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ルドルフの帰還


死白色の男、襲撃から数日後。


『オアシス・サンクチュア』・鍛冶屋の里・ヘファイストス神殿


「では、神成様。こちらが今回、修復した『神煌具』とお持ち頂いた素材使用した武器になります。神成殿」


「ヘファイス・ノエマン族長。ありがとうございます。急がせてしまって申し訳ありません」


「いやいや、此度の『殺人鬼』達による通り魔事件を解決してくれたのです。『鍛冶屋の里』一同が感謝しております」


「‥‥‥‥‥ですが、その後が問題でした。『殺人鬼』達よりも厄介な死白色の聖職者の襲来。あれのせいでルドルフさんは行方不明。中央特区(セントラル)・オアシスの大時計塔と展望台に居た人達は瓦礫に潰されて多くの人が死んでしましいました」


「死白色の聖職者ですか‥‥‥‥‥それはヘスティア地方の宗教国家『ロマ・テレシア』で間違い無いでしょうな‥‥‥‥‥‥急ぎ旅支度を整えている理由は『ロマ・テレシア』へ行く為ですか?」


「そうですね‥‥‥‥‥‥ヘスティア地方には‥‥‥‥いや、聖職者に俺の大切な仲間の一人が連れ去られました!俺はその子を絶対に救いに行かなくては行けないんです。そして、どんな手を使ってでも救い出します!」


「流石は元勇者・神成殿ですな。私達、鍛冶師は闘う事はあまり得意ではないですが、もしも、御使いの武器達が疲れ始めたり、何か困った事があれば、この『オアシス・サンクチュア』へと来てくだされ。我々、鍛冶師一同歓迎致します」


「ヘファイス族長‥‥‥‥‥‥はい!その時はよろしくお願いします!」


その後、俺とヘファイス族長は固い握手を交わしたのだった。



ギイィィ!!ガゴンッ!


「おぉぉ!ここに居ましたか!ヘファイス族長!」


ヘファイストス神殿の大扉が静かに開き、大扉から族長補佐が神殿内に入って来た。


「何ですか?今は神成殿と懇談中です」


「こ、これは失礼致しました。ですが、緊急の報告が!刀匠ルドルフがオアシスへ帰還しました。それを早く族長や神成殿に伝えようと思い、走り回っておりまして」


「ルドルフさんが?!」


「帰還したですと?オルギ補佐長」


「は、はい!カーリーと名乗る女性と伴って、ガリア帝国から転移して来たそうです」


「カーリー?‥‥‥‥そんな事より!先ずは」


「我が弟子。ルドルフに会いましょう!」


ん?我が弟子?つうことはヘファイス族長はルドルフさんの鍛冶師としての師匠だったのか?

‥‥いや、それよりも先ずはルドルフさんの所に行かなくては。


‥‥‥‥‥‥‥。


〖オアシス・サウス〗復興現場

『ルドルフの武器屋』


「凄いですね。上質な魔道具や魔武器があちらこちらにあるなんて‥‥‥‥ガリアや魔法国ではなかなか出回らないものなのばかりです」


「そうか?このヘファイストス地方じゃあ、其処ら中に保管されてるがな。どれ!ここまで送ってくれたお礼だ!カーリー嬢さんが気に入ったもんがあったら持って行ってくれ構わんぞ」


「そ、それは本当ですか?刀匠ルドルフ氏が作った魔武器がただで頂けるなんて!マーリン理事長の旅に無理やり連れて来られた時は最悪な気分でしたが、今はあの人の旅に付いてきて良かったです。感動です!」


「お、おお‥‥‥‥そ、そうか。それは何よりだ。店の中にあるのは表の商品武器だから、好きなのを選んでくれ‥‥‥‥‥売れ残りだしな (ボソッ)」


「は、はい!ありがとうございます!」


そんなやり取りが店の中から聴こえてくる。俺達は逸る気持ちを押さえる事もできず、ルドルフさんの店の扉を強くノックした。


コン!コン!

カラン、カラン!


「ルドルフ!!!無事だったのですか?」


「ルドルフさん!帰って来たって?怪我とか大丈夫なのか?」

「ルドルフ氏」「ルドルフ!」「ルドル!!」「ルドルフのおっさん!」「じじい!大丈夫か?」「ルドルフさん!」


俺とヘファイス族長が店の中へと入り、その後からルドルフさんの鍛冶仲間や弟子達がわらわらと店の中へと突入してくる。ちなみに最後尾にはカンナも居た。どうやら、ルドルフさんが心配で『鍛冶屋の里』からこっそり抜け出して来たらしい、

‥‥‥‥‥‥つうか、滅茶苦茶いっぱいいないかルドルフさんの弟子達。軽く数百人は軽く超えてるよな。


「おぉ!ヘファイス師匠!よくぞご無事で!それに神成!無事たったか!ハハハ。良かった!良かった!それに我が弟子達もこんなに集まって来るとは」


「何がご無事で!ですか!君が行方不明と聞いた時は、心臓が止まるかと思ったんですぞ」


「何かぴんぴんしてるな。流石はドワーフ。身体が頑丈だな‥‥‥‥‥‥無事で良かった」


「いやー!これは心配お掛けしました。ヘファイス師匠!ほれ、この通り!身体はバッチリです。それもこれも、このカーリー嬢さんの回復魔法のお陰でしてな」


「ん?カーリー嬢さん?‥‥‥‥‥カーリー?魔道具オタのカーリー秘書官?」


「ふへへ!どの魔武器を頂こうかな?‥‥‥‥‥誰です?私の事をそんな風に呼ぶ人は?その呼び方をされると彼を思い出して、昔の嫌な記憶がですね‥‥‥‥‥あっ!」


「‥‥‥‥‥‥やっぱり。カーリー秘書官かよ!‥‥‥‥‥‥まずいな‥‥‥」


「あ、貴方は!!!神成君!!!やっと見つけましたよ!魔術院在学時から開発していた魔道具の資料と素材。何処に隠したか魔法省に報告せずに失踪。その後、魔道具の特許で財を得ているのかの申告漏れなど、私達。魔術院の秘書の仕事を増やしに増やしたこの恨み今日までずっと貯めていたんですよ!」


「あぁ、話しまた後で聞くよ。カーリー、今は感動の再開シーンだ。邪魔しないでくれよ!」


「誰がその感動をお届けしたんだと思ってるんですか?神成君!!そもそも、昔から貴方という人は!!」


「おぉぉ!神成も無事だったか!カーリー嬢さんとも中の良い知り合いとはな。驚いた」


「あぁ、昔からの中だよ。ルドルフさん。無事で良かった」


「こ、こんな問題児とは仲良くありません。そんな事よりここでせっかく見つけたのです。私と一緒に魔術院に戻って来て下さい。神成君、君には魔道具の研究をですね」


「は?やだよ。カーリー、俺は今からヘスティア地方に行く。そんな暇はないよう」


「な、何でですか!マーリン理事長に言ってやる!!」ポコッ!


カーリー秘書官はそう言って俺の頭をチョップしてきたのだった。

この人昔から気にくわないことがあると俺の頭をチョップするんだった。







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