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集う五芒星(ペタルファ)

ヘスティア地方・〖ロマ・テレシア〗


テレシア大聖堂


カツン‥‥‥‥カツン‥‥‥カツン‥‥‥‥




死白色の通路の真ん中を一人の美男子が悠然と歩く。そして、少し離れた所から銀髪の少女が駆け足で美男子に向かって行く。


「シリウス様!!やっと見つけたよぉ!!何なの?いきなりの緊急招集って?ビックリしたんだけど!」


火星(ピュロエース)‥‥‥‥‥大声は慎むように‥‥‥‥ここは大聖堂。【教皇】様のお膝元です」


「えーっ!そんなんでロマ様がリルマに怒るわけないじゃん!ロマ様は優しいもん」


「‥‥‥‥‥‥‥ただの自惚れではないのか?いや、自意識過剰か?‥‥‥‥‥‥リルマーズ嬢」


「あっ!サータさん。また、私をバカにして!!そんな事ないもん!ロマ様は私に優しんだから!」


「いやいや、あのお方は昔から怖い方ぞ!‥‥‥‥‥‥そして、尊敬できる尊ぶべきお方でもある」


木星(パエトーン)教も来ていたか。ならば。後、二人揃えば全員揃うか‥‥‥‥‥」


『東星』シリウスが大聖堂の入り口を見ながらそう告げた時。


バタンッ!


「いやー、済まない!遅れてしまった。ラダの奴を捕まえに行ってたら、すっかり日がたってしまってね。いやー、本当に済まない!」


「くそっ!離せ!ディエ!!ロマの奴。直々の招集なんてろくな事にならないって!いつも言っているだろう!!」


大聖堂の扉を開け、一人の女性。その女性に引きずられながら一人の少年が文句を言いながら『西星』シリウスの元へと向かって歩く。


「これで全員揃ったか‥‥‥‥‥‥‥ロマ教皇様!五芒星(ペタルファ)。五名及び『東星』シリウスここに集い揃いました」



ブオン‥‥‥‥‥‥シュン!


「おう!ご苦労だった。シリウス!流石は俺様の右腕。仕事が早いな。誉めてやるぞ」


「勿体無き‥‥‥‥‥お言葉。感謝します」


「そして、わが親愛なる五名の信徒共も良く来てくれた!どいつもこいつもなかなか顔を出さないから会うのが数世紀ぶりの奴もいるな?」


「ふんっ!誰が好き好んであんたなんかに会いたがるだよ!闇教皇‥‥‥‥‥」


「バカッ!ラダ!黙っていなさい。聴こえるわよ!」


バチンッ!


「痛っ!何すんだ!ディエ!!」


「だから、黙ってなさい!貴方は!」


「‥‥‥‥‥相も変わらずである‥‥‥‥‥」


「おー!おー!久しぶりにみたな。お前達の下らねえやり取りをよう。ラダとディエ!元気そうで何よりだ!ハハハ!会うのは数年ぶりだな?だが、そろそろそいつを黙らせとけ。次、喋らせれば殺す」


「は、はい!ロマ様。失礼至りました」


「ガッ?‥‥‥‥‥‥‥‥ンンン?」


「おお、良い子だな!ラダ!そのまま、一生喋らずにさせる事も可能だが‥‥‥‥‥‥会うのが久しぶり過ぎて、忘れた奴も入る。お前ら、俺様に軽く自己紹介しやがれ」


「はーい!了解です。ロマ様!!‥‥‥‥火星(ピュロエース)リルマーズ・アルカディア。火のような者がここに!」


ロマ・テレシア 五芒星(ペタルファ)

火星(ピュロエース)〗・リルマーズ・アルカディア




「‥‥‥‥‥‥‥土星(パイノーン)サータ・エンケラドス。照らす者がここに!‥‥‥‥‥‥‥‥」


ロマ・テレシア 五芒星(ペタルファ)

土星(パイノーン)〗・サータ・エンケラドス



「おぉぉ!神々しくも怖いお方よのう‥‥‥‥木星(パエトーン)アルモシュタラ・イオラベル。光る者がここに!」


ロマ・テレシア 五芒星(ペタルファ)

木星(パエトーン)〗アルモシュタラ・イオラベル



「教皇様。先程はご無礼を‥‥‥‥‥水星(スティルボーン)ディエース・アウェンティヌス。煌めく者がここに!」


ロマ・テレシア 五芒星(ペタルファ)

