【教皇】様の為に!!!)
‥‥‥‥‥‥‥あぁ、気持ち悪い。気持ち悪いです。お婆様
何が親愛なるですか?お婆様。
あの日の出来事を私はちゃんと覚えているんですよ。
数ヶ月前まで居た筈の『法王』様が殺された事を。そして、私の目の前にある壇上立っている新【教皇】様率いる『ノマド』の人達がこの国を乗っ取った事も。
‥‥‥‥‥‥あぁ、でも言えない、言える訳もない。私はテレシア国の貴族の次期当主。そんな事、口が裂けても絶対に言えない。
言ったら最後。私達はあの『放浪者』達に殺される運命なんだから‥‥‥‥‥‥。
現代・初期
テレシア大聖堂
(ほおぅ!貴様がアウェンティヌス家の才女か‥‥‥‥‥これはなかなか!どうだ?水星は称号は受け継がつ俺の妾になるつもりはないか?)
(い、いえ!私はそんな‥‥‥‥‥‥昔から家族から愚鈍やら鈍間等と言われ、身体には幼少期の稽古で受けた切傷も複数あり‥‥‥‥‥‥)
(ハハハ!そうか!ここまで拒否されるとは思わなかったぜ!いや、冗談だ。ディエース・アウェンティヌスよ!今日から貴様が亡き、貴様の婆に変わって水星を名乗ると良い!西地帯の運河の攻略を一任してやる。ちゃんと働けよ!我が親愛なる信徒(奴隷)よ)
(‥‥‥‥‥‥‥‥はい。●●●●●教皇様)
あぁ、嫌だ。嫌だ。
あの目付き、あの気持ち悪い魔力残滓、人を人とみなさい残忍な精神。
今の【教皇】は嫌いだ。
でも、この国には、私の思い人ラダ・テラや大切な家族が居る。
我慢しなければ、アイツ(教皇)は無慈悲で容赦のない【何か】なのだから。
現代・アクレール港
「どうした!どうした!水の剣の形を維持できていないぞ。水星殿よ!」
「黙りなさい。剣聖!!」
(闘いが始まって数刻が過ぎた‥‥‥‥‥というのに目の前の男は息一つ乱していない。
いや、私、自身もまだ膂力はまだある。あるが‥‥‥‥この目の前に立つ男の底が全く見えない。こんな男がロマ・テレシア国内に浸入すれば討伐はできるだろうけど、大惨事になりかねない)
「色々と考えている様だな。お主には悪いが拙者達はここを拠点に国造りをさせてもらうぞ」
「はぁ?国造り?貴方!何を意味分からない発言を‥‥‥‥」
「〖法王〗と言えば話は伝わるか?水星殿」
「?!何で剣聖である貴方がその事を?」
「拙者の雇い主は初代ロマと面識があるようでな」
「はっ?初代ロマ様?こんな時に何を冗談抜かしているのです?初代ロマは【教皇】様により‥‥‥‥‥‥」
「『魔窟』へと落とされたのだろう?カミナリ様の手紙にはそう書いてあったが」
「『魔窟』ですって?何でそんな場所に初代ロマ様が?初代様は今、何処に入るのです?」
「それは教えられぬ。拙者達は初代テレシア家の生き残りを探し、その者を新たなる支配者〖法王〗にする気だ。まぁ、こんな、圧政と人を人とも扱わぬ国。無くなった方がエウロペ大陸の為でもあろうしな」
「‥‥‥‥‥その言葉。聞き捨てなりませんね。我が国家『ロマ・テレシア』は慈愛と保護を目的とした崇高な国なのです」
「人身売買と飢餓の間違いだろう?『ロマ・テレシア』はエウロペ大陸の犯罪組織の隠れ蓑なのだろう?そんな国潰してしまった方が世の為、人の為だ」
「そんな事、他国の者が易々と口にしないで下さい。私達の国には私の国のルールがある。そんな勝手な介入を我々、五芒星を始めとした信仰心の高い〖ロマ・テレシア〗信徒が話を聴くとでもお思いですか?」
「ん?拙者の調べでは〖ロマ・テレシア〗の国民の半分以上は圧政に苦しみ。一部の特権階級だけが〖ロマ・テレシア〗に対する信仰心が強いと聞いたがな?それにあるエルフから聞いた話では、神代の頃はそうでは無かったと涙ながらに語っていたぞ」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「お主ら、他の国や多種族から相当に恨まれているな。拙者がこのアクレール港を解放し、カミナリ様が助けた国々は喜んで手を貸してくれよう。そうなれば後は、坂を転がる小石の様に後戻りはできなくなるな。水星殿よ」
「どうやら、剣術だけでなく、知略も長けているとは‥‥‥‥‥どうですか?このまま私と伴って〖ロマ・テレシア〗の剣術指南役として、【神都】で暮らすというのは?」
「いやいや、そんな黒い噂しか聴かぬ国などごめん被るよ。五芒星の一柱。水星殿。地形魔法『天地・剣投』」
「そうですか。残念です‥‥‥‥‥‥交渉は決裂ですね。剣聖グレイ・オルタナティブさん!水星魔法『水星球』」
剣聖グレイは地の力を水星・ディエースは運河の力を最大限利用し、再び闘いが再開された。
(地形を操る魔法に地魔法を魔法剣に付与しながら闘うなんて‥‥‥‥滅茶苦茶じゃない。それに剣聖はまだ、召喚術と神代・回帰を一切使ってきていない。ヘファイストス地方『テンプル』での大量虐殺をしてても壊れない精神。以上よ!以上!こんなのこっちも本気でやらないと倒せるわけがない)
「‥‥‥‥‥剣戟が鈍ってきているな。水星‥‥‥‥‥‥そろそろ本気でやれ?『斬地剣』」
スパン!
(は?切られた?この間合いで?何処を?‥‥‥‥‥‥右足から血が吹き出してる?)
「‥‥‥‥‥‥‥アアアアアアア!!!!!痛い!!!」
「拙者、女だろうと容赦はせぬよ。お主達。五芒星の悪行の数々も話は聴いている‥‥‥‥一切の容赦無く殺してやろう」
(目の前には‥‥‥‥‥‥‥未だに底が見えない剣聖。使うしかないわね。水星の召喚術を‥‥‥‥‥‥)
「顔付きが変わったな!水星殿。ごちゃごちゃ考えるのは止めたか?それとも降参してこのアクレール港を拙者に譲る気になったかな?」
「どちらも違います。私は貴方に勝つ!ただそれだけよ!水星・召喚術『水幻獣・〖フーア〗』!!」
ブオン!シュン!
「オオオオォォ!!!!!我が親愛なる水星様よ!我に命令を!」
「‥‥‥‥‥‥剣聖を打倒します」
「仰せのままに!!」
「海族を喚ぶとは‥‥‥‥‥‥なかなかに度し難し!」
〖フーア〗は
スコットランドのハイランド地方の民間伝承の凶悪な精霊や妖怪事です。
引用。wiki様より。




