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クエスティング・ビースト(唸る獣) 1 闇夜の懇談会~『セルビア』国の入国門



①クエスティング・ビースト(唸る獣) 1 闇夜の懇談会


『入国管理館』 夜 大広間


俺達ではなく、かの有名な拳王姫セシリア様の為の懇談会が『セルビア』国近くに住む。有力な氏族や旅の行商人達が、数はそれ程多くないがそれなりに集まった。


内乱中の内心穏やかでない気持ちを紛らわす為か、分からないが皆、それぞれ話を咲かせていた。


やはり、元魔王様ことエスフィールはその産まれ持った美貌もあり。懇談会でも一際目立っている。だが、エスフィールに話しかけたいであろう男どもは近寄れない。


何故かって?俺がエスフィールの近くを離れず、ずっと周りを威圧しているからさ。

エスフィールに変な虫が付いたらエスフィールママに申し訳ないのだ。


そして、ヒスイはというとなんと、懇談会に出席したうら若きエルフや行商人の娘達に囲まれ。いやな顔せずに躍りや話を楽しく聞いていた。


流石、先代魔王の側近中の側近である。あの切れやすい性格は何処へやら。完璧な貴族青年を演じているから、ヒスイには驚かされる事ばかりだ。


また、今回の懇談会の主役、セシリアは来賓席の一番の上座に座り。そのとなりにはクリスさんと俺達を待合室から来賓室まで案内してくれた上品エルフが、セシリアを囲むように座って仲良く話しているようだった。


あぁ、見えてセシリアも相当なお嬢様であることは、勇者パーティー時代や今回の旅で嫌という程、実感が沸いた。いや、その実、普段のセシリアの酷さを見ているだけに、何故、現在、クリスさん達と普通に喋れているのか理解出来ない。


そして、懇談会も粛々と進み。そろそろ終わりに仕掛かろうとした時、事件は起きた。


「きゃあーーーー!!!だっ誰かーーーたす、助け‥‥‥」


ガッシャーンっと窓ガラスが割れ、女性エルフの悲鳴声が入国管理館に響き木霊する。


事が起きると騒ぎになるのは一瞬だった。

皆が皆。自分かわいい、助かりたと思うのは必然で。

我先にと外に出ようとする。‥‥‥だが、それがよくなかった。奴にとってはその行為は、絶好の狩り時でしかないのだった。


1人の行商人が広場から扉を開けて逃げるように出ていく。それを入国管理館の職員のエルフが止めようとした瞬間。外に逃げた行商人は暗闇で噛まれ。ただの肉塊へと変わり果てた。


「馬鹿が、馬鹿が、馬鹿がいるな!こんな暗闇で我から逃げようなどとは、人族は昔と変わらぬ。おろかな種族だ。ヒッヒッヒ!」


暗闇から現れる。月夜の光で照らされる。巨大な図体。

灰色の身体。地が震える様な声。不気味な獣がそこにはいた。



「‥‥‥いやな予想は外れないものだな。エスフィール」


「お主が昼時に言っとった、魔竜、以外のモノか?」


「あぁ、さて、被害は出た…‥‥救えなくて申し訳ない。旅の人」


俺は両手で拝み謝る。


「どうするセツナ?私が行くか?」


「‥‥‥いや、俺が行くよ。エスフィールはここで皆を守っててくれ。頼むよ」


俺はエスフィールの右肩に優しく手を置いた。


「わかった。しかし油断するなよ。相手の力は未知数だからのう」


「あぁ、気をつけるよ。ありがとう」


そして、俺はゆっくりと襲撃してきた獣へと近づく。


「ヒッヒッヒ、さま、殺そう、殺そう、あの方の為に沢山、殺そう。まずは女のエルフかな?頭を削いて生き血を啜ろう。楽しいなぁ!考えるだけで楽しいや!ヒッヒッヒ!殺してやるよ!餌どもよ!」