水星(スティルボーン)〗ディエース・アウェンティヌス


「ンンンンンンンンンンンン!!!!(金星(ポースポロス)ラダ・テラ。光をもたらす者がここに!!!!)」


ロマ・テレシア 五芒星(ペタルファ)

〖(金星(ポースポロス)〗ラダ・テラ


「「「「「以上、五名。ロマ・五芒星(ペタルファ)!我がロマ・テレシア教皇の元へ集い揃いました」」」」」


「‥‥‥‥あれ?普通に喋れた?」


「クッハハハ!!喋れて良かったな!ラダ。なかなか面白い話し方だったぞ!面白い」


「なっ!やっぱりお前の仕業か!ロマ!!!」


「だから、黙っていなさい。ラダ!」


「余興はこの辺にして本題に入るか‥‥‥‥‥ラストが『東星』がアルトネ大陸で死んだのはお前達も知っているだろうがな‥‥‥‥‥‥喜べ!今回、ラストの後任。新たな『西星』が決まった!」


「ラスト様の?‥‥‥‥後任ですかな?いったい?それはどの様な」


「あぁ、アルモシュタラは元々はラストに使えていたんだったな。それなら、気になってしょうがねえな!龍族の娘だ。アルモシュタラよ!


「龍族?‥‥‥‥‥‥それは何とも珍しいですな。良く見つけられたもので」


「だろう!それもただの龍族じゃない、『巫女』の称号を関する王族家系の者だ。本来なら『ニーズヘッグ』に入る龍族は盟約により、使役する事のできない縛りが発生するが。新たな『西星』になる龍族の娘は何が起こったかしらねえが、龍族の盟約の効果が消えている」


「おぉ、それは‥‥‥‥‥喜ばしいですな。恐ろしき教皇様」


「だが!だがだ!出てこい!〖夜叉の巫女〗よ!」


ズズ‥‥‥‥シュン!


【教皇】の近くの空間が歪み、その中から、〖夜叉の巫女〗が現れる。


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


「うわぁ!!可愛い!ロマ様!その方とお喋りしたい!」


「後にしろ!リルマーズ。それにコイツは此方に来てからというもの、一度も言葉を発してねえよ!」


「‥‥‥‥‥‥‥ロマ様が虐めるからですな‥‥‥‥‥‥」


「黙ってろ!サータ!たくっ!どいつもこいつも良く喋る信徒共だ。良いか!〖夜叉の巫女〗は龍族の盟約による護りはねぇ!ねぇが、変わりに厄介な護りがある。それがこれだ!」


【教皇】が夜叉の巫女に触れようとした瞬間。


「‥‥‥‥‥‥ッ!」


ズズズズズズ‥‥‥‥バリバリバリバリ!!!


夜叉の巫女から強烈な雷撃が【教皇】の手に当たる。


「「「「「?!!!!!」」」」」


「‥‥‥‥‥‥‥分かったか?そうだ。コイツは龍族の盟約よりも強い何者かの《契約》で護られてやがる。この〖夜叉の巫女〗に指一本でも触れようものなら、身体が焼き焦げる位の雷撃が俺達を襲うって寸法だ」


「‥‥‥‥‥‥微かに和国の魔法とアルトネ大陸の剣封術の術式が組み込まれてますな‥‥‥‥‥‥‥」


「だろう?!他大陸の複雑な契約術式まで組み込んで全力で〖夜叉の巫女〗は護られてやがる!‥‥‥‥‥ならよう!手っ取り早くこの契約術式を解くにはどうすれば良いと思うよ!シリウス!」


「はい!【教皇】様。契約術式の大元‥‥‥‥‥‥《夜叉の巫女》殿が契約されている者を殺すのが一番の近道かと」


「だな!‥‥‥‥‥‥話は理解できたな!お前ら。そいつはこの〖夜叉の巫女〗を救いにここに殴り込みに来る。お前ら五芒星(ペタルファ)共はそいつを‥‥‥‥偽装野郎を殺して俺様の元へ首を届けに来い!持ってきた奴には‥‥‥‥‥『ラグナログ(神々の黄昏)』大アルカナ『節制』の席を約束すると誓おう」


