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ずっと続く関係ではないのですよ


夜。


大都市〖オアシス〗全体に綺麗な魔法花火が打ち上げられていた。〖トルソー事件〗と言われる今回の大規模な襲撃事件の解決と新知事・ルドルフ就任を祝う祭りが開かれていた。


そして、俺達は来賓として『ブラック・チャペル』にある貴族階級が使う大展望台へと招かれてた。


「うわぁ!綺麗ねぇ!魔法花火って言うんでしょう?あの花火?」


「幻術魔法と火魔法の組み合わせらしいですよ。恵」


「へー、私もやってみようかしら?」


そんな会話を俺の近くで話している。そんな委員長とアヤネは『オアシス』の上流階級が着るドレスで着飾っている。

まぁ、何処の世界でもパーティーではきかざるのが普通というものなのだから別に可笑しくはないな。


‥‥‥‥‥しかし、あの二人もこの旅でだいぶ仲良くなったんだな。


「ナルカミさん‥‥‥‥何かあのお二人怪しいですね~!フヒ~」


「酒臭‥‥‥‥何がだよ?パーシヴァル卿」


〖ロンギヌス〗にセルビア帰還を止められ、自暴自棄になってしまったパーシヴァルは大展望台のパーティー会場内に用意されていた高そうなワインをがぶ飲みしていた。


「フヒ~、いや、あれ、絶対怪しいですよ!そのうち一線を越えますよ!あれ!」


「一線を越えて酔っ払った奴に言われたくないと思うぞ!」


「いや、そうじゃなくてですね。性別の壁を越えますよ!あの二人は!近い将来ナルカミさんはあの二人に先越されます!」


「先を越される?何が?」


「新し恋ですよ!新し恋。それも新たな形でね。フヒ~、夜叉巫女さんから色々と聞きましたよ!あっちらの世界やら、此方での旅の途中も曖昧な態度で見てて腹が立っていましたって!」


「‥‥‥‥‥‥夜叉巫女がそんな事を?」


「そんなんだと‥‥‥フヒ~、本当に愛想尽かされますよ~、フヒ~」


「い、いや、俺達はまだまだ若いんだぞ。そんな決断を急いでも!それに二人に対しての責任はちゃんと取るつもりで‥‥‥‥‥」


「責任とかじゃないですよ!ナルカミさん。気持ち!大切なのは気持ちですよ!フヒ~、相手の方がどれだけ貴方を好きでも時が経てば薄らいで行くもの‥‥‥‥その薄らいだ気持ちを埋めてくれるのはその時、一番近くで支えてくれた誰かなんですよ!分かりましたか?ナルカミさん」


「あ、あぁ、肝に銘じておくよ。パーシヴァル卿」


「分かってませんね!ええ!分かってません!それじゃあ、いつか本当にあの二人の心が離れて行きますよ!!うぃ~!」


こ、こいつ!本当に酔っぱらってんのか?フリじゃないのか?そのうちあの二人の心が薄らいでいく?‥‥‥‥‥‥‥‥確かに彼女達はまだ若い‥‥‥‥容姿も整っていて家柄、能力もカンストしている。


何年か時が経てば、俺よりも素晴らしい人物達。

もしくは、パーシヴァル卿が言った二人が一線を越える日も来るのかもしれない。


人は未来に何が起こるか分からない。


分からないがその起こることに対して対処はできる。


「‥‥‥‥‥どのみち、アヤネと委員長が最善の人生を歩んでくれるのが俺にとっては大事なんだ。それがどんな結末になろうと俺は受け入れるつもりだよ。パーシヴァル卿」


俺はパーシヴァル卿の方へと身体を向けると。


「スピー、スピー、スピー」


酔い潰れて寝ている彼女がそこに居た。


「‥‥‥‥‥コイツ!俺にさんざん説教を言っといて酔い潰れたよ!‥‥‥‥‥さすが円卓の騎士の一人。神経が図太い」


その後、俺は転移魔法で酔っ払ったパーシヴァル卿を新拠点の旧ヨワイーノ邸へと連れていき。客間のベッドへと寝かせ、会場へと帰って来たのだった。


何か?したんじゃいかって?酒臭いだらしない女性に手を出す分けないだろう。


つうか、あの人。屋敷に入る前に酒をリバースして中の物をぶちまけてたし、正直、ゲロ臭くて早く離れたくてしょうがなかった。




『ブラック・チャペル』近くの《中央特区(セントラル)・オアシス・七聖教会》


カラン!カラン!カラン!


カラン!カラン!カラン!


ブラック・チャペルの大鐘楼と大時計塔の少鐘楼が中央特区(セントラル)・オアシスに鳴り響く。

そして、中央特区(セントラル)・オアシスの特権階級だけが入れる場所。七聖教会墓所。そんな場所に三人の人物が来ていた。


「知事就任の挨拶は良いのかよ?ルドルフ爺」


「リップ殿。失礼ですよ!一つの都市の代表の方にその様な態度を取るなんて!」


「いや、良いんだ!お嬢さん。知事就任と言ってもリーダー不在の間の穴埋めに過ぎん


「あ?なんだ?穴埋めって?ルドルフ爺?」


「爺ちゃんと呼べ‥‥‥‥‥‥それはなこのオアシスてはトップの汚職や犯罪が後を経たなくてな。時が経ち、後任が決まれば昔の様に引退させてもらうがな」


「昔から、そんな事やってたのかよ!オアシスの連中は!情けないな!!」


「エウロペ大陸でも『オアシス』は富と人が集まる場所。お金と人が集まればする事は悪巧みと相場は決まって下りますからね」


「‥‥‥‥‥‥まぁ、それに浸け入れられ、今回は奴ら『トルソー』共に、危うく『鍛冶屋の里』の侵入を許すはめになったがな。今後は中立議会を設けて、汚職等の対処にも力を入れていくつもりだ」


「ルドルフ爺さん‥‥‥‥そんな話。ここでは止めておこうぜ!せっかく母さんと兄さんの墓参りに来てるんだしさ!そして、何故か夜叉巫女もだが」


「リップ殿!それは‥‥‥‥夜叉は貴方を心配してですね」


「リップ!‥‥‥‥‥‥あぁ、そうだな。今は二人の墓前に静かに手を合わせよう。そうだよな。ジャック!」


ルドルフはそう言うとジャックが眠る墓前に両手を合わせ、ジャックが安らかに眠れるように静かに祈るのだった。



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