獣がそう言い終わると同時に、皆を落ち着かせる為に誘導していたクリスさん目掛けてその獣は走り出した。


「ミーつーケータ~!!若くてキレイな女エルフ!!我の今日の御馳走だぁ~!!いただきます~!!」


「館長!逃げて下さいーー!」


「いやー!クリス様!!」


入国管理館で働く。エルフ達が次々に逃げるように言うが、クリスさんはその場で硬直して動かない。


「わ、わた、私、た、食べられ、し、ぬ?」


「そうそう、その顔、だ~い~すき!!いただきますねぇ?!」


獣がその大きな口を開け。一口でクリスさんを食殺しようとする。


「雷魔法「雷撃」」


「ぎゃあーーー!!」


俺は間一髪で「雷撃」を獣に攻撃する。


「な、に?!痺れるよ?これ?我に攻撃したの?誰?‥‥‥お前?」


「あぁ、おれ!」


短く獣にそう告げる。


「‥‥‥‥そうなんだ~!!じゃあ、死ねよ!!てめえええぇ!!」


獣は標的を俺に変え襲いかかってきた。




『クエスティング・ビースト(唸る獣)』出現。






②クエスティング・ビースト(唸る獣) 2 『雷光鞭・開放』


懇談会場・大広間


「‥‥‥‥崩壊の獣か‥‥なまじ、地球の方の結末を読んでいるから。笑えない冗談だよ。全く。‥‥‥」



「お、お前?なにわけわらないこと言ってんだ?早く喰われろ!!我は腹が減ってんの?わかるか?」


「お前、さっきの人と最初に悲鳴を上げた女性を殺したな?」


「ヒッヒッヒ!腹が減ってたから咀嚼しないで食べたぞ!!ヒッヒッヒ!!女の方は旨かったなぁ!!また喰いてえな!!女エルフ!!」


「わかった。もう、いい。気分が悪くなりそうだ。‥‥‥場所を変えるぞ。表に出してやる。転移魔法「影」」


「な、に?するきだ?」


唸る獣と俺の足元に魔方陣が表れ、俺達はそこへ吸い込まれる。



「お、お前!!何をしたあ?ここは何処だあ?」


「「入国管理館」の前の広場だ。大広間でやり合ったら死人が出るからな」


「余計なことしやがって!!沢山死んで楽しそうなのに。ヒッヒッヒ!!」


「一般妖精ってのはこうまで倫理観にかけた奴等なのか?ヤバすぎだろう。まぁ、いい、喋っているだけで不愉快になる。さっさと終わらせる」


「お、お前、我に勝てるとか思ってんの?ヒッヒッヒ、ヒッヒッヒ、ヒッヒッヒ、ヒッヒッヒ、ヒッヒッヒ、ヒッヒッヒ馬鹿が馬鹿が入るねぇヒッヒッヒ、ヒッヒッヒ!!」


30匹の犬が一斉に吠えるようなこえでこの『唸る獣』は騒ぎだす。


「雷魔法『放雷』」


『また、雷?ヒッヒッヒ!!嫌だ。嫌だ。痺れは嫌だ。神代魔法(黒)『闇喰』ヒッヒッヒ!!』


『唸る獣』がそう唱えると獣の口から黒い影が表れ。俺が放った雷撃を全て吸収した。


なんだ、あの魔法は?ヒスイが言ってた妖精特有の魔法か?