「「「「「?!!!!!」」」」」


【教皇】のその一言で雰囲気が変わる五芒星(ペタルファ)達。


「なっ?!【教皇】様。それは真か?恐ろしき教皇様」


「はーい!ロマ様。私、ロマ様の為にその偽装ちゃんを殺して来ますー!」


「‥‥‥‥‥‥‥何とも太っ腹であられるお方。このサータ・エンケラドスがついに大アルカナの一人に‥‥‥‥クックック‥‥‥‥‥‥‥」


「すげーな!ロマの奴!太っ腹にも程があるだろう?なぁ、ディエ」


「【教皇】様は数日前。ヘファイストス地方『オアシス』へと向かったは‥‥‥‥‥‥だったらその偽装さんは‥‥‥‥運河を渡って来る筈。なら‥‥‥‥‥」


「ん?ディエ?どうした?ブツブツ一人事を言って?」



「‥‥‥‥‥‥‥教皇様!それは余りにも勝手では?」


「いや、逆だ。偽装野郎が来るなら裏切り者の『節制』も一緒に来る事になる‥‥‥‥‥我々『ラグナログ(神々の黄昏)』を裏切ったんだ。偽装野郎もろとも殺し、首を『無闇の部屋』へと持っていくぞ。シリウス」


「そして、空いた席にはロマ・テレシアの信徒を添えるということですか?【教皇】様」


「そうだぜ!シリウス(星)。上手く事が運べば、【教皇】『節制』『星』『審判』の四つ席が俺達のものになる。そうすれば『ラグナログ(神々の黄昏)』の中での俺様の発言力も増すとだろうよ!ハハハハハハ!」


「御見逸れ致しました。【教皇】様はそこまで読んで入らしたとは!感服したしました。」


「誉めるな!誉めるな!‥‥‥‥‥良し!殺ることは理解できたな。お前ら!今回は緊急招集させて済まなかったな!帰りは無闇の移動で一瞬で帰らしてやる!では、また、会おう!我が親愛なる信徒共よ!‥‥‥‥‥〖無闇の道〗」


ズズズズズズズズ‥‥‥‥‥‥‥‥。


「じゃあねえ!ロマ様と〖夜叉の巫女〗様!また会おうね!」

ズズズズ‥‥‥‥‥。


「‥‥‥‥‥‥準備をしなくてはな‥‥‥‥‥色々と‥‥‥‥」

ズズズズ‥‥‥‥。


「おぉぉ!神々しくも恐ろしき教皇様。また、お会いしましょう」

ズズズズ‥‥‥‥。


「帰ったら直ぐに兵を港に集めなくては‥‥‥‥‥教皇様。シリウス様。失礼致します」

ズズズズ‥‥‥‥‥。


「もう一生来ねえからな!こんなアホみたいな集か‥‥‥‥‥」

ズズズズズズ‥‥‥‥‥。


「ふんっ!最後は五月蝿い。ラダが残ったか‥‥‥‥ワンワンワンワンと。良く吠えるな」


「そこが気に入って入るのでは?」


「まぁな、あの何も隠さない真っ直ぐな反抗心は一番に信用できる。逆に余りに喋らない者は疑心暗鬼が生まれるものだが、なぁ、〖夜叉の巫女〗よ!お前もそう思うだろう?おい?」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


「ハハハ!その目!良いぞ!反骨精神の塊だ。、だから、約束してやる。お前と『契約者』との契約パスが切れた瞬間。お前は俺のモノにするとな!偽装野郎の首の前でそう誓わせやるよ!ハハハ!今から楽しみだな!我が新たなる〖西星〗夜叉の巫女よ!ハハハハハハ!」


「‥‥‥‥‥‥‥‥くっ!」




場面変わり。


ヘスティア地方『アクレール港〗・正面入口


ズズズズズズ‥‥‥‥‥‥。


「ディエース・アウェンティヌス様?何故、このような所に?」


「黒い渦から‥‥‥‥ディエース様が出てきた?」



「‥‥‥‥‥まさか、本当に一瞬で戻って来れるなんて‥‥‥‥‥ビックリしたわ。いえ、今はそんな事よりも軍を編成してアクレール港を閉鎖して‥‥‥‥」


「いやいや、そうはいかぬよ。聖職者殿!港は通常通り運行して頂こう」


「はっ?誰ですか?ここはロマ・テレシア国の信徒兵しか入ることが許可されていない民間人は‥‥‥‥‥」


「拙者、流浪の剣士。依頼主カミナリ様の手紙を受け取り、先立ってこのアクレール港をもらい受けに来た。グレイ・オルタナティブ!参上致した」




七聖―女神―フレイヤの眷属。『剣聖グレイ・オルタナティブ』登場






やっと五芒星(ペタルファ)達を登場させる事ができました。

あぁ、長かった。

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