魔都決戦・『殺人鬼は苦悩し狂喜する』No.1 欠損の玉座
『オアシス・中央特区』
「‥‥‥‥ここは‥‥‥『ブラック・チャペル』の大時計塔広場か?」
「カミナリ‥‥‥‥周りをあまり見るなよ。酷い有り様だから」
「酷い有り様?ルドルフさん。何を言って‥‥‥‥」
俺はルドルフさんの忠告を耳を貸さずに周囲を確認した。
「は?‥‥‥‥‥何だよこれ?」
俺は周囲を確認して絶句した。
「あああぁぁ!!私の腕がああぁ!!」
「僕の右足が無いよ!」
「俺の下半身が無い!」
「娘の目が!!」「息子の内臓があぁぁ!!」
中央特区の住民達はちゃんと生きている。生きてはいるのだ。いるのだが、欠損しているのだ。一人一人、身体の一部分の何処かが。無い、無いのだ。誰かしらの身体が欠損していた。
「オエェェェ!!!何だよ!これ!皆、生きてはいるんだよな?何で身体の一部分だけ無くなってだよ!」
俺は中央特区の大時計塔の周りに、屍累々の山が積まれていると勝手に思い込んでいた。
だが、それは杞憂に終わる。
杞憂に終わって良かったが‥‥‥‥変わりに身体に欠損により、苦しみ踠く人々の姿を直視してしまったのだ。
「ハハハ!良く来たな!!始めましてか?『担い手』野郎!良くも俺の配下を殺しやがったな!ハハハ!」
「‥‥‥‥‥お前が?『トルソー』の‥‥‥‥リーダーなのか?それに何で自分の部下が殺られたのに楽しそうにしてるんだ?」
「楽しそうだぁ?そりゃあ、目的地の案内人がのよう!このことと2人もやって来てくれたんだぜ!これが楽しくならないで何だってんだ?『担い手』!!!」
俺はふと、『殺人鬼』が座っている玉座の様な椅子を凝縮した。
「『殺人鬼』!!‥‥‥‥‥お前!!!その椅子‥‥‥‥人の肉塊か?」
「あん?何だ?もう気づいたのか?担い手。お前、良く見えるタイプか?ハハハ!それは良い。そうだぜ!俺の能力でここの奴等を生きたまま肉塊の塊にしてやったんだ!どうだ?綺麗だろう?俺の至高の作品だろう?」
コイツは‥‥‥‥‥色々な意味で狂ってやがる!
俺がそう思いながら、『殺人鬼』に向かおうとした時。
「ジャック!!!!!貴様!!!『オアシス』の民に何足る事を!!!」
ルドルフさんが『殺人鬼』に向かって大槌を振り上げるが‥‥‥‥‥
「何だ?老いぼれ。今、俺は『担い手』と離してるんだぜ!!爺さん!!神●魔法『ポグロム・ジャンク(壊れた迫害)』」
『殺人鬼』の放った短剣がルドルフさんの心臓目掛けて放たれた。俺は魔眼を発動していた為、分かる。あの短剣には即死級の毒の魔力が付与されていることに。
(不味い!ルドルフさんが死んじまう!!転移魔法は間に合わない‥‥‥‥‥なら!)
「使わせてもらうぞ!アテナ様!貴女に貰った力!蘇生魔法『肉体創造』」
蘇生魔法
七聖―女神―アテナ様の権能が一つ。
蘇生する相手の肉体さえ無事ならば、肉体の欠損、仮死状態、精神体や肉体の復元等が可能な魔法。
誰もが欲しがる様な能力だが、この能力にも制限はある。蘇生する対象の肉体が存在しなければ蘇生魔法は行使する事ができないという事。
「ぐうぅぅ?!俺の心臓に短剣が?」
グサリッ!
「ハハハ!!老いぼれは早く逝っときな!!爺さんよう!先ずは1人だぜ!!」
「お前はジャマなんだよ!『殺人鬼』!!『ロンギヌス』!!」
「了解しました。『パーシヴァル・レンス』」
『ロンギヌス』は彼女を擬似的に喚ぶ。
それはあり得ない召喚術。
異界とを結ぶ。魔方陣が刻まれる。
七の秘宝『ロンギヌス』を守りし一族。パーシヴァル一族を。
ブオン!!!
「はっ?何処ですか?ここ?」
「はぁ?何でここにパーシヴァル卿が?」
「前『ロンギヌス』の防人よ、私を使い時を稼いで下さい」
「はい?何でここに所在不明だった『ロンギヌス』が?それに何で彼がいるのです?」
「では、行きます!パーシヴァルの子よ!聖槍」
「解放?!!何で私があぁぁ!!!」
「何だ?女!!何処から現れた!!殺すぞ!!おい!ハハハ!!」
『ロンギヌス』の活躍の為にパーシヴァルに出てきてもらいました。
ロンギヌスの話しにパーシヴァルは欠かせませんので。