現代のアリーナで使われている、魔法とは明らかに雰囲気が違うぞ。


「ヒッヒッヒ。怖いだろう、怖いだろう?我が使う技の正体が分からないんだろう?ヒッヒッヒ」


『唸る獣』は俺の心を読むように語りかけてくる。


「確かに、怖いかもな。出ろ『雷光鞭』」


俺は魔法の袋からヒスイ戦の最後に使った魔道具『雷光鞭』を取り出した。


正体が分からなかったり、行動が読めない相手との接近戦は禁物だ。呪いや毒などの攻撃を喰らう恐れがある。

ましてや相手は伝説上の生き物『唸る獣』油断は禁物。

死と隣合わせなのは、数回の技の押収で即座に理解した。


「なにそれ?オモチャ?オモチャなの?ヒッヒッヒ!いいいぞ、いいよ、我が遊んでやるよ!!神代魔法(黒)『(ひきづり)』」


『唸る獣』の尻尾が分裂し、俺の方へと向かって来る。


「束縛系の技か‥‥‥『雷光鞭』発動。雷魔法『(いかづち)』」


俺が詠唱を終えた瞬間。『雷光鞭』を地面にしならせる。すると鞭が分散し『唸る獣』が放った『(ひきづり)』に容赦なく襲いかかる。

そして相殺仕切れなかった俺の攻撃『(いかづち)』が『唸る獣』の方へ向かって行く。



「ヒッヒッ‥‥‥ヒ?何で我の攻撃消えてんだ?‥‥‥なんだ?光か?」


『唸る獣』がそう言った瞬間。『(いかづち)』が『唸る獣』へ直撃する。


「今だな、掴め『雷光鞭』・束縛」


俺は『(いかづち)』が当たる瞬間を見逃さずに、『雷光鞭』の能力。束縛を発動した。


「ヒッヒッヒ!痺れるぞ!!やだ、やだ、!!!!縛れる?やだ、離せ、離せ、この雷野郎!!!」



『唸る獣』を『雷光鞭』で束縛した。だが、『唸る獣』は激しく暴れまくる。


「‥‥‥‥『雷光鞭』・○○・開放」


俺は『雷光鞭』の真の力を引き出すため特殊な詠唱をした。

「離せ、離しやがれ!!!ヒッヒッヒ!」


「雷魔法『昇天雷光鞭』」


「ヒッヒッヒ!ヒッヒッヒ?ギギギ!ぎギャあぁああ!!」


それは紫色の雷光。長年に渡り。蓄積された『雷光鞭』の電撃。

それをこの倫理観の欠片もない『唸る獣』に浴びせ続ける。ただ、無感情にこいつが殺したエルフの女性と行商人が安らかに眠れるように。


こいつはただ殺した。さっきまで明日の為に、家族の為に、友の為に生きてきた人達を。

ただ、自分が楽しむ為だけに殺したのだ。


許さない。許さない。決して許してやるものか。


そして俺はまた、無感情に技名を口にする。


「『昇天雷光鞭』」


「ぎゃあいああ!!痛あい、痛たい、我痛い!ヒッヒッヒ!ヒッヒッヒ!ヒッヒッヒ!ヒッヒッヒ!ヒッヒッヒッヒ!!殺してやる!殺してやるぞ!!雷野郎!!!ヒッヒッヒ」


「そうか、わかった。封印解除」


ここに誰もいなくてよかった。聖魔法を使っているところを見られなくて済む。


「?!!!」


「聖魔法・発動『汝天消』」


そして『唸る獣』の身体が少しずつ崩壊し始めた。







③クエスティング・ビースト(唸る獣) 3(獣に心を)


