表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
310/868

霊王とマーリン


アテナ地方・ヘファイストス地方境目


〖迷いの洞窟・ロウトル〗


「ど、何処だい?ここは?」


「ニャ、ニャニ?また迷ったニャア?マーリン?!」


「り、理事長?」


「ち、違うよ!迷ってない!迷ってないから!そんな目で私を見ないでくれよ。君達!泣いてしまうよ!エ~ン!」


「黙るニャア!マーリン!!嘘ニャキはもう良いニャア!!おニャエが (私は旅慣れているからね。先導者の役目を果たそうじゃないか)とか言うから、任せたニャノニ!旅を始めてからずっと迷ってルニャア!!!!」


「そうです!年増理事長 (ボソッ)」


「聞こえてるよ!!カーリー秘書官!」


「聞こえるように言ったんですよ!理事長!!」


カランッ!


「ニャア?」

「ヒィ?!」

「なっ?何の音だい?このロウトルの洞窟の魔獣は殆んど狩り尽くしたと思ったんだけど?」


コツン!コツン!コツン!


段々と足音がマーリン達に近寄ってくる。


カツン!


「お化けニャア?」


「ま、まさか!そんな!」


「おっ!怖がってるねぇ!カーリー秘書官!良い反応。良い反応」


「ちょっ!理事長!こんな時になんて事を言うんですかああ?!」


「あっ!コラッ!そんな大声を出したら!」


「ん?誰か居るのかって?‥‥‥‥‥って?!白き獣?」


「何故、貴様がこんな場所を闊歩している?」


「‥‥‥‥‥うわぁ!その声は‥‥‥レイ君かい?‥‥‥‥何で君みたいな大物がこんな暗い場所に居るんだい?」


「質問しているのは此方だ。質問を質問で返すな。白き獣。何故、貴様が様な場所に居る?貴様はキャスパーリーグの中で監視されていなくてはなかろう」


「その監視の《眼》が緩んでるのさ。彼ら彼女らのお陰でね。大丈夫!心配しなくても私は暴れたりしないさ!昔の様にね。ていうか、そんな事をしたら彼等に加入させられるだろうしね」


「‥‥‥‥‥‥信用できぬわ」


コツン!コツン!


「お父様!」 

「霊王様!ご無事ですか?」


霊王の来た方角から紫髪の美女と背の高い男が現れる。


「おや?娘さんかい?君が?珍しいね‥‥‥それに美人さんだね。レイ君」


「‥‥‥‥‥何かするようならば魔王領との停戦の後、ガリアへと向かうぞ!」


「しない、しない、何もしないよ!‥‥‥‥‥それにその子の運命力。守られているね!我が弟子の(えにし)によって」


「我が弟子だと?‥‥‥‥‥あの若者はお前の弟子だったのか?」


「そうだよー!色々と問題のある子でね。問題児なんだ」


「‥‥‥‥‥だから、あれ程に貴様と魔力性質が似ていたのか」


「おっ!気づいたかい!流石だね。レイ君は!‥‥‥‥それにそっちも抜け目なく『夢魔の烙印』を彼にマーキングさせているだね。親公認とはやるね。アホ弟子は」


「なんだ?あの若者は貴様の所有物では、ないのか?」


「所有物?‥‥‥‥アハハハ、ナイナイ!ナイよ!そんなの!彼は、彼自身の物だよ!レイ君。私があの弟子をどうこうできるわけないだろう?人とは(すべから)く自由に生きる為にいるんだからさ」


「自由だと?」


「そうそう!だから、君やオーディンを始めとした神代の英雄達が神々の時代を終わらしたんだろう?今の時代。現代を造る為にさ!」


「ふんっ!お互い話過ぎたな。ここで会ったが何かの縁だ。これを貴様に渡してやろ。白き獣」


「んー?なんだい?これは?」


霊王は一枚の紙をマーリンに渡した。


「ロウトル際奥の古代の転移部屋が書かれた地図だ。今回、一度しか使えぬ。気をつけて使え。白き獣」


「ホウホウ!転移部屋の紙!おぉ、ありがとう。レイ君。助かったよー!流石は持つべき者は悪友だね。君達もそれに乗って来たクチかな?」


「‥‥‥‥‥ライバッハに会いに行く」


「?‥‥‥‥‥冒険家のかい?‥‥‥‥あぁ、君達は確か、七大賢者同士か!なるほど。なるほど」


「変なリアクションはよいわ。貴様の方角だと‥‥‥‥‥『オアシス』か?」


「おーっ!当たり、当たり!良く分かったね」


「何だ?エウロペ大陸の為にやっと重い腰を上げる気になったか?だが、惜しかったな。数日前に『オアシス』を脅かしていた『殺人鬼』達はとある騎士と龍族の者に倒されたと聞くぞ」


「『殺人鬼』?あぁ、例の『トルソー』とか言う殺人集団かい?‥‥‥‥‥騎士と龍族?」


「変な話だろうよ。大方、何処かの若者が隠れて色々やっていたんだろう‥‥‥‥‥長いし過ぎたな。転移部屋は時間によって位置を帰る。我は『ガルクドウルク』へ」


「ハイハイ、私達は『オアシス』へ!‥‥‥‥そういえばレイ君。君の娘さん‥‥‥‥‥二回も死を回避してるんだね‥‥‥‥三回目は‥‥‥‥あぁ、また助かるよ。良かったね。私の自慢弟子に『アヌビス』で会えて。縁が強固になってる」


「‥‥‥‥‥ふんっ!礼のつもりか?‥‥‥‥‥‥『オアシス』で困った事があれば〖中央特区(セントラル)〗の‥‥‥ヨワイーノ邸と言う場所を目指せ!」


「ん?ヨワイーノ邸?なんだい?それ?」


「そこまでは知らぬ。簡易星占で出た答えだ。そこに行けば衣食住には困らぬ‥‥‥‥すれ違うとは出たがな」シュン!


「ん?すれ違うって?何をだい?レイ‥‥‥‥って!転移しちゃったよ!」


「いつの間にか‥‥‥‥」

「付き人二人も居なくなってるニャア!」


「ロウトル‥‥‥‥別名転移の祠。神代を生き延びた子達しか知らない秘密の場所だからね。フフフ、良い縁だったよ。レイ君‥‥‥‥‥また、数世紀後にでも会おう!じゃあね」シュン!


「理事長?」シュン!

「ニャ、ニャア?」シュン!


古代の生き残りしか知らない転移の祠。


エウロペ大陸中を行来できるその場所を


ロウトルの転移迷宮と呼ぶ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