剣聖 VS 水星 No.1 アクレール港・陥落戦
「‥‥‥‥‥剣聖‥‥‥グレイ・オルタナティブ?‥‥‥‥何故、こんな所にフレイヤ地方の剣聖が?‥‥‥‥意味が分からない?‥‥‥‥貴方、どうせ偽物か何かでしょう?」
「ふむ、お主はまだ、状況が飲み込めていないようだな。まぁ、良いか!カミナリ様の手紙には先に行って、好きに暴れて良いと書いてあったしな‥‥‥‥それに拙者、お主達には些か殺意を抱いている故、切り捨てよう!『次剣』!!!!」
「いえ、だから‥‥‥‥貴方、さっきから何を言っている‥‥‥‥‥えっ?」
スパンッ!
水星ディエース・アウェンティヌスの左肩から血飛沫が飛び散る。それは一瞬のうち放たれる剣聖グレイの殺意いの隠った開戦の狼煙。
「お主達は我々、七聖―女神―の眷属の一人に手を出した。いや、違うな‥‥‥‥‥お主は拙者達の仲間を!夜叉巫女殿に手を出した!その代償は高く付いたぞ!宗教国家・ロマ・テレシア!!!」
「この剣戟‥‥‥‥‥偽物じゃない!本物だ‥‥‥‥‥本物の剣聖の一太刀‥‥‥‥油断したわ‥‥‥‥今すぐこの事を本国に‥‥‥‥」
「させると思うか?五芒星の水星殿よ。拙者がそんな隙を与えると思っているのか?!地形魔法『天変・地殻』」
「な?剣聖が特殊魔法?!貴方、七聖の力を?!」
ヘスティア地方・アクレール港近辺の地形が変わっていく‥‥‥‥‥
剣聖の地形魔法により、アクレール港の地面は崩壊し、割れ、地の底が見えぬ程の断崖の地層が作り出され、アクレール港は陸の孤島へと姿を変える。
「これで‥‥‥‥‥外部との接触はたったぞ!水星とやら、このアクレール港は拙者の雇い主。カミナリ様が頂くぞ」
「まさか、地形そのものを変えてしまうなんて。それに何を勝手な事を!このヘスティア地方の玄関口〖アクレール港〗周辺はこの私。水星が長年に渡り管理統括する場所!そう易々と何処ぞの知らぬ奴に渡せるものか!」
「‥‥‥‥‥そうか!ならばお主は切り捨て殺そう。拙者はそもそも、ロマ・テレシアという国事態余り良く思っていなかったしな。良い機会だ‥‥‥‥夜叉巫女奪回と同時にヘスティア地方を解放してやろう」
「ヘスティア地方を解放?‥‥‥‥‥貴方、剣聖のくせに馬鹿なんですか?我々はヘスティア地方の約半分を支配する大国『ロマ・テレシア』ですよ!いくら貴方が剣聖だからって、たかだか貴方一人の力で何ができるというの?」
「拙者、一人では無理だろうな‥‥‥‥だが、我が雇い主は本気だろう‥‥‥‥‥だから、拙者もその気持ちに本気で答えようではないか!地剣術・『剛剣』」
「我がロマ・テレシアを‥‥‥‥‥私を‥‥‥‥水星を甘くみるな!!!水星魔法〖水練〗」
剣聖グレイの周囲一帯に無数の地の剣が形成され、ディエースに向かって行く。
その攻撃を防ぐ為、ディエースはアクレール港近くにある運河の水を操り剣聖グレイの『剛剣』をいとも容易く防いでみせる。
「ほう!それがヘスティア地方に伝わる力『星』の魔力か!水魔法と『星』の魔力を融合させ、水星魔法なるものを使う聖職者が存在すると聴いたことがあるが、よもやお主がその使い手とはな」
「我が国家の最大機密を何故知っているのです?剣聖グレイ!!」
「秘密とは探られ、いずれはバレるものだ。それに拙者には情報通の神獣様がついているのでな。お主がここを留守にしていた数日間で色々と調べさせてもらった‥‥‥‥‥ここでは言えぬ様な事までな」
「‥‥‥‥‥‥‥貴方はここで確実に殺します。全ては我がロマ・テレシア教皇の為に!」
「だから、ヘスティア地方は不毛の地などと嘲られるのだ。神代から燻り続けるその価値観。全て崩壊させてやろう。地剣術『地雷・一閃』」
「水星魔法『水疱聖』相手は剣聖‥‥‥‥‥長引けば此方が不利になる。スゥー‥‥‥‥‥アクレール港に集まる信徒達よ!私の元へ集まり、剣聖グレイの攻撃を受ける壁となりなさい!」
ズバアアアァァンン!!!
地の力と水の力がぶつかり合い相殺する。そして、肉壁となるロマ・テレシアの信徒達が
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥シーン。
「‥‥‥‥‥‥誰も来ない?それにさっきまで近くにいた筈の信徒達が消えている?何で?」
「拙者と相対する事に集中しすぎて周りを見ていなかったのか?水星殿。お主の部下なら今頃、地中深くにでも幽閉されてるだろうよ」
「地下?何を意味の分からないことを言っているのです?剣聖!!!!水星魔法『運河・水刀』」
水星は運河の水を圧縮し水の剣を造り出す、それを剣聖グレイに向けて振り上げた。
「ハハハ!五芒星・水星の力!存分に楽しませてくれ!水星殿!!『地霊剣』」
ドゴゴオオオンン!!!
場面変わり『アクレール港・地下牢屋』
シュン!
「うわぁ!!何処だ?ここ」
「はい!いらっしゃいませ!」
シュン!
「ギャアア!!」
「はい!また、一名様!」
シュン!シュン!
「痛い?!」
「あぁ、教皇様!!」
「ハイハイ~!どんどんぶち込みましょう!」
地上で剣聖と水星が死闘を繰り広げている中、一匹の神獣・タマキは、転移魔法を使い。次々とロマ・テレシアの信徒達を牢屋にぶち込んでいたのだった。