「ヒッヒッヒ!ヒッヒッヒ!消える!!我が消えるヒッヒッヒ○○○○様ヒッヒッヒ!我きえる」


「この聖魔法は天界へとお前を導く。今世では悪を働いたが‥‥‥‥いや、それは俺達、人の価値観だ。妖精のお前に人間の価値観を押し付けて済まなかった」


「ヒッヒッヒ?か、ち、か、ん?」


『唸る獣』は初めてまともに俺の話に傾けた。


「あぁ、価値観だよ。『唸る獣』闘う前に君の話をもう少し聞いておけば良かったと後悔し始めた所だ」


「ヒッ?、我の話を聞く?」


「君はまだ、子供だったのかもしれない。広い世界を見て、色々な人達にふれ合えば新しい考えや倫理観を持てたんじゃないかとこの闘いの中考えていたよ」


「‥‥‥‥‥‥わ、我は2つ命をう、奪ったのか?」


『唸る獣』は消滅の間際でようやく理解した。命を奪う罪を。そのしたことの重さを。

「‥‥‥‥‥君はやはり変われたのかもしれないな。あっちに行ったら女神アテナ様とユグドラシル様を頼ると良い。きっと良くしてくれるだろう」


「‥‥‥‥‥す、済まなかった。雷その者‥‥‥我は、我は」


「俺の名前はセツナだ。‥‥‥お別れだな。‥‥‥友よ」


「友?それは我の事か?」


「あぁ、闘って分かりあえれば、俺はそいつと友になれたと思うことにしているんだ。自分のエゴだと思ってもね」


「そ、そうか、我とセ、セツナは友か!う、嬉しい!嬉しい、ヒッヒッヒ!‥‥‥ありがとう。セツナ」


『友』は嬉しそうに笑い。そして静かに消えて行った。


「‥‥‥‥さようなら、友よ」


数刻後


「おーい!カミナリ!!!大丈夫かあ?」


ヒスイが慌てて俺に近寄って来る。


「あぁ、なんとか勝てたよ」


「すまねぇ、今回の相手を見て直ぐに分かったぜ。闇魔法に似た神代魔法を使う奴だってな。だから俺では相手にもならねえ」


「あぁ、それが正しい判断だ。ヒスイ。それでいい。属性魔法の相性はどうしようもないからな。今回はその判断で正解だったよ。ありがとう」


「おぉ、そうか、なら良かったぜ。それで倒した相手の姿が見えねえが?」


「あぁ、最後の息の根を止めたら静かに消滅して逝ったよ」


「なんだと?‥‥‥‥‥妖精が

やられる時は、死体も残らねえのか!!なんだか、悲しい生命だな。妖精つう奴等はよう!!」


ヒスイはそう言うと俺に回復ポーションを手渡して、懇談会の会場へと戻って行った。


「『唸る獣』」クエンスティング・ビースト、イギリスのアーサー物語では滅びを伝える伏線か‥‥‥いったい、今後、この『セルビア』で何が起こるんだ?検討もつかないな」


俺はそう言うとヒスイを追って懇談会の会場へと戻っていった。



暗闇の地下世界



「お母様、お母様。クエンスティングの野郎。しくじりやがったとよ?どうする?どうする?今度は俺が行く?」


「いや、この私が‥‥ヒヒヒ」


「いいえ、ダメよ私の可愛い子供達。まだ、その時ではないわ。じっくり行きましょう。パーティーは始まったばかりなんだから。そう、『シルビア』崩壊のパーティーがね」



「くくく、それはとても楽しみだね。お母様」


「はい!女王様。ヒヒヒ」


「ええ、本当にそうね。子供達」



『入国管理館』懇談会・会場


「おぉ、セツナ、無事か怪我はないか?」



そう言ってエスフィールが俺に詰めより俺の身体をまさぐり、触る。


「だ、大丈夫だ。だから少し落ち着いてくれ」


俺はエスフィールを落ち着けるために優しい声音で話しかけた。


「す、すまない。少し動揺しすぎたな。こっちに戻ってからお主には苦労させっぱしだからな。ついついしんはになってしまう」


おお、久しぶりに可愛いエスフィールさんだ。めちゃくちゃ可愛いエスフィールさんだ。


「おぉ、そうか、では癒してくれエスフィール」

そう言った瞬間。


「ニャに、やってるニャア?セツニャ、セクハラはいかんニャロウ」


セシリアが現れ、俺とエスフィールの間に入ってきた。


「貴様、セシリア。邪魔立てする気か?」


「当たり前ニャロウ。友達が変なニャ事されそうになっているのニャら助けるのが友達ニャロウが」


「セ、セシリア。あ、ありがとう」


嬉しがる。エスフィールさん。


しかし友達か。


そうだ、そうだな。セシリア。


その通りだ。俺の友はさっき天に登っていった。


間違いを犯した。だが、最後に悟ってくれた。


どんな人や妖精でも間違えを起こす。


だからだろうか、皆が皆、色々な人達と接点を持ちたいと思うのは、もしかしたら、彼もその為にここに現れたのかもしれない。


彼は決して許される事をしたわけではない。


だから、誓おう。友である俺が彼の罪を一緒に背負い生きていくと。殺めてしまった人達の為に、天に旅立った友の罪が少しでも軽くなる為に。


さようなら。我が友『唸る獣』クエンスティング・ビーストよ!


あっちでは安らかな日々を贈ってくれることを心から願う。


君の友、カミナリ セツナより。






④弔い


クエンスティング・ビースト『唸る獣』の襲撃から1日たった。

本来であれば懇談会の次の日に『セルビア』へ入国する予定だったが、またいつ襲われるか分からないとも考え、『セルビア』の王都『オーディン』から警備隊が到着するまでの間。


俺達が入国管理館の人達の護衛を頼まれた。


「セツナさん、昨夜は私達エルフと来賓の方達を守って頂きありがとうございました」


クリスさんがまた深々と頭を下げた。


「いいえ、とんでもないです。俺がもっと早く、襲撃に気づけていたら、2人もの犠牲を出さずにすんだのですから」


「まぁ、セツナだけの責任ではない。我々、全員の責任だな。今後はもっと気をつけていこうぞ」


「ニャア~、そうだニャア~!セツニャ」


「あぁ、それに俺は今回、役にたたなかったしなあ!次の闘いまでによう、火魔法位マスターしとくぜえ!」


3人共、俺を責めることなく。優しい言葉を投げ掛けてくれる。なんだかんだで心優しい連中だから、ありがたい。


「ふふふ、良い、お仲間ですね、セツナさん。それに『入国管理館』の警備まで引き受けて下さって本当にありがとうございます。皆さん」


クリスさんはまたも深いお辞儀をしお礼をいった。


その後は少し皆で談笑し、数時間経つと各々の客間へと帰って来た。


「ふぅ、数日だが、少し時間ができたな」


その瞬間。テーブルに置いてあった魔法の袋が光だし。その中からタマキと幼女かした魔神イフリート様が現れた。

‥‥‥‥幼女姿の魔神イフリート様だと?


「‥‥‥‥‥イフリート様?そのお姿はいったい?」


「おぉ、主殿。数日ぶりですね。ヒスイ殿との『双星の大洞窟』での闘いでだいぶ魔力を消費してしまってな。しばらくはこの姿で過ごしている」


「‥‥‥‥そ、そうなんでね‥‥‥‥」


あの妖艶なイフリート様がしばらく見れないだと?


