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腕と肋骨


〖大時計塔〗


「うわぁ、凄い瓦礫の山。おっと!そんな事より、パーシヴァルさーん!いらっしゃいますかー!」


ガブリエルは瓦礫と化した大塔時計周辺に聴こえる声で叫ぶ。


ガコンッ‥‥‥‥‥‥‥‥ガラガラ‥‥‥‥‥


「ん?瓦礫から‥‥‥‥‥‥人影が!」


「わ、私の腕、両腕が‥‥‥‥‥な‥‥‥‥無い‥‥‥‥?無い!」


「あっ!居た居た!うわぁー!凄い傷‥‥‥‥‥‥死なないよね?この子」


シュン!

「ガブリエル!パーシヴァル卿は見つかったか?」


「あっ!主君!見つかったけど‥‥‥‥‥‥‥彼女死にそうだよ。どうしよう‥‥‥彼女」 


「死にそう?」


「うん!ほら、あそこ!」


「う、腕!私の腕!身体がああぁ!!無い!無い!」


「錯乱してるな!今、治してやる!パーシヴァル卿」


俺は急いでパーシヴァル卿へと近づき、蘇生魔法で彼女の両腕を再生する。


「腕!腕があっ!‥‥‥‥‥‥腕!‥‥‥‥‥が、治って‥‥‥‥‥る?」


「あぁ、完全に傷が治るまで『黄金の宝物庫』で休んでいてくれ、ガブリエル!中にラファエルが入るから治療を頼んどいてくれ」


「はいっ!了解です!主君。ではでは」シュン!

「うぅぅ‥‥‥‥‥‥ありが‥‥‥‥とう‥‥‥‥ござい‥‥‥‥ます」シュン!


ガブリエルはパーシヴァル卿を連れて魔法の袋(黄金の宝物庫)へと入っていった。


「クロとリップは魔法の袋に避難させたし、残りはルドルフさん‥‥‥‥‥‥は‥‥‥‥‥」


俺は魔眼・『千里眼』を発動させる。


「嘘だろ?‥‥‥‥‥‥‥アテナ地方?!ガリア帝国まで飛ばされてる?あの一瞬で、そんな遠い所までどうやって飛ばしたんだ?転移か?‥‥‥いや、あの暗闇の力?いや、今はそんな事を考えてる場合じゃない!早く助けに行かないと‥‥‥‥‥てっ?誰か近くに入る?」




アテナ地方


ガリア帝国・北東部エステランザ


「‥‥‥‥‥‥ここは何処だ?‥‥‥‥‥‥俺はあの男に吹き飛ばされた筈‥‥‥‥‥‥」


「おや?ここは何処かな?」


「また、迷ったんですか?理事長!!!」


「いい加減にするニャぞ!!!マーリン!!」


「迷ってない!私は迷ってなんかいないよ!まだ、迷って無い!‥‥‥‥‥てっ!彼処で誰か倒れてないかい?」


「何を言ってるんですか!こんな辺境の地に倒れている人なんて‥‥‥‥‥」


「居たニャア!倒れてるお爺ちゃんニャア!」


「でしょう?迷ってるとか、迷って無いとかの口論の前に倒れてる御老人を救わなくてはね!よし!行こう!皆!」


「あっ!理事長!」

「待つニャア!迷子マーリン!!」


「ゲホッ‥‥‥‥‥くそ‥‥‥‥肋骨辺りをやられたか‥‥‥‥‥‥動けん」


「おーい!そこの御老人!大丈夫かな?救いにきたよー!‥‥‥‥‥‥ん?君は‥‥‥‥‥‥‥たしか、刀匠のルドルフ・ザ・リッパーかい?」


「‥‥‥‥‥‥誰だ?お前は?」


「ちょっと!理事長!いきなり、走り出さないで下さい!」


「ふぃー、やっと追いついたニャア!!マーリン!おニャエ!案外動けるんだニャア」


「ふ、ふ、ふ、私はまだまだ若いからね!!そんな事より、彼の怪我を治してあげないと!カーリー秘書官。回復魔法を彼に頼むよ」


「回復ですか?‥‥‥‥‥‥‥なんて酷い怪我。す、直ぐに取りかかります。理事長」


「うん!頼むよ。カーリー!それにしても何でルドルフ君がこんな大怪我をしてこんな所に居るんだい?おーい!聞こえるかい?ルドルフ君」


「‥‥‥‥‥‥その声は白のマーリンか?‥‥‥‥‥何故、お前がこんな所に居るんだ?」


「いや、それは私達が聞くことなんだけど‥‥‥‥‥どうやら、意識が定まってないみたいだね。ルドルフ君。君は今、ガリア帝国の辺境に居るんだよ。それは理解してるのかい?」


「ガリア帝国?‥‥‥‥‥‥あの男の攻撃でこんな所まで来てしまったのか?」


「あの男?‥‥‥‥‥数日前、君はオアシスで『殺人鬼』達を退治したんだよね?その後、君が知事になったのは魔法新聞の記事を見て知っていたんだけど。その後、何か起きたのかい?」


「‥‥‥‥‥‥‥ゲホッ‥‥‥‥‥死白色の服を着た男の襲撃を受けた‥‥‥‥‥‥そして、その男の攻撃を受けて‥‥‥‥‥ここまで飛ばされたのだ」


「死白色の服ニャア?」


「死白色‥‥‥‥‥その服には何か特徴的な装飾か何かなかったかな?例えば金色の五芒星の様な星の刺繍なんかがあしらわれてたりとかしてないかい?ルドルフ君」


「‥‥‥‥‥‥金色の五芒星?‥‥‥‥‥‥‥あ、あぁ、うっすらとした見えなかったが‥‥‥‥‥左胸‥‥‥‥心臓部辺りに見えた気がするが‥‥‥‥ゲホッ!ゲホッ!」


「あぁ、あまり、喋らないで下さい。刀匠さん。傷に響きますよ」


「左胸の金色五芒星‥‥‥‥‥‥それが本当なら西の地を支配する巨体な宗教国家〖ロマ・テレシア〗かい‥‥‥‥‥‥それに死白色ときたら国の頂点。【教皇】の服飾じゃないか!」


「現役【教皇】ニャア?何ニャア?それ?」


「そんな人物自らが『オアシス』に来た?‥‥‥‥‥‥只事じゃないよ。これは!」


「‥‥‥‥‥‥ロマ・テレシア?‥‥‥‥‥‥そんな国が何故、俺達の国と繋がって‥‥‥‥‥‥‥」ガクッ


「死んじゃったニャア!!!!」


「死んでません!!セシリアさん」

バコンッ!


「痛いのニャア!!!ニャにするニャア!!カーリー!」


「はい!ノリで叩きました。セシリアさん」


「そんな理由で叩くニャよ!マーリン!部下の躾はちゃんとしておくニャよ!」


「ナイスツッコミだね!カーリー。このピリピリした空気を良く変えてくれたね」


「何を誉めてるニャア!!!そうじゃないニャア!!」


「あー、ハイハイ、分かったよ。セシリア、少し静かにしててね」


「お、おニャエ!!!何、セツニャと同じリアクションしてるニャア?流石はセツニャの師匠。思考が同じだニャア!!!」


「ハイハイ。それは良かった‥‥‥‥‥‥‥‥ロマ・テレシアか‥‥‥‥‥これはオアシスから行き先を変える必要がでてきちゃつたかな?愛弟子‥‥‥‥‥」







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