「それで2人ともいったいどうしたんだ?」


「はい、ご主人様。数日前にご主人様から言われた準備がほぼ完了しました。」


「さすがタマキさんだ。仕事が早いな、ほら、スルメイカをやろう」


「わぁ~!ありがとうございます」


タマキはスルメイカにかぶり付いた。


「主殿とタマキ様は仲が良いのですね」


「あぁ、いい奴‥‥仲間です」「はい、理想の上司です」


「‥‥‥今、主殿がタマキ殿を奴隷と言いかけた様な?まぁ、良いか」


「それでイフリート様。今回はそのお姿でどうなされたのですか?」


「主殿には、謝らねばならない事がある」


「謝らなければならない事?」


「はい、しばらくの間。このイフリートは以前の力が使えません。セツが思っていた以上に、魔力の消費が激しく本当の力を出すには数週間かかるのでな」


イフリート様が申し訳なさそうにシュンとなる。可愛い。


「大丈夫です。イフリート様!俺に全てお任せ下さい」


俺は興奮しながらそう言った。


「ふふふ、すまない、主殿。では、もうしばらく休ませてもらいます」


イフリート様はそう言って魔法の袋の中へ戻っていった。


次の日


『入国管理館』裏庭


俺はエスフィールに裏庭に一緒に来てくれと言われ。


現在、2人で裏庭に来ている。


「どうしたんだよ?エスフィール。何で裏庭?」


「‥‥‥‥クリスさんにはもう許可を取っておる」


「許可を取っておる?」


「あぁ、(りょく)魔法・『安らぎの木豊』」


エスフィールが緑魔法を使って、神社の社の様な形をした小さい建物を作った。


「なにこれ、エスフィールさん?」


「今回の襲撃で犠牲になった女性エルフと行商人殿のお墓じゃあ」


「お墓?」


「あぁ、この社の下に2人の亡骸を丁寧に埋葬する。その後は私が、浄化魔法で2人が安らかに天に昇れる様する」


「君?浄化魔法まで使えるのか魔王なのに?邪悪なのに?」


「誰が邪悪じゃあーー!」


「ごふっ!!」


エスフィールの手刀が俺の肩にぶち当たる。


「忘れたのか馬鹿者が、私は魔王以前に魔法族の長の娘だぞ。浄化魔法等、使えて当たり前だ。それに死者を思い安らかにさせるが我が故郷『魔法族の里』の役割でもある」


「そ、そうなのな、なるほど。ガクッ」


そして俺は意識を失った。


そのまた、次の日。『入国管理館』の職員達と懇談会に参加した人達が裏庭に集まり。犠牲者2人の葬式が行われた。


職員や行商人の関係者が浄化魔法を詠唱していたエスフィールに泣きながらお礼を言っていた。


詠唱を唱えている間のエスフィールは何処ぞの怪物聖女よりも聖女らしく見えた。


そして、また数日。


「セツニャ!!やっと『セルビア』王都から警備隊が到着したのニャア~」


俺とヒスイが剣の稽古をしているとセシリアが大声で知らせに来た。


「おい、アインズさんよう。今、いいところなんだ邪魔しないでくれねえかぁ!」


「いいところニャア?」


セシリアが頭に疑問符を乗せて首を傾げる。


「ヒスイの愛刀田中‥‥‥闇霧の調整中だったんだ。後、俺の持ってた魔道書を貸して火魔法の勉強をしてた。」


「ニャア?何で火魔法ニャア?黒騎士は充分強いにゃろう?」


「今後の為だ。アインズさんよう、今迄の俺は闇魔法しか使ってなかったからな!闇魔法の使い手と闘う時は足手まといになっちまう!それじゃ不味いだろ?」


「ニャア、それで火魔法を勉強してたのかニャア。にゃるほど、ニャルほど」


「それでセシリア。『セルビア』から警備隊が来たって本当なのか?」


「ンニャア!その通りニャア~、今はクリスが来賓室で対応中ニャア。わっちはエスフィールに頼まれてセツニャと黒騎士を連れてくるように頼まれたのニャア」


「そうなのか?で、そのエスフィールは今、何処にいるんだ?」


「警備隊の男共にナンパされてるニャア~」


「簡易転移発動」


その瞬間、俺はエスフィールの居場所を探知魔法で速効で捜し当て、簡易転移魔法でエスフィールの元へと飛んだ。


「君、とても可愛いらしいね~」


「僕達とお茶を使用じゃないか?」


「‥‥‥‥なんだ貴様ら、さっきから。消されたいのか?」


エスフィールがエルフ達に囲まれている。そんな、エスフィール鬱陶しそうな顔をして機嫌が悪そうだった。


「おい、お前ら。そこで何をしている?」


俺の怒髪天が青天井を貫きエルフ達に話しかける。


「ん?なんだい君は‥‥‥おい、この子も可愛い顔をしているぞ」


「なに?本当か‥‥‥おぉ、マジだな。どうだい、僕らと一緒にお茶でも‥‥‥」


「幻術魔法・『消失』」


俺が幻術魔法を使ってコイツらを眠らせ。コイツらの記憶から俺とエスフィールの記憶を全て消した。

コイツらが帰る時また、消してやる。


「お、おい、セツナ?お前」


「無事かい?エスフィール?何かされたか?」


「ああ、しつこく付きまとわれたが大丈夫だ。ありがとう」


「なら、よかったよ」


「ニャア~!セツニャいきなりどうしたのニャア~‥‥‥って、なんニャア?このぶっ倒れてる奴等はニャア?」


「そりゃあ、お前、自分の従者が他の男に言い寄られてるんだ。心配になって当然だぜえ!」


セシリアとヒスイが遅れてやって来る。


「よし、来賓室へ行こう皆」


俺は地面に倒れている警備隊をほっておいて。4人で来賓室へ向かったのだった。




⑤『セルビア』国王太子・アルディス・セルビア


『入国管理館』来賓室


俺達は副館長のドーガさんに連れられて、初日に案内された来賓室へとやってきた。


副館長は扉をノックした。


「館長。拳王姫セシリア様御一考をお連れしました」


「ありがとうございます。副館長。皆さんを中へお連れ下さい」


クリスさんにそう言われたドーガさんは扉を開け。俺達四人は来賓室の中へと入る。目の前にはソファーに座るクリスさんとその向かえのソファーにも誰か座っていた。


「ニャア、クリス~!遅くなって悪かったニャア~」


セシリアが元気な声でクリスさんに謝った。


「おや?この声は?」


クリスさんの向かえに座っているため、俺達の姿をまだ、見ていない貴族ぽい出で立ちのエルフがセシリアの声に反応し立ち上がった。


「‥‥‥やっぱりセシリアじゃないですか?」


「ンニャア?オニャエは‥‥‥アルディスニャア?何でオニャエがここに居るのかニャア?」


「わぁ、セシリアだぁ~!久しぶりだね~!何年ぶりだろうか?」


アルディスという男性エルフはセシリアの姿を見るなり、セシリアに近づき抱きついた。


「あん?なんだぁ?!このエルフ野郎はあ?」


ヒスイが怒りだす。


「ニャア、いきなり抱きつくニャヨ、びっくりするニャロウ」


セシリアさそう言うとアルディスを引き剥がす。


「ごめん、ごめん。数年振りに許嫁と会えたんだよ。嬉しくて抱きつきたくもなるだろう?」


「あん?許嫁だあ?」


ヒスイがぶちギレそうになる


「い、いいニャずけって‥‥‥そもそもオニャエ、せい‥‥‥」


「は~い!セシリアそこまで!口を閉じようか?」


「ニャニするニャア?!モガモガ」


アルディスはセシリアが何か言いかけそうになるのを口を押さえて阻止した。


「おっと、まだ、僕の自己紹介がまただったね。‥‥‥僕は現『セルビア』の女王セルフィールの息子で王太子のアルディス・セルビアと申します。以後、お見知りおきを」


髪の色はとても綺麗な薄茶色で顔は絵画の貴婦人の様な美しい女性を思わせる。これが王太子っと言うからエウロペ大陸の全ての雄が泣くことだろう。そして俺も勿論泣いた。


「あん?王太子だあ?」


そして、ヒスイがぶちギレた。


「お会い出来て光栄です。王太子、俺はカミナリ・セツと申します」「私はその従者のメイエスです」「‥‥‥俺はヒスイだよろしくな?エルフ野郎」


俺達はアルディス殿下に一人一人挨拶した。若干1人だけ違う意味の挨拶をしたような気がしたが、気にしないことにしよう。


「それで?ニャンでアルディスがこんな『セルビア』の辺境に居るのニャア?」


「うん、それはね。セシリア、君に会いたくて。遥々、王都から来たんだよ」


「セツニャ、メイエス、黒騎士、実はこのアルディスニャンだがな‥‥‥っていたいニャア!アルディス!アイアンクローは止めるのニャアアア!!」


おぉ、見かけによらずこのアルディス王太子のさは力が強いな。

セシリアの顔面を右手で持ち上げ。セシリアをアイアンクローで動かなくさせている。


「まったく、セシリアは~、好きあらばバラそうとするだから。これは夜、久しぶりにお説教だね」


アルディス王太子は笑顔でセシリアにそう言った。


なんだろう、エスフィールや彩音と同じ匂いがする王太子だな。


「嫌だニャア!昔、みたいな拷問は嫌だニャア‥‥‥って痛たた、痛いニャア!!アルディス!!く、空中のアイアンクローは痛いのニャア」


以前、何処かで見たような光景が繰り広げられているのは、俺の気のせいだろうか?


「それで?おい!王太子様は何のようで入るんだ?おい!」


何処ぞのヤクザかと思える位不機嫌なヒスイがアルディスに問いかける。


「あぁ、話の途中で済まなかった。ヒスイ君」


「ヒスイ君だあ~?!」


ヒスイの額が青筋立つ。そろそろ限界か?


「それは私が説明致します」


このギスギスな空気を断ち切ったのは、ずっと静かにしていたクリスさんだった。


「クリスさんが説明する。ですか?」


「はい、セツナさん。アルディス王太子めよろしいですか?」


「あぁ、よろしく頼むよ。館長」


アルディスはそう言うとセシリアを床に下ろし。ソファーへと座り直した。


「し、死ぬニャア!わっち、ばっかりいつもこんな役割ニャア」


セシリアがなにか訳の分からんことを言っていたが聞かなかった事にする。


「それではご説明しますね。アルディス王太子が『入国管理館』に来られたのにはある隠れ妖精の里の調査の為です」


「ある隠れ妖精の里の調査ですか?」


「はい、数日後、その隠れ妖精の里『シャナ』で反乱が起こると密偵から連絡を受けましてその調整に」


「この僕、自ら名乗り出たのさ。君たち、『始まりの大森林』の派遣部隊と合流する為にね」


アルディスはクリスの説明に割り込みそう高らかに言った。


「なるほど、アルディス王太子と合流した我々がその隠れ妖精の里『シャナ』にアルディス王太子と一緒に調査をする流れですか?」


「‥‥‥‥はい、その通りです。わざわざ、説明しなくても分かって頂けてありがたいです」


なるほど。なるほど。大体の話の道筋は理解したぞ。


さっきから静かにしているエスフィールが気になるところだが。


「お、おい、エスフィール、さっきから静かだけど大丈夫か?さっきの奴等やっぱり八つ裂きにするか?」


「アホ、数日前に葬式を済ませたのに。墓標を増やす気か?貴様!冗談でもそのは発言は許さぬぞ」


「すまん、反省する」


「分かれば良い。発言にはもう少し気を付けろセツナ」


そう言ってエスフィールは俺の肩を優しく小突いた。


「‥‥‥‥私が静かだったのはアルディス王太子について考えていたからだ」


「まぁ、イケメンだよな」


「?いや、そうではない。アルディス・セルビアは。‥‥‥アル先輩は‥‥‥‥『北東魔法学院』の歴代生徒の中でも最高傑作と言われた逸材なんじゃ‥‥‥それを私は思い出しておったのだ」


エスフィールはそう言うとまた何か考え始めた。


歴代生徒で最高傑作?いったいどう言うことなんだ?







⑥『セルビア』国の入国門


『北東魔法学院』


俺やメーアやラニーが通っていたエウロペ大陸の中央に位置する『魔法中央国』の『魔術院』が人族を中心に集めた魔法学校であるらば、『北東魔法学院』は魔族、魔法族、エルフ、獣族等の多種多様な種族が魔法を学ぶ為のエウロペ大陸の四大魔法学校の1つである。


他にも2つの魔法学校の違いを言うとすれば『魔術院』が杖を主体とした遠距離型の魔法使いを多く輩出しているのに対し『北東魔法学院』はまず。1系統の魔法を徹底的に鍛え上げさせ一定の属性系統をマスターすると使える様になる召喚魔法を覚えさせる。


そして『幻獣の楽園』の幻獣達の一匹と契約し。共に学び、成長させていくらしい。実在『始まりの大森林』でラニーと共にエスフィールとラベルが一緒になって闘っていたのがいい例である。


それと後で聞いた話なのだがエスフィールも『北東魔法学院』の卒業生で歴代生徒の成績で2位だったらしい。1位は昨日、来賓室でお会いしたエルフの王族のアルディス・セルビア王太子だとの事。


聞くと頃によると年齢は15才と俺達エスフィールよりも1つ上であるらしい。


俺?俺は―女神―様によって転生とかもしてないのに、4歳~5歳位若返りさせられた哀れな14才である。


アリーナに戻って来て最近、思うことは本当に若返って良かったのかどうかだ。


若返りは凄く嬉しいがもう以前の強靭な肉体では無いため。全盛期の時よりも戦闘力が半分位になってしまった。


実際にユグドラ街道でヒスイといきなり闘い事になった時は、絶対に負けると思ったからだ。


昔の様な近接戦闘が出来なくなってしまったので、『魔術院』に通っていた頃の様な。遠距離型の戦闘方法でタマキの助けもあり辛勝で何とかギリギリで勝てた闘いだった。


こんな闘い方で今後も勝てるか実際の所不安で仕方がない。


おっと、話を元に戻そう。俺達は新たにアルディス王太子‥‥‥言いづらいな。アルディス王子を旅の仲間に加え。隠れ妖精の里『シャナ』に行き。

一般妖精の反乱を未然に防ぐ為の調査に行くことになった。


そして次の日


入国管理館の近く『セルビア』入国門広場


「では、皆さん。お気をつけて行ってらしゃいませ」

「メイエスさん。葬式の時はありがとう~」

「ヒスイ様~お気をつけて」「セシリア様頑張って~」「セツナさん結婚してくれ~」


クリスさんやドーガさん等入国管理館の職員や懇談会で一緒だった人達がわざわざ『セルビア』入国門まで出発する俺達に挨拶しに来てくれた。


その中に混じるエスフィールをナンパしていた警備隊の数人が頭がおかしくなって、意識を取り戻した後、俺を女だと思って求婚してきたことは秘密である。それを見て他、3人が大爆笑していたことは絶対に許さない。


「では、セシリア様、アルディス王太子の事。くれぐれもよろしくお願いいたします」


クリスさんが念を押すようにセシリア言う。


「ンニャア!ンニャア!分かってるニャヨ!クリス~。でもニャア、アルの奴はあれでも相当強いから大丈夫だと思うがニャア~。まぁ、わっちが常に近くにいるから安心してくれニャア~」


「不安しかないな。ヒスイ」


「あぁ、まったく同じ意見だぜ!カミナリ!!!」


どうして、こう、ヒスイとは意見が合うんだろうか?

たまにヒスイが女の子だったらスゲー良かったと後悔することがある。

頭良し、顔良し、年上、粗暴だが性格も別に悪くないツンデレという奴か?‥‥‥女番ヒスイか‥‥‥悪くないかもな。


「何を気持ち悪い顔をしておるのだ?貴様!またよからぬ事を考えているわけではあるまいな?」


「嫌、違うぞ。エスフィール!ただ、俺はヒスイが女だったら俺の理想の女性だったなと考えていただけだ」


コツンと手刀で軽く叩かれた。以前の様な激しい攻撃も最近では減ってきた気がする。


「じゅ、充分変な事を考えてるではないか、この変態勇者。まったく、同じ本当にまったく」


エスフィールは顔を赤くして先に入国門の中へ入っていった。


「では、我々もそろそろ行きましょうセツ君」


アルディス王子がそう言って俺達を先導してくれた。


アルディス王子の説明によると『セルビア』国は東西南北に入国門と呼ばれる4つの大きい門があり『セルビア』へはその4つの入国門からしか入ることが許されていないとの事。


許されていないとと言うのは『セルビア』国は他国や他地方からの異分子が侵入出来ないように、エルフと上位精霊達で協力し。『セルビア』国全体に結果魔法を

常に展開しているらしい。

その為、『セルビア』国は別名。要塞妖精国等と言われている。妖精と要塞で響きがよく似ている気がする。


そしてようやく俺達4人‥‥‥改めて、5人は道中色々な事があったが念願のエルフと妖精の国『セルビア』へと入ることになった。


〖その国は一度。門をくぐれば幻想郷なり。


色とりどりの草木が栄え渡り。1年を通して春先の様な気候である。


エルフと妖精が手を取り合い。皆が口々に言う。


全てが完璧な国。全てが理想の国。1度は訪れ、思い出を自身の記憶に咲かせよう。〗


『冒険家・ラインバッハ・エゴル』


とガルトさんからもらった観光ガイドに書いてあるとおり。

入国門を潜ったそこはまさに別世界だった。


辺り一面が花で咲き誇り。近くにはエルフと妖精達が一緒に戯れている。


この国が内乱状態にある等と知らない誰かに言っても絶対に信じてはもらえないだろ。


それくらいに俺達が、見ている今の情景が平和そのものに見えるのだから、国の裏事情を知らなければ分からないものである。


俺達が『セルビア』国内に広がる。情景を楽しんでいる最中、1人だけ曇った顔をするアルディス王子がいた。


「アルディス王子。お顔が優れない様ですが、大丈夫ですか?」


俺は心配になり、アルディス王子に、聞いてみた。


「セ、セツさん。心配してくれてありがとう。‥‥‥いや、また国内へ戻って来てしまったと思うと気分が悪くなってしまってね、すまない」


「いいえ、お気になさらずに」


俺はそう言うと、魔法の袋から地球から持ってきたメントスを取り出しアルディス王子に渡した。


「セツさんこれは何かな?」


「俺の故郷で売ってる嗜好品のお菓子ですね。気分が乗らない時に一粒噛むと口の中で溶けてシャキッとしますよ。良かったら差し上げます」


「あ、ありがとう。では、一粒貰おうかな。えい‥‥‥こ、これは?!」


「どうしたのかニャア?アル?」


「と、とても刺激的な味だね。口の中でバチバチいっているよ。でも気に入った。ありがとう」


「それは良かったです。顔色も先程よりは良さそうですね」


「そんな事より、わっちにも寄越せニャア!アル!」


「おい、セシリア、一気に食うな一粒にしとけ‥‥‥あーあ」


そんな会話をしていると横からセシリアが来てアルディス王子のメントスを何粒も奪い一気に口にした。


「ギニャア!!!く、口の、中が痛いのニャア!!!」


セシリアが口を押さえて地面をゴロゴロしている。


「だから一粒にしとけと言ったんだよ」



そんなこんなで俺達は無事に『セルビア』国内へ入国することができた。次の目的地は隠れ妖精の里『シャナ』である。